1月5日〜11日のドイツのニュース



1月5日(月)

EU対ギリシア オイロ使用地域への残留は「撤回できない」

EU委員会は、ギリシアがオイロ使用を止めるかどうかに関する議論
には、参加するつもりはない。EU広報はブリュッセルで、同委員会
はEU経済委員ピエール モスコヴィチの最新の発言以外には、今の
ところ述べることは何もない、と述べた。重要なのは、ギリシアの
有権者が、1月25日の国会議員選挙での投票であって、ギリシアが
オイロ使用を中止するなどの今後の道筋に関して、同意委員会は観
測を述べることはない、とも語った。条約によれば、オイロ使用国
はそれを破棄することはできないことになっている、とも述べた。
モスコヴィッチは12月末に、ギリシアの有権者および政界の指導者
の広範な支持が、経済成長を促す必要な改革の路線が、オイロ使用
地域の内部でギリシアが再び繁栄できる上では、重要である、と述
べていた。

     その他のニュース

オイロ安は続く 2006年初めから最低の水準

ギリシア情勢が不確実で、ヨーロッパ中央銀行が資金供給を拡大す
る見通しであるため、オイロはここ9年で最も安い水準になった。
今週の取引開始1時間の為替相場では、1オイロが1.1864ドルにまで
値下がりした。これは2006年3月以来の低価格である。ただしオイ
ロは最後胃は若干持ち直して、1.20ドルの基準をはっきり下回るが
1.1938となり、これは2010年夏の状況を下回っている。取引関係者
はこの原因として、ヨーロッパ中央銀行の資金政策で新たな損失が
生じたことと、ギリシアの情勢を挙げた。ギリシア選挙まで3週
間、同国がオイロ使用地域を離脱する稼働かをめぐる議論が、再燃
している。

ベルリンで反ユダヤ主義の攻撃

ベルリンでは新年の夜に、ユダヤ教の男性信徒1人が攻撃を受け
た。この26歳の男性は、地下鉄で7人ほどの若者を見たとき、反ユ
ダヤ主義的な言葉を投げつけられた、とベルリン警察の話として報
じられている。それによれば、彼はこの集団に、そんなことを止め
るようにもとめ、この後継を携帯電話で撮影した。彼らはその後、
この撮影した映像を消すように迫った、とのことである。この男性
が拒否すると、彼らは彼につばを吐き、踏みつけた。その際被害者
は、頭部に打撲傷と裂傷を受けた。ベルリン市刑事局の警察国家保
護局が、捜査を開始した。

リビア沖でギリシア油送船が空爆を受け2人が死亡

リビア沖で油送船が空爆を受け、ギリシアの発表によれば、乗組員
2人が死亡した。ギリシア沿岸警備隊は、さらに2人の乗組員が負傷
した、この重大な事件が起きたのは日曜日である、と発表した。数
ヶ月前から北アフリカの同国で、覇権を争っている組織のうち、ど
れがこの攻撃を行なったのかは、今のところ不明である。ギリシア
の船会社が保有し、リベリアの旗を掲げる油送船「アラエヴォ」
は、港町デルナ沖に停泊していた。合わせて26人の乗組員は、ギリ
シア、ルーマニア、フィリピンの出身である。デルナはイスラーム
教徒急進派の拠点である。




1月6日(火)

ギリシアのオイロ使用中止をめぐる議論が続く

ギリシアがオイロ使用を中止するかどうかをめぐる議論で、ドイツ
首相アンゲラ メルケルの態度に対する批判が大きくなっている。
オーストリア財務大臣ハンス イエルク シェリングは、新聞のイ
ンタヴューの中で、メルケルは他国の選挙戦に介入し、ギリシアの
左派の指導者アレクシス ツィプラスの発言を、過剰に解釈してい
る、と非難した。ドイツ緑の党の会派長アントン ホーフライター
も、明確に批判した。彼はドイツ政府に、事前に威嚇の言葉を発す
る代わりに、ギリシア選挙の結果を待ち、その結果を尊重するよう
に求めた。政府筋の情報によれば、ギリシアのオイロ使用地域から
の離脱は、首相メルケルにとっては、言及してはいけない話題では
なくなっていることが、週末には明らかになっていた。これに関す
る議論が起きたのは、「急進左派連合SYRZA」が1月末の国会議員選
挙に勝利する十分な可能性がある、と見られているためである。同
党首ツィプラスは、厳しい支出削減の撤回と、諸外国の債権者に負
債の減免を求めている。

     その他のニュース

元首相シュミットとシュレーダーは反イスラーム教徒連合に警告

新聞インタヴューの中で、元首相シュミットとシュレーダーは、イ
スラーム教に批判的な連合「ヨーロッパのイスラーム教化に反対す
る愛国的ヨーロッパ人Pegida」に、警告を発した。シュミットは、
この運動はぼんやりした偏見、外国人敵視、不寛容に訴えかけてい
るが、ドイツは世界に開かれ、寛容な態度を持ち続けなければなら
ない、と述べた。彼の次の首相シュレーダーは、異質なものを敵視
する動きに対して、「しっかりした人々が立ち上がる」よう求め、
正統と教会が、この連合をはっきり拒絶していることを賞賛した。
ドイツのいくつかの年では、月曜日朝に、数万人がますます大きな
不寛容と世界に開かれた態度を求めて、デモを行なった。全国的に
この連合に対する抗議が増加しているにもかかわらず、ドレースデ
ンでは1万8千人ほどが、ドイツのイスラーム教化に反対すると称し
て、いわゆる「月曜日のデモ」に参加した。

自民党は集会で「反イスラーム教徒連合」と
「ドイツのための選択」を攻撃

自由民主党党首リントナーは、シュトゥットガルトで開かれた、主
の公現の祝日の集会で、「ヨーロッパのイスラーム教化に反対する
愛国的ヨーロッパ人Pegida」と、明確な一線を画した。この連合は
数週間前から、ヨーロッパのイスラーム教化に反対すると称して、
抗議活動を繰り広げている。リントナーは、1千4百人の自由民主党
支持者を前に、彼らの要求の中には、反西洋的な思想と、全ての少
数派に対するルサンチマンを混ぜ合わせている、と述べた。これに
関連して彼は、「ドイツのための選択AfD」党も批判した。同党の
幹部たちは、先日「ヨーロッパのイスラーム教化に反対する愛国的
ヨーロッパ人」の集会を訪れていた。自由民主党は、連邦議会で議
席を失ってから危機に落ち込んでいるが、オイロに批判的な層を代
表する「ドイツのための選択」は、選挙が行われる際にはいつも自
由民主党から有権者を奪っていた。主の公現の集会に関して、自由
民主党は再び拘留するために、前兆が得られるよう期待している。
そのために同党は、政策の中心議題として、減税を取り上げる方針
である。

米国では新たに選ばれた国会が活動を開始

ワシントンでは火曜日に、11月に選挙があった国会が、会議を開始
する。上院と下院で別々に会議を開き、新人議員と再選された議員
が宣誓する。両院では、野党共和党が多数派となった。保守派の同
党は既に、大統領オバマの移民政策およぼ健康保険制度改革に抵抗
する、と予告していた。オバマの政権運営はますます困難になる
が、オバマは議会が法律を制定するのを停止することができる。大
統領の拒否権を投票で覆すためには、3分の2の多数が必要である。




1月7日(水)

パリの風刺雑誌が襲撃を受け12人が死亡

イスラーム教徒に批判的なフランスの風刺雑誌「シャルリー エブ
ド」が、パリで襲撃を受け、警察の発表によれば、少なくとも12人
が殺された。司法筋の情報によれば、犠牲者の中には4人の風刺画
家シャルブ、ウォリンスキー、カブ、ティグヌスが含まれている。
警官2人も殺害された。少なくともその他に、7人が負傷し、うち
4人は重傷である。フランス内務大臣ベルナール カズヌーヴによ
れば、3人の犯人がこの攻撃に加わった、と発表した。捜査員によ
れば、犯人たちはカラシニコフ銃とロケット砲で武装して、編集室
に押し入った。目撃者によれば、彼らは「アラーは偉大である」と
数回叫んでいた。フランス大統領フランソワ オランドは、ただち
に犯行現場に赴いた。最初の態度表明で彼は、これは「テロ攻撃」
である、と述べた。彼は緊急閣議を招聘した。パリおよびその周辺
に、最高度の警戒が発令された。ドイツ首相アンゲラ メルケルは
オランドに電報を打ち、この犯行はフランス国内の安全に対する攻
撃であるばかりではなく、私たちの自由で民主的な文化の中心要
素、意見発表および報道の自由に対する攻撃であり、何を持っても
正当化できない、と書いた。米国大統領バラック オバマも、この
攻撃を非難して、米国はフランスが犯人に適切な罰を与えるのを支
援する、と予告した。
「シャルリー エブド」の最新号は、作家ミシェル ウエルベック
の新しい小説「スーミッション(屈服)」を取り上げている。この
小説はイスラーム教が支配するフランスを描いている。これに対し
て、イスラーム挙とによる激しい抗議が起きていた。

     その他のニュース

イエメンの首都サヌアで大きな自動車爆弾攻撃

イエメンの首都サヌアの中心部で、警察学校が自動車爆弾によって
激しい攻撃を受け、少なくとも30人が殺害された。20人以上が負傷
した、と治安部隊は発表した。当局は、はっきりした数字は当初発
表しなかった。爆発の時点では、警察学校は採用式をおこなってい
たので、多くの人が集まっていた。今のところ、この攻撃を行なっ
たと発表したものはいない。アラビア半島南部の同国では、治安状
況は数年前から緊迫している。

シリアが初めて難民を最もたくさん出した国になる

国連の発表によれば、世界各地での難民と追放者の数は、新記録に
達した。2014年半ばまでに、国連難民高等弁務官事務所は、
5,670万人の難民および国境内部での追放者が記録されており、こ
れは第二次世界大戦終結後にはなかった数である。同事務所はジュ
ネーヴで、昨年前半だけで、550万人が、災害ないしは紛争が原因
で故郷を離れ、そのうち140万人は国境を越え、その他の人たちは
国内に留まっている、と発表した。その報告によれば、最も多くの
難民が出たのは、シリアで、アフガニスタン、ソマリア、スーダ
ン、南スーダンがそれに続いている。レバノンととヨルダンは、自
国民の数と比較して、最も多くの難民を受け入れている。

ドイツ政府はトルコでの国防軍の活動期間を延長

ドイツ閣議は、国防軍のトルコでの活動を1年間伸ばし、2016年末
までに延長した。国防軍は2013年初めから、兵士とペイトリオット
型ミサイルの迎撃設備2基を投入して、NATO加盟国であるトルコ
を、シリアからのミサイル攻撃に備える防衛に参加していた。国防
軍の発表によれば、現在250人ほどの兵士が、カフラマンマラシュ
に駐留している。派遣兵士の上限は、4百人である。連邦議会が、
この活動の延長を可決することが必要である。




1月8日(木)

襲撃犯と見られる者たちの逃走用車が発見される

フランスの風刺雑誌「シャルリー エブド」を襲撃した実行犯と見
られるものたちの捜査で、警察は、2台の逃走用の車のうち1台を、
北フランスで発見した。ガソリンスタンドの所有者の指摘によれ
ば、治安部隊はエーヌ県のヴィレ・コトレ村に急行した。現在の所
警察がこの地域を捜索している。容疑者の中には、パリで生まれ、
フランス国籍を持つ兄弟が含まれている。内務大臣ベルナール カ
ズヌーヴによれば、この2人は犯行前には監視を受けていたが、近
々テロ攻撃を起こす兆候は、全くなかった。2人のうちの1人は、
2008年に既に、イスラーム教テロ組織を支援した容疑で、3年間の
拘留判決を受けていた。警察は、パリに残した彼らの逃走用の車の
中に、火炎瓶とジハードの旗を見つけた。3人目の実行容疑者は、
既に水曜日、警察に出頭した。彼は自分が無実である、と断言して
いる、とのことである。この3人の周辺からは、さらに7人が警察の
監視を受けていた。「シャルリー エブド」襲撃では、水曜日に
12人が死亡し、その中には同誌の絵描きの他、編集長ステファヌ 
シャルボニエが含まれていた。11人が負傷し、そのうち4人は危篤
状態である。

     その他のニュース

フランスは黙祷で襲撃の犠牲者を追悼

フランス全土で黙祷が行なわれ、風刺新聞「シャルリー エブド」
襲撃事件の犠牲者を、追悼した。全国で人々は、水曜日に殺害され
た12人に弔意を示すために、昼の12時に仕事の手を止めた。黙祷が
おこなわれたのは、官庁、企業、学校などで、さらに人々は沈黙し
ながら広場や、パリの「シャルリー エブド」の編集室前に集まっ
た。フランス大統領オランドは、パリの警察管区で開かれた黙祷に
参加した。あちこちのバルコニーや広場では、人々は、水曜日と同
様、連帯を示すために、「ジュ スイ シャルリー(私はシャルリ
ーだ)」と書かれた紙を高く掲げた。沈黙を遮ったのは、パリのノ
ートル・ダム大聖堂など、教会の鐘だけであった。同様の集会は、
ブリュッセルのヨーロッパ議会前や、ベルリン外務省前でも開かれ
た。ベルリンの日刊紙の多くも、「シャルリー エブド」に連帯の
姿勢を示し、風刺画あるいは雑誌の大見出しを作っていた。

パリで警官を狙った発砲事件

パリで風刺新聞「シャルリー エブド」が襲撃されて1日、同市南
の郊外で1人の男が、警官たちに機関銃で発砲した。女性警官1人
が、銃撃を受けたすぐ後に死亡した。同市清掃部の職員1人が負傷
し、危篤状態である。犯人は逃走中である、と内相カズヌーヴは犯
行現場で発表した。この銃撃事件はパリの南にあるポルト ド シ
ャティヨン近郊で起きた。警察によれば、防弾チョッキを着て、速
射銃を持った男が、事故現場に呼び出された警官たちに発砲した。
その後この男は、警官たちの背後から射撃した。銃撃の理由は今の
ところ不明である。捜査陣は、現在のところ、水曜日の「シャルリ
ー エブド」襲撃との「はっきりした関連」はない、と述べてい
る。

EUはウクライナに軍事支援を約束

EU委員会はウクライナに対して、18億オイロの追加支援を行なう方
針である。中期貸付金の形をとったこの計画は、ウクライナが国際
収支と国家財政の状況が、弱体化しているため、経済的および財政
的に支援をおこなうためのものである、と同委員会は発表した。こ
の計画を自死するためにには、EU議会とEU加盟国の賛成が必要であ
る。ベルリンでは、ウクライナ首相ヤツェニュクは、ドイツ首相メ
ルケルとの会談を前に、ドイツがさらに財政支援をおこなうように
要請した。水曜日にはドイツは、ウクライナに対して総額5億オイ
ロ信用保証を与えていた。メルケルは、ウクライナ危機の中で行な
われている対ロシア制裁の解除は、具体的な条件が満たされるかど
うかにかかっている、と述べた。彼女はヤツェニュクとの会談後
に、ロシアが併合したウクライナのクリミア半島を視野に入れて、
前進が必要であり、現時点ではわずかな期待しかない、と述べた。
その他の制裁を解除するためには、ミンスク条約が完全に実施され
なければならない、とも述べた。




1月9日(金)

パリで新たな人質事件

「シャルリー エブド」襲撃犯と見られる2人は、パリの北東部に
ある印刷所にいて、警察に取り囲まれているが、この兄弟の共犯者
の可能性のある男が、パリのユダヤ人商店に押し入り、少なくとも
5人を人質に取った。ポルト ド ヴァンセンヌでのこの攻撃で
は、少なくとも2人が殺害された、との報道があるが、内務省広報
はこれを否定している。この商店周辺地域は封鎖され、この地域の
学童は学校の建物からでることが認められず、ポルト ド ヴァン
センヌを通る市内高速道路は通行禁止となった。この人質事件を起
こしたは、木曜日のパリ南部の郊外で、女性警官1人を射殺した男
と見られている、とAFP通信が報じている。捜査筋の情報によれ
ば、この人質犯と「シャルリー エブド」の攻撃犯と見られる者た
ちは、お互いを知っている。印刷所に立てこもっている兄弟は、少
なくとも1人を人質にしている。

     その他のニュース

パリ攻撃を受けガオクは団結を呼びかける

フランスの風刺新聞「シャルリー エブド」が、おそらくイスラー
ム教の背景を持つ攻撃を受けたことに対して、ドイツ大統領ガオク
は、ドイツ社会が団結していることを思い起こさせた。彼はベルリ
ンで開かれた新年のパーティで、民主主義はテロよりも強力である
と確信しており、「この凶行は私たちを震撼させるが、私たちの確
信を揺るがすことはない」と述べた。重要なのは、様々な市民が結
びつくことであり、憲法、法治主義、人間性に対する支持を持ち続
けることであり、ここ数日間、キリスト教徒、イスラーム教徒、ユ
ダヤ人を含め数十万人が、それに尽力している、とガオクは述べ
た。

サウジアラビアでインターネット上で発言した人がむち打たれる

サウジ・アラビアでは、イスラーム教のいわゆる侮辱を行なったと
して、人権活動家でインターネット上で発言するバダウィが、公の
場でむち打ちを受けた。目撃者の話によれば、30歳の彼は、イスラ
ーム教の金曜日の祈祷後に、ジッダにあるジャーファリ・モスク近
くで、50回のむち打ちを受け、多くの信徒がこれを黙ってみてい
た。2012年に逮捕されたバダウィは、11月に、20年間の収容所収監
と、1千回のむち打ちという有罪判決を受けた。彼は20回にわたり
50回のむち打ちを受けることになっている。バダウィは、インター
ネット上に「自由サウジ ネットワーク」というサイトを開設し、
2014年には「国境なき記者団」の賞を受けていた。彼はこのサイト
で、サウジアラビアの宗教警察などを批判した。極めて保守的なサ
ウジ・アラビア王国では、イスラーム教が特に厳格に解釈されるの
が常である。

スリ ランカに新大統領が誕生

南アジアの島国スリ ランカの大統領選挙で、予想外の勝利を収め
てから数時間、元厚相シリセナが新大統領として宣誓した。野党が
連合して立てた候補者であるシリセナは、予想に反して、51.3%の
支持を受け、長年にわたって大統領を務めているラジャパクサを、
はっきり破った。新大統領は火曜日に、教皇フランツィスクスを、
最初の国賓として歓迎することになる。




1月10日(土)

テロが終わりフランスは安堵

フランスでは、ここのところの連続テロが終わったことに安堵が広
がっている。警察は金曜日に、2件の出撃を行ない、イスラーム教
徒の犯人3人を殺害したが、彼らは風刺雑誌「シャルリー エブ
ド」の編集員数人を含め、17人を殺害していた。現在明らかになっ
ているのは、このテロリストたちは、お互いに連絡を取り合い、行
動を調整していた、ということである。現在捜査陣は、背後に潜ん
でいる男たちがいないか、捜査を続けている。編集室を襲った2人
の男の片方は、2011年にイエメンに滞在していた。そこで支持を受
けていた可能性がある、とのことである。テロ民兵「イスラーム教
国IS」もアル カーイダも、フランスおよびその他のヨーロッパ諸
国を、さらに襲撃すると威嚇している。日曜日には、ヨーロッパ各
国の首脳多数がパリに集まり、攻撃の犠牲者たちの追悼行進に参加
する意向である。ドイツ首相アンゲラ メルケルと内務大臣トーマ
ス デ メズィエールも、出席すると約束した。

     その他のニュース

パキスタンのモスクが襲撃を受ける

パキスタンのラワルピンディ市で、シーア派のも数が爆弾で攻撃を
受け、少なくとも6人が殺害され、15人が負傷した。この犯行は、
自殺攻撃犯による者で、この男は金曜日の祈祷の時間に、このモス
クを訪問しようとしていた。ただし爆弾は、建物の入口周辺で早く
も爆発した。今のところこの犯行を行なった、と発表したものはい
ない。過去数年では、タリバーンの戦闘員とアル カーイダの支持
者によって、シーア派が襲われ、死者が出る襲撃事件が、繰り返し
起きている。タリバーンは12月中旬には、ペシャワルの学校で、大
量殺戮を行ない、140人以上を殺害したばかりであった

EUはサウジ・アラビアのインターネット発言者のむち打ちを非難

EUは、イスラーム教に批判的なサウジ・アラビア人バダウィが、イ
ンターネット上で発言したことで、公開のむち打ちを受けたことを
非難した。EU外務委員モゲリーニの広報は、この処刑は容認でき
ず、人間の尊厳に反している、と述べた。ドイツ政府も、サウジ・
アラビアに、基本的な人権を尊重するように、要請した。国際アム
ネスティの発表によれば、バダウィは、首都ジッダで、50回のむち
打ちを受けた。30歳の彼は合わせて1千回のむち打ち、10年の拘
留、約20万オイロ相当の罰金を言い渡されていた。裁判官の見解に
よれば、バダウィは、自分のサイトで、同国の宗教裁判所を批判し
たが、これはサウジ・アラビアでは「イスラーム教の侮辱」に分類
される。

米国下院は問題の石油輸送管建設を可決

米国下院は、油送管「キーストーンXL」の建設を、賛成多数で可決
した。総延長1千9百キロの油送管は、石油をカナダからテキサスに
輸送し、その後そこで箇国するためのものである。この計画には異
論があるが、それは環境に対影響が懸念されているためである。来
週には上院が、この油送管建設に関して投票を行なう方針である。
上院でも、多数の賛成が確実と見られている。大統領オバマは既
に、この計画の全ての争点が集中的に検討されない間は、この建設
に関する法律に、拒否権を発動する、と予告している。




1月11日(日)

数百万人がパリのテロ犠牲者を悼む行進

パリでは、イスラーム教徒の連続襲撃事件の犠牲者17人を悼み、数
十万人が参加して、「共和国行進」が始まった。戦闘には犠牲者の
家族が沈黙して行進し、続いてフランス大統領フランソワ オラン
ドを含む政治家が続いた。50を超える国々から参加者があったが、
その中にはドイツ首相アンゲラ メルケルとその他のEU加盟国の首
脳のほか、イスラエル首相ベンヤミン ネタニヤフ、パレスチナ人
大統領マハムード アッバス、ロシア外務大臣セルゲイ ラヴロ
フ、ウクライナ大統領ペトロ ポロシェンコが含まれている。教
会、労働組合、政党、報道機関、組織の代表多数も、これに参加す
るつもりであった。行進が始まる数時間前には、早くも数千人が共
和国広場の方向に押し寄せていた。集会は厳戒態勢の下で行なわれ
ている。2千2百人ほどの治安部隊が動員され、私服警官がデモ隊に
は混ざっており、屋根には狙撃兵が配備された。パリでの追悼行進
の他、他の年でも数万人のフランス人が路上に繰り出した。前日に
も全国で70万人が、先日の犠牲者17人の追悼集会に参加していた。
イスラーム教徒急進派が水曜日、風刺新聞「シャルリー エブド」
を攻撃し、12人を殺害していた。金曜日には別のイスラーム教徒
が、パリのユダヤ人笑点で、4人を殺害した。犯人は全員、警察に
殺害された。この犯人たちの共犯者の捜査は、今も続いている。

     その他のニュース

EU内相はEU外との境界の監視を強化する方針

EU加盟各国の内相は、テロ組織との戦いの中で、シェンゲン地域と
外部との境界での監視を強化し、飛行機の旅客の情報に関するヨー
ロッパの協定を作るよう、主張する方針である。ドイツ内相デ メ
ズィエールは、EU内相数人および、米国およびEUの高官とパリで会
談し、ヨーロッパと外部の境界にいる国境警備兵は、危険人物、テ
ロリスト、紛争地域に向かおうとしている旅行客が、自分の前にい
ることを、わきまえていなければならない、と述べた。いわゆる危
険人物、つまり暴力をいとわぬイスラーム教徒の名簿を共有するこ
とが、それ以外に考えられる対策である、とも語った。フランス内
相カズヌーヴが、風刺新聞「シャルリー エブド」をイスラーム教
徒が襲撃し、12人の死者が出た後、パリに招いた閣僚たちは、飛行
機旅客情報に関するヨーロッパの協定を、早期に結ぶことに賛成し
た。この協定は今まで、EU議会の反対で成立していなかった。この
会議には、英国、ポーランド、オーストリア、イタリア、スペイ
ン、スウェーデンの内相が参加したほか、EU内務委員アヴラモプロ
ス、EUのテロ組織対策調整官デ ケルホフも出席している。米国か
らは、法相ホールダーが向かっている。ヨーロッパと米国の秘密情
報部の協力を強化する必要性が、強調された。

パリ襲撃はヨーロッパ攻撃の幕開きかもしれない

米国の情報によれば、フランスの襲撃事件が、ヨーロッパ全体の波
状攻撃の始まりかもしれない。これは米国秘密情報筋の情報とし
て、「ビルト紙日曜版」が報じている。イスラーム教徒テロ民兵
「イスラーム教国IS」の指導者たちの会話を盗聴したところ、ヨー
ロッパ各地でテロの波を予告していた、とのことである。その中で
は、パリの襲撃は、一連の襲撃の冒頭であるとされており、この攻
撃はヨーロッパの他の主要都市も標的であり、イタリアのローマの
名前が挙げられていた。ただし具体的な計画は挙げられていなかっ
た、とのことである。パリの襲撃事件の犯人が、襲撃を命じたテロ
組織網に属していたかどうかは、今なお不明であるが、パリの襲撃
犯と接触していたことを示す証拠はオランダとつながっている、と
のことである。同紙は、英国国内秘密情報部MI5は、ドイツ当局に
対して、飛行機が攻撃を受ける、と警告しており、この飛行機は爆
弾が使用され、探知機では検出されない可能性がある、と伝えてい
る。

ユダヤ人中央評議会 イスラーム教徒のテロへの対策を強化

ドイツのユダヤ人中央評議会は、国際的なテロ組織対策を強化する
よう呼びかけた。同評議会議長シュスターはベルリンで、パリ襲撃
事件は、ユダヤ人が今もイスラーム教徒のテロ組織の標的であるこ
とを、残酷な方法で示している、と述べた。この攻撃は民主主義、
報道および情報の自由、西洋的な価値観に対して向けられている、
とも語った。彼は、イスラエルの人々は、長年にわたりこの脅威に
さらされているのだ、ということを思い起こさせた。フランスでは
大統領オランドは、パリでの沈黙を守った行進が始まる数時間前
に、同国のユダヤ人社会の代表を迎え、その席上ユダヤ人組織を統
括する団体Crifの議長キュキエルマンに、緊急の場合には、ユダヤ
人学校やシナゴーグに、警備のために軍を派遣する、と約束した。
襲撃犯の1人は金曜日、ユダヤ教の掟に基づく食料品を扱う商店
で、数人を人質に取り、うち4人を殺害していた。




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