1月12日〜18日のドイツのニュース



1月12日(月)

フランスではユダヤ人施設が保護下に

フランス警察は、イスラーム教徒テロリストの支援者の捜査を続け
ている。首相マヌエル ヴァルスは、フランスのテレヴィ局BFMTV
に、共犯者がいることには疑いがないと述べ、テロ組織との戦いで
新たな措置をとる、と予告した。刑務所にいるイスラーム教徒を独
房に入れる、とのことである。ヴァルスは、フランスの安全状況は
変わっていない、と見ており、そのため最高度のテロ警戒態勢が続
いている。内務大臣ベルナール カズヌーヴは、同国にあるユダヤ
人施設を守るために、4千7百人の警官と地方駐在警官の出動を命じ
た。その他に、派遣される兵士が増員される、とのことである。日
曜日には少なくとも370万人が、イスラーム教徒の攻撃の犠牲者
17人を追悼する行進に参加した。パリでの追悼行進には、世界の40
ほどの国の首相が参加し、その中にはドイツ首相アンゲラ メルケ
ルも含まれていた。

     その他のニュース

ガオクはテロに対する警告

連邦大統領ガオクは火曜日にベルリンで、寛容と世界に開かれた態
度を求めるため、警告所を訪れ、そこで演説を行なう意向である。
連邦大統領府広報がこのように述べ、「シュピーゲル」がインター
ネット上報じた情報が正しい、と確認した。パリのテロの犠牲者に
対する追悼集会には、ドイツのイスラーム教徒中央評議会、ドイツ
・トルコ連合Ditib、在ベルリン・トルコ協会に参加するように呼
びかけが行なわれた。ブランデンブルク門のところで18時に始まる
このデモには、連邦首相メルケル、閣僚数人、各政党と会派の代表
が参加する方針である。

NATOはウクライナ東部で若干の緊張緩和が起きていると見る

NATO事務長ストルテンベルグは、ウクライナ東部背緊張緩和が進む
兆しがある、と見ている。ストルテンベルグは「ヴェルト」紙に、
紛争地域には今なお、分離独立派を支持するロシアの軍人がいる
が、戦闘能力は最近では若干低下している、と述べた。ただし東ウ
クライナ情勢は、「今なお不安定で厳しい」、とも語った。ウクラ
イナ政府軍と、同国東部の親ロシア分離独立派の間では、9月以
降、停戦に関して合意が成立しているが、これは再三破られてい
る。月曜日には、ドイツ、フランス、ウクライナ、ロシアの外相が
集まり、ウクライナ危機について協議する。

韓国と北朝鮮は接近

韓国と北朝鮮は、緊張を続けているが、歩み寄りを見せている。韓
国大統領パク ク ネは、北朝鮮の権力者キム ジョン ウンとの
会談に向け、条件を付けず受け入れる方向を示した。北朝鮮の核計
画を終わらせるのが、韓(朝鮮)半島平和に関する対話の、重要議
題である、とパクはソウルでの記者会見で述べた。キムは1月1日
に、パクと直接対話をする用意がある、と表明していた。韓半島が
70年前に分断されて依頼、両国の最高権力者会談はわずか2度、
2000年と2007年に開かれただけであった。




1月13日(火)

パリ襲撃の犠牲者を悼む感動的な追悼式

イスラエルとフランスでは、時を合わせて、公式の追悼式をおこな
い、イスラーム教徒によるパリでのテロ攻撃の犠牲者に、別れを告
げた。イスラエル大統領ルーヴェン リヴリン、首相ベンヤミン 
ネタニヤフおよび多数の政治家を含め、イスラエルでは数千人が、
殺害されたユダヤ人4人を追悼した。金曜日にはこのお琴たちは、
パリ東部の(ユダヤ教の掟に則った)コシェル製品を扱うスーパー
マーケット、人質犯によって射殺された。この班員は、ジハード主
義者組織「イスラーム教国IS」に属している、と見られている。追
悼に参加した人の中で、被害者の家族たちは、伝統的なユダヤ人の
死者を悼む祈りカディシュを唱えている。リヴリンは緊急に、ユダ
ヤ人がナチのホロコーストから70年たっても、(ユダヤ式の帽子)
キッパをヨーロッパの路上でかぶるのに、不安を抱かなければなら
ない、という事態は容認できない、と警告した。
パリでは住民たちは、殺害された警官の追悼を行なった。この警察
管区で開かれた集会には、大統領フランソワ オランドおよびその
他の政府高官が出席した。オランドは死者たちに、フランスの(最
高勲章)レジオン ドヌールを、死後に与え、この勲章を安置され
た警官の棺のところに置いた。「彼らは、私たちが自由に暮らせる
ように、死亡した」と彼は述べた。風刺雑誌「シャルリー エブ
ド」の編集部が襲撃を受け、イスラーム教徒の警官1人と、対人保
護担当として派遣されていた警官1人が殺害された。同市南部で
は、スーパーマーケットの人質犯が、警官に射殺されていた。
先の水曜日の「シャルリー エブド」の襲撃後の最新号が発行さ
れ、モハメドの絵が、雑誌名の所に描かれていた。1ページ目に
は、イスラーム教の預言者であるモハメドは、「私はシャルリー」
との表示を掲げた姿が得られている。同誌は水曜日に、記録的な発
行部数3百万部が市場に出る。

     その他のニュース

デ メズィエールはイスラーム教徒の責任を訴える

連邦内相デ メズィエールは、ドイツにいるイスラーム教徒が、イ
スラーム教徒急進派との戦いに参加するように呼びかけた。若者が
ザラフィストによって、急進化され、モスクの中で憎しみを植え付
けられるのを、阻止しなければならない、とベルリンでのドイツ・
イスラーム教会議の一環として行なわれた討論会の冒頭で、彼は述
べた。「そのために私たちは、平和を愛するイスラーム教徒全ての
協力も必要としている」とキリスト教民主同盟の政治家である彼は
付け加えた。また彼は、ドイツ全体では、イスラーム教徒の大多数
は、パリでのイスラーム教徒による襲撃後も、イスラーム教の名前
で行使される憎しみと暴力は、正当化されない、と明確にしてい
る、と賞賛した。火曜日夕方には、イスラーム教徒組織は、ブラン
デンブルク門のところでの黙祷の通夜を呼びかけ、これには連邦大
統領ガオク、首相メルケル、連邦議会に議員を送っていする政党全
ての幹部が出席する意向である。

暴力をいとわないザラフィストが出国するのを阻止することに

連邦政府は、身分証明書法を修正し、ザラフィストたちがシリアや
イラクなどの戦闘地域に出国するのを阻止する方針である。専門家
の見解によれば、ドイツに帰国してきた者の中には、特に危険があ
る。報道によれば、今までに少なくとも20人のイスラーム教徒が、
ドイツの旅券を剥奪されたにもかかわらず、戦闘地域に向けて出国
した。「ヴェルト」紙および「夕刊ハンブルク」紙は、潜在的なジ
ハード主義者は、EUを横断して陸路を利用し、その後トルコを経由
してシリアに移動している、と報じている。このためには、身分証
明書が十分効力を持っている。旅券法の修正案は、水曜日に閣議に
持ち込まれる。それによれば、容疑者は今後は、旅券だけでなく、
身分証明書も差し出さなければならない。

プーチンはアウシュヴィッツ追悼式に招待されない

ロシア大統領プーチンは、アウシュヴィッツ強制収容所解放70周年
に、ポーランドに向かうことはない。彼の広報ペスコフは、プーチ
ンはこの記念式への招待を受けていない、とも述べた。ロシア軍の
兵士たちは、1945年1月27日に、当時占領下にあったポーランド
で、ナチのアウシュヴィッツ絶滅収容所を解放した。この式典に
は、各国の首脳が多数参加する方針である。準備を任せられていた
人物は、ロイター通信に、ウクライナ紛争のため生じている、意見
の対立がその背景にあり、ポーランドでは、プーチンを招待すれ
ば、国内政治への影響があるのでは、と懸念されている。




1月14日(水)

イエメンのアル カーイダが「シャルリー エブド」襲撃を表明

テロ組織イエメンのアル カーイダが、フランスの風刺新聞「シャ
ルリー エブド」を襲撃したことを認めた。1週間前に起きたこの
事件では、12人が殺害されていた。インターネット上で公表された
映像で、この組織は、編集員の殺害は、同紙が風刺画の形で、預言
者モハメドを侮辱したことに対する報復である、と表明した。彼ら
は、襲撃を計画し、資金を集め、目標を選び出し、この襲撃は、ア
ル カーイダの首領アイマン アル・ザワヒリの命令に応えて行な
われた、とも述べた。犯人の1人は、アル カーイダのイエメンに
ある訓練施設にいた、とのことである。スンニ派急進派に属するこ
の組織は、情勢が不安定なイエメンを、特に退却したり、新兵を集
める拠点として利用している。襲撃を受けた風刺新聞の最初の号
は、フランスの広い範囲で、数分で売り切れた。同紙は、今までの
50倍に当たる、3百万部を発行する。表紙には、「ジュ スイ シ
ャルリー(私はシャルリー)」という札を掲げた預言者モハメドが
泣いている姿を掲載し、その上には「全ては許される」との言葉が
書かれている。

     その他のニュース

メルケルはウクライナ危機首脳会談の準備を進める

連邦首相メルケルは基本的には、ウクライナ危機に関する首脳会談
を進める用意を進めている。メルケルはNATO事務長ストルテンベル
グとベルリンで会談した後、事前に「実際に成果を上げる十分な期
待」が持てなければならない、それに向けて、全力を挙げて作業を
する、と述べた。準備がどれぐらいかかるかは、全ての当事者次第
である、とも語った。フランス大統領オランド、ウクライナ大統領
ポロシェンコ、ロシア大統領プーチンとの首脳会談を、早期に開け
るかもしれない、とのメルケルの期待は、月曜日午後に打ち砕かれ
ていた。4カ国の外相がベルリンで会談したが、意見の一致は見ら
れなかった。ポロシェンコの意向によれば、この首脳会談は本来で
あれば木曜日にカザフスタンの首都アスタナでおこなわれることに
なっていた。メルケルとストルテンベルグは、ロシアに協力を呼び
かけた。

イタリア大統領ナポリターノが辞任

イタリア大統領ナポリターノは辞任した、とローマの大統領府は発
表した。89歳のナポリターノは、就任後9年での辞任を、事前に予
告しており、彼の高齢と健康状態をその理由としている。首相レン
ツィは、後継者を発表しなければならない、という重圧を受ける。
後継者は複雑な手続きを経て選ばれる。融通が利かない選挙の手続
きが、いずれにせよ危機に苦しむ同国を、さらに麻痺させる懸念が
ある。ナポリターノは過去数年、イタリア政界の中心人物であり、
危機の時代にあって分断した各勢力の間で、仲介を行なっていた。

EUの判断「欧州中央銀行は原則的には国債購入が認められる」

ヨーロッパ裁判所EuGHの鑑定人の見方によれば、ヨーロッパ中央銀
行EZBは、一定の前提条件を満たせば、大量に国債を購入する権限
がある。ヨーロッパ裁判所の検事総長ビヤロンはルクセンブルク
で、これに関する中央銀行の計画は、法にかなっている、と書いて
いる。また、同銀がこのような購入の十分な根拠を示し、これが均
衡が取れていることが、その前提条件で、そのために中央銀行は、
危機にあるオイロ使用国のための改革計画には関わらないことが必
要である、と述べた。これは具体的には、緊急の場合には危機にあ
る国々が支払い能力を維持するために、国債を無制限に購入する、
との同銀の2012年の決定に関する判断である。実際には同銀はこの
「無制約財政取引OMT計画」を利用しなかった。ヨーロッパ裁判所
は、検事長の勧告に従う必要はないが、たいていの場合は従ってい
る。ドイツ憲法裁判所は、中央銀行はこの無制約財政取引計画をす
ることで、権限を逸脱するのではないか、との動議を提出したが、
同裁判所はこれを検討している。




1月15日(木)

連邦議会はパリのテロ犠牲者を追悼

連邦議会は、パリのテロ攻撃の犠牲者を追悼した。連邦議会議長ノ
ルバート ラメルト(キリスト教民主同盟)は、この攻撃は、自由
で開かれた社会に対する示威的な攻撃である、と非難した。また彼
は、畏縮することなく、意見と報道の自由を守るよう、呼びかけ
た。ラメルトは、フランス人に、国会の弔意を表明した。これに先
立ち、国会議員たちは、座席で黙祷した。連邦首相アンゲラ メル
ケルは、国民に向けて、社会の団結を強めるよう訴え、差別と排除
はドイツに存在する場所がない、と政府声明の中で述べた。また彼
女は、イスラーム教徒社会に対して、イスラーム教急進派に対する
態度を明確にするよう呼びかけた。左翼党会派長グレゴール ギー
ズィーは、「ヨーロッパのイスラーム教化に抵抗する愛国的ヨーロ
ッパ人Pegida」運動は、自分たちの目的を実現するために、攻撃を
誤用しており、これは阻止しなければならない、と述べた。また彼
は、この運動は、少数派のために発言しているが、多数派の考え方
は異なっている、とも語った。

     その他のニュース

アムネスティ「ナイジェリアはボコ ハラムにより壊滅的荒廃」

人権団体国際アムネスティは、イスラーム教徒テロ組織ボコ ハラ
ムが、ナイジェリア北部のバガ市を大規模に攻撃し、現地の「荒廃
の程度は壊滅的」である、と断言した。同団体は、バガとドロン 
バガを撮影した、攻撃前と攻撃後の衛星写真を公表した。それによ
れば、ボコ ハラムは現地で、3千7百以上の建物を破壊し、あるい
は損害を与えた、とのことである。村落の一つは4日間にわたり、
地図からほぼ完全に抹消された、とアムネスティのナイジェリア専
門家エアが述べた。彼は今回の攻撃は、テロリストによる攻撃の中
で、今までで最大かつ最も破壊的なものである、と述べた。現地の
警官によれば、1月3日以降の攻撃で、数百人が殺害された。一方、
政府は死者は150人ほどである、としている。1万1千人以上のナイ
ジェリア人が、隣国チャドに逃げ出した。アムネスティは、民間人
の意図的殺害と彼らの財産の破壊は、戦争犯罪であり、人間性に対
する犯罪である、と発表した。

「ビルト」紙 ヴォルフスブルク出身のジハード主義者の捜査

「ビルト」紙の報道によれば、連邦検察は、ヴォルフスブルク出身
のジハード主義者と見られる者に対して、国家の安全性を危険にさ
らす重大な暴力行為を用意していた容疑で、捜査を行なっている。
連邦検察はカールスルーエで、この報道を否定も肯定もしなかっ
た。同紙は、容疑者には、ドイツでの攻撃を計画しているとの疑い
が持たれており、「イスラーム教国IS」に共感する50人ほどが参加
する組織に、この男は属している、と報じている。ニーダーザクセ
ン州憲法擁護庁長官ブランデンブルガーは、同庁はドイツ国内での
「攻撃の危険に関する具体的な証拠」を得てはいない、と説明し、
ヴォルフスブルクのザラフィストの活動は、かなり以前から知られ
ており、監視を受けている、と述べた。カールスルーエの検察は、
プフォルツハイムにあるイスラーム教徒の家屋いくつかを、捜査し
たことを認めた。彼らには、国家の安全を危険にさらすような重大
な暴力行為を準備していた、との容疑が持たれている。

米国はグアンタナモの拘留者5人を釈放

米国は、キューバにある軍収容所グアンタナモから、5人の拘留者
を釈放した。4人はオマーンに、1人はエストニアに旅立った、と国
防省は発表した。イエメン出身のこの5人の男たちは、十数年前か
ら拘留されていた。大統領オバマは、2009年に就任した際に、諸外
国が問題視しているこの収容所を、1年以内に閉鎖する、と予告し
ていた。議会では法的な問題と激しい展開があり、実施が阻止され
た。先に政府は、収容者の釈放を加速していた。昨年には合わせて
28人の収容者が、釈放されていた。グアンタナモでは、112人が拘
留されている。そのうち54人が釈放され、米国はそれ以外の人はあ
まりに危険である、と見ている。




1月16日(金)

サウジアラビアのネット活動家バダウィのむち打ち刑は延期

サウジアラビアのインターネット活動家ライフ バダウィの「刑
罰」は、この金曜日に50回のむち打ちが予定されていたが、延期さ
れた。人権組織国際アムネスティは、延期をするのは、医療面での
理由が示された、と発表した。諸外国が抗議しているにもかかわら
ず、彼は1週間前にジッダのモスク前で、最初の50回のむち打ちを
受けた。バダウィはインターネット上に、意見を公の場で交換する
ための討論の場として、「サウジ・アラビアの自由主義派」という
サイトを摂理していた。「イスラーム教を侮辱した」と称して、彼
にはその容疑で、10年間の拘留と、1千回のむち打ちが言い渡され
ており、毎週金曜日の祈祷後に、50回ずつむち打たれる。カナダに
避難した妻エンサフ ハイダルは、諸外国が圧力をかけることを期
待している。

     その他のニュース

ベルギーはテロに出動したことを受け非常事態に

ベルギーでは、警察がテロを抑え込むために出動してから1年、2番
目に厳しいテロ警戒態勢が取られている。交番が特に安全対策が取
られており、ブリュッセルとアントワープのユダヤ人学校は閉鎖さ
れた。13人の容疑者が逮捕された。ブリュッセルで検事長の広報
は、逮捕されたテロ分子は、警官襲撃を計画しており、この組織は
逮捕前に、犯行に及ぶつもりである、と自白していた。捜査陣が家
捜しを行ない、警察の制服、武器、携帯電話、資金、偽造書類を押
収した。木曜日には、テロ対策特殊部隊が、アーヘンから35キロほ
ど離れたヴェルヴィエで、ある家を急襲した。それに続いて銃撃戦
が始まり、2人のテロリストと見られる者たちが殺害された。さら
に容疑者が負傷し、逮捕されたが、彼らはシリアからの帰還者であ
った、と検察は確認した。捜査陣は、ジハード主義者の電話通話を
盗聴していた。

パリ警察はテロ支援者と見られるものを逮捕

パリをイスラーム教徒が襲撃したことに関連して、木曜日夜にパリ
およびその周辺では、12人が逮捕された。警察によれば、9人が
男、3人が女で、容疑者が、武器あるいは車を犯人たちに調達した
かどうか、調査を行なっている。数軒の家屋が捜査を受けた。米国
外相ケリーは、米国政府を代表してパリを訪問を開始した。先の日
曜日には、17人のテロ攻撃の犠牲者に連帯を示す行進が行なわれ、
世界の多くの要人が参加したが、予想外にも米国政府の高官は参加
しなかった。行進が終わった後、米国政府は誤りを認めた。その後
ケリーは、風刺雑誌「シャルリー エブド」の編集室と、襲撃を受
けたユダヤ人スーパーマーケットに、花を供えた。彼はフランス外
相ファビウスと大統領オランドと、テロとの国際的な戦いについ
て、話し合った。両国は協力に力を注ぐ方針である、と後にオラン
ドは発表した。

パリ近郊では郵便局で人質事件

パリ近郊の郵便局で、1人の男が少なくとも2人の人質を取った。警
察の発表によれば、この武装した男は、パリの北西10キロほどにあ
るコロンブの郵便局に立てこもった。周辺は封鎖された。ヘリコプ
ターがーこの地域上空を飛んだ。報道によれば、この誘拐犯は犯罪
者として、警察に知られている。彼は自ら警察に電話し、手榴弾と
銃で重武装していた、とのことである。




1月17日(土)

「シャルリー エブド」風刺画に新たな抗議

ニジェールでは、「シャルリー エブド」最新号に載ったモハメド
の風刺画に対して、暴力的な抗議活動が起こってから1日、再び衝
突が発生した。首都ニアメでは、大モスク近くでデモをした若者数
百人に対して、警察が催涙ガスを使用した。当局は事前に、この集
会を禁止していた。AFP通信によれば、2つの教会が放火され、フラ
ンス大使館は、ニジェールにいるフランス人に、家から出ないよう
に呼びかけた。金曜日には既に、ニジェールのジンデル市では、激
しい暴動が起き、少なくとも4人が死亡、45人が負傷していた。激
怒したイスラーム教徒たちは、フランスの文化施設と教会3カ所に
放火していた。一部が暴徒化した風刺画への抗議活動は、パキスタ
ン、ヨルダン、アルジェリアの他、エルサレムの神殿の丘でも起き
ていた。

     その他のニュース

ベルギーのテロ分子の黒幕と見られる者を追跡

ベルギーではテロ対策が取られているが、報道によれば、捜査陣は
手入れを受けたイスラーム教徒分子の首領と見られる者を発見し
た。「ラ デルニエール ウール」紙は、米国連邦警察FBIの支援
を受けて、27歳のアバウードを追跡している、と報じた。このモロ
ッコ系のベルギー人は、ジハード主義者組織「イスラーム教国IS」
に加わっていた、とのことである。アバウードは、いくつかのISの
宣伝用映像に、姿を現している。ベルギー検察は、この報道を今の
ところ、認めても否定もしていない。反テロ活動の後、ベルギーで
は治安対策が強化された。3百人ほどの兵士が、首都ブリュッセル
とアントワープで、警察を支援して、特に危険な場所の警備に当た
っている、と首相ミシェルは説明した。

パリのテロリストは無名のまま埋葬される

パリのテロリストの1人、サイド クアシは、フランスのランス市
に埋葬された。彼は名前を記さず埋葬され、この墓地の名前は公表
されなかった。この墓が、イスラーム教徒巡礼場所になるのを阻止
するためである。彼の弟シェリフ クアシも、名前を記さず埋葬さ
れることになっている。彼の未亡人は、パリ北部のジャンヌヴィリ
エに埋葬することを認める方針である。ここはシェリフが最後に暮
らしていた場所で会った。彼女は兄弟と共に埋葬されるように力を
注いでいたが、現地の市長がこれを拒否した。クアシ兄弟は先週水
曜日に、風刺新聞「シャルリー エブド」の編集室を襲撃し、12人
を殺害していた。彼らは2日後に、警察が出動して、射殺された。

チャドで反ボコ ハラムの大規模デモ

チャドの首都ンジャナメでは、数万人が、イスラーム教徒組織ボコ
 ハラムとの戦いを支援するために、デモを行なった、とAFP通信
が伝えている。それによれば、このデモは国旗を振り、フランス語
とアラビア語で、「国内から悪の勢力を追い出そう」と呼びかけ
た。金曜日にはチャドは、南隣の国カメルーンに向けて軍隊を移動
させた。大統領デビーは、チャド湖のニジェール側にあるバガ市
を、イスラーム教徒の手から奪還するつもりである、と予告してい
た。バガ市とその周辺では、ボコ ハラムの戦闘員が1月上旬に、
数百人を殺害し、女性と子供多数を誘拐していた。




1月18日(日)

テロの危険 ドレースデン警察は月曜日の集会を全て禁止

テロの危険があるため、ドレースデン警察署長は、月曜日に屋外で
開かれる公的な集会全てを禁止した。当局は、連邦および州刑事局
の情報によれば、イスラーム教に批判的な「ヨーロッパのイスラー
ム教化に反対する愛国的ヨーロッパ人PEGIDA」のデモに関連して、
危険が生じている、と発表した。この組織は事前に、月曜日に計画
していたデモを中止していた。この組織はインターネット上で、創
設者に対して、ジハード運動「イスラーム教国IS」から殺害の具体
的な威嚇がある、と発表していた。警察に提示された情報によれ
ば、PEGIDAを組織した人々のうち、特定の個人を近々殺害するため
に、デモに密かに紛れこむよう、暗殺者に呼びかけが行なわれた。
ドイツ通信社DPAが得た情報によれば、イスラーム教徒急進派が殺
害する威嚇は、PEGIDAを組織したルッツ バハマンに向けられてお
り、これに関する証拠は、外国の秘密情報部から、ドイツ当局に寄
せられている。「シュピーゲル」誌の報道によれば、ドイツ安全当
局には、ベルリン中央駅とドレースデン中央駅に対して、攻撃がな
される可能性を示す証拠も、寄せられている。
PEGIDAは10月中旬から、ヨーロッパのイスラーム教化と彼らが考え
るものに反対して、定期的にデモを組織し、亡命法の厳格化を支持
している。先週月曜日には、警察の集計で2万5千人が、ドレースデ
ンでのデモに集まったばかりであった。

     その他のニュース

「憲法擁護庁は百のイスラーム教徒組織を監視中」との報道

連邦憲法擁護庁は、昨年からドイツ全土で、およそ百のイスラーム
教徒組織の監視を続けている。「ヴェルト紙日曜版」が、治安筋の
情報として、10人から80人ほどが参加する組織で、祈祷組織から、
インターネット上で宣伝を行なう者を通じて、献金を集めたり、帰
国したシリアで戦闘を経験した者の組織まで、様々なものである、
と報じた。まだ同紙は、具体的な襲撃計画は今のところ確認されて
いないが、憲法擁護庁は、アフガニスタン出身のイスラーム教徒の
急進派の増加に、懸念を持っている、とのことである。当局の情報
によれば、現在ドイツでは1千人ほどが、「イスラーム教徒テロリ
スト」の一部に、分類されており、そのうち260人が「危険」人物
で、警察は彼らが「テロ行為」を行なう能力がある、と見ている。
連邦刑事局には、既に8百人ほどの容疑者に対して、5百ほどの捜査
手続きが取られている。

新記録となる6百万人ほどが教皇の礼拝を訪れる

教皇フランツィスクスは、マニラのリサール公園での礼拝を開き、
フィリピン訪問を終了した。激しい雨にもかかわらず、当局の発表
では6百万人が参加したが、カトリック教会の長の屋外礼拝では、
今までで最高の礼拝者数であった。今までの記録は、1995年にヨハ
ネス パウル2世が、同じ場所で行なった礼拝の時であった。日曜
日の礼拝でフランツィスクスは、「賜」である子供たちの保護を、
拡大するように呼びかけた。また彼は、同国の汚職を今一度非難
し、社会的公正を実現するよう促した。礼拝前にフランツィスクス
は、2万人の若者と共に、マニラのカトリック大学の体育施設で、
前日死亡した若い女性のために、祈りを捧げていた。この27歳の女
性は、米国の支援組織「カトリック安息奉仕」の職員で、土曜日に
タクロバンでの教皇の集会で、転倒したスピーカーの下敷きになっ
て死亡した。

ドネツク空港をめぐり激しい攻防戦

ウクライナ軍と親ロシア反乱勢力は、東ウクライナのドネツク市に
ある空港をめぐり、戦いを繰り広げた。軍は昨晩、大規模攻勢を開
始した。軍広報は、既に敷地の広い範囲を、蜂起勢力の手から奪還
することに成功した、と発表した。日曜日にはドネツクの複数の一
角でも、銃撃が行なわれた。AFP通信の記者は、銃撃音が市の中心
部から聞こえた、と伝えている。公共交通は停止し、商店は閉じて
いる。




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