2月2日〜8日のドイツのニュース



2月2日(月)

ショイブレはギリシアに対する強硬路線を維持

連邦財務大臣ヴォルフガング ショイブレ(キリスト教民主同盟)
は、新ギリシア政権との対話に応ずる用意があるが、既に交わされ
た改革の約束を守るよう主張している。ロイター通信テレヴィとの
インタヴューの中で彼は、ギリシア財務大臣ヤニス ファロファキ
スが、早期に自分と会談したい、と願っていることを前向きに受け
止めた。ギリシア新政府は、財政支援計画の一環として交わした以
前の約束を、今後は守ることはない、と予告したが、ショイブレ
は、これに関して批判的に発言し、ドイツ政府は一方的な変更を受
け入れるつもりはない、と述べた。またショイブレは、オイロ危機
再発はない、と見ている。

     その他のニュース

ドイツはウクライナへ武器を供給しない方針

連邦政府は、米国が方針転換するか農政があるにもか変わらず、ウ
クライナ政府へ武器を供給することを拒否する。政府副広報ヴィル
ツはベルリンで、今までの態度を変えることはない、連邦政府はウ
クライナ問題を、軍事的に解決することを拒否しており、そのため
武器を供給するつもりはない、と述べた。「ニュー ヨーク タイ
ムズ」紙の報道では、米国はkんどはウクライナに武器を輸出する
ことを検討している。ヴィルツの発表では、連邦政府はこれについ
て何も知らされていない。

メルケルはオルバンに野党とより開かれた態度を取るよう要求

連邦首相メルケルは、ハンガリーの右派保守派の首相オルバンに、
自分を批判する者たちの扱いで、より開かれた態度を取るよう求め
た。ブダペストでオルバンと会談したあとでメルケルは、民主制度
では、国会で圧倒的多数を得た場合でも、野党の役割、市民社会の
役割、報道機関の役割を評価することが重要だ、とオルバンに指摘
した。オルバンは独裁的な政治手法をとり、報道機関に圧力をかけ
ている、と非難されている。

エジプトでは183人のイスラーム教徒と見られる者に死刑判決

エジプトでは、大規模な裁判で、イスラーム教徒と見られる183人
に、死刑が言い渡された。カイロの控訴裁判所は、第1審の判決を
支持した。第1審では、被告たちは、2013年8月のイスラーム教徒暴
動で、警官11人の殺害で有罪とされていた。イスラーム教徒の大統
領であるムルシが失脚した後、首都カイロの西にあるケルダサで、
警察署がデモ隊に襲撃されていた。治安部隊の11人と2人の民間人
が、殺害されていた。カイロのイスラーム教徒兄弟団の抗議の拠点
を、暴力的な手段で解散させられた日に、この衝突が発生し、数百
人が死亡した。




2月3日(火)

民衆殺戮容疑を持たれたセルビア人とクロアチア人に無罪判決

国際裁判所は、民衆殺害容疑を持たれたセルビア人とクロアチア人
に無罪判決を言い渡した。デン ハーグにある国連の最高裁判所所
長ペーテル トムカは、1991年から1995年にかけてのユーゴスラヴ
ィア戦争で、セルビア軍とクロアチア軍は、多くの犯罪を犯した
が、セルビア人たちが、クロアチア住民を占領地域の一部ないしは
全体で、絶滅しようという意図とを持っていたことを、クロアチア
人は証明できなかった、とも語った。逆にクロアチア人も、セルビ
ア住民に対する民衆殺戮をおこなってはいなかった、とも述べた。
クロアチア人は1999年に、これに関する裁判を起こし、セルビア人
は2010年、反訴で応じていた。

     その他のニュース

メルケルはギリシアの提案を待つ意向

連邦首相メルケルは、新ギリシア政府の債務危機に関する提案に、
冷静に反応した。彼女は、すべてに解答するつもりはない、ギリシ
ア政府は、就任数日で説得力を持つ立場を、練り上げており、提案
を待つことが重要だ、とも述べた。ギリシア政府はこれより前に、
債務の減免要求をやめるつもりはない、と強調していた。一方フラ
ンスは、ギリシアとの対立で、ドイツに反対する態度を取ることは
ない、と予告した。財相サパンは、フランスとドイツの協調に関し
て、解決が得られなければならない、と述べた。サパンはギリシア
に対して、合意された義務を守るよう、要求した。

イスラーム教徒の出国を差し止めるために新法を定める

連邦政府は、刑罰を強化することで、イスラーム教徒が戦争地域に
出国するのを押しとどめる方針である。これは連邦法務省の法案に
含まれており、水曜日に閣議が可決する方針である。将来的には、
渡航したりあるいはシリアやイラクなどの戦闘知己への旅行を試み
るだけでも、処罰が科される可能性がある。その条件となるのは、
旅行がテロ行為を犯すあるいはその準備を行う、という目的を持っ
ていることである。さらに新法は、テロ組織の資金提供を罰するた
めの、新たな要件を定めている。今後は、該当する組織に少額でも
振り込む人は、処罰される可能性がある。国連は各国に、自国から
戦闘員が戦闘地域へ出国するのを阻止することを義務づける決議を
可決したが、この法律でこの決議が実施に移される。当局によれ
ば、ドイツからはおよそ6百人が戦闘地域に出国し、「イスラーム
教国IS」やアル・ヌスラ前線などの急進派組織に加わった。彼らの
大部分は、しばらくすると急進派となって帰国し、危険であると見
られている。

フランスではジハード主義者に対する手入れで8人が逮捕

フランス警察は、イスラーム教徒と目される8人を逮捕した。パリ
およびリヨン地域で逮捕された者たちは、テロ民兵「イスラーム教
国IS」の一員としてシリアで戦うために、男たちを募集していた、
と内相カズヌーヴは発表した。この手入れは、南フランスのリュネ
ルで、イスラーム教徒見られる5人が逮捕されてから1週間後に行な
われた、とカズヌーヴは指摘した。この5人はこの間に拘留され、
正式の捜査を受けている。政府はおよそ1千3百人のフランス国籍保
有者が、ジハード地域のための兵士募集窓口とつながりを持ってい
る、と見ている。シリアとイラク北部の戦闘では、今まで73人のフ
ランス人が死亡した。




2月4日(水)

ヨルダンはイスラーム教徒2人を処刑

自国軍の操縦士が、テロ民兵「イスラーム教国IS」によって殺害さ
れたことに対抗して、ヨルダンは、逮捕したイラク人女性ジハード
主義者1人と、アル カーイダの高官1人を処刑した。政府広報はア
ンマンで、このテロリスト2人が処刑された、と発表した。テロ民
兵側は当初、人質となったヨルダン人と交換で、この女性を釈放さ
せようとしていた。ただしヨルダン政府は、ジハード主義者たち
が、この要求を突きつけた時よりずっと前に、この操縦士は死亡し
ていた、と見ている。火曜日には、彼が生きたまま燃やされている
様子が映った映像が、公表されていた。
米国大統領バラック オバマは、IS民兵を、悪意のある野蛮な組織
である、と非難した。ドイツ首相アンゲラ メルケルは、国王アブ
ドゥッラーに宛てた弔電の中で、このような凶行を人間が行えると
は、理解しがたい、と書いている。アラブ世界の代表も、嫌悪感を
表明した。カイロにある有名なアル・アズハル大学の大ムフティ
(イスラーム法の最高権威者)シェイク アフメド アル・タジブ
は、ISは「神と戦う最も残虐な組織」である、と述べた。

     その他のニュース

内閣はイスラーム教徒に対する法律の強化に賛成

急進派イスラーム教徒との戦いで、ドイツ内閣は、さらなる対策を
発動した。首相メルケルを議長とする閣僚会議は、法務省案を可決
した。今後は、テロリスト的な犯罪行為に参加、あるいは準備する
ことを目的として、シリアやイラクなどの戦闘地域へ、旅行ないし
は出国しようとしただけで、罰が科されることになる。それだけで
なく、テロ組織への資金提供も、犯罪と判断される要素とすること
も含まれている。この策で政府は、急進派組織への資金の流れを断
ち、暴力活動の土台を奪い取るつもりである。この背景には、若者
を中心としてドイツから、IS民兵などのテロ組織に参加するものが
増えていることがある。彼らの大多数は、急進派となり、武器の訓
練を受けて帰国する。当局は、彼らがドイツで攻撃をおこなう可能
性がある、と懸念している。

クルド人「1千人のペシュメルガがISとの戦闘で死亡」

テロ民兵「イスラーム教国IS」との戦いで、イラクでは6月以降、
約1千人のクルド人ペシュメルガ戦闘員が殺害された。AFP通信が北
部イラクの半自治的なクルド人地域の地方政府の話として、これを
伝え、さらに4千5百人以上のクルド人民兵が負傷した、とも報じ
た。ペシュメルガはイラク政府軍と、シーア派の志願民兵と共に、
ISとの戦闘で重要な役割を果たしている。ドイツを含め西側諸国数
カ国は、過去数ヶ月、近代的な銃と対戦車ミサイルで、武装させて
いた。さらに国防軍は、武器の使い方をクルド人に教えるために、
教官を派遣した。

ギリシアはブリュッセルとフランクフルトで負債の減免を訴える

ギリシア新首相ツィプラスは、ブリュッセルで、EU委員会議長ユン
ケル、EU評議会議長トゥスク、EU議会議長シュルツとの会談で、危
機に揺れるギリシアの負債を、さらに減額するように訴えた。トゥ
スクは、早期合意が得られるとの期待を持たないように、と述べ、
話し合いは困難なものになる、と見ている。ツィプラス政権の財相
ファロファキスは、ヨーロッパ歴訪の途上で、フランクフルト ア
ム マインで、ヨーロッパ中央銀行EZB総裁ドラギと、支払い能力
の問題が迫っていることについて協議した。「フィナンシャル タ
イムズ」紙によれば、発券銀行であるヨーロッパ中央銀行は、新た
な短期貸付金に反対している、とのことである。「フランクフルト
一般新聞」の報道によれば、ギリシア政府は、ギリシアの銀行への
出資のために、貸付金を手に入れる計画である。期限は迫っている
が、それは今月末には、国際的な支援計画の期限が切れるので、さ
らなる資金供給がなければ、高額の負債を抱えるギリシアは、極め
て短期間のうちに破産するからである。ギリシアは国家として、総
額3千2百億オイロの負債を抱えている。




2月5日(木)

メルケルとオランドはウクライナ和平新提案を開始

ドイツ首相アンゲラ メルケルとフランス大統領フランソワ オラ
ンドは、ウクライナ紛争の平和的解決に向けて、新たな外交的な攻
勢を開始した。両首脳は今日木曜日に、キエフに向かい、金曜日に
はモスクワに飛び、ウクライナ大統領ペトロ ポロシェンコと、ロ
シア大統領ウラジミール プーチンと会談する、と連邦政府は発表
した。ここ数日間暴力が激化する中、数ヶ月前から続いているドイ
ツとフランスは、紛争の平和的な解決に向けて努力を強めていく、
と連邦政府広報は述べた。オランドはパリでの記者会見で、彼とメ
ルケルは、危機解決に向けて新たな提案を呈示するつもりであり、
と述べた。また、過去数日をかけて、すべての陣営が受け入れられ
るような文書を作成したが、これはウクライナの領土的一体性に基
づいている、とも語った。ロシア政府は、金曜日に3者会談が予定
されている、と確認した。
米国外務大臣ジョン ケリーはすでに、東ウクライナの親ロシア分
離独立派との紛争に関して、政治的な会談のために、キエフに滞在
している。この会議では、大統領ペトロ ポロシェンコが望んでい
る武器供給が話し合われる可能性が高い。

     その他のニュース

NATOは介入部隊の規模を3万人ほどに拡大する方針

NATOは、安全状況が緊迫していることから、世界各地で活動する電
撃介入部隊を、大幅に拡大する。陸、空、海軍と特殊部隊からなる
部隊は、今後3万人ほどの規模にしたい、とNATO事務長ストルテン
ベルグは、ブリュッセルで開かれている加盟各国の国防相会議で述
べた。この計画には、特に迅速に事態に対応する5千人ほどの部隊
が含まれている。これを組織する上では、ドイツ国防軍が、鍵を握
る役割を果たす。新たに作られるNATOのいわゆる「槍の穂先」は、
ウクライナ危機を背景に、ロシアに対する抑止力として構成され
る。この部隊は、数日で、たとえばバルト三国などの同盟国へ移動
か可能なものになる。リトアニア、ラトビア、エストニアなどの国
々は、隣国でのロシアなどの介入政策で、威嚇を受けている。

ショイブレはギリシアに三極との協力を呼びかける

ギリシア財相ファロファキスは、初めてベルリンを訪問している
が、ドイツ財相ショイブレは、ギリシア政府に対して、債務危機を
克服するために、成立済みの合意を遵守するよう、要請した。彼は
会談後に、信頼性が信用を得るための条件である、と述べた。また
ファロファキスとは、債務減免は実際には意義を持たない、という
ことで意見が一致した、ファロファキスは自分に、(EU、国際通貨
基金、ヨーロッパ中央銀行の)いわゆる三極の支出削減の課題の監
視に関する話し合いを再開するよう、緊急に要請した、とも語っ
た。両財相は、本来の争点では、この会合は前進がなかった、と述
べた。ヨーロッパ中央銀行EZBは、ギリシアは国債を将来、銀行へ
の貸付の安全性としては、もはや使用できない、との決定を下し
た。同銀は、これに関する特別規則の効力を、2月11日に停止す
る。この決定の後、アテネ市場は下落した。左派が中心の新ギリシ
ア政府は、外国の資金提供者が課している支出削減の義務と、いわ
ゆる三極による監視を拒否した。ただしギリシアは、相変わらず国
家としての倒産にさらされており、財政支援を頼りにしている。

「ルクスリークス」事件では調査委員会は設置されない

ヨーロッパ議会では、ルクセンブルクと他のEU加盟国が、多国籍
大企業に対して優遇税制を敷いている問題では、調査委員会を設置
されない。同議会の広報は、会派長の多数は、緑の党と左派陣営の
一部が求めている、委員会設置を否決した、と述べた。一方、問題
となっている税制を調査する、常設ではない特別委員会の設置が決
定された。ただしこのような委員会は、張るかに限られた権限しか
持たない。「ルクスリークス」と呼ばれるこの事件は、ルクセンブ
ルクでの大規模な税制軽減措置であるが、この問題ではEU委員会議
長ユンケルは、数ヶ月前から批判を受けている。キリスト教民主党
に属する彼は、ほぼ20年間、大公国ルクセンブルクの財相と首相を
務めており、税制の実際に責任がある、とされている。




2月6日(金)

メルケルはウクライナ首脳会談への期待を削ぐ

モスクワでのウクライナ危機対策会議を前に、連邦首相アンゲラ 
メルケルは、過大な期待を持たないように、と警告した。彼女は出
発前に、交渉が成果を上げるかどうかは、全くわからない、と述べ
た。フランス大統領フランソワ オランドと共に、彼女は金曜日午
後、ロシア大統領ウラジミール プーチンと、ウクライナ東部での
紛争に関して話し合うつもりである。両者は「中立の仲介者」とし
てではなく、「ドイツとフランス、そして特にヨーロッパの利益」
を生みだすために、モスクワに向かっている、とのことである。
この間に、多くの民間人を、ウクライナの都市デバルツェヴォか
ら、安全な場所に移すことができた。紛争当事者は、そのために、
短時間の停戦に合意していた。
ウクライナ危機は、金曜日の午後から日曜にかけて開かれるミュン
ヒェン安全会議の、中心議題でもある。

     その他のニュース

英国秘密情報部裁判所は情報利用を中止

英国盗聴局GCHQは、個人情報を大量に収集する活動を行なっている
が、これはヨーロッパの人権立法に違反した。これは、英国秘密情
報部裁判所IPTの判断から明らかになった。ただし12月からは、こ
の規則はもはや侵害されていない、とのことである。英国盗聴局は
交換で、米国秘密情報部NSAが、監視計画PrismとUpstreamから得た
情報を受け取り、これを利用していた。違反はこの点にあった、と
のことである。この容疑は、米国の情報提供者スノウデンが明るみ
に出していた。人権組織国際アムネスティなどが、訴訟を起こして
いた。2000年に設立されたこの裁判所の歴史上、抗告が起こされる
のは初めてであった。ただしこれは、直接的な法律上の効力は有し
ていない。

オイロ使用国連合はギリシアの負債軽減について交渉

ギリシアの債務減免をめぐる駆け引きで、オイロ使用各国の財相た
ちは、来週水曜日に特別会議を設定する。彼らはその席上で、翌日
にブリュッセルで始まる、EU非公式首脳会談の準備を進める意向で
ある。ギリシア財相ファロファキスは、ギリシア政府に対して一種
のマーシャルプランをとるように求めていたが、ドイツ財相ショイ
ブレは、この要求を拒否していた。ショイブレはテレヴィ番組で、
ギリシアは「自分の怠慢が原因で、この苦境に陥った」のだという
ことをわきまえなければならない、と述べた。ギリシアに対する支
援計画は、今月末で終了する。この後を受ける合意が成立しなけれ
ば、ギリシアは国家として破産する可能性がある。同国政府は、改
革の義務の多くとその監視を拒否している。

EUはISとの戦いにより多くの資金を提供

シリアとイラクでの紛争を目の当たりにして、EUはさらに10億オイ
ロを利用できるようにする。この資金は、両国および隣国レバノ
ン、ヨルダン、トルコに対する「包括的な戦略」の資金となる、と
EU外務委員モゲリーニはブリュッセルで説明した。EUはテロ組織
「イスラーム教国IS」との戦いを支援するつもりである、とも彼女
は述べた。この支払いは、ジハード主義者が戦闘地域に入るのを阻
止するために、反急進化対策と国境監視改善のためなどに使われ
る。この金額の大部分は、人道支援にあてられると考えられてい
る。シリアとイラクの他、数百万人の難民を受け入れている隣国
が、この支援を受けることになる。




2月7日(土)

メルケル「ウクライナ武装にプーチンはほとんど動じていない」

ドイツ首相アンゲラ メルケルは、ロシア大統領ウラジミール プ
ーチンと、ウクライナについて話し合ったが、早期に進展があると
の期待を持たないように、と述べた。彼女はミュンヒェンでの安全
会議に出席し、前日にフランス大統領フランソワ オランドと一緒
に行なったクレムリンでの会談に関して、「ミンスク協定を生き返
らせる実質的な進展」を確保することが重要だ、と述べた。また、
ドイツとフランスの提案が、成果を上げるかどうかは「不明」であ
る、とも語った。しかしメルケルはミュンヒェンで、外交的な解決
を目指して、今後も活動を続けるつもりである、プーチンはウクラ
イナ軍が武装を整えても、ほとんど動じていないからだ、とも語っ
た。メルケルは月曜日に、ワシントンを訪問し、米国大統領バラッ
ク オバマと協議する方針である。
オランドは、この提案を最後の機会であり、これは失敗に終われ
ば、戦争につながる危険がある、と語った。

     その他のニュース

ウクライナ 分離独立派は新たな攻勢に向け動員

ウクライナ軍の発表によれば、親ロシア分離独立派は、2つの都市
に新たな攻撃を加えるために、結集した。キエフで軍広報は、ドイ
ツとフランスの和平提案にかかわらず、鉄道の拠点であるデバルツ
ェヴォと港町マリウポリへ攻勢をかけるものと見ている、と発表し
た。過去24時間で、5人のウクライナ兵士が死亡、26人が負傷し
た。ドネツクでは民間人にも、数人の死者が出た、とのことであ
る。停戦から1日、デバルツェヴォでは、再び榴弾が着弾した。金
曜日には、7百人以上の民間人が、この地域から、安全な場所に避
難していた。

バグダード襲撃 死者少なくとも37人

イラクの首都バグダードで3件のテロ攻撃があり、少なくとも37人
が死亡、60人以上が負傷した。すべての爆弾は、同市のシーア派が
多く住む地区で破裂した。政府は深夜を期して、同市に対する夜間
外出禁止を解除する、と予告していた。この外出禁止令は、2003年
に米国が指揮した軍が進入してから、ずっと課されていた。政府は
この措置の解除で、社会生活を正常化し、いわゆる「イスラーム教
国IS」の急進派による危険は、少なくともバグダードでは取り除か
れたことを示すつもりである。

エジプトはシナイ半島でISの支部に大規模攻撃

エジプト軍は、シナイ半島で大規模な攻撃を加え、50人ほどのイス
ラーム教徒急進派を殺害した、と発表した。テロ民兵「イスラーム
教国IS」のエジプト支部の拠点を、戦闘用ヘリコプターを使用して
攻撃を加え、27人を殺害し、その後の戦闘では、20人のジハード主
義者を殺害した、と治安筋は発表した。首相シシは、諸外国に対し
て、「イスラーム教国」に対して断固対処しするように呼びかけ
た。彼はドイツの報道雑誌「シュピーゲル」に、この戦争に敗北す
れば、「この地域全体が今後50年間混乱に陥る」だろう、そうなれ
ばヨーロッパも、急進派の攻撃にさらされる可能性がある、と述べ
た。シナイ半島はイスラエルおよびガザ帯状地帯との国境を持ち、
急進派イスラーム教徒の拠点がますます増加している。先週には、
シナイ半島では、30人以上の治安部隊の兵士が殺害されていた。




2月8日(日)

独政府「ウクライナ首脳会談は水曜日にミンスクで開催の予定」

ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナの首相および大統領は、ウ
クライナ紛争解決にために、首脳会談を計画している。ドイツ首相
アンゲラ メルケル、フランス大統領フランソワ オランド、ウク
ライナ大統領ペトロ ポロシェンコ、ロシア大統領が電話で会談し
たことを受け、政府広報シュテフェン ザイベルトがベルリンで発
表した。それによれば、妥協に関する文書の作成作業を続けるが、
水曜日に白ロシア(ベラルーシ)の首都ミンスクでの会談に集結す
るためである、と述べた。ただしプーチンは、自分がミンスクでの
会議に参加するための条件は、事前にそれぞれの立場が調整される
ことである、と強調した。
ドイツ外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマイアーは、ミ
ュンヒェンでの安全会議で事前に、ロシア政府に妥協に応じる姿勢
をもっと見せるように、と要請していたが、ロシア外務大臣セルゲ
イ ラヴロフの演説は、それに関しては何ら貢献するものではなか
った、と述べた。ラヴロフは、紛争激化の責任は西側にあると指摘
し、キエフで起きたのはクーデタである、と述べた。シュタインマ
イアーは、米国が検討しているようなウクライナへの武器供与を、
改めて拒否した。

     その他のニュース

メルケルは米国とカナダ訪問に出発

連邦首相メルケルは、米国とカナダ訪問に出発した。月曜日には彼
女はまず、米国大統領バラック オバマと協議をするために、ワシ
ントン入りする。その際には、東ウクライナ紛争と、ロシアとの緊
張などが取り上げられる。米国では現在、ウクライナに武器を供給
せよとの要求がより強くなっているが、ドイツ政府はこれを拒否し
ている。メルケルとオバマの会談の議事に上っている議題は、ジハ
ード主義者民兵ISとの戦い、経済状態、6月にドイツで予定されて
いる主要工業国7カ国によるG7首脳会談である。オバマとの会談
後、メルケルはさらにカナダを訪れ、首相ハーパーと会談する。

イランは核交渉のさらなる延長に反対

イランは、核交渉の期限が6月30日に終了するまでに、合意が得ら
れなければ、それ以上に交渉を延長するのを拒否している。核対立
の仲裁に向け、合意が成立しなくても、それは世界の終わりではな
い、とイラン外相ザリーフはミュンヒェンでの安全会議で述べた。
また彼は諸外国に、イラクに対する制裁を解除するように要請し
た。この罰則はイランに損害を与えるだけでなく、ヨーロッパと米
国の経済にも損害を与えている、とも語った。イランと国連で拒否
権を持つ5カ国とドイツは、イランの核計画を巡る対立を仲裁する
ために、協定を結ぶべく努力している。この合意はイランに、核技
術を平和的に利用できるようにすると同時に、イラン政府が核兵器
を開発するのを阻止するものである。ただし、制裁解除の時期な
ど、相変わらず重要な対立点が残っている。

ナイジェリア選挙延期に批判の声

ナイジェリアでは、国会議員と大統領の選挙が、土曜日に予定され
ていたが、6週間延期されたことで、厳しい批判にさらされてい
る。最大野党「全進歩会議」APCが、この決定はナイジェリアの民
主主義にとって、大きな打撃である、と述べた。米国外相ケリー
も、失望をあらわにした。国連事務総長パンは、大統領ジョナサン
と、彼の最大の対抗馬ブハリに、選挙を前に懸念される衝突を避け
るように、と呼びかけた。ナイジェリア選挙委員会は、3月28日に
延期した理由として、治安面での懸念を挙げ、原因はもっぱら、イ
スラーム教徒テロ組織ボコ ハラムとの摩擦である、としていた。
政治の分析家は、最近はAPCとその候補者ブハリが、支持票の獲得
を大幅に伸ばしていると見ていた。投票の延期は、それはこの間に
選挙戦を続ける十分な手段と機会を得られるため、ジョナサンに取
って有利であると見られている。




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