2月16日〜22日のオーストリアのニュース



2月16日(月)

     国外ニュース

オイロ使用国はギリシア政府に最終通牒を突きつける

債務を巡る対立で、オイロ使用各国は、月曜日に交渉が失敗に終わ
った後、ギリシアに最終通牒を突きつけている。金曜日までにギリ
シア政府は、支援計画の延長のための申し入れを提出しなければな
らない、将来的な解決に関して交渉をするのは、その後である、と
オイロ使用国連合議長イエルーン デイセルブルムは述べた。ただ
しギリシアは、今までの支援計画を拒否している。ギリシア財務大
臣ギアニス ファロファキスは、あらゆる対立にもめげず、「今後
48時間以内での」合意は可能である、と見ている。ギリシア政府
は、交渉する「用意と意志」がある、とも述べた。月曜日の交渉
は、この1週間で決裂した2度目の交渉となった。

     国内ニュース

春の息吹がオーストリアに近づく

週末には早くも、オーストリア各地に春の兆しが届き、高気圧が今
週いっぱい、春の光をまき散らす。霧の野原だけは、その間に春を
ぶちこわすかもしれないが、特に木曜日と金曜日には再び、晴れた
空が戻ってくる。気温はぎりぎり10度に届いても、太陽に飢えた人
々にとっては、喜ばしい週を迎えることになる。ただし、日曜日に
は、冬が帰ってくる。




2月17日(火)

     国外ニュース

ハンガリーはEUとNATOにつれない態度

東ウクライナで今にも壊れそうな停戦が始まってから、ロシア大統
領ウラジミール プーチンが、初めて外国を訪問したが、その訪問
先はよりによってEUとNATO加盟国ハンガリーであった。彼を招いた
のは右派保守派のハンガリー首相ヴィクトル オルバンで、同盟国
をいらつかせている。オルバンは一方では、EUの対ロシア制裁政策
に参加しているが、他方これ見よがしに寄り添っている。批判的な
人々は、プーチンはこのブダペスト訪問で、EUへ再びくさびを撃ち
込むむつもりである、と見ている。オルバンは、自分にとって重要
なのは「安いエネルギー」である、と述べた。

     国内ニュース

ミクル・ライトナーはEUの亡命受け入れ割合を決めるのに尽力

内務大臣ヨハナ ミクル・ライトナー(国民党)は、ヨーロッパ全
体での難民の受入数の割り当ての基準によって、オーストリアの亡
命希望者の数が半減する、と期待している。オーストリアが提案し
た「命を救え」という提案は、すべてのEU加盟国に、一定の亡命希
望者の数を受け入れるように義務づけるものである。「この案が成
立していれば、2013年だけで、オーストリアへの亡命希望者は1万
人少なかった」と彼女は国会で述べた。2013年には合わせて
17,500人が亡命申請をおこなった。オーストリアは今ままで、難民
を受け入れる責任を真剣に果たしているヨーロッパの10カ国のうち
の1つである、と国会のEU調査委員会で述べた。




2月18日(水)

     国外ニュース

ウクライナでの戦闘 ミンスク協定は「死んでいない」

ウクライナ軍と親ロシア分離独立派の停戦は、5日前に生まれたば
かりであるが、既に今も破られている。激しい戦闘後に、ウクライ
ナ政府は水曜日、戦略上重要なデバルツェーヴェ市から撤退した、
と発表した。それによれば、これは完全に「計画通り」ではなかっ
た、とのことである。分離独立派が侵攻し、ロシアに対する批判が
ますます強まっているにもかかわらず、ミンスク和平協定は「死ん
だわけではない、とも述べている。声明には、関係する両者にとっ
て、現実には選択肢はない、と記されている。

     国内ニュース

不動産銀行調査委員会 野党はブーレスを批判

不動産銀行調査委員会は、新たな手続き規則が初めて適用される
が、それを前に確執が生じている。野党は、国民評議会議長で、こ
の調査委員会の議長でもあるドーリス ブーレス(社会民主党)
を、彼女が2つの中心的な2つの役職、手続き判事と手続き弁護士に
就任するとの提案を、厳しく批判している。野党は、彼女との間で
この名称は取り決めなかった、と怒っており、「役職の独占」であ
る、と見ている。ブーレスはこの批判は理解できない、と述べ、こ
の決定は木曜日の各会派長との会議で下されることになっている、
と指摘した。一方新オーストリア党は、不動産「不良債権処理銀
行」ヘタも、資料を提出するよう求めている。




2月19日(木)

     国外ニュース

財政支援に関するギリシアの書簡には大きな意見の不一致

ギリシア財務大臣ギアニス ファロファキスが、オイロ使用国連合
議長ユルーン ダイセルブルームに宛てた書簡は、様々な反応をひ
き起こした。この書簡の中では、財政支援の延長が申請されている
が、ドイツ財務省はただちに反対意見を述べ、これは「トロイの木
馬」である、とすら述べた。フィンランドもこの立場を取った。全
く別の方向性が、ブリュッセルとパリからは出ている。EU委員会
は、この動議を「前向き」だと見ており、フランスは「元気を与え
る兆し」だ、とすら述べている。ただしドイツは、ギリシア政府に
対して、具体的な要求を付け加えた。間もなくブリュッセルで行な
われる「最後の決闘」に向けて、十分な材料がそろっている。

     国内ニュース

社民党は財産税の要求を撤回する模様

社会民主党は、一連の財政改革の中で、財産税の再導入要求を撤回
する可能性がある。「シュタンダルト」紙のインタヴューの中で、
ウィーン市同党首ミヒャエル ホイプルは、「もしきちんと耳を傾
けるなら、財産の資産課税を口にする者はいなくなる。これはどの
ような道がありうるかを示す道しるべだ」と述べた。




2月20日(金)

ドイツ政府はギリシアの債務を巡る対立で合意が得られると期待

オイロ使用国の財務大臣が、ギリシアに関して、決断を下す会議を
直前に控えて、ドイツ政府は交渉を受け入れる用意がある、と強調
した。政府副広報クリスティアーネ ヴィルツはベルリンで、ギリ
シア政府の支援を求める動議は、首相アンゲラ メルケルおよび全
政府によって、「今後の話し合いに向けた出発点」である、と評価
されている、と述べた。しかしヴィルツは、ギリシアに対するオイ
ロ支援を延長するためには、ギリシア財務大臣ギアニス ファロフ
ァキスの支援要求は、「実質的には」十分ではない、と連邦政府の
名前で述べた。財務大臣ヴォルフガング ショイブレは、木曜日お
昼のギリシアの提案に対して、不十分であるとただちに拒否してい
た。
オイロ使用各国の財務大臣は、金曜日午後にブリュッセルに集ま
り、この10日間で3度目となる会議を開き、負債を巡る対立の解決
策を探す。現在の支援計画は、2月末に終了する。これ以上の支援
が得られなければ、ギリシアは数週間後には、国家として破産する
危険性がある。

     その他のニュース

リビアで連携した攻撃 死者多数

東リビアの都市アル・コバで、同時に3台の自動車爆弾が破裂し、
少なくとも30人が死亡、数人が負傷した。トブルク市の諸外国が承
認した国会の議長サーレハは、テレヴィ局アラビヤでに、この攻撃
はアル・コバの治安部隊本部を狙ったものである、と述べた。同市
は、テロ民兵「イスラーム教国IS」のリビア支局の拠点と目されて
いるデルナの近郊にある。デルナは、エジプトとの国境からほど近
い。月曜日にはエジプトの戦闘機が、国境地帯のISジハード主義者
たちの拠点と見られる地点を攻撃していた。この攻撃は、このテロ
リストたちが、誘拐したエジプト人キリスト教徒21人を、斬首する
映像を公開したことに対する報復である。

ソマリア政府要人が襲撃を受ける

ソマリアの首都の人気ホテルが襲撃を受け、警察の発表によれば、
20人以上が死亡したが、その中には国会議員1人とモガディシオ副
市長が含まれていた。公式発表によれば、負傷者の中には、副首相
と運輸大臣が副舞えている。まずセントラル ホテルの入口のとこ
ろで、車に仕掛けられた爆弾が晴れて宇下。その後、自殺攻撃犯
が、ホテルの中に押し寄せ、爆弾に点火した。急進派イスラーム教
徒シャバーブ民兵が、この殺人を起こした、と認めた。このイスラ
ーム教徒たちは、数年前から、アフリカのつのに「神の国」を作る
ために戦っており、ソマリアおよびケニアなどの隣国で、再三襲撃
を起こしている。民兵は2011年に、モガディシオからは追放された
が、彼らは相変わらずソマリア中部および南部の広い範囲を支配し
ている。

イエメン紛争に突破口が見つかるか?

イエメンの権力争いの仲裁にに関する議論で、突破口が見つかるの
ではないか、と国連は予測している。紛争当事者は、移行評議会を
結成することで合意した、国連の仲介役ベノマルは発表した。フチ
反乱勢力が解散した国会も、活動を再開する、とも彼は述べた。双
方の委員会が、合同で会議を開き、立法を担当することになる、と
のことである。ベノマルによれば、新移行評議会には、今までは国
会議員を出していなかった組織も参加することになる。シーア派の
フチ民兵は今月初めに、首都サヌアの政権を転覆し、国会を解散し
ていた。同国南部と東部は、今までフチには征服されていなかった
が、スンニ派の部族に属する者が武装し、その一部が急進派イスラ
ーム教徒カーイダと連携した。イエメンは世界で最も貧しい国の一
つで、最も危険なテロ組織の支局と目される「アラビア半島のカー
イダ」の拠点である。




2月21日(土)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

EUと妥協をしたギリシア政府は勝者を自認

他のオイロ使用国と合意をしたことを受け、ギリシア政府は自国
で、債務を巡る対立で勝利したことを祝っている。「昨日私たち
は、決定的な成果を勝ち取った」と首相アレクシス ツィプラスは
土曜日のテレヴィ演説で述べた。支出削減、救済策、三極の時代は
過ぎ去った、とも語った。政府広報ガブリエル サケラリディス
は、諸外国が望んでいたようには、ギリシア経済の息の根は止めら
れなかった、と述べた。ただし政府は、しなければならないことは
たくさんある、と認めた。

     国内ニュース

高速道路の橋が崩落 S35が閉鎖

グラーツの北にあるフローンライテンで、ブルッカー高速道路S53
の自動車用の橋が崩落した。残骸は下にある南鉄道線のレールに落
下した。鉄道路線もS35同様、しばらく封鎖される。18時少し過ぎ
に、ちょうど清掃中だったこの橋が、フローンライテン駅の北約
3百メートルほどの地点で、ほぼ1百メートルの長さで建設現場に崩
れ落ちた。8百トンほどのコンクリートと鉄材が、複数の線路を覆
った。オーストリア鉄道広報クリストフ ポシュによれば、どの列
車にも被害はなく、大量の障害物があると予想される。




2月22日(日)

     国外ニュース

ポロシェンコ 防衛に当たる戦時大統領

「私は平和の大統領であって、戦争の大統領ではない」とペトロ 
ポロシェンコは、ウクライナ対話を前に先日断言した。ただし過去
数日の展開から見ると、この自己評価は疑がわしい。デバルツェー
ヴェ市陥落以降、ポロシェンコは、前線で生存している兵士たち
に、自ら感謝の念を伝えるために、軍服を着ている。これより前に
「平和の大統領」は、西側に対して、武器を要求していた。新たに
領土を失うことは敗北であるが、これはポロシェンコに圧力を加え
る唯一の状況ではない。彼にはあまり多くの選択肢は残っていな
い。

     国内ニュース

経済会議選挙始まる

今日から木曜日まで、5年に一度の経済会議選挙が行なわれる。ウ
ィーン国民党経済連合が、絶対多数を維持できるかどうか、初当選
を目指す「新オーストリア党」ぼ名簿UNOSが、どのような結果を出
すか、緊張感を持って見守られている。投票率がさらに下がるかど
うかも、関心の的である。2010年には投票率は41%に下落してい
た。




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