5月4日〜10日のオーストリアのニュース



5月4日(月)

     国外ニュース

レンツィの勝利 イタリアでは新選挙法が可決される

長い逡巡の末、イタリア国会は月曜日午後、重要な選挙法改革を可
決した。新たに「イタリクム」と名付けられたこの法律は、マテオ
 レンツィの政権綱領の中心項目の一つである。ただし首相レンツ
ィは、野党の側からの抵抗だけでなく、自分の政党からの抵抗とも
戦わなければならなかった。その点で、彼の政治家としての将来
は、この改革が成功するかどうかにかかっていた。

     国内ニュース

難民の悲劇でオーストリア政界はEUに義務があると判断

どのようにすれば、地中海で多くの死者を出す難民の大事故を、防
ぐことができるだろうか? この問題は月曜日、国民評議会の特別
会議に突きつけられた。各政党は、EU全体で解決を求めるよう要請
することなどで、意見が一致した。これが具体的にどのようなもの
になるかは、意見が分かれている。最後には、与党両党の決議は、
緑の党、新オーストリア党NEOS、シュトローナハ班の支持を受け
た。この決議では、難民をEU加盟国間の「公正かつ連帯的な」引き
受けも、要請された。




5月5日(火)

     国外ニュース

ル ペンは宣戦布告し娘に攻撃をかける

フランスの右派大衆迎合政党国民戦線FNが、同党の設立者ジャン・
マリ ル ペンと決裂したことを受け、ル ペンは、娘に対して攻
撃を仕掛けている。86歳の彼は、現在の党首マリーヌ ル ペン
を、「裏切った」と非難し、フランス大統領になる能力はない、と
述べた。彼は政治の表舞台から、簡単に追い出されるつもりはな
く、「正義が再建されるように、私はあらゆる手段を講じて戦うつ
もりだ」と火曜日のインタヴューで述べた。数週間にわたる対立の
末、月曜日午後に幹部事務所によって党籍を剥奪されたル ペン
は、みずからを「陰謀」の犠牲者と捉えている。

     国内ニュース

オーストリアはドイツ情報局とNSAの盗聴事件で告発

ドイツとアメリカのスパイ事件は、オーストリアでも政界に大きな
波紋を生んでいる。内務大臣ヨハナ ミクル・ライトナー(国民
党)は、「オーストリアの不利益になる秘密情報部」の犯罪行為が
問題である、と述べた。報道によれば、米国秘密情報部NSAは、ド
イツ連邦情報局BNDの支援を受けて、オーストリアの官庁も盗聴し
ていた。ミクル・ライトナーは、事件の「全容解明」と、司法上お
よび「外交的手段」で、ドイツ当局との接触を図るように求めてい
る。




5月6日(水)

     国外ニュース

右派が政権に復帰 イスラエルでは新政府が成立

数週間にわたり、首相ベンヤミン ネタニヤフ率いるイスラエルの
リクード党は、議論と交渉を続けていた。水曜日夕刻、緊迫した政
治駆け引きは終了し、イスラエルの新政権は、ぎりぎりの多数で成
立した。リクード党は、極右の入植者政党「ユダヤ人の家」と、連
立樹立で合意した。リクード党は、4つの政党との連立を結成す
る。これでイスラエルには、間もなく右派・宗教政権が、舵を握る
ことになるが、それは1990年代以降初めてである。ネタニヤフに
は、別の選択肢が残っておらず、リクード党の政治家は、この入植
者政党が、「脅し」ている、と避難している。

     国内ニュース

プレル「大統領候補の話にはなっていない」

ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレルは、昨日のテレ
ビ番組で、1年後に行なわれる大統領選挙で、彼が既に国民党の候
補者に決まっている、との噂をあらためて否定した。彼は、国民党
の誰も、自分とは話をしておらず、「そのため私にとっては、まっ
たく問題となっていない」と述べ、司会者アルミン ウォルフとワ
インを一瓶賭けた。




5月7日(木)

     国外ニュース

英国選挙 出口調査ではキャメロンが大きく優勢に

票は投ぜられた。現在英国では、選挙結果の発表がが緊迫する中、
待たれている。書記の出口調査によれば、首相デイヴィッド キャ
メロン率いる保守党が、650議席のうち、316議席を獲得して、
239議席の対立候補エド ミリバンドの労働党を、引き離してい
る。出口調査によれば、英国議会で新たな勢力となるのは、スコッ
トランド国民党で、58議席を得る。一方大敗を喫したのは、今まで
連立与党であったニック クレッグの自由民主党である。ただしこ
の予想通りであれば、キャメロンは今までの連立相手と、今後も政
権を維持することができる。

     国内ニュース

フォアアルルベルク州 元財務調査官に執行猶予の拘留刑

木曜日午後フォアアルルベルク州では、元財務調査官エーデルベル
ト モイスブルガーに対する裁判で、第一審では有罪判決が言い渡
された。彼は、執行猶予付きの拘留刑と、一部が猶予される罰金刑
が言い渡された。この判決は最終的なものではない。




5月8日(金)

     国外ニュース

「英国のEU離脱」の懸念 ヨーロッパはキャメロンの方針に不満

過去数年「グレグジット(ギリシアのオイロ離脱)」が取りざたさ
れていたが、今回は「ブリグジット」の恐れが高まっている。英国
首相デイヴィッド キャメロンの保守党が、選挙で勝利したことを
受け、英国のEU離脱の方が、ギリシアのオイロ離脱より、可能性が
高まっているためである。キャメロンは、英国国民に、EUに残留す
るか国民投票を2017年に行なう、と約束した。これより前に彼は、
有権者が穏やかになって、賛成投票をおこなうように、EUから妥協
を引き出すつもりである。

     国内ニュース

「注意!」世界大戦の追悼式で「友情の祭典」

金曜日には、第二次世界大戦終結70周年記念式典が、「友情の祭
典」で最高潮に達した。午後にはウィーンの英雄広場に、ホロコー
ストの生存者1万5千人が集まった。ウィーン交響楽団のコンサート
に挿まれる形で、政治家と時代の目撃者が、右派大衆迎合主義に警
告を発した。連邦大統領ハインツ フィッシャーは、「私たちの歴
史を直接に見て、歴史と対決し、その責任を引き受ける」よう呼び
かけた。感動的な言葉は、時代の目撃者ヘルガ エンペルガーから
発せられた。彼女は聴衆に、非民主的な動向に注意を払うように訴
えた。




5月9日(土)

     国外ニュース

ボリビアは海を取り戻す方針 国際法廷に訴訟を起こす

ボリビアは136年前から、太平洋岸を失ったことを悲しんでいる。
1879年に強力なチリ軍が、アントファガスタ港を蹂躙した。戦争は
5年間続いた。ボリビアは最後には、沿岸から4百キロの地域と、海
につながる道を失なった。これを変えようとしている。繰り返しボ
リビアは裁判を起こしている。今回はデン ハーグの裁判所が、チ
リがこの地域から手を引かなければならないかどうか、決定するこ
とになる。

     国内ニュース

マオトハオセンでの追悼式は死者の強制労働を思い起こさせる

70年前のマオトハウセン強制収容所解放を記念する式典は、今日、
「労働による絶滅」を取り上げて、挙行される。数千人の来場者、
連邦大統領以下、国内の有力政治家、外国らの来賓、生存者が、伝
統に則り、点呼場での追悼行進に参加することになっている。




5月10日(日)

     国外ニュース

マケドニアでの戦闘 首相は「大量殺戮」を未然に阻止と判断

マケドニアのクマノヴォ市は、週末に激しい戦闘を経験し、少なく
とも死者22人を出したが、首相ニコラ グルエフスキーによれば、
「大量殺戮」を妨害するためには、これが必要であった。彼は、治
安部隊が、主としてアルバニア人が住む同市を攻撃したことを、大
規模商業施設やスポーツ施設を攻撃し、8千人を殺害しようとした
テロ組織を打倒したものだ、と正当化した。反グルエフスキ派は、
この警察の行動は、政府の不祥事から目をそらすため、意図的に演
出された政府の陽動作戦である、と信じている。

     国内ニュース

不動産調査委員会は他のFMA幹部に質問

不動産調査委員会は、巨額の損失を出した事件で、金融市場監視の
役割を今日も解明する。金融市場独立監視局の部長クリスティアン
 サウケルは午前中に、同局の別の部長ミヒャエル ヒューセクは
午後に、発言と応答をおこなう。国会議員たちは現在、自由党その
後未来同盟に属しケルンテン州首相を務めたイエルク ハイダー政
権下で、不動産銀行の債務履行義務が、爆発的に増大した2000年以
降の連邦および財務省の機構の監視活動を調査している。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system