５月２５日〜３１日のドイツのニュース
５月２５日（月）
民族主義の保守派ドゥダがポーランド大統領に
ポーランドでは、民族主義で保守派の政治家アンジェイ ドゥダ
が、大統領選挙に勝利した。公式の集計結果によれば、43歳の彼
は、投じられた票のうち53%以上を獲得した。現職で、自由主義保
守派の与党「市民綱領」の支援を受けているブロスニワフ コモロ
フスキは、既に決選投票での敗北を認めた。ドゥダは2週間前の第1
回投票の時点で既に、勝利を収めていたが、必要な絶対多数には達
していなかった。
彼の勝利は、秋に行なわれる国会議員選挙を前に、見通しを示すも
のと見られている。国会議員選挙では、民族主義保守派の野党「正
義と公正PiS」は、政権交代を期待している。専門家たちは、これ
でポーランドが右傾化する強力な後ろ盾になる可能性がある、と見
ている。
その他のニュース
スペインでは左派が進出 抗議政党は大きく票を伸ばす
スペインの市町村議会選挙では、新左派政党「ポデモス（我々には
可能である）」や、自由主義の「シウダダノス（市民）」などの抗
議政党が、大勝を記録した。一方既成政党は、大敗を喫した。首相
ラホイが率いる与党で保守派の国民党PPは、10%ほどを失ない、拠
点のいくつかで敗北した。野党社会党PSOEは、第2党を確保したも
のの、敗北を甘受しなければならなかった。複数の地域と大都市で
は、左派連立政権が成立する可能性がある。今回の選挙は、秋に迫
った国会議員選挙の試金石と目されている。さらに今回の選挙は、
他のEU加盟国にとっても、象徴的な力がある、と言われている。抗
議政党の勝利は、ヨーロッパでは、国家財政の健全化のための厳し
い支出削減の義務に反対する人たちを、後押しをするものになる可
能性が高い。
負債の返済 ギリシアの逡巡は続く
破産の危機に立っているギリシアは、国庫がからであるにもか変わ
らず、債務者に対する義務を果たす方針である。ギリシア政府広報
サケラリディスは、これを約束したが、これは内相ブーチスおよび
他の閣僚の発言とは矛盾している。具体的には、6月に国際通貨基
金に返済しなければならない15億オイロが問題であり、このうち
3億オイロは、6月5日に期限が来る。「私たちはこの金を払うつも
りはない。持っていないからだ」と急進左派連合の左派に属するブ
ーチスは、日曜日にギリシアのテレヴィ局MEGAで述べていた。急進
左派連合の中央委員会では、債権者が支出削減計画と負債の返済を
要求していること移管して、厳しい議論が起きた。ギリシアの資本
移動の監視が強化され、今後数日で同様の「壊滅的な事態になると
の見通しがある」との噂が出ているが、サケラリディスは、これを
強く否定した。
米国国防相はイラクにはISと戦う意欲が欠けていると非難
米国国防省カーターは、州都ラマディを失った件で、イラクの治安
部隊には、ISと戦う意志が余りに示されなかった、と非難した。カ
ーターはテレヴィ局CNNに、彼らは「イスラーム教国」を自称する
戦闘員たちと比べて、数の上では大きく上回っていたが、それにも
かかわらず退却した、と述べた。また彼は、米国と同盟国による支
援の空爆は、効果的であるが、イラク地上軍の戦闘意欲の代わりに
はならない、とも語った。「シリア人権監視団」の情報によれば、
シリアの都市パルミラ制圧と並行して、ISテロ民兵は、子供を含め
て2百人以上を処刑した。また6百人ほどを協力者として捉えた、と
英国に本拠地がある同局は発表した。シリア国営放送はこれより前
に、ISはパルミラでは、民間人4百人ほどを殺害した、と報じてい
た。
５月２６日（火）
イラクはテロ民兵からアンバル州を奪還する方針
イラクは、急進派民兵イスラーム教国から、アンバル州を奪還する
ために、攻勢を開始した、と発表した。軍の側についてISと戦って
いるシーア派民兵の広報は、イラク部隊は、3方向から州都ラマデ
ィに移動している、と述べた。米国政府からの批判を受けて、イラ
ク軍の状態に関する議論が起きたばかりであった。米国国防大臣ア
シュトン カーターは、イラク軍には戦闘意欲が欠けている、と非
難していた。その後副大統領ジョー バイデンは、兵士たちが「大
きな犠牲」を払い、勇気ある行動を取っていると賞賛して、被害を
食い止めようと努力している。ISは1週間少し前、ラマディを占領
し、数日後にはシリアで、戦略的に重要な都市パルミラを占領し
た。
その他のニュース
中国は国境を越えて軍の存在を拡大する方針
中国は、領土を遙かに越えて、軍の駐留する場所を拡大する方針で
ある。政府の白書によれば、この件で、海軍と空軍にはより重点が
置かれ、海軍では、新たな方針は、今までの「湾岸海域の防衛」に
代わって、「外海防衛」を目標とし、空軍は「防衛だけでなく攻
撃」にも力を手中する、とのことである。近隣諸国は、中国が常時
武装を拡大していることに関して、警告を発している。中国政府が
ほぼ全面的に自国領であると主張する南シナ海での人口島建設が、
対立を生んでいる。
ケニアでのアル・シャバーブ攻撃で警官が死亡
ケニアでは、急進派イスラーム教徒アル・シャバーブ民兵が攻撃を
行ない、多くの警官が殺害された。東アフリカの同国での報道によ
れば、死者は20人ほどである。警察は、警官13人が「行方不明」で
あり、2人が負傷した、と発表した。軍の発表によれば、警官たち
は、同国北東部、ソマリア国境近くのガリッサ市近郊で、待ち伏せ
をうけ、他の警官は、急進派が設置した地雷によって死亡した。ア
ル・シャバーブは、急進派組織アル カーイダとつながりがあり、
長年にわたりソマリアおよび隣国ケニアで、不安と恐怖を巻き起こ
してきた。4月には民兵たちは、ケニアのガリッサにある大学で、
大量殺戮を行なっていた。その際148人が死亡したが、うち4人が攻
撃側であった。
「ワシントン ポスト」通信員裁判がイランで始まる
イランで逮捕されてから10ヶ月経ち、「ワシントン ポスト」紙通
信員ラザジャンに対し、スパイ裁判が始まった。審理は首都テヘラ
ンで、非公開で始まった、と国営通信社ISNAが報じている。39歳の
彼には、スパイおよび敵対する政府への協力容疑が持たれている。
ラザジャンと彼のイラン人の妻サーレヒは、2014年7月に、テヘラ
ンの自宅で逮捕された。サーレヒは10月に、保釈金を支払って釈放
された。ラザジャンは、イランと米国の国籍を持っている。米国政
府は、繰り返し釈放を求めていた。「ワシントン ポスト」紙は金
曜日、彼に対する容疑には根拠がない、と強調していた。
５月２７日（水）
スイス司法はサッカー世界選手権開催の刑事訴訟手続きを開始
スイス検察は、2018年のサッカー世界選手権をロシアに、22年の大
会をカタールに開催を任せたことに関して、捜査手続きを開始し
た。当局の発表によれば、チューリヒのサッカーの世界組織FIFA本
部で、捜査が行われ、電子記録と文書が押収された。不誠実な取引
と資金洗浄の容疑が持たれており、この裁判の手続きが行なわれて
いる対象者の名前は明かされていない、とのことである。これより
前にチューリヒのスイス警察は、米国の委託を受けて、FIFA幹部
7人を逮捕したが、その中には副会長2名も組まれている。彼ら全員
に対しては、米国、中南米でのサッカー大会実施委託に関して、汚
職容疑が持たれている。スイス当局によれば、2件の事件の間には
関係がない。FIFA会長ブラッターは、被告には含まれていない。
79歳のプラッターは、金曜日のFIFA会議で、5期目となる再選を目
指す方針である。
その他のニュース
EU委員会はEUに難民4万人を分配する方針
EU委員会は、難民のEUでの引き受け数の分配に関して、異論のある
計画を決定した。同委員会の提案によれば、イタリアとギリシアの
負担を減らすために、今後2年で、4万人を他のEU加盟国に分配す
る。さらにこの期間に、EU外からの難民2万人を、分配して受け入
れることになっている。ドイツ連邦政府は、同委員会のこの提案を
歓迎した。英国および他の東ヨーロッパの数カ国など、一部のEU加
盟国は、割り当てによる難民の引き受けを拒否している。同委員会
のこの計画が発行するためには、加盟国の条件付きの賛成多数で可
決されなければならない。EU全体の住民の少なくとも65%が暮らす
加盟国の55%が賛成しなければならない。
英国の政権綱領ではEU残留をめぐる国民登用は2017年末までに
今後英国がEUに残留するか、脱退するかめぐる国民投票は、遅くと
も2017年末までに実施される。女王エリザベス2世は、保守党の国
領を伝統に則り、ロンドンの国会で朗読した際に、これを発表し
た。首相キャメロンが、この投票を行なうと最初に約束したのは、
2013年初めのことであった。彼は投票を前に、EUの改革を推し進め
る意向である。これに関する内容面での詳細は、女王が朗読した政
権綱領には含まれていなかった。
フィンランド外相にオイロ反対派が就任
フィンランドでは、オイロに懐疑的で、移住を敵視する政党「フィ
ンランド人」党首ソイニが、右派自由主義の新政権の外相に就任す
る。首相は、中央党のシピラが就任する。保守派の党首で、今まで
首相であったストゥッブは、財務大臣に就任する。連立3党が、ヘ
ルシンキでこれに合意した。
５月２８日（木）
プラティニ「ブラッター再選でFIFA大会からは撤退の可能性」
国際サッカー連盟FIFA会長ジョゼフ S. ブラッターは、新たな醜聞
が発覚したにもかかわらず、金曜日に、同連盟の会長に再選される
意向である。ヨーロッパ サッカー連盟UEFA会長ミシェル プラテ
ィニは、ブラッターに辞任するように要請したが、79歳のプラッタ
ーは、これを拒否した。プラティニは、ブラッターが勝利した際に
は、すべてのFIFAの大会に、ヨーロッパのティームが参加しない可
能性がある、と述べた。一方アフリカ サッカー連盟CAFは、問題
のFIFA会長ブラッターを支持した。
その他のニュース
プーチンはFIFA会長ブラッターを支持し、米国を批判
西ヨーロッパでは、ますます多くの政治家が、FIFAの汚職事件で、
ブラッターに責任を取るよう求めているが、ロシア大統領プーチン
は、ブラッターをはっきりと支持している。プーチンはモスクワ
で、捜査はブラッターの再選を阻むための口実であり、ロシアはロ
シアから2018年サッカー世界選手権大会を奪おうとして、この圧力
がブラッターにかけられていることを知っている、と述べた。プー
チンは、諸外国のサッカー界の要人数人が、スイスで逮捕されたこ
とで、米国は自国の法を、自国外に適用しようとしている、と批判
した。スイスと米国の当局が、並行して汚職を捜査していること
で、ロシア政府内では、2018年サッカー世界選手権大会開催権を失
なうのではないか、との不安が生まれている。
G7閣僚はドレースデンで協議を開く
国際通貨基金総裁ラガルドは、倒産の際にあるギリシアに対して、
さらなる金融支援を行なうかどうかの交渉は、決着しないと見てい
る。彼女はドイツのテレヴィ番組で、過去数週間の間「極めてはっ
きりした」活動が行なわれたが、まだ極めて多くの作業が残ってい
る、と述べた。ラガルドは、国際通貨基金が議論を複雑なものにし
ている、とのギリシア政府の非難を退けた。彼女は木曜日にドレー
スデンで開かれる、西側の主要工業国の財相および発券銀行総裁の
会談に参加する。今回のG7財相会談では、主として、世界経済の現
在の進展と、脱税との戦いが取り上げられる。各国外相は、どのよ
うにすれば国際的なテロ組織の資金源を立つことができるか、道を
模索する意向である。公式には、ギリシア危機は議事に上がってい
ない。
NATO事務長はヨーロッパの境界防衛を約束
ウクライナ紛争を念頭に置いて、NATO事務長ストルテンベルグは、
NATOがヨーロッパを防衛する、と請け合った。彼はワシントンで演
説し、NATOはすべてのヨーロッパの国々の独立を維持するつもりで
ある、と述べた。また、隣国ウクライナ、ジョージア（旧グルジ
ア）とモルドヴァの安定のためにも配慮するつもりであり、これら
の国々は、緩衝地帯ではなく、独立国家である、とも語った。スト
ルテンベルグは、ロシアの核兵器使用に関する発言を、大きな懸念
を持って見ている、とも語った。彼はロシアに対して、クリミアに
核兵器を置いたり、飛び領土カリーニングラードに核兵器を搭載で
きるミサイル駐留させないにように、と警告した。もしそのような
事態になれば、ヨーロッパの安全保障政策上の均衡が、変化を被
る、と述べた。
５月２９日（金）
タイの首都バンコクで難民首脳会談が始まる
タイの首都バンコクで、東南アジアの難民危機に関して、17カ国の
国際首脳会談が始まった。タイ外務大臣タナサック パティマプラ
ゴーンは、開会の際に、船に乗った難民の数は、警告が必要な水準
に達しており、この問題は、諸国が大規模な協力をすることによっ
てのみ、解決が可能である、と述べた。先に、マレーシアとインド
ネシアの沿岸に、数千人の移民が上陸したり、海難事故から救助さ
れたが、その多くはミャンマー出身のロヒンギャと、バングラデシ
ュからの移民であった。金曜日には、マレーシア海軍が、7百人以
上の難民を人を満載した漁船から救出したが、この船はハイン ギ
島にある軍港に曳航された。イスラーム教徒の少数民族であるロヒ
ンギャは、仏教徒が中心のミャンマーで、差別と迫害にさらされて
いる。ロヒンギャの大量流出を引き起こした、との非難に対して、
政府は弁護に努めている。バンコクでの会談では、ミャンマーは批
判に対抗して、危機を政治問題化しようとしている、と非難した。
その他のニュース
メルケルは英国政府にEU条約修正の可能性を否定せず
連邦首相メルケルは、英国をEUに留めるために、EU条約を修正する
可能性を否定しなかった。メルケルは、英国首相キャメロンとベル
リンで会談し、意志があるところには道がある、このことをヨーロ
ッパは既に頻繁に証明してきた、と述べた。ただし彼女は、条約を
変えるがどれぐらい困難かは、誰もが知っており、英国がEUに残留
することを、ドイツははっきり望んでいる、と述べた。キャメロン
は、EUの内部で英国の利益が実現することが、最善であるが、それ
は改革の土台の上に於いてであり、英国人の懸念に、配慮がなされ
なければならない、と述べた。さらに彼は、自由な往来と社会給付
の悪用の対策など、必要な改革の内容について、話し合わなければ
ならない、とも述べた。再選されたキャメロンは、遅くとも2017年
には、EUに残留するかどうか、英国人に投票させることにしてい
る。キャメロンはこの前には、ワルシャワを訪問し、そこでもEU改
革の姿を呈示していた。
FIFA会議は爆破威嚇後に再開
チューリヒでのFIFA会議は、爆破の威嚇によって長めの中断の後、
続けて開かれた。会議場ハレンシュタディオン チューリヒの捜索
が行なわれ、警察の専門家がくまなく捜索したが、何も見つからな
かった。一方代議員たちは、協議を続けた。会長選出が最重要議題
である。現職のブラッターは、5期目に向けて立候補しており、有
力と見られている。彼の他意はヨルダン王子アリ ビン アル・フ
サインだけであった。しかしブラッターの支持は、最近発覚した汚
職事件のため、脆弱となっている。79歳のブラッターは、開会演説
の中で、国際サッカー連盟に、団結するように呼びかけ、重要な課
題がある中、連帯新を持つように訴えた。水曜日には同連盟の高官
7人が、米国の捜査の並行して、チューリヒで逮捕されていた。さ
らにスイス連邦検察が、サッカー世界選手権の開催権を、ロシアと
カタールに与えた際に、違反行為があった容疑で、捜査を行なって
いる。
G7は改革と負債の面でウクライナを支援する方針
西側の主要工業国7カ国G7は、ウクライナにされアナル支援を約束
した。財相ショイブレは、ドレースデンで開かれたG7財相および発
券銀行総裁会議の後で、G7は、野心的な改革計画で、ウクライナ政
府を支援するために、あらゆることを行なう決意である、と述べ
た。ウクライナの負債の借り換え支援を、取り決める、とも述べ
た。ウクライナは、支援400億ドルほどを、諸外国から手に入れる
ことになる。国際通貨基金は、175億ドルほどを醵出する。その
上、西側の各国からの声援も得られる。これでは不十分なので、ウ
クライナ政府は差ラル資金提供国と交渉をしているが、これにはロ
シアも含まれている。今回の閣僚会合で、バイエルンのエルマオ城
で、6月7日と8日に開かれるG7首脳会談に向けて、準備が行なわれ
る。
５月３０日（土）
FIFA捜査 ブラッターは自分には危険はないと見る
FIFA会長ヨーセフ ブラッターは、サッカー界の要人に対する捜査
が進行する中、自分には危険がない、と見ている。「誰かが調査を
行なうのであれば、その権利は十分にある。国際法に基づいてそれ
が行なわれるのであれば、私は不安を持っておらず、特に自分に関
してはそうである」とスイス人である彼は、国際サッカー連盟会長
に再選された後、チューリヒで述べた。FIFA会議の前には、ブラッ
ター周辺の幹部数人が、汚職容疑で逮捕されていた。ブラッター
は、これは単独犯である、と改めて強調した。金曜日に五期目の会
長職に選ばれた彼は、ヨーロッパの反対派が、自分に対して憎しみ
を抱いている、と非難した。彼は、ヨーロッパ サッカー協会UEFA
会長で、フランス人のミシェル プラティニに反撃し、自分は誰で
も許すが、忘れることはない、と79歳のブラッターは述べた。
その他のニュース
米国と中国は南シナ海で対立を続ける
米国と中国は、南シナ海での領土を巡る対立で、言葉を応酬して、
それぞれの立場を強調した。米国国防相カーターは、中国に対し
て、岩礁に土を盛り上げ人口島を建設するなどのあらゆる活動を、
ただちに中止するように要請した。中国人民解放軍の最高指揮官趙
は、シンガポールでの安全会議で、このような発言は米国の言葉に
よる攻撃であり、一切の根拠を欠いている、と応酬した。ヴェトナ
ム、マレーシア、フィリピンにはさまれた南シナ海では、複数の国
が、島々と海中に半分沈んでいる岩礁の高権をめぐって、対立して
いる。この地域は、天然資源が豊かである、と目されている。新た
な衛星写真によれば、中国は問題のフィアリー クロス礁に、3千
メートルの着陸用滑走路を建設している。
活動家「シリア空爆で民間人70人以上が死亡」
政府軍が、シリア北部を空爆して、活動家によれば、少なくとも
71人の民間人が死亡した。軍のヘリコプターから、ジハード主義者
民兵「イスラーム教国IS」が支配する村落アル・バブおよびアレッ
ポ市東部に、いわゆる樽爆弾が投下された、と英国に拠点を置く
「シリア人権監視団」は発表した。犠牲者の中には、女性と子供も
含まれている、とのことである。樽爆弾とは、爆薬とくず鉄が詰ま
った空の石油樽で、これを投下するのは、国連の決議で非難され
た。シリアの権力者アサドは、政府軍が4年以上続く内戦の期間中
に、樽爆弾を使用したことを否定している。
シュタインマイアーはウクライナ難民に支援を約束
ドイツは、ウクライナ紛争で故郷を失った難民のために、支援を上
積みする方針である。外相シュタインマイアーは、東ウクライナの
工業都市、ドニエプロペトルフスクにある難民収容所を訪問し、ド
イツ政府は今後も支援をおこなうつもりである、と約束した。彼は
具体的な金額は上げなかった。ドイツは今までに、1千万オイロを
調達していた。ウクライナ東部での紛争のため、およそ2百万人
が、故郷を失なった。うち120万人が、旧ソ連の共和国であるウク
ライナの国内難民となっている。およそ80万人が、外国にいる。こ
れより前に、シュタインマイアーは、ウクライナ政府に、国内安定
のために改革を進展させるように、と鼓舞していた。さらにミンス
ク平和協定を守らなければならない、とも述べていた。2月に結ば
れた停戦は、再三破られている。
５月３１日（日）
外相「パレスチナ人国家はイスラエルの安全の前提条件」
ドイツ外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマイアーは、イ
スラエルに対して、平和的なパレスチナ人国家に関して、パレスチ
ナ人と新たな交渉を行なうように呼びかけた。彼はイスラエル首相
ベンヤミン ネタニヤフとエルサレムで会談した後、これがイスラ
エルの長期的で現実的な安全に向けた前提である、と述べた。ネタ
ニヤフは、2カ国併存、つまりイスラエルとパレスチナ人国家の併
存による解決を、原則的には受け入れる姿勢を示したが、そのため
の条件は、現在は成立していない、と述べた。またネタニヤフは、
国連安全保障理事会で拒否権を持つ5大国と、ドイツに対して、イ
ランとの核を巡る協定を結ばないように、と警告し、イスラエル
は、イスラーム共和国であるイランが、核爆弾を保有できるように
なるのを容認することはない、と述べた。
その他のニュース
ブルンジ情勢の悪化をめぐり新たな危機対策首脳会議
東アフリカ各国の代表が、ダルエスサラームで、ブルンジの政治的
危機解決を協議している。大統領ンクルンジザは、タンザニアの大
港湾都市ダルエスサラームでの首脳会談を欠席し、外相カヴァクレ
を派遣した。ンクルンジザは、3週間ほど前に開かれた危機対策首
脳会談に出席した時、軍はブジュンブラでクーデタを起こそうとし
た。この試みは、失敗に終わり、ンクルンジザは2日後に帰国し
た。国の危機が生じたのは、ンクルンジザが3期目に向けて立候補
したためである。彼に批判的な人のみ方では、これは憲法違反であ
る。そのため、数週間前から抗議活動が続いている。国連の発表に
よれば、暴力を恐れて、11万人以上が国外に避難した。大統領選挙
は6月26日に設定されている。
「米国警察は1日に2人以上を殺害」との報道
新聞報道によれば、米国では警察が、今年最初の5ヶ月で385人を射
殺した。「ワシントン ポスト」紙の集計によれば、単純な計算に
よれば、警官の銃撃によって、1日2.6人が死亡した。一方連邦警察
FBIの統計では、昨年は、1日あたり1.1人の割合であった、とされ
ている。これにより、勤務中の過剰な暴力の使用をめぐる議論が、
新たに沸き起こる可能性がある。過去数ヶ月、武器を持たない黒人
が、警官によって射殺されてから、米国ではますます多くの暴動
が、ボルチモアやファーガソンなどの都市で起きている。
トルコでは反政府勢力がゲジ抗議を思い起こす
トルコでは国会議員選挙まで1週間となり、ゲジ抗議活動2周年記念
日に、反政府派がイスタンブルで、デモを繰り広げた。数千人が、
タクシン広場へと行進しようとした。ただし警察は、デモ隊が広場
に入れないようにし、歩行者だけを通行させた。集会は平和的に終
了した。2013年夏の抗議活動は、当初はイスタンブルのゲジ広場に
建物を作る計画に対して向けられていた。その後、抗議活動は、イ
スラーム教徒で保守的な公正発展党AKPと、当時首相であったエル
ドアンに対する抗議が、全国に拡大した。エルドアンは、2014年
8月から大統領を務めている。