6月1日〜7日のオーストリアのニュース



6月1日(月)

     国外ニュース

ギリシアに対して債権者は「最後」の提案を取りまとめ中

ギリシアの債権者は、巨額の負債を抱えるギリシア政府に対して、
譲歩の提案を取りまとめている。ギリシアに「最後の提案をする」
ことが重要である、と交渉筋は昨日夕方にベルリンで、「ヴェル
ト」紙に述べた。国際通貨基金IWF総裁クリスティーネ ラガル
ド、ヨーロッパ中央銀行総裁マリオ ドラギは、ベルリンでの会合
に向けて出発した。EU委員会議長ジャン・クロード ユンケルとフ
ランス大統領フランソワ オランドは、ドイツ首相アンゲラ メル
ケルとの会談のために、既にベルリン入りしている。

     国内ニュース

ブルゲンラントでは自由党との連立か? 州首相の決定に任せる

ブルゲンラント州州首相ハンス ニースルが、自由党との連立を決
意するのであれば、連邦社会民主党は、これを容認しなければなら
なくなるであろう、と連邦首相ウェルナー ファイマン(社会民主
党)は、テレヴィ番組で述べた。連邦では、自由党と協力するつも
りはない、とファイマンは改めて明言した。ニースルはブルゲンラ
ント州では、異なる意見を代表しているのであれば、彼はその「根
拠」を示し、また「説明する」ことになるだろう、とも述べた。ニ
ースル自身は、自由党と交渉するとの域を確認し、この問題ではフ
ァイマンの「州政治では自由党との連立は可能である」との発言が
あったことを、繰り返し指摘していた。




6月2日(火)

     国外ニュース

サッカー ブラッターは辞任後FBIの標的になっているとの報道

ヨーセフ ブラッターは、火曜日に全く予想外に、国際サッカー連
盟会長を辞任する、と発表し、「サッカー界全体からの委託が欠け
ている」ためだ、と説明した。スイス人である彼は、投票の前後
に、少なくと外部に向けては、汚職の容疑を意に介さない姿勢を示
していた。米国での報道によれば、彼は現在、連邦警察FBIと米国
検察双方の捜査対象となっている。当局は「ニュー ヨーク タイ
ムズ」紙に対して、ブラッターも捜査の対象になっている、と確認
した。

     国内ニュース

トライスキルヒェンに亡命希望者480人のためのテント

ニーダーエスターライヒ州のトライスキルヒェンに、難民のための
テントが設置された。この点とは、480人の亡命希望者のための居
場所になる、と内務省は発表した。市長アンドレアス バプラー
(社会民主党)は、緊急池入れ施設に収容する難民の数を、減らす
ように求めており、これは「違法な」解決である、と述べた。




6月3日(水)

     国外ニュース

首脳会談でギリシア救済の道が開かれる

EU委員会とオイロ使用国連合の幹部は、午後遅くにギリシア首相ア
レクシス ツィプラスと、債務を巡る対立からの出口をさがす協議
を開いている。EUの代表者によれば、オイロ使用国連合ユルーン 
ダイセルブルームも、EU委員会議長ジャン・クロード ユンケルと
の会談に出席する。ユンケルは、まずダイセルブルームと、その後
1時間半にわたって、ツィプラスと協議した。会談の詳細は、今の
ところ発表されていない。

     国内ニュース

不動産銀行調査委員会 「狂気」に驚愕

不動産銀行調査委員会では、水曜日、「不透明な組織」と「うまく
機能する噴霧器」が話題に上がった。ケルンテン州議会は2004年
に、不動産銀行に対する新たな州の債務履行義務を終わらせると決
定したが、ロルフ ホールプ(緑の党)とヘルウィヒ サイサー(社
会民主党)は、これを汚した。サイサーは、危険度は問題ではなか
った、と述べた。ホールプは、「狂気」に驚いたと述べ、横断歩道
に関する法律を可決しても、翌月には「歩行者が時速2百キロの車
にはねられる」と予想することにはならない、と述べた。




6月4日(木)

     国外ニュース

国際通貨基金はギリシアに交渉の余地を与える

国際通貨基金は、次回予定されている債務返済の支払いを翌日に控
え、ギリシアに対して支払いの延期を認めた。ギリシア政府は、国
際通貨基金に6月中に4回負債の支払いをおこなわなければならない
が、これをすべて月末に振り替えすることが認められる。このため
ギリシア政府は、債権者との厳しい交渉に臨む上で、余裕を持つこ
とになる。ギリシア首相アレクシス ツィプラスは、EU委員会議長
ジャン・クロード ユンケルと会談したが、木曜日には具体的な成
果を上げられなかった。債権者は改革を求めているが、これは相変
わらず受け入れられない、とツィプラスは述べた。

     国内ニュース

ブルゲンラント州 社民党と自由党が週末に政権樹立で合意

ブルゲンラント州では、社会民主党と自由党が木曜日に、連立協定
を練り上げた。両党は、「極めて建設的な」交渉であった、と述べ
た。ブルゲンラント州首相で社会民主党党首ハンス ニースルは、
「週末には合意が成立するだろう」と見ている、「多くの項目で既
に合意」を見いだし、「今日の時点では、乗り越えなければならな
い障害はない」と述べた。ブルゲンラント州自由党党首ヨハン チ
ュルツは、話し合いの動向を見て、「自信は十分ある」と述べた。




6月5日(金)

     国外ニュース

ツィプラスはいちかばちかの勝負 EUの計画を拒否

ギリシアの債務を巡る対立で、首相アレクシス ツィプラスは、力
づくで難局を乗り切ろうとしている。彼はギリシア国会で演説し、
EUの債権者には、さらなる協力をするために、ギリシア政府の条件
を受け入れなければならないし、それが唯一の「現実的な提案」で
あると表明した。またツィプラスは、債務の減免を望んでおり、支
出削減の義務の終了を求めている、とも明言した。債権者が今後
も、さらなる支援をする上で、今までの条件に固執するのであれ
ば、「ギリシアのオイロ使用圏離脱Grexit」への道が規定のものと
なる。そうなれば、選挙を行ない、ギリシアの新たな親友ロシア大
統領ウラジミール プーチンの保護支援を受けることになる。

     国内ニュース

ブルゲンラント州で社民党と自由党の新政権 首相への辞任要求

ブルゲンラント州首相ハンス ニースルが、社会民主党と自由党の
連立政権を、単独で決定したとして、連邦首相で社会民主党党首ウ
ェルナー ファイマンは、これとは意見が異なるとし、連邦政治で
はこれと同じことは起こらない、と述べたが、党内の広い範囲にと
っては、これでは十分ではない。元財務大臣フェルディナント ラ
シーナはから、トライスキルヒェン市長アンドレアス バプラーに
いたるまで、多くの人が「責任」を取る、つまりファイマンの辞任
を、それもオーバーエスターライヒ州とウィーンでの選挙前の辞任
を求めた。同市長ミヒャエル ホイプルの周辺の意見からも、ウィ
ーン市同党内部でもこれが起きていることが明確である。




6月6日(土)

     国外ニュース

トルコの選挙 小政党がエルドアンの権力を揺るがす

日曜日には、トルコで5千7百万人の有権者が、国会議員選挙に臨
む。投票の関心の中心は、大統領レジェップ タイップ エルドア
ンの権力はさらに強まるか、それとも影響力を失なうか、である。
今回の選挙は、今後の同国の政治体制の方向性を示すものと見られ
ている。エルドアンは、与党公正発展党AKPが3分の2の多数を握
り、憲法改正によって大統領の権限を拡大する意向である。よりに
よって野党の極小政党、親クルドの国民民主主義党HDPが、日曜日
の選挙で、近郊を左右する可能性があり、エルドアンの計画を打ち
砕く可能性がある。

     国内ニュース

ブルゲンラント州連立政権はウィーン市社民党の反応待ち

社会民主党の党大会は、自由党とは本来は行なわない、との決定を
下したが、ブルゲンラント州では、この決定に背く形で進んでい
る、社会民主党と自由党の連立政権は、党内に相変わらず波を引き
起こしている。特に影響を受けているのは、ウィーン試写会民主党
のようである。選挙戦を行なっているウィーン市長ミヒャエル ホ
イプル(社会民主党)は、先週初めに、自由党との連立は行なわな
い、と述べたばかりであった。ブルゲンラント州の同党のこの行動
は、ウィーンの選挙戦公約を混乱させている。ホイプルは、今のと
ころ社会民主党と自由党のブルゲンラント州での連立については、
何の態度表明もしていない。




6月7日(日)

     国外ニュース

トルコ選挙の結果は与党に大打撃 エルドアンの政権像に拒絶

大統領レジェップ タイップ エルドアンは、自分の権限を拡大す
る計画を立てていたが、トルコの有権者は、これをはっきり拒絶し
た。彼が率いる発展公正党AKPは、憲法を修正できる3分の2の多数
を目標としていたが、これに届かなかったばかりではなく、絶対多
数にも届かなかった。エルドアンは集票に失敗したので、選挙戦で
は結局、大統領に適用される立候補禁止を無視し、発展公正党と、
トルコを大統領制度に変えようとの目標に理解を求めた。この大敗
北は、その分だけ彼自身にとって手痛い打撃である。

     国内ニュース

社民党と自由党 ファイマンは大統領職を心配せず

連邦社会民主党党首ウェルナー ファイマンは、ブルゲンラント州
で自由党との連立政権が作られることで、自分の地位が揺るぐこと
はない、と見ている。ファイマンは日曜日のテレヴィ番組で、「心
配はない」と述べ、社会民主党党首としての自分の役割は、月曜日
に召集する党幹部会でも問題にはならない、と述べた。連邦社会民
主党は、自由党との協力を拒否し、州の組織は自分の決定に従う、
という自分の方針は明確である、と語った。国民党は、ファイマン
に対して、社会民主党が知らないところで、自由党との枢軸を作り
上げようとしないように要請した。




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