６月１５日〜２１日のドイツのニュース
６月１５日（月）
スーダン大統領が南アフリカを出国したとの情報
国際逮捕命令が出されて、行方が追われているスーダン大統領オマ
ール アル・バシールは、南アフリカから帰国の途についている、
と同国政府が発表した。日曜日には、裁判所が、アフリカ連合首脳
会談のために、ヨハネスブルクに向かった71歳のバシールは、一時
同国を出国することが認められない、との決定を下していた。デン
ハーグの国際刑事裁判所は、彼に対して、民衆虐殺、戦争犯罪、
人間性に反する犯罪容疑で、2件の逮捕命令を出していた。南アフ
リカは、国際刑事裁判所に属しているため、彼を逮捕することが義
務づけられている。バシールは、飛行機で旅立つことで、プレトリ
アの裁判所の自分を逮捕すべし、との決定の機先を制した。
その他のニュース
国連はイエメンでの停船を要請
ジュネーヴで、国連事務総長パンは、フーシー派反乱勢力が参加し
ないまま、イエメン紛争解決のための和平交渉を開会した。国連側
の発表によれば、フーシー派の代表は、午後には到着する予定であ
る。パンは開会演説の中で、2週間の停船を要請した。また彼は、
イスラーム教徒断食月ラマダーンの期間中は、武器を沈黙させるよ
うに、とジュネーヴで述べた。そのほか武装し達識は、各都市から
撤退しなければならない、とも語った。日曜日には、フーシー派反
乱勢力は、州都アル・ハスムを占領した、と発表したばかりであっ
た。イエメン北部出身の民兵である彼らは、数年前から、中央政府
と敵対し、1月には首都サヌアを支配下に収めた。大統領ハディ
は、リヤドに逃亡した。サウジ・アラビアは、その後他の国々と共
に、フーシー派反乱勢力とその同盟者に対して、空爆を開始した。
3月中旬に戦闘が羽島手から、国連の発表によれば、ほぼ2千6百人
が死亡、1万1千人以上が負傷した。
チャドで自殺攻撃 死傷者発生
チャドの首都ンジャメナで、2件の自殺攻撃が発生し、政府の発表
によれば、少なくとも27人が死亡した。他の専門家は、死者は35人
である、と見ている。犯人は中央委員会事務所と警察学校前で、爆
死した。イスラーム教徒の攻撃を恐れて、首都では治安対策が数ヶ
月以前から、大幅に強化されていた。チャドは、その他のアフリカ
4カ国と共に急進派組織ボコ ハラムとの戦いを続けている。地域
介入部隊はナイジェリアの指揮下にあるが、チャドの首都に本部を
有している。ボコ ハラムは2009年から、暴力を用いてナイジェリ
アと戦っており、軍、警察、官庁のほか、教会、学校、村落を攻撃
し、1万5千人以上を殺害した。昨年末には、彼らイスラーム教徒た
ちは、ナイジェリアの隣国に対する活動を拡大し、そこではカメル
ーン チャド ニジェール、ベナンが攻撃に参加することを決め
た。
リビア政府「ジハード主義の指導者ベルモフタールを殺害した」
諸外国が承認したリビア政府の発表によれば、米国は北アフリカの
同国を空爆し、悪名高いアルジェリアのジハード主義の指導者ベル
モフタールを殺害した。米国政府は、この攻撃はベルモフタールを
にエラッタもので、彼が死亡した確認は取れていない、と説明し
た。ベルモフタールのテロ組織「アル・ムラビトゥーン」は、
2013年初めにアルジェリアのガス油田イン・アメナスを攻撃し、
40人の人質を殺害した事件を引き起こした、とされている。
６月１６日（火）
トゥーチェ裁判 ザーネル M.に3年間の少年刑
女子学生トゥーチェに暴力をふるい、殺害視した事件で、18歳のザ
ーネル M.は、3年間刑務所に入らなければならない。ダルムシュタ
ット州裁判所は、彼に対して、少年刑法に基づいて、傷害致死で有
責である、との判決を下した。検察は3年3ヶ月の拘留を要請し、弁
護士は保護観察施設への強制収容を求めていた。弁護士は上告す
る、と予告した。被告は昨年11月に、オッフェンバッハの軽食堂の
駐車場で、22歳のトゥーチェの顔面を激しく殴ったことを認めてい
る。この若い女性は崩れ落ち、頭を強く地面に打ち付けた。彼女は
昏睡状態に陥り、意識を取り戻すことはなかった。この事件は、ド
イツ全土で注目を浴びた。トゥーチェは、被告に殴られる前に、市
民として信念を主張する勇気を発揮していた。彼女は、軽食堂の便
所で、ザーネル M.から、2人の少女を守った。ザーネル M.から決
定的な一撃を食らう前に、この2人は激しく侮辱されていた。
その他のニュース
ムルシに対する死刑判決が確認される
カイロの裁判所は、エジプト元大統領ムルシに対する死刑判決を確
認した。イスラーム教徒ムルシは、エジプトで初めて民主的に選ば
れた大統領であり、1百人を超える被告と共に、5月中旬に刑務所か
らの脱走および警官に対する暴力に関する裁判で、死刑を言い渡さ
れていた。被告の中には、イスラーム教徒兄弟団の首領バディエも
含まれている。それぞれの死刑判決は、執行あるいは破棄されるに
当たって、エジプトの大ムフティ（イスラーム法の最高権威者）に
よる助言の態度決定が必要である。イスラーム教の法的鑑定に関し
て、裁判官たちは過去数日間、協議をお粉貞他。この判決は、控訴
に持ち込まれる可能性がある。これより前にカイロの裁判所は、別
の裁判でムルシに対して、急進派イスラーム教徒のパレスチナ人組
織ハマース、レバノンのヒズブッラー民兵、およびイランに対する
「スパイ活動」を容疑で、終身拘留を言い渡されていた。2013年に
軍に追い落とされたムルシは、2012年にデモ隊に対する暴力行使を
命じた容疑で開かれた第3の裁判では、3月に20年の拘留を言い渡さ
れていた。
2万3千人以上がトルコに逃げ込む
シリア北部での戦闘では、2万3千人以上が、トルコに逃げ込んだ。
「新たにやってきたものの多くは、国境の町テル アブジャド周辺
での戦闘を逃れたシリア人」である、と国連難民高等弁務官事務所
はジュネーヴで発表した。逃げ込んだものの3分の2以上は女性と子
供で、人々は疲れ切って、トルコのシャンルウルファ州に到着し
た、とのことである。シリアのクルド人は、これより前に、テロ民
兵「イスラーム教国IS」の拠点テル アブジャドを、完全に支配下
に置いた、と発表していた。テル アブジャドは、クルド人の民族
保護部隊YPGに支配されており、さらにテル アブジャドからラッ
カに通じるテロリストの物資供給路を断った、とも述べた。ラッカ
は、ISが宣言したカリフ国の首都とされている。この町は、テル
アブジャドの南50キロにあり、イスラーム教国が武器と石油を密輸
する経路上にある。この情報が確認されれば、シリアとトルコの国
境沿いの4百キロにわたる帯状地帯を、勢力下に置くことになる。
内相「難民の危機はヨーロッパの自由通行を危険にさらす」
地中海を船で渡る難民が押し寄せていることで、ヨーロッパにはさ
らに緊張が生まれている。ドイツ内相デ メズィエールは、EU各国
内相とルクセンブルクで会談し、責任ある行動が取られなければ、
最後にはヨーロッパの国境監視が、再び組織的に行なわれることに
なるかもしれない、と警告した。彼は、亡命希望者が、ヨーロッパ
の地に足を踏み入れた国で、受け入れ要求を出さなければならな
い、と定めたダブリン協定があることを指摘し、イタリアとギリシ
アは、これを守るべきである、と述べた。特にイタリアは、難民を
他のEU加盟国にさらに移動させているだけだ、との非難にさらされ
ている、と感じている。デ メズィエールとフランス内相カズヌー
ヴは、難民受け入れの割当制度をめぐる議論で、「実際に残留する
見通しのある」移民だけを配分し直すべきであって、経済的な理由
でヨーロッパに来ている人は、故郷に戻すべきである、と主張して
いる。
６月１７日（水）
ギリシア中央銀行はオイロ使用圏から離脱しないようにと警告
ギリシア中央銀行は、諸外国の債権者との負債を巡る対立で、政府
の交渉を破綻させないように、と緊急に警告した。もし破綻するこ
とになれば、ギリシアが「倒産に至り、最終的にはオイロ使用圏か
ら締め出され、EUから脱退する可能性が高くなる」痛みに満ちた道
の始まりである、と発券銀行は声明を発表した。ギリシアと債権者
ないだでかい欠をめぐる議論は、ますます集中的に行なわれる。オ
ーストリア首相ウェルナー ファイマンは、厳しい対立を突破する
ために、EU委員会議長ジャン・クロード ユンケルとの申し合わせ
で、アテネへ旅立った。オイロ使用国財務大臣会議を翌日に控え、
ファイマンは首相ツィプラスと最後の時点で、妥協するように訴え
た。ギリシア人に対する支出削減の命令を、これ以上厳しくしては
ならない、とファイマンは述べた。
米国財務大臣ジャック ローは、ツィプラスに電話をかけ、譲歩す
るように呼びかけた。国際通貨基金総裁ラガルドは、協議のため
に、ブリュッセル入りした。
その他のニュース
国際サッカー連盟事件では資金洗浄が53回おこなわれた疑い
スイス検察が、国際サッカー連盟事件を捜査しているが、サッカー
世界選手権の開催を2018年大会をロシア、22年にはカタールに委ね
た圏をめぐり、53回の資金洗浄を記録した。スイスの検察官ラオバ
ーは、ベルンでの記者会見でこれを発表した。彼によれば、今まで
に10人の事情聴取を行なった。ラオバーは、同連盟会長ブラッター
と事務長ヴァルケにも質問する可能性がある、と述べた。ラオバー
によれば、膨大な情報が分析を受けており、これには数ヶ月あるい
は数年かかる可能性がある。
ハンガリーはセルビアとの国境をひき金網の柵を建設
ハンガリー能は国民主義政権は、175キロに渡ってセルビアとの国
境を引くように命じた。内相ピンターは、1週間に何に4メートルの
高さの柵で隔離する準備をするように、との支持を受けた、と外相
シーヤルトーはブダペストでの記者会見で報告した。これでハンガ
リーは、このところ大幅に増加している難民の移住を、差し止める
方針である。セルビアからハンガリーへ移住する移民の中には、シ
リア人、イラク人、アフガニスタン人が多い。先週既に、首相オル
バンは、国境が完全に閉鎖される可能性がある、と示唆していた。
今年だけで、5万3千人以上が、ハンガリーに亡命を申請し、2014年
全体では、4万3千人、2012年はおよそ2千人だけであった。ハンガ
リーはシェンゲン区域に属しており、セルビアはEU加盟を待ってい
る。
フランスは1万5百人分の難民施設を建設
難民が押し寄せているため、フランスは1万人分以上の宿泊所を建
設する方針である。亡命希望者のために、2016年までに使用可能と
なる宿泊所は、4千人分だけである、と内相カズヌーヴはパリでの
閣議後に発表した。住宅建設大臣ピネルの発表によれば、その他の
難民のためには、5千韻文が建設されるが、その他に1千5百人分が
難民の緊急宿泊所として作られるが、現在こうした難民は即席で作
られた「あばらや」や、路上で生活している。
６月１８日（木）
環境に関する教皇回勅 教皇は化石燃料からの転換を求める
教皇フランツィスクスは、環境に関する回勅の中で、化石燃料から
の転換を促した。カトリック教会の長である彼は、自分の教えを述
べた書簡「ラウダト シ」を、ヴァティカンから公表し、「今後数
年で二酸化炭素および他の強力な汚染ガスを、抜本的に減らすため
に、たとえば化石燃料の利用の代わりに、再利用可能な電力源の開
発をするなどして、政治的な計画を練り上げることが緊急に必要と
されている」と述べた。消費の熱狂、浪費、環境破壊を続けると、
この星の許容力を上回り、災害が避けられなくなり、地球は「巨大
なゴミ捨て場」に変わってしまう、と述べた。教皇は、国際政治
が、科学技術と財政制度に従属するような弱いものであることを嘆
いた。
その他のニュース
メルケル「ギリシアとの合意は『今なお可能』」
ギリシアとの債務を巡る対立で、ドイツ首相メルケルは最後の数メ
ートルの時点で、合意が成立する可能性を否定しなかった。ギリシ
ア政府の責任者が、合意に向けた意志を奮い起こすなら、債権者
EU、ヨーロッパ中央銀行、国際通貨基金との合意は、「今なお可
能」である、と連邦議会での政府声明の中で述べた。さらに彼女
は、ドイツの努力は、ギリシアをオイロ使用圏に留めることに向け
られており、ギリシアは既に、よい道に乗っているが、第二の救済
計画を決定する前提である「必要な構造改革」が、何度も遅らされ
ている、とも述べた。支援計画は6月末に終了する。「ギリシア
は、ここ5年で、前例のない規模で、ヨーロッパの支援にあずかっ
ている」との意見を、キリスト教民主同盟党首である彼女は述べ
た。スペイン、ポルトガル、アイルランドなどの他の国々は、「努
力に見合う支援」の原則に基づいて、自分の足で立っている、とも
語った。
ヴァイトマン「ギリシアを何としても救済するわけではない」
ギリシアを国家ととしての破産から救済をめぐる議論の中で、連邦
銀行総裁ヴァイトマンは、ギリシア政府に急ぐように促した。諸外
国の債権者の交渉家連れるは、ギリシアが「厳しい制約を受ける」
結果を意味する、とヴァイトマンはフランスの「エコ」紙、イタリ
アの「スタンパ」紙、スペインの「ムンド」紙とのインタヴューで
述べた。彼は、ギリシアがオイロ使用圏から離脱するのは、危険で
あり、将棋倒し的な影響がある可能性がある、と認め、しかしこれ
はギリシア政府に、改革を放棄することを認める許可状ではない、
と述べた。またヴァイトマンは、EU加盟各国の大統領および首相
に、安定した通貨連合という原則を守るように要請した。国際通貨
基金総裁ラガルドは、ギリシアの支払期限が来た場合には、さらな
る猶予を認める可能性を否定した。総額16億オイロが、最終的に
6月30日に、国際通貨基金に返済されなければならない。
EU委員会はドイツでの乗用車高速使用料に反対する手続きを開始
EU委員会は、ドイツでの乗用車の高速道路利用料金導入計画の適法
性に疑問を持っており、そのため条約違反手続きを開始した。道路
利用料金が導入できるのは、差別的でない原則が守られている場合
に限られる、とEU運輸委員ブルツはブリュッセルで発表した。当局
は、ドイツの自動車保有者は、税金面で負担が軽減されているた
め、この利用料金導入計画で、外国人冷遇がある、と推定してい
る。ドイツ運輸相ドブリントは、EUの手続きを待つ中で、すでに通
行料金を凍結し、法的対決を解決するのを待つ意向である。ドイツ
政府は、EU委員会の保留に態度を発表するために、2ヶ月の期間を
有している。この異議が認められれば、ドイツはヨーロッパ裁判所
に訴えを起こす、と威嚇するかもしれない。
６月１９日（金）
欧州中央銀行はギリシアの銀行むけの債務の上限を拡大
ヨーロッパ中央銀行は、ギリシアの銀行に対して、生き延びるため
に重要な財政上の余裕を、今一度拡大した。AFP通信によれば、ヨ
ーロッパ中央銀行は、いわゆるELA緊急債権の上限を引き上げた。
金額は発表されなかった。過去数日で、多額の金が引き出されたこ
とを受け、これより前には、電話での緊急会談が設定されていた。
負債を巡る対立が解決されず、国としての倒産にさらされているた
め、ギリシアの預金者は、木曜日だけで10億オイロ以上を引き出し
ていた。銀行の有力者の報告によれば、月曜日から水曜日の間で、
20億オイロが引き出された。内部情報によれば、ヨーロッパ中央銀
行内部では、ギリシアの銀行が今度の月曜日に、営業できないとの
不安が強まっている。オイロ使用国連合の会談で、進展が全くなか
ったことを受け、月曜日には、EU加盟国の大統領と首相が、特別会
談を開くことで合意した。
その他のニュース
会計検査委員会はギリシア債務を「違法」と分類
会計検査委員会は、諸外国の債権者のギリシア政府に対する支払い
要求を、「違法」と判断したが、それはこの要求は「ヨーロッパ法
および国際法を土足で踏みにじった」ためである。暫定結果の中で
は、ギリシアはそのため支払いをする必要はないとしている。極左
の国会議長コンスタントプルは、同委員会を4月に設置していた。
この委員会には、ベルギー人で、国家債務と経済の世界規模化を主
題として、複数の本を書いたトゥーサンを含む諸外国の専門家が属
している。EUと国際通貨基金は、問題は「個人の負債ではなく」国
家の負債であるとの考え方を広めた、とトゥーサンは批判した。彼
は2011年には、ギリシアの記録映画「デットクラシー（債務の支
配）」にも、参加していた。この中でギリシアと南米のエクアドル
が似ているとされており、エクアドルの負債は2007年には、規範に
反すると分類され、免除されていた。
プーチン「ロシアの経済危機は懸念よりもひどくない」
ロシア大統領プーチンによれば、経済危機は恐れていたほどは、強
い被害をロシアには与えなかった。「私たちは、情勢を安定させ
た」と大統領はサンクト ペテルブルクでの国際経済公開会議で述
べた。需要は再び増加し、貿易収支は黒字であり、ルーブルの対ド
ル、対オイロ相場は、以前より安定したし、予言されていた深刻な
危機は、起きなかった、とも彼は述べた。またプーチンは、ウクラ
イナ危機のために制裁が間もなく科されるにもかかわらず、ロシア
が今後は西側と、再び協力するつもりである、と自信を覗かせた。
ロシア元財相クルディンは、これより前に、これは「正真正銘の危
機」であり、今年末までに、経済に関する数値はさらに悪化する、
と警告していた。この公開会議と並行して、プーチンはその後ギリ
シア首相ツィプラスと会談する。ツィプラスはサンクト ペテルブ
ルクで、「ギリシア問題」はヨーロッパの問題である、と述べてい
た。
ロシアはギリシアを通過するガス輸送管の資金の一部を負担
ロシアは、ガス輸送管トルコ路線の延長で、ギリシアと手を組む。
ロシアエネルギー相ノヴァクは、国営振興銀行VEBが、ギリシア領
土までガス輸送管を建築するのに参加する、とサンクト ペテルブ
ルクでの国際経済公開会議で述べた。ここでは、これに関する合意
に署名が行なわれた。この輸送管は、2019年に完成する予定で、毎
年、500億立方メートルのロシア産ガスを、ウクライナを経由せ
ず、トルコとギリシアを通じて、西ヨーロッパに輸送することにな
る。
６月２０日（土）
ギリシアは特別首脳会談に向けて新たな提案をすると予告
ギリシア政府は、債務を巡る対立で、月曜日に開かれるオイロ首脳
特別会談に、新たな提案をする、と予告した。次官アレコス フラ
ブラリスはギリシアのテレヴィ番組で、ギリシア政府は今までの提
案を補足する意向である、と述べた。ツィプラスの信頼厚い彼によ
れば、ギリシアと債権者であるEU、ヨーロッパ中央銀行、国際通貨
基金の対立は、もはやそれほど大きくなく、数ヶ月前から差し止め
られている総額72億オイロの支払いの見返りに、資金提供者が要求
している4億5千万オイロの支出削減が、最後まで残った問題であ
る。合意が成立しなければ、ギリシアは国家としての破産に直面す
る。それを恐れて、銀行から自分の預金を引き出すギリシア人が増
えていた。
その他のニュース
ガオクはドイツ人に難民のためにもっと活動するように求める
連邦大統領ガオクは、ドイツ人は、第二次世界大戦中の非難と国外
追放を経験したのだから、現在の難民に対して、より寛大になるよ
うに、と要請した。「70年前に、貧しく破壊されたドイツは、数百
万人の難民を社会に受け入れることができた」とガオクはベルリン
での式典で述べた。彼は、社会にとって、難民が好機をもたらすこ
ともある、と見ている。「経済的に成功し、政治的に安定したドイ
ツが、現在の課題に関して、未来の好機に気がつくことができない
とすれば、それは何故なのか？」と述べた。連邦政府は現在、国外
追放者を思い起こす国を挙げての記念日を初めて挙行している。同
じ日には、国連の世界難民の日が開かれる。
世界難民の日 国連は世代が失われないようにと警告
今日の世界難民の日をきっかけに、国連は失われた世代が発生しな
いように、と警告した。世界食糧計画の局長カズンは、「私たち
は、紛争と飢餓で一つの世代全体を失なう危険を冒している」と述
べた。「国連の発表によれば、世界には6千万人ほどが避難してお
り、その半分が子供である。連邦発展大臣ミュラーは、世界難民の
日に際して、EUを批判した。キリスト教社会同盟の政治家である彼
は、EUは経済のために3,150億オイロの計画を負担しているが、難
民支援のために100億オイロを上積みできていない、と述べた。
ソマリアでイスラーム教徒の攻撃 死者発生
ソマリアでは、治安部隊とイスラーム教徒シャバーブ民兵に属する
者たちが交戦し、目撃者と当局の発表によれば、少なくとも15人が
死亡した。それによれば、重武装の戦闘員たちは、夜間に同国南部
の軍の基地を攻撃した。警察派出所の攻撃だけで、少なくとも8人
の警官が死亡した。急進派シャバーブ民兵が、この攻撃を行ない、
少なくとも20人の兵士と警官を殺害した、とインターネット上で発
表した。シャバーブ民兵は、テロ組織網カーイダとつながりを持っ
ており、数年前からソマリアと隣国ケニアで、不安と恐怖を巻き起
こしている。
６月２１日（日）
ツィプラスは特別首脳会談を前に資金提供者と会談
今日オイロ首脳会談が始まるのを前に、ギリシア首相ツィプラス
は、諸外国の資金提供者と会談する模様である。報道機関は一致し
て、ツィプラスはEU委員会議長ユンケル、オイロ使用国連合ダイセ
ルブルーム、国際通貨基金総裁ラガルド、ヨーロッパ中央銀行総裁
ドラギとも会談する、と報じている。ドイツ財務大臣ショイブレ
は、ギリシア政府に対して、行動に移すように促した。彼は、改革
が決定されているだけではなく、それが実行されているところはど
こでも、安定化政策は機能しており、これはアイルランド、ポルト
ガル、スペイン、キプロスで起きていることであるが、ギリシアで
も、改革が今後実施されなければならない、と語った。EU委員エッ
ティンガーは、資金提供者がギリシア政府に、これ以上譲歩する可
能性はほとんどない、と見ている。彼はテレヴィ局に対して、余地
はほとんど極限になっている、と述べ、ギリシア政府には、国防予
算の支出削減も提案したことを思い起こさせた。
その他のニュース
託児所問題で仲裁請求の見通し 労組はルフトハンザ社に要求
仲裁の期間中は平和義務が生じていた。ドイツの全日制託児所で
は、およそ1ヶ月間ストが行なわれている。労働組合は、、社会福
祉および教育分野に従事する24万人ほどを、より高額の給与に分類
するよう要請し、10％ほどの賃上げを求めた。一方ルフトハンザ社
との労働契約をめぐる対立では、土曜日には仲裁がはっきりした成
果を生まなかったため、客室乗務員労働組合Ufoは、午前中に自分
たちの今後の対処を発表する意向である。ストを行なうとの予告が
出される可能性もある。組合員全員による投票は、広い範囲から、
既にストに賛成する過半数が生まれていた。ここでは、客室乗務員
の一時年金および老齢年金が、特に問題になっている。またドイツ
郵便では、無期限ストは終了する見通しはない。ここでは労働争議
は3週目に入った。
ネタニヤフはファビウスの提案に批判的
イスラエル首相ネタニヤフは、フランス外相ファビウスの新たな近
東仲裁提案に、懐疑的な態度で批判している。ネタニヤフはファビ
ウスとの協議後、外部から押しつけられたものである国連決議によ
っては、平和は得られない、条件なしで行なわれる、対立する関係
者の直接対話でのみ、平和は可能である、と述べた。ファビウス
は、週末にこの地域、エジプト、ヨルダン、イスラエル、西ヨルダ
ンランドで、彼の提案が成果を上げる見通しを探っていた。
1967年、つまり6日間戦争（第三次中東戦争）前の国境線を土台
に、二カ国併存による解決をするのが、ファビウスの念頭にある。
イスラエルはこれを拒否している。
イラン国会は核協定に関して態度を決める
イラン国会は、西側との核協定を結ぶ上での条件を定める法律の基
本的な点を可決した。法案の中では、この条約が効力を持つのは、
イスラーム共和国イランに対する制裁が、すべて破棄された場合だ
けである。国際原発機構は、核施設だけの調査を行なうことが認め
られ、軍事拠点の調査は認められない、ともされている。パルチン
の軍事施設を、査察団が訪問することが、数年前から議論されてい
る。さらにこの法案は、イランは今後も原子力を、平和的には利用
できるものでなければならない、との内容になっている。AFP通信
とロイター通信によれば、この法案は、国内安全最高評議会に、必
要なすべての決定を下す権限を与えている。国会は、これが成立す
れば、核協定を止める可能性はほとんどなくることになる。