7月6日〜12日のオーストリアのニュース



7月6日(月)

     国外ニュース

エウクリッド ツァカロトスがファロファキスの後継者に決定

ギアニス ファロファキスが突然、ギリシア財務大臣を辞任してか
らわずか数時間、彼の後継者が出発態勢を整えた。ギリシア大統領
府は、月曜にアテネで、後継者はエウクリッド ツァカロトスであ
る、と発表した。55歳の彼は、他のヨーロッパ国で、知られていな
い人物ではなかった。ツァカロトスは、債権者との交渉で「調整
役」であった。彼の使命を受けて、彼は新たな職に就任して初めて
発言し、ギリシア人は、この国民投票で、「よりよいものを手に入
れた」ことを明確にした、と述べた。

     国内ニュース

閣僚「最低保険が広い範囲で悪用されている」

昨日社会福祉大臣は、国民党は、最低保険が組織的悪用され、数千
人が「社会福祉のハンモック」で眠っている、との不安を持つ必要
はない、と述べた。「公務員の配置換えや、必要なものだけに限っ
た最低保険のように厳しく管理された援助は、ほとんど生じていな
い」と述べた。これは連立相手のルードルフ フンツトルファー
(社会民主党)に向けられた発言である。




7月7日(火)

     国外ニュース

債務を巡る対立 ギリシア政府に対する「最後の期限」は日曜日

オイロ使用地域の大統領と首相は、火曜日の特別会談後、ギリシア
に「最終期限」を設定した。オーストリア首相ウェルナー ファイ
マン(社会民主党)は、日曜日の次回EU首脳会談で合意が成立しな
ければ、「我々は改めて期限を延長することはない、とのはっきり
した方針が生まれている」と述べた。ギリシア首相アレクシス ツ
ィプラスは、木曜日までに提案すると約束した、とファイマンおよ
びドイツ首相アンゲラ メルケルは述べた。合意が成立しなけれ
ば、代案やギリシアに対する人道支援を調整しなければならない、
とも述べた。

     国内ニュース

国民評議会は騒然とした議論 税制改革を認める

政府は、第二共和国最大の税負担軽減である、と述べているが、野
党は「小石」で「ゼロ・サムゲーム」あると述べた。騒然とした議
論が行なわれ、最後には細部を修正して、火曜日に税制改革は国民
評議会を通過し、社会民主党と国民党の票で、可決された。改革の
中心部分は、労働契約の改革であると見られており、これでオース
トリア人は50億オイロの負担軽減となった。可決された案件は、自
動金銭登録機の使用義務と、反対意見もある口座捜査であり、オー
ストリアの銀行守秘義務が事実上終了することになる。




7月8日(水)

     国外ニュース

ギリシアの銀行の閉鎖は月曜まで続く

ヨーロッパ中央銀行は、ギリシアの各銀行に対して総額890億オイ
ロ緊急借款を、当面変えることなく維持する方針である。月曜日に
は、借款の総額を、改めて検討する、とヨーロッパ中郷銀行筋は水
曜日に発表した。金融機関が、早くても来週初めに再開するまで、
国民は銀行閉鎖を今後も甘受しなければならない。ギリシアに資金
を提供している機関は、ギリシア政府の改革の提案内容を、疑問視
しているが、少なくとも「有用」である、と評価している。

     国内ニュース

「シュタンダルト」紙 不動産銀行の負債減免は危うい状況

「シュタンダルト」紙(木曜版)によれば、共和国は、問題となっ
ている借款の減免が、拒絶される可能性がある。ウィーンの憲法裁
判所は、これに関する法律を破棄する方針である、と同紙は情報を
知る筋の話として伝えている。共和国は、不動産銀行清算法を制定
して、劣後債権となった8億9千万オイロ分の不動産銀行の株式を持
つ債権者と、8億オイロの債権を持つバイエルン州立銀行に、資金
を要求していた。多くの専門家は、この法律が憲法にかなっている
かどうか、疑わしいと述べていた。




7月9日(木)

     国外ニュース

ギリシアは改革の一覧をEUに送る

ギリシア危機の中で、新たにかすかな希望がまた生まれている。ギ
リシア政府は木曜日午後、支出削減案の新たな一案を、オイロ使用
国連合議長ユルーン ダイセルブルームに送った。資金提供者は、
この一覧をこれから検討する方針である。確かな筋の情報によれ
ば、この案には100億オイロないし120億オイロのもので、観光業へ
の増税と、年金の削減を含んでいる。ただしこの案に賛成しなけれ
ばならないのは、各組織だけではなく、首相アレクシス ツィプラ
スが、国会で多数の賛成を必要としている。急進左派連合は、この
計画を支持することはあり得ないためである。

     国内ニュース

EUの難民引き受けで駆け引き オーストリアは4百人を受け入れ

EUが引き受ける難民の引き受け割合をめぐる駆け引きは、まだ続い
ている。加盟各国の内務大臣たちは、木曜日の会合では、紛争地域
出身で承認済みの2万人を、受け入れることに合意できただけだっ
た。内務省によれば、オーストリアは、あわせて4百人の受け入れに
参加する方針である。既にヨーロッパにいる4万人の引き受けは、複
数の国が抵抗しているため、失敗に終わった。




7月10日(金)

     国外ニュース

改革に関する文書に関してアテネで急進左派連合に抗議

ギリシアが国民投票で、拒絶の姿勢を示してからまだ1週間経って
いないが、首相アレクシス ツィプラスは、早くも方針を転換し
た。彼は改革に関する文書の中で、資金提供者に多くの提案を行な
ったが、これは、彼が以前に交渉の席を去ったの原因となった案と
同じものであった。資金提供者は一部は拒否する姿勢を取っている
が、少なくとも一部は、慎重ながら前向きの評価をしている。ただ
しツィプラスは今まで、予想していなかった勢力から、批判を受け
ている。アテネの国会議事堂前のシンタグマ広場では、資金提供者
ではなく、彼および彼の急進左派連合に初めて抗議する活動が行な
われた。

     国内ニュース

アリイエフ事件で殺人容疑では無罪判決

アリイエフ事件では、金曜日に判決が言い渡された。被告の2人、
カザフスタン秘密情報部KNB元部長アルヌル マサイエフと、さら
にワディ無 コシュリャクは、カザフスタンの銀行家2人の殺害容
疑で、無罪を言い渡された。ただしコシュリャクは、銀行家1人の
誘拐に関連した起訴理由では、有罪とされた。主たる容疑者、カザ
フスタンの駐ウィーン大使で、カザフスタン大統領の元婿ラハト 
アリイエフは、拘留中に自殺した。彼の未亡人は、この結果を「死
後無罪」と見ている。




7月11日(土)

     国外ニュース

ギリシア支援がヨーロッパ各国を分断

ギリシアに対する3回目の支援対策をめぐる交渉で、オイロ使用国
19カ国の財務大臣は、土曜日夜に深い分断模様を呈した。ドイツを
筆頭にオイロ使用国の多数は、ギリシア政府がさらなる譲歩をする
よう求めた。ドイツ政府の動議に基づいて、ギリシアの一時的オイ
ロ使用停止すら、協議されることになっている。9時間にわたる協
議後、深夜を過ぎて、交渉は翌日午前中に延期された。日曜日に
は、各国の大統領および首相の特別会議が行なわれ、長時間交渉は
次の段階に入る。ギリシア住民には、情勢はますます厄介なものに
なる。

     国内ニュース

ウィーン選挙とウィーン市の公営住宅

ウィーンの各政党は、秋のウィーン市選挙に向けて、準備を進めて
いる。選挙戦の中心的な論点は、既に浮かび上がってきている。そ
れは住宅問題である。特にウィーン市公営住宅は、各党の標的とな
った。政権を持つ社会民主党と緑の党の連立は、今後数年で新たな
公営住宅の建設と、便利のよい住宅の建設を約束している。ただし
他の選挙戦の論点も、公営住宅問題に浮かび上がってきており、現
地調査がそれを示している。




7月12日(日)

     国外ニュース

ギリシア会談 ドイツはさらに厳しい要請

ギリシアの命運は、再びどちらに転ぶかわからない。午後から、オ
イロ使用国の大統領と首相は、ギリシアに対するさらなる支援金に
ついて協議している。オイロ使用国連合の文書によれば、財政上必
要な金額は、820億オイロから860億オイロで、今まで予想されてい
たよりも高額になる。現在対立点は、ドイツが500億オイロのルク
センブルクの基金を求めていることである。この基金では、民営化
の収益が、債務の穴埋めに使用されることになる。三極も、広い範
囲の権限を持って、交渉に戻ることになっている。ギリシア政府が
受けた屈辱も、論評に上がっている。

     国内ニュース

亡命希望者の受け入れ分担はフィッシャーにとって「支持可能」

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、日曜日のテレヴィ番組に出
演した。インタヴューの中で、2つの大きな問題があらわとなっ
た。それはギリシアと亡命である。ブリュッセルで困難な交渉が続
く中、フィッシャーは、オイロ使用国の内部で、2つの勢力に分断
されることがないように、と警告した。難民問題では、フィッシャ
ーは、政府に対して、受入数の分担をより公正におこなうように、
と要請した。自分の考えでは、この問題の解決で、受入数の分担は
「支持できる」と述べた。




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