10月12日〜18日のドイツのニュース



10月12日(月)

EUはロシアにシリア反政府勢力への攻撃を止めるよう要請

EUはロシアに対して、シリアの穏健派反政府勢力組織を爆撃するの
を、即時中止するよう求めている。EU加盟各国の外務大臣は、ルク
センブルクで会議を開き、ロイター通信に最終声明案を提示した
が、その中で、ロシアの攻撃は、「イスラーム教国IS」およびその
他国連がテロ組織に分類しているものに対するもの意外にも向けら
れており、ただちに中止しなければならない、と記されている。同
様のことは、トルコなどの隣国が、ロシア戦闘用ジェット機によっ
て空域侵害されていることにも当てはまる、とも書かれている。こ
の声明案では、EU各国の外務大臣は、大統領バシャール アル・ア
サド体制とでは、紛争が長期的に解決することはできない、との立
場を強調している。Isとの戦いでは、西側が支援するシリアのアラ
ブ系およびクルド系民兵が、新たな先頭同盟に加わった、とシリア
人権監視団は伝えている。

     その他のニュース

キリスト教民主、社会同盟は難民に「通過地域」を設定する方針

ドイツへ向かう難民の波が相変わらず続いているため、キリスト教
社会同盟とキリスト教民主同盟の政治家たちは、国境の所にいわゆ
る通過地域を設定することに理解を求めている。滞在権を得る可能
性があるかどうか決まるまで、難民たちはここに留め置かれること
になるかも知れない。新難民調整官アルトマイアーの発表によれ
ば、大連立政権は、来週までにこの問題について決定を下すつもり
である。ただし社会民主党内部では、実際に実施することができる
のか、このような地域が法的に認められるのか、疑問視されてい
る。国連難民員グテレスは、EU加盟各国に対して、難民を収容所
や、ヨーロッパ大陸街の国々から、直接受け入れるように呼びかけ
た。彼はアテネで、直接の受入が、人命を救うためには、最高の方
法である、そうすれば人々は、多額の資金と引き替えに、密入国業
者から危険な航海を買う必要が無くなる、と述べた。

トルコはアンカラ攻撃を正式にISによるものとする

アンカラで流血の襲撃事件があったことを受け、トルコ政府はテロ
民兵「イスラーム教国IS」を、この事件の主要容疑者と公式に名指
した。首相ダーヴトオールは、そのために犯人の行動がそれを表し
ており、捜査陣は、2人の犯人のうち1人の身元を、間もなく特定で
きる状況にある、と述べた。アンカラの和平行進の最中に2件の爆
発があって2日、犠牲者の数はまだ不明である。親クルド人の国民
民主主義党HDPは、死者の数を128人と発表したが、政府は死者の数
は97人である、と見ている。ドイツ首相メルケルは日曜日、シリア
紛争、難民危機、テロ組織との戦いに関する議論のために、トルコ
に向かう。

エルサレムでナイフを使った襲撃 攻撃犯は射殺される

1人のパレスチナ人が、エルサレムの歴史的旧市街の入口にある獅
子門のところで、イスラエル警官1人をナイフで襲撃した。この警
官はその後、班員を射殺した、とイスラエル警察の広報は確認し
た。警官は負傷しなかった。数日前から、パレスチナ人とイスラエ
ル治安部隊の間で、繰り返し暴力が起きている。新たなインティフ
ァーダ(蜂起)が起きる不安が増大している。神殿の丘への立入に
関する議論が再燃したのが、このきっかけである。神殿の丘は、エ
ルサレム旧市街の卓状地で、イスラーム教徒とユダヤ人にとって、
同じく神聖な場所である。EU外務委員モゲリーニは、近東でさらに
暴力が拡大することがないように、と警告した。彼女はインターネ
ット上に、イスラエル首相ネタニヤフとパレスチナ大統領アッバス
との電話会談で、懸念を伝えた、と書き込んだ。




10月13日(火)

委員会「MH17便はブーク型ミサイルで撃墜された」

オランダの捜査陣が得た知見によれば、2014年7月に東ウクライナ
上空で打ち落とされたマレーシア航空の旅客機には、ロシア式の製
造によるブーク型ミサイルが命中した。地対空ミサイルは、東ウク
ライナから発射された、と調査委員会の最終報告書には記されてい
る。MH17便のボーイング777型機は、親ロシア反乱勢力の手にある
地域上空で、墜落していた。この事件では載っていた298人全員が
死亡したが、その多くはオランダ人であった。同委員会は、ロシア
は弾頭の型もミサイルの型がどれであるかに関する報道に、異論を
唱えている、と説明している。ロシアとウクライナは、この撃墜の
責任を、相手に押しつけ合っている。責任の問題は、現在行なわれ
ている刑法上の捜査の対象である。

     その他のニュース

9月末までに難民の数は70万人を超える

今年の最初の9ヶ月で、71万人以上の難民がEUと外部の境界を越え
たが、これは昨年1年の倍以上である。9月だけでその数は17万人で
あった、とEU国境警備局フロンテクスはワルシャワで発表した。そ
の多くは、内戦の国シリアの出身である。同局によれば、船が足り
ず、天候が悪かったため、リビアを経由してイタリアにたどり着い
た移民の数は半減した。1万2千人のうち、最も多いのはエリトリア
出身者である。難民の数が多数に上るため、ドイツは再び、国境の
ところで監視を再導入した。その他、国境の所に、いわゆる通過地
域を設置し、難民が速やかに調査を受けられるようにするかどう
か、議論がなされている。ほとんど在留する見込みの内移民たち
は、迅速手続きで亡命申請が拒否された後、そこから故国に戻され
ることになる。

ペディガ運動のデモに絞首台を持ち込んだ者を捜査

先日ドレースデンで起きた反イスラーム教徒のペディガ運動のデモ
は、裁判沙汰になりそうである。その理由は、数千人の参加者の
1人が持参した絞首台である。その絞首台には、難民政策の方針に
関して、首相メルケルと副首相ガブリエル用に予約された絞首台、
と書かれていた。今度は処罰を求める公的要請が出されているた
め、今度は主催者も捜査を受ける、と警察は発表した。絞首台を作
った者の名前は、公表されていない。そのため被疑者不詳で捜査が
行われる。この犯行に責任がアルトされれば、罰金ないしは5年ほ
どの拘留刑が言い渡される可能性がある。

駐ダマスカスのロシア大使館にミサイルが命中

シリアのロシア大使館の敷地に、2発の榴弾が命中した。負傷者は
出なかった、と大使館は発表した、とタス通信は伝えている。シリ
アの首都ダマスカスの指揮にの前には、数百人が集まり、ロシアの
シリア空爆を支持していた。この攻撃は既に、大統領アサドに反対
する勢力を弱体化させている模様である。過去数日シリア軍は、反
乱勢力に対して複数の戦線で前進している。米国はこの間、同国北
部での戦略を変更した。米国は落下傘を用いて、ジハード主義民兵
「イスラーム教国IS」と戦う反乱勢力に弾薬を投下した。今まで米
国の専門家は、戦闘員を育成し、彼らに武器を供給した。ただしこ
の計画は、あまり成果を上げていない。




10月14日(水)

トゥスクは難民数の切り下げをトルコとの協定に結びつける

EU評議会議長ドナルド トゥスクは、トルコとの協定に、難民の数
を引き下げることを含めるつもりである。彼はEU加盟各国の首相お
よび大統領への招待状の中で、この目標が達成される場合にのみ、
譲歩が正当化される、と記した。EUの秋の首脳会談は、木曜日にブ
リュッセルで開かれる。彼は、トルコ訪問の目的は、ヨーロッパへ
押し寄せる難民の波を減らすことであり、ヨーロッパへの殺到が減
少するとしても、EUは春には「大波」が押し寄せるのに対処しなけ
ればならない、と述べた。トルコは、最も多くの難民が通過する国
と見られている。
一方「ヴェルト」紙は、難民危機への対処として、EU加盟各国はそ
の支払い義務を果たしていないのははっきりしており、現在あるの
は、非難の原因を解決するために、9月に可決された18億オイロの
アフリカ緊急支援基金ではなく、2,430万オイロの約束だけであ
る、と語った。その3分の1以上が、EU加盟国ではないノルウェイお
よびスイスからのものである、とも述べた。

     その他のニュース

イスラエルはエルサレムのアラブ人街区の監視所を設置

イスラエルは、東エルサレムのアラブ人居住区の縁に、監視所を建
設した。警察広報は、これは最近の襲撃事件を押さえ込むためのも
のである。襲撃犯の多くの出身地は、関連するパレスチナ人居住区
である。安全閣議は夜間、警察に対して、封鎖をする権限を与え
た。その他に、犯人たちの家を、襲撃後数日中に撤去し、彼らの所
有物を没収することを認める決定も下した。イスラエル軍は、警察
を応援するために、数百人の兵士からなる6中隊を、各市に派遣し
た。緊張が高まる中、イスラエルで起きた一連の刃物による襲撃
は、不安をかき立てている。10月はじめから、イスラエル人7人と
犯人と見られるパレスチナ人29人が死亡した。米国外相ケリーは現
在、近東仲裁交渉を計画している。

トルコ内務省は警察長官を停職処分に

トルコでは、アンカラ襲撃後、当局に対する批判が強まっているこ
とを受け、人事面での影響が発生した。内務省は、首都の警察長官
と秘密情報部長、警察の治安局長を解任した、と国営アナドル通信
社が報じている。「ヒュリエット」紙は、アンカラ襲撃の自殺攻撃
犯のうち1人は、テロ民兵ISの支持者として、当局に知られてい
た。大統領エルドアンは、治安局に怠慢があったかも知れない、と
認め、国家監視評議会による特別捜査を命じた。彼は、内相および
法相の辞任要求は退けた。土曜日には、左派および親クルド組織の
平和デモを、2人の自殺攻撃犯が襲撃し、公式発表によれば、少な
くとも97人が死亡した。トルコの最近の歴史の中では、これは最も
多くの血が流れた事件である。

OECDの調査「子供たちは不公平のために高い代償を払っている」

社会的不公正は、ドイツでも、子供たちの初期の機会と生活の質を
損なっている。工業国では、裕福な家族の子供たちは、本質的によ
りよい物質的な条件を得ているだけでなく、生活の質も平均してよ
り高くなっていることが、経済協力開発機構OECDの調査から明らか
になっている。ドイツでは、子供と若者が置かれている条件は、総
じて比較的良好である。この調査によれば、裕福なそして教育ある
家族の子供たちは、しばしばより健康的で、学校ではより質素な家
族の子供よりも、自分たちはしばしばより幸福である、と感じてい
る。またこの調査では、上流の生活環境にある子供たちは、いじめ
の犠牲者になる可能性が低い。「生活はどう?」と言うこの報告書
は、2年おきに同機関の人々の生活条件を分析している。同機関に
は、工業国34カ国が属している。




10月15日(木)

連邦議会は亡命権に関する法律群を可決

連邦議会は、はっきりした多数の賛成で、亡命および難民法に関す
る法律群を可決した。これには、アルバニア、コソヴォ、モンテネ
グロを「安全な出身国」に分類し、亡命鉄尽くおよび亡命希望者に
対する物資供与を実施することが、含まれている。一方、滞在の見
通しが十分にある難民を、社会への溶け込めるようにするために、
提案を拡大することになっている。金曜日にはこの法案は、連邦評
議会を通過し、11月1日に発効することになっている。連邦内務大
臣トーマス デ メズィエール(キリスト教民主同盟)は、最後の
議論の中で、この亡命法を、「90年代以降最大かつ最も包括的な亡
命法の修正」である、としている。また彼は、政府は滞在の見通し
がない人々を、断固として帰国させるよう、力を注いでおり、保護
が必要な難民の受け入れ、および統合にむけることが必要だ、とも
述べた。野党は、亡命法の厳格化を批判している。左翼党の国会議
員ゼヴィム ダグデレンは、亡命に関する基本的な権利を、90年代
以降で「最も大きく攻撃する」ものである、と述べた。

     その他のニュース

メルケルはEUと外部の境界の監視を強化するよう促す

連邦首相メルケルは、難民の流入を押さえ込む上で、EUと外部の境
界の安全をより確保するために、より大きな努力を払うよう求めて
いる。彼女は連邦議会での政府声明の中で、すべての加盟国がその
ために、人材を確保しなければならない、EU委員会は、国境保護局
フロンテクスに、より多くの人材を投入するように要請している
が、ごくわずかの国だけが、それに応じている。メルケルは、ヨー
ロッパが「連帯的な行動をとるよう求めている。彼女はブリュッセ
ルで開かれるEU首脳会談を念頭に置き、「ヨーロッパの真価を示す
歴史的な試練」である、とも語った。EU加盟国の首相と大統領は木
曜日に、難民危機に克服のためのさらなる手段に関して協議する。
鍵を握る問題と見られレいるのは、難民の通過国であり、受け入れ
国であるトルコとの協力を、どのようにすれば改善させられるか、
である。メルケルはこれに関して、トルコととの協力がなければ、
国境の安全や密入国業者の組織との戦いでは、難民の流れを押さえ
込むことができない、と述べた。

米国はアフガニスタンからの部隊撤退を中止する方針

米国政府筋の発表によれば、大統領オバマは今日にも、アフガニス
タンからの米国軍の撤退を中止する意向である。新たな計画によれ
ば、現在9千8百人の兵士からなる米国の兵力は、大部分が来年も滞
在し続けることになる、と政府高官は述べた。2016年末あるいは
2017年初めに、この兵力は5千5百人にまで削減される。この決定
は、アフガニスタンが、自力では治安状況を掌握できていないこと
を認めたものである、と見られている。オバマはこれで、任期中に
兵士の多くを自宅に帰す、との目標を放棄することになる。修正さ
れた計画は、最近のクンドゥス市攻防戦との関連で立てられてい
る。同市は短時間、タリバーンの手に落ちていた。軍はそれをう
け、撤退を再考するよう助言していた。現在NATOの兵士1万3千人ほ
どが同国におり、そのうち850人ほどがドイツ兵である。

シリア軍はホムス攻勢を開始

ロシアの空爆の支援を受け、シリア軍は中心部のホムス州での攻勢
を開始した。同州北部および北西部では、軍の行動が始められた、
特区永放送局がぐんすじのじょうほうとしてほうじている。野党に
近いシリア人権監視団は、ロシア空軍は、少なくとも15回の攻撃の
ために飛行機を飛ばし、その際に少なくとも10人が死亡し、うち
6人が反乱勢力である。同団は、軍と反乱勢力の間で、特に反乱勢
力の手にあるタルビセフ村などで激しい戦闘があった、と伝えてい
る。この村は、ホムス市とハマ市の間にある。大統領アサド政権
が、この地域を奪還すれば、首都ダマスカスとその沿岸のいくつか
の拠点のをつなぐ交通路が確保される可能性がある。




10月16日(金)

サッカー2006年世界選手権は金で買われた可能性があるとの報道

2006年のサッカー選手権の開催がドイツに任されたのは、おそらく
贈収賄によって実現した。報道雑誌「シュピーゲル」がこれを報じ
ている。同誌によれば、招致委員会は事前に、各誌口座を作ってお
り、同委員会委員長フランツ ベッケンバオアーも、現ドイツ サ
ッカー連盟会長ヴォルフガング ニールスバッハ同様、これを知っ
ていた。これより前にドイツ サッカー連盟は、670万オイロを当
時の世界選手権組織委員会を通じて、国際サッカー連盟FIFAに振り
込んだのは、「おそらく当初届けられていなかった目的に」利用さ
れた、と発表していた。この発表によれば、この資金が振り込まれ
たのは、世界選手権の前年に当たる2005年春であるが、投票者の票
が、招致活動の中で買収されたことを示す根拠ではないことが判明
した、とのことである。

     その他のニュース

トルコはシリア近くで所属不明の無人機を撃墜

トルコ軍は、シリア国境近くで、「所属の明らかでない飛行機」を
撃墜した、と発表した。CNNトルコは軍部の情報として、これは無
人機で、キリス地域で破壊された、と報じられた。軍は、この物体
はトルコ領空に進入し、3回警告をしたにもかかわらず飛行を続け
たので、その後に発砲した、と説明している。ロシア国防省は、自
国のすべの飛行機は、シリアでの活動からすべて安全に帰還し、す
べての無人機も予定通りである、と発表した。過去数週間、ロシア
の軍用ジェット機は、シリア上空で活動を続け、トルコの空域に数
回にわたって侵入していた。これを受けトルコ政府は、ロシア政府
に、繰り返されれば発砲する、と警告していた。

活動家「シリア攻撃で少なくとも60人が死亡」

ロシアとシリア軍が、シリアの反乱勢力地帯を攻撃し、活動家によ
れば、少なくとも60人が死亡した。犠牲者の中には子供と女性30人
が含まれている、とロンドンに拠点を持つシリア人権監視団は発表
した。ロシアの軍用ジェット機は、木曜日にホムス市の北部にある
地域を攻撃するため、35回出撃した、とのことである。中立の機関
による確認は取れていない。国連の世界食糧計画WFPは、シリアと
隣国の難民のための支援を削減スrこと派、ヨーロッパへ亡命を希
望する人数の増加に、重大な原因である、と見ている。同計画のベ
ルリン事務所長ズュードホフは、戦争は4年前から続いているにも
かかわらず、このような難民の波は起きていなかった、現地の支援
は「大幅に資金不足になっている、と福音派通信社に述べた。

今年初めからの難民の数は60万人を突破

国際移住機関の発表によれば、今年初めから、地中海を経由してヨ
ーロッパに到着した移民と難民の数は、既に61万3千人を超えた。
移動の最中に死亡ないしは行方不明になった人は、3千1百人を超え
ると同機関はジュネーヴで発表した。国連難民高等弁務官事務所
は、10月にはこの情勢は、9月よりは落ち着いたものの、過去数日
でギリシアでは難民の数は一貫して上昇しており、現地では毎日70
ないし80隻の難民船が入港している、と発表した。ギリシアのレス
ボス島には、EU委員アヴラモプロスとルクセンブルク外相アセエル
ボーンは、初めて作られた難民登録所の開所式を執り行った。人権
活動家は、いわゆる「難民集合地帯」案を、厳しく批判している。
亡命を支持する組織の執行部長ブルクハルトは、「巨大な収容施
設」の中には、「数万人が隔離されている」と述べた。




10月17日(土)

市長候補者襲撃の動機に外国人敵視との報道

ノルトライン・ヴェストファーレン州内務大臣ラルフ イエーガー
は、ケルン市長候補ヘンリエッテ レーカーが襲撃された事件は、
政治的な動機に基づく犯行であると見ている。警察の捜査は全速力
で進んでいる、と社会民主党の政治家である彼は述べた。一致して
報じられているところでは、44歳の襲撃犯は逮捕後、ドイツの難民
政策に対する不満を、犯行の動機としてあげた。この犯人は、選挙
戦の活動の間に、58歳のレーカーを市場で襲撃し、のどを刃物で刺
され重傷を負ったが、命には別状はなかった。周囲に立っていた
4人も負傷した。ケルンでは明日日曜に、新市長が選ばれることに
なっている。無所属の候補者レーカーはキリスト教民主同盟、緑の
党、自由民主党の支援を受け、有力候補と見られている。社会民主
党の市長候補ヨッヘン オットは、犯行後に選挙戦の活動を中止し
た。

     その他のニュース

EUはトルコとの加盟交渉を前進させる方針

EUは、隘路に入り込んでいたトルコのEU加盟交渉を、難民危機克服
での支援と見返りに、前進させる方針である。EU拡大委員ハーンは
「シュピーゲル」誌に、法治国家と人権問題に関する話し合いを開
始することになる、と述べた。難民危機に直面して、EUはトルコと
の間で、関係を築き直す道を模索し、トルコがシリア難民の待遇を
改善し、EUへの移動を阻止するのであれば、巨額の支援をすると約
束している。ドイツ首相メルケルは日曜日に、大統領エルドアンと
この問題を協議するために、トルコを訪問する。「ヴェルト」紙
は、EUは加入交渉を加速する方針である、と伝えている。

クロアチアは難民をバルカンを迂回させてスロヴェニアに導く

クロアチアは、ハンガリーとの国境を閉鎖したあと、難民たちをス
ロヴェニアに向けて迂回させ始めた。難民たちは、数台のバスで、
スロヴェニアとの国境へと移された、とクロアチアでは内相オスト
ジチの言葉として報じられている。ハンガリーは、金曜日夜に、EU
加盟国であるクロアチアとの(柵などのない)草原国境地帯を、大
量に警官を動員して3百キロ以上に渡って封鎖した。これは移民が
自由に出発するのを妨げるためのものである。またハンガリーは、
スロヴェニアとの国境を監視する、と予告した。スロヴェニアはク
ロアチアからやってくる難民を登録し、その後オーストリア国境に
向けて運ぶ方針である。

シリア政府軍は反乱勢力に対抗してアレッポ近郊に進軍

ロシアの空爆の支援を受け、シリア政府軍はアレッポ周辺で、イス
ラーム教徒反乱勢力に対する攻勢を維持している。シリア人権監視
団の発表では、権力者アサドの兵士は、百万都市アレッポの南部で
攻撃を開始してから1日、3つの村落を占領し、多くの民間人が攻防
戦が続くこの地域から逃げ出した。また同市北部では、空軍基地を
めぐる戦闘が起きている。この基地を占領すれば、ロシアはジェッ
ト機を飛ばすために利用することができる。ロシアは2週間以上前
から、シリアで反アサド勢力を空爆している。




10月18日(日)

メルケルはトルコがさらにEU入りに近づくことを約束

トルコは、難民問題で今まで以上にEUに効力するのと見返りに、EU
との関係で新たな弾みを手に入れられる、と期待できる。ドイツ首
相アンゲラ メルケルは、イスタンブルを訪問し、トルコに今年、
EU加盟交渉で新たな段階に入ると約束した。その他彼女は、トルコ
人に入国査証発行を簡素化するべく尽力する、と予告した。メルケ
ルは首相アフメト ダーヴトオールとの会談後、その見返りにトル
コ政府は、難民のトルコへの帰還を含む条約を、早期に実施に移す
よう求めた。ダーヴトオールは、メルケルとの会談後、トルコは違
法な移民を阻止するために、ドイツを支援するつもりであるが、難
民危機は、シリア紛争が解決しなければ、克服することはできな
い、と語った。

     その他のニュース

警察労働組合議長は国境に柵の設置を要請

ドイツ警察労働組合連邦議長ヴェントは、ドイツとオーストリア
の国境に、柵を作るのに賛成した。彼は「ヴェルト」紙日曜版に、
真剣に捉えて国境管理を実施するのであれば、そのような柵が建設
されなければならないし、そうなればおそらくオーストリアも、故
郷を閉鎖することになるので、このような柵は連鎖作用を引き起こ
すことになる、とも述べた。「全員こちらに来い」との呼びかけを
もはや送ることはできない、さもなければ内部秩序が危険にさらさ
れる可能性があり、柵がなければ、通過地帯も存在し得ない、とも
ヴェントは述べた。キリスト教民主、社会同盟は、通過地帯はを提
唱している。通過地帯は、難民が亡命できる可能性があるかどうか
を検討し、ドイツでの滞在権が得られる見通しがなければ、入国は
阻止される。

警察によればケルンの襲撃犯は完全に責任能力がある

ケルン市長候補レーカーに切りつけた男は、おそらく殺人未遂と
4件の危険な傷害事件容疑で、責任を問われることになる。捜査陣
の情報によれば、44歳のこの男は、完全に責任能力があり、拘禁裁
判官の所に連れて行かれることになる。この男は、積極的に右翼運
動に加わっていたと述べている、とケルン警察は発表した。この襲
撃犯は土曜日、選挙戦のひな壇のところで、無所属の市長候補レー
カーに刃物で切りつけ、重傷を負わせていた。レーカーは、ケルン
の社会伊福氏の責任者として、難民の収容を担当している。攻撃が
行なわれたが、ケルン市長選挙は予定通りに実施された。選挙委員
会は襲撃後、市民に対して、日曜日には投票に行くように呼びかけ
ていた。

ドイツ書籍販売業平和賞がケルマニに授与

イラン系ドイツ人ケルマニが、ドイツ書籍販売業平和賞の新たな受
賞者となった。47歳の彼は、2万5千オイロの副賞がついたこの賞
を、フランクフルトのパウル教会で受けた。作家であり記者である
彼は演説の中で、シリアとイラクでの戦争を終わらせるために、緊
急に諸外国に呼びかけ、そのためには、外交的にそしてできれば軍
事的により断固とした行動が必要である、とも語った。ケルマニ
は、ドイツのイスラーム教と知識人としては、最も名前を知られた
人物である。彼は長編小説、学問的な論文、近東の紛争地帯の旅行
記を執筆した。ドイツ書籍業の上部団体であるこの組織は、平和賞
で、特に文学、学術、芸術の分野で、平和を求める考え方に貢献し
た人を表彰している。この賞は、1950年から毎年、フランクフルト
の書籍見本市の閉幕時に授与され、ドイツで最も重要な症の一つと
見られている。




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