１０月２６日〜１１月１日のドイツのニュース
１０月２６日（月）
大地震が南アジアを揺らす 死者多数
大地震が南アジアの各地を揺らした。パキスタン北東部から、多数
の犠牲者が報告された。現地では、少なくとも135人の死者、数百
人の負傷者が出た、とされた。アフガニスタンは、あわせて少なく
とも31人の死者を悼んでいる。同国北部のタルカンでは、人々が大
混乱に陥り、12人の女子生徒が踏みつけられて死亡した。強度7.5
の地震の震源は、ヒンドゥクシ北東部で、地下2百キロである、と
専門家は発表した。自信はイスラマバード、ニュー デリー、ある
いはネパールのカトマンドゥでも感じられた。
半年に阿恵には、強度7.8の大ヒマラヤ地震が、ネパールを中心に
発生したばかりであった。この時は9千人が死亡していた。
その他のニュース
ポーランドは右派が進出 民族主義保守政党が単独政権が可能に
ポーランドの国会議員選挙で、民族主義保守派が明確に勝利したこ
とを受け、ドイツの隣国である同国は、右傾化の状況にある。今ま
で野党で会った法と正義PiSは、最終得票予想によれば、単独でつ
まり連立せずに政権担当が可能であり、これは共産主義体制終了
後、ポーランドでは初めてである。PiSの政治家たちは、選挙戦の
中で、イスラーム教徒難民の受入に、明確に反対していた。2005年
から7年の間、同党の政権に属した政治家たちは、ドイツとポーラ
ンドの関係で、大きないらだちを招いていた。暫定集計によれば、
投票者の37.7%が「法と正義」と、その筆頭候補スズィドロを支持
した。これは総数460議席の同国議会で、232人の国会議員をもち、
単独で政権を担当するに足りる数字である。同党は2005年から7年
にかけて政権を担当したとき、民族主義的独断行動が、EU内部でい
らだちを招き、ドイツとの関係が大きく冷え込んでいた。首相コパ
チ率いる自由主義の保守派「市民公開会議PO」は、現在の状況で
は、投票の23.6%を獲得した。
アルゼンチン大統領選挙はおそらく延長戦に
アルゼンチン大統領選挙は、決選投票になる、と筆頭候補たちは発
表した。集計終了の直前に、左派自由主義連立政権の候補シオリは
37%の得票で、保守派の政治家マクリの34.5%を上回った。アルゼン
チンでは、第1回投票で勝利するためには、候補者は投票の45%を獲
得するか、少なくとも40%を獲得し、第2位の候補を10%引き離すこ
とが必要である。クリスティナ キルチネルの後継者をめぐる決選
投票は、11月22日に行なわれることになる。
トルコがISに踏み混む 9人が死亡
トルコ警察は、主としてクルド人が住むディヤルバキルで、ジハー
ド主義急進派に対処した。当局によれば、この手入れで、警官2人
と、いわゆる「イスラーム教国IS」の戦闘員7人が死亡した。その
後砲撃が行なわれた、とのことである。トルコ治安部隊は、アンカ
ラが襲撃を受け、1百人を超える死者が出たことを受け、IS対策を
強化していた。大統領エルドアンは、ISとクルディスタン労働者党
PKK、シリアのクルド人民兵PYD、シリア秘密情報部が、この襲撃事
件を引き起こした、としていた。
１０月２７日（火）
ヨーロッパに到着した難民は70万人を超える
地中海を越えてヨーロッパに到達品難民の数は、新たに最高水準に
達した。1月から10月末までに、70万人がこの道を通って到着し
た、と国際移住機関IOMはジュネーヴで発表した。彼らは多くが、
紛争、暴力、貧困を逃れて、航海に不向きの小舟に乗って避難し
た。同機関の発表では、およそ3,250人が地中海を渡る際に死亡な
いしは行方不明になった。バイエルン州政府は、厳しい言葉で、難
民危機でのオーストリアの対処を批判した。現在数千人の難民が、
ドイツとの国境で柵などがない場所に予告なく運ばれているのは、
「無責任な行動」で、不祥事と考えられる、とバイエルン州内務大
臣ヨアヒム ヘルマンは述べた。彼によれば、バイエルン警察は、
9月5日以降、31万8千人の難民が、国境を越える際に登録をした。
同州首相ホルスト ゼーホーファーは、首相アンゲラ メルケル
に、11月1日までにバイエルン州の要請である難民列車を走らせる
よう、最終通牒の形で要請し、さもなければバイエルン州は、独力
で行動する権限を留保する、と述べた。
その他のニュース
ドイツはIS支配地域の再建でイラクを支援する方針
ドイツ国防相フォン デア ライエン（キリスト教民主同盟）は、
イラク訪問の最後で、奪還したジハード主義者支配地域の再建で、
イラクを支援すると約束した。彼女は百万都市エルビルで、北イラ
クのクルド人自治地域の大統領バルサニと会談した後にこのように
述べた。彼女は、地雷の除去、ガス、水、電気の供給を、具体的な
課題の分野として挙げた。テロ組織「イスラーム教国IS」との戦い
では、ドイツ政府は、イラク北部のクルド人にさらに武器を提供し
て、支援することを検討している。フォン デア ライエンは、こ
れより前に、エルビル近郊のクルド人ペシュメルガ戦闘員育成のた
めのドイツの基地を訪問した。その際に彼女は、常に物資は不足し
ている、と説明した。国防軍はすでに、1千8百トンの武器と装備を
クルド人に提供しており、その中には2万丁の銃と1千の対戦車ミサ
イルが含まれている。
トルコではIS支援者の家宅捜査
トルコでは、2週間以上に前に首都アンカラで襲撃事件が発生した
が、治安部隊は全力を挙げて「ISジハード主義者」と見られる者に
対処している。中央アナトリアのコンヤ市で、大規模な手入れを行
ない、30人の容疑者を逮捕した、とドガン通信が報じた。イスタン
ブルでは、ISの活動家と見られる21人が逮捕され、そのうち8人は
未成年である。イスタンブルの東にあるコカエリ市では、警察はIS
捜査で、20人を逮捕した。また東トルコでは、禁止されているクル
ディスタン労働者党PKKの支持者13人が、逮捕された。郡はシリア
との国境で、17人の同調者を足止めした、と発表した。日曜日には
トルコでは国会議員が選ばれる。アンカラでの平和デモが襲撃を受
け、大統領エルドアン率いるイスラーム教に基づく保守派政権が、
IS急進派に対して無力である、と非難されていた。
子供たちがEU債務危機の「被害者」である
ベルテルスマン財団の研究によれば、EU内の2千6百万人の子供と若
者が、貧困にさらされ、社会福祉から締め出される危険がある。従
って若い世代が、過去数年のEUの経済および債務危機で、最大の被
害者である。被害を受けるのは、18歳以下の子供たちのおよそ3割
である。そのうち5百万人を遙かに越える人たちが、職業訓練を受
けることも、仕事に就くこともできず、未来の展望がわずかしか持
てない。社会福祉の厚生に関するこの調査は、2014年以降2度目と
なる調査で、35の項目を手がかりに、EU加盟28カ国すべての動向に
光を当てている。ドイツは、第1回調査の時と同様、国民の経済的
な力は強いにもかかわらず、第7位に留まった。第1位を走るのは、
相変わらずスウェーデンである。ギリシアはは再び順位を下げた。
老人と若者の差が増している一方、EU内部には相変わらずはっきり
した南北格差がある。
１０月２８日（水）
内相「亡命希望のアフガニスタン人の数は受け入れられない」
連邦政府は、アフガニスタンからドイツの亡命を希望する人の数
を、大幅に減らす方針である。「アフガニスタンは今月、そして今
年も、亡命希望者の出身国の第2位である。これは受け入れられな
い」と連邦内務大臣トーマス デ メズィエール（キリスト教民主
同盟）はベルリンで述べた。さらにアフガニスタンの中流層の家族
がやって来る数も増えており、「私たちは、アフガニスタン政府と
の間で、これを望んでいない、ということで合意している」とも述
べた。アフガニスタンを再建するために、アフガニスタンの若者と
中間層は、国内に留まるべきである、という点でも意見が一致して
おり、アフガニスタン政府と共に、アフガニスタンへ帰国する事例
が増え、「決断のあり方を変える」ように取りはからうことが目標
だ、と述べた。さらにデ メズィエールは、難民危機でのオースト
リアの行動を批判し、過去数日バルカン経路に人があふれているこ
とで、難民の数が大幅に増加しており、バイエルン州で亡命希望者
を受け入れ、さらに分散して受け入れるためには、例外的な努力が
必要だ、と述べた。
その他のニュース
オーストリア政府はスロヴェニア国境を柵で分断する方針か
難民が押し寄せているため、オーストリア内相ミクル・ライトナー
は、スロヴェニアとの国境に「建設上の対策」をとると予告した、
とオーストリアでは報じられている。彼女はラジオ番組で、「もち
ろん柵が問題になって」いるが、国境を「通行不能にする」ことは
ない、逆に「秩序だって、管理された入国」を可能にする、と述べ
た。いわゆるバルカン経路を通じて、現在さらに数万人の難民が、
オーストリアとドイツに向かっている。先日は、クロアチアとスロ
ヴェニアの国境などで、大混乱の情勢が生まれていた。バイエルン
州は、スロヴェニアからやってきた難民を、単純にドイツに向かわ
せている、とオーストリアを繰り返し非難している。
検察「IS民兵がアンカラ襲撃を委託」
トルコ検察が得た情報によれば、百人以上の死者を出したアンカラ
襲撃は、シリアのジハード主義民兵イスラーム教国から委託を受け
て行なわれた。トルコ南東のガジアンテプ州にある組織が、ISのシ
リア組織から「直接の指示」を受けた後、この襲撃を計画した、と
アンカラ検察は発表した。10月10日に平和デモを狙ったこの襲撃で
は、102人が死亡、5百人以上が負傷した。トルコの最近の歴の中で
は、これは元も激しい襲撃であった。
ナイジェリア軍はボコ ハラムの手から338人を解放
ナイジェリアでは軍が、イスラーム教徒組織ボコ ハラムの手か
ら、338人を解放した、と発表した。それによれば、主として女性
と子供が救出されたが、火曜日のこの軍事作戦は、急進派組織ボコ
ハラムの拠点である同国北東部のサンビサ森で起きた。「（軍
の）部隊は、テロリストによって拘束されていた338人を救助し
た」と軍は発表した。解放された人のなかには、子供192人、女性
138人が含まれている、とのことである。軍は9月末に、女性241人
をボコ ハラムの手から解放したばかりであった。イスラーム教徒
であるこの組織は、2014年から、数百人の女性と少女を誘拐し、そ
の中にはナイジェリア北西部のチボクの学校から、270人以上の女
子生徒も含まれている。
１０月２９日（木）
サウジ・アラビアのインターネット活動家がサハロフ賞を受賞
拘留されたサウジ・アラビアのインターネット活動家ライフ バダ
ウィが、ヨーロッパ議会の意見発表の自由に関する今年のサハロフ
賞を受賞した、と同議会が発表した。高名な人権に関するこの賞
は、5万オイロの副賞がついており、ロシアの体制批判家でノーベ
ル平和賞受賞者アンドレイ サハロフ(1921-89)にちなんで名付け
られた。バダウィは2014年に、イスラーム教を侮辱したとして、
10年間の拘留と、1千回のむち打ちが言い渡されていた。今までに
50回のむち打ちが執行された。昨年ヨーロッパ議会は、コンゴの医
師で情勢の権利活動家デニス ムクウェゲを表彰していた。今年
は、2月に殺害されたロシアの野党政治家ボリス ネムゾフと、ヴ
ェネズエラの野党同盟「円卓民主主義統一体」も、候補となってい
た。
その他のニュース
中国は一人っ子政策を終了
中国政府は、正式に一人っ子政策を終了する。国営新華社通信によ
れば、すべての夫婦がこれから、国家の許可があれば、2人の子供
を持つことが許される。この決定は、共産党中央委員会の4日間に
わたる会合で、取りまとめられた。一人っ子政策は、急速な人口増
加に歯止めをかけるため、35年前に導入された。これは2013年に、
既にゆるめられていた。
地中海で再び難民多数が死亡
レスボス島の沖合の地中海で、難民船が再び転覆し、少なくとも
11人が死亡した。ギリシアでの報道によれば、ギリシア湾岸警備隊
は、死者の数は大幅に増える、と見ている。40人ほどの難民が行方
不明である。湾岸警備隊と漁師たちが、劇的な救出活動を行ない、
242人を溺死から救った。救出された者には、子供と女性が多数含
まれており、低体温症のため病院で手当を受けた。湾岸警備隊によ
れば、過去24時間で合わせて9百人以上の難民が、エーゲ海から救
出されていた。
国境なき医師団「シリアの複数の病院が空爆を受ける」
シリア北部で空爆が行なわれ、国境なき医師団MSFによれば、少な
くとも12の病院が攻撃を受けた。少なくとも25人の患者と病院関係
者が、過去数週間で死亡した、と同団は発表した。攻撃を受けたの
はアレッポ、イドリブ、ハマの病院で、6カ所の病院は、閉鎖を余
儀なくされた、とのことである。同団は、この攻撃をどの国が行な
ったのか発表しなかった。同団のシリア担当の代表グルルクスは、
この紛争の関係者すべてが、どれほど安易に国際法を犯すのかは、
自分には理解できない、と述べた。
１０月３０日（金）
シリアでの戦争に関して諸外国が協議
難民危機が続く中、シリア紛争に関して、今までで最も包括的な交
渉が開かれている。ウィーンにはおよそ20カ国の外務大臣と代表が
集まったが、その中には国連で拒否権を持つ米国、ロシア、中国、
フランス、英国の他、ドイツと重要な関係者サウジ・アラビア、ト
ルコ、イランも参加している。シリア自体の代表は、交渉の席につ
いていない。ドイツ外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマ
イアーは、会議の暴動で、参加者すべてに、交渉に応ずる余地があ
ることを示すように、と訴え、現在、「この紛争を政治的に解決す
るために、最初の一歩を踏み出す」ことが重要だ、と述べた。米国
政府高官の1人は、この会談は来週、新たな段階に入るかもしれな
い、と述べた。
その他のニュース
ダマスカス郊外でミサイル発射 犠牲者多数
オーストリアの首都ウィーンで、シリア紛争の解決をめぐる外交的
な交渉が行なわれているにもかかわらず、流血の事態が続いてい
る。シリア軍は、シリアの首都ダマスカス近郊の反乱勢力の拠点
を、空から攻撃し、人権活動家によれば、少なくとも45人が死亡し
た。シリア人権監視団は、内戦が続くシリアでの活動家のつながり
に関する情報を集めているが、グタ地域のドゥマ村の市場には、
12発のミサイルが着弾し、およそ1百人が負傷した、と伝えてい
る。この地域は波田須糟の東で、4年以上にわたるシリア内戦で、
最も激しい攻防戦が戦われた地域である。
反ISの活動家がトルコで暗殺される
南トルコの都市シャンルウルファでは、2人のシリア人反IS活動家
の遺体が、斬首された状態で発見された。20歳のカデルとその友人
ハマディは、シリア領土内のジハード主義民兵「イスラーム教国
IS」の凶行を、記録していた、と「ラガは静かに屠殺されている」
という組織が発表した。殺された2人は、シリアのラカ出身であ
る、とのことである。この町は、事実上シリアのISの中心都市と目
されている。カデルは1年ほど前から、トルコに逃げ込んでいた。
エーゲ海では難民少なくとも22人が溺死
エーゲ海が、難民の劇的な光景が繰り広げられる舞台となること
が、ますます増加している。木曜日夜には、ギリシアの沖合で、少
なくとも22人の難民が溺死し、それには子供13人が含まれていた。
ギリシア沿岸警備隊は、難民船がカリムノス島沖で転覆した、と発
表した。救助隊が、満ち潮から144人の救出に成功した。難民19人
にとっては、救助は遅すぎた。複数の人が行方不明である、とのこ
とである。別の船が観光の島ロードス島沖で転覆した。移民3人が
死亡し、3人が行方不明である。湾岸警備隊は、難民6人を救助する
ことができた。水曜日にはギリシアの島々の沖合で、複数の海難事
故があり、17人が死亡し、うち11人が子供であった。気温が低く、
海が荒れているにもかかわらず、毎日数百人が、トルコから近くの
ギリシアの島に向けて、危険な海に乗り出している。
１０月３１日（土）
シナイ半島上空で飛行機墜落 220人を越える死者
ロシアの旅客機が、エジプトの海岸保養地シャルム エル シェイ
クを離陸後間もなく墜落した。このエアバスA-321型機は、主にロ
シア人休暇客を乗せ、サンクト ペテルブルクに向かっていた。ロ
シアのインターファクス通信によれば、子供17人を含め217人の乗
客と7人の乗務員が乗っていた。生存者はいない。エジプトとロシ
アの当局は、当初技術的な問題があった、と見ていたが、いわゆる
「イスラーム教国」は、同機を墜落させた、と主張している。この
テロ組織は、インターネットを通じて、これを広めている。
その他のニュース
バングラデシュでは宗教批判家が襲われ残酷な仕打ちを受ける
バングラデシュの出版社が襲われる事件が2回起こり、宗教に批判
的な書籍の発行者1人が殺害、著者2名、さらに別の発行者1人が負
傷した。警察は、43歳のデーパンがダッカの事務所で死亡した、と
確認した。発行者トゥトゥルは、ある出版社の別の事務所で襲わ
れ、インターネット活動家バスと、無宗教の執筆者ラヒムと共に、
血の海の中で見付かった。トゥトゥルは、イスラーム教に批判的な
ネット活動家ロイの友人であった。米国の旅券を持つバングラデ
シュ人であるロイは、2月にイスラーム教徒と見られる者によっ
て、なたで暗殺された。それ以来、イスラーム教に批判的なイン
ターネット活動家数人が殺された。警察はこの連続殺人の背後に
は、禁止されているイスラーム教組織アンサルラ バングラ
ティームABTがいる、と推測している。
ブカレストの火災 規則違反を示す証拠が見つかる
ブカレストのディスコで大火災が起きたが、当初の調査を終え、安
全面の規則を破っていた証拠が見付かっている。ルーマニア大統領
ヨハニスは、3日間の国を挙げた服喪を発令した。首都ブカレスト
中心部にある高級飲食店「コレクティヴ」で、金曜日夜に火災が発
生し、27人が死亡した。160人以上が負傷した。目撃者の話によれ
ば、ロック コンサートの最中に、舞台上で花火が柱と天井の一部
に燃え移った。地下にあるこの店は、短時間で煙が充満し、大混乱
となった。出口は1カ所しかなかった模様である。
社会民主党事務長ファヒミが辞職
社会民主党事務長ファヒミが辞職する。同党首ガブリエルは、党役
員と同党所属の州首相と、ベルリンで会合を持った後、47歳の彼女
は、来年初めに、連邦労働相ナーレス（社会民主党）の次官に転身
する、と発表した。彼は12月の連邦同党党大会では、事務長には再
び女性を提案する、とも述べた。ガブリエルはこれによって、
2017年の連邦議会選挙戦を視野に入れて、党中央部の鍵となる役職
を確保する可能性を手に入れた。彼とファヒミの間には、再三軋轢
が生じていた。工業労働組合「鉱業・化学・エネルギー」の元部長
であった彼女は、3週間前に、党大会で2期目に向けて立候補する、
と予告したばかりであった。
１１月１日（日）
連立政権幹部が問題の通過地域に関する決定を延期
大連立政権の幹部は、亡命政策に関するかなり大きな対策案で合意
に至らず、特に通過地域の問題に関しては、合意を見いだせなかっ
た。連邦広報室はベルリンで、「内容的には多くの共通点がある」
が、閣僚会議前の木曜日に、この話し合いは続けられる、まだ解決
しなければならない未解決の点がある、と述べた。その中には、キ
リスト教民主、社会同盟が求めている、亡命希望者登録のために、
国境近くに通過地域を設置することも含まれる、とのことである。
連邦首相アンゲラ メルケル（キリスト教民主同盟）、キリスト教
社会同盟党首ホルスト ゼーホーファー、社会民主党党首ズィーク
マール ガブリエルは、午前中に2時間ほど、亡命政策について協
議をおこなった。中心議題は、難民の流入をより上手な管理と、滞
在許可が出る可能性のある亡命希望者の分散受け入れであった。
その他のニュース
トルコ国会議員選挙が緊迫した雰囲気の中始まる
緊迫した雰囲気の中、トルコの国会議員選挙が始まった。およそ
5千4百万人の有権者が、国会議員の構成を決めるために、ここ5ヶ
月で2度目となる投票を呼びかけられている。警察が厳戒態勢を取
る中、現地時間の7時にクルド人が多数であるディヤルバキル市
や、トルコ東部全土で、最初の投票所が開かれた。6月の選挙で
は、公正発展党AKPは、他を引き離して最大勢力に留まったが、
40.9%の支持で、2002年に政権を奪取してからはじめて、議会の絶
対多数を失なった。親クルド人政党国民民主主義党HDPが、初めて
国会議員を出した。最新の世論調査は、6月と同様の結果が出る、
との予測である。今後も発展公正党が単独で政権を確保する可能性
は、不可能ではないものの、低い模様である。すべての調査は、国
民民主主義党は、10%条項の制限を再び超える、と見ている。世俗
派の共和人民党CHPと、極端な民族主義民族主義行動党MHPも、再び
国会に議席を得る可能性がある。
アゼルバイジャンでは国会議員選挙
独裁政治が続くカフカズのアゼルバイジャン共和国では、国会議員
が選ばれる。約590万人の有権者が、首都バクーの1院政の国会の議
員を新たに選ぶよう、呼びかけを受けている。専門家は、2003年以
降、父に代わって同国を率いている大統領アリエフが、明確の勝利
を収めると予想している。主要野党は、選挙前に「見せかけの投
票」であると批判して、これに参加していない。反政府勢力と人権
保護団体は、政府は反政府の政治家が選挙戦に参加するのを妨害
し、理由なく逮捕した、と非難している。ヨーロッパ安全協力機構
OSZEは、アゼルバイジャン当局による「制約」があると叱責して、
元ソ連の共和国である同国に選挙監視団を派遣した。西側の専門家
の想定によれば、アリエフが就任してから、アゼルバイジャンの投
票は一度も自由かつ公平に行われたことはない。アリエフは、自然
資源が豊かな同国で、強権的な支配を行なっている。彼の政権は、
集会、意見発表、報道の自由を制限している、との非難を繰り返し
受けている。一方アリエフは、人権侵害に関するこの非難を、断固
否定している。彼の支持者は、アリエフがアゼルバイジャン経済強
化に貢献している、と見ている。
元東ドイツ社会主義統一党の幹部シャボウスキー死去
旧東ドイツの社会主義統一党の幹部シャボウスキーが死去した。彼
はベルリンで午前中に、86歳で死去した、と彼の未亡人イリーナが
ドイツ通信社に述べた。政治局局員時代の1989年11月9日に、シャ
ボウスキーは、世界に驚愕を与えた。彼は記者会見でさりげなく、
ベルリンの壁の開放を予告した。ラジオで報道されたこの情報が、
この日の夜に旧東ドイツ住民が、西ベルリン側への国境へ押し寄せ
る事態を引き起こした。数時間後には、旧東ドイツの国境警備兵に
とっては過大な要求となり、予定外で、歴史的な壁の開放につな
がった。シャボウスキーは1990年に、社会主義統一党の後継政党
PDSから除名されたが、他の多くの旧東ドイツ政界の要人とは異な
り、責任と道徳的な罪が自分にはある、と認めた。