11月30日〜12月6日のドイツのニュース



11月30日(月)

メルケルはパリ気候会議で拘束力を持つ協定制定を主張

ドイツ首相アンゲラ メルケルは、国連の気候会議で、拘束力を持
つ気候保護協定を定めるよう、強く迫った。彼女はパリ近郊のル 
ブルジェで、温暖化を食い止めることは「人類の未来に関わる問
題」であり、21世紀中に気候に害を及ぼす二酸化炭素の排出を削減
することが必要である、と述べた。気候保護に関して約束した努力
を検討もできるようにするため、メルケルは「明瞭な測定手法」を
導入するよう求めた。フランス大統領フランソワ オランドも、同
様の発言をオーケーなっていた。2週間に渡る会議では、各国を拘
束する気候保護協定が可決されることになっている。目標は地球温
暖化を、2度に押さえ込むことである。冒頭では、米国大統領バ
ラック オバマおよび中国元首習近平を含め、およそ150の国の大
統領および首相が到着した。

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ジェット機撃墜 トルコはロシアに謝罪しない方針

トルコは、ロシアの戦闘用飛行機の撃墜で謝罪することを拒否し
た。トルコ首相ダーヴトオールは、NATO事務長シュトルテンベルク
とブリュッセルで会談した後、空域と国境を防衛するのは、トルコ
政府の権利であるばかりではなく義務でもある、と述べた。しかし
トルコは、ロシアと話し合い、ロシア政府にこの事件に関する情報
を私、ロシアとの関係を改善する用意がある、とも語った。ストル
テンベルクは、NATO加盟国であるトルコとロシアの対立で双方を諫
めるべく努力している。彼は、現在重要なのは、何よりも自体をこ
れ以上悪化させないことである、NATOは既に事件前に数回、ロシア
の行動に不安を表明していた、と語った。NATO加盟各国の外相は、
火曜日の会合で、将来類似した事件が起こらないように、どんな態
勢が取れるか協議する、とのことである。

シリアでのテロ対策活動には1億3千4百万オイロかかる見通し

報道によれば、来年シリアで計画されている連邦軍の活動には、
1億3千4百万オイロかかる。ARDの報道によれば、これはテロ民兵
「イスラーム教国IS」に対する出動に向けて、内閣が提出した案に
基づく数字である。パリ襲撃事件を受けて、フランスとの連帯を示
すため、ドイツは「トルネイド」型偵察機と、戦闘用艦船1隻を、
対IS戦争に投入する方針である。最大で1千2百人の兵士が、この任
務に従事することになっている。

ファビウスはシリア軍と協力する条件を呈示

テロ民兵「イスラーム教国IS」との戦争で、シリア政府軍と協力す
るかどうかをめぐる議論のなかで、フランス外相ファビウスは、初
めて条件を呈示した。ラジオ局の質問に答えて彼は、権力者アサド
がシリア軍を指揮しなくなれば、テロ組織との合同作戦がようやく
可能になる、と述べた。フランスは先週はじめて、ジハード主義者
「イスラーム教国IS」との戦闘で、シリア政府軍と協力することに
ついて言及したが、その後それを打ち消していた。日曜日にはドイ
ツ国防相フォン デア ライエンも、ISとの戦争でシリア政府軍と
の同盟結ぶ可能性がある、と述べていた。シリアで政治的な移行過
程が始まれば、情勢を評価し直さなければならない、と彼女は述
べ、アサドの協力は否定していた。




12月1日(火)

内閣は連邦軍のシリアでの活動を可決

連邦政府は、連邦軍がシリアで活動することを可決し、これに関す
る連邦議会の委託を求める動議を提出した。国会がこの活動に賛成
するのは、確実と見られている。内閣の提案によれば、ドイツは、
空軍のトルネイド型偵察機、燃料補給機、高速艇と参謀本部の人材
を派遣して、テロ民兵「イスラーム教国IS」との戦闘を支援する予
定である。1千2百人ほどの国防軍兵士が、これに派遣されることに
なっている。当面1年間の期限付きの派遣の費用は、1億3千4百万オ
イロと見積もられている。パリがテロ攻撃を受けてから、フランス
政府は、ドイツにISとの戦いで支援を求めていた。緑の党と左翼党
は、この派遣は国際法上の安全確保が得られていないし、国連の決
議が欠けていると批判した。

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オバマはトルコとロシアに対立を解消するように呼びかける

米国大統領オバマは、ロシアとトルコに対して、ロシアの戦闘用
ジェット機がトルコによって撃墜された事件を巡る対立を、解決す
るようによびかけた。彼はパリで開かれている国連気候首脳会談と
並行して、トルコ大統領エルドアンと会談し、すべての人が「イス
ラーム教国IS」との戦いに力を集中しなければならない、と述べ
た。ロシア軍機がシリアとトルコの国境地帯で撃墜されてから1週
間、両国は激しい対立を繰り広げている。ロシア大統領プーチン
は、トルコに対して月曜日、ISが石油をトルコに安全に運べるよう
に、戦闘養女えっと木を打ち落としたのだろう、と非難した。エル
ドアンは怒って、これを退けた。

レバノンはアル カーイダのシリア組織と捕虜を交換

レバノンは、テロ組織王アル カーイダのシリアの組織と目される
イスラーム教徒アル・ヌスラ前線と、捕虜を交換した。報道によれ
ば、16人のレバノン兵が釈放された。彼らは、2014年8月に国境の
町アルサルでアル・ヌスラ前線に捕虜とされていた。引き替えにレ
バノンは、アル・ヌスラ前線とつながりがある13人の拘留者を釈放
した、とのことである。シリアの内戦は、ますますレバノンに広
がっている。国境地帯では定期的に、急進派と軍の間で戦闘が繰り
広げられている。

フランスは環境に優しい電力のために20億オイロの支援を約束

フランスはアフリカ各国に、再利用可能な電力拡大に向け、今後数
年間で20億オイロを支払うと約束した。ル ブルジェでの国連気候
首脳会談と並行して開かれたアフリカ諸国の首相および大統領との
会談で、フランス大統領オランドは、この金額を2016年から20年の
間に用意し、アフリカの電力供給に関しては、フランスはこの期間
に、合わせて60億オイロを調達する意向である。国連気候会議は、
月曜日に約150カ国の大統領と首相が出席して、公式に開幕してい
た。火曜日には、代表を送った195カ国の代議員が、計画中の気候
保護協定に関する交渉を開始した。この協定では、工業化が始まる
以前の時代と比べて、気温上昇を2度に押さえ込むことになってい
る。




連邦議会は連邦軍のシリア派兵を議論

連邦議会は、シリアでのドイツ軍の活動に関する協議を開始した。
今回の派兵は、連邦軍の歴史のなかで最も慎重な配慮を要する海外
での活動である、と見られている。1千2百人ほどのドイツ兵が、テ
ロ組織「イスラーム教国IS」との戦争に参加することになってい
る。偵察機と、給油機、さらに軍艦1隻の派遣が計画されている。
社会民主党所属の外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマイ
アーは、テロ対策が問題であるので、「シャッターを下ろす」事が
ドイツの立場ではあり得ない、と述べた。彼は、シリア紛争解決に
関しては、政治的な努力が重要であるのは変わらない、と約束し
た。国会での採決は金曜日に予定されている。

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ドイツ空軍が置かれている状況は劣悪

連邦軍は、ISのジハード主義者たちとの空中戦に、「トルネイド」
型偵察機を派遣するが、残念ながら2機に1機は出動できる状態にな
い。国防省の報告書によれば、空軍には93機購入したトルネイド型
機のうち66機が稼働中であるが、そのうち24機だけ(44%)だけが
出動可能である。しかし国防相フォン デア ライエンは、問題は
ないと見ている。彼女は、使用されるのは6機だけである、と指摘
した。社会民主党の連邦議会会派の国防政策の専門家アルノルト
も、同様の見解である。

キャメロンはシリア空爆に賛成するよう訴える

英国首相キャメロンは、同国議会に緊急に、シリアにいる急進派民
兵「イスラーム教国IS」を空爆するための政府の計画を承認するよ
う、緊急に訴えた。10日間に及ぶ議論の冒頭で、保守党の首相であ
る彼は、極めて現実的な脅威があり、同盟国と共に、ISを弱体化さ
せ、破壊するよう努力しなければならない、と述べた。さらに彼
は、国内の安全を他国任せにすることはできない、とも語った。英
国はイラクでは、米国が主導する対IS連合の空爆には、既に参加し
ている。

メルケルとガニはアフガニスタンからの違法移民を止める方針

ドイツとアフガニスタンは、アフガニスタンからEUへの不法移民
を、協力して止める意向である、と首相メルケルは述べた。そのた
めにアフガニスタン治安部隊連邦軍による訓練は、密入国業者と不
法移民との戦い、および旅券偽造対策にも拡大することになる、と
メルケルはアフガニスタン大統領ガニとベルリンで会談した後に
語った。さらにアフガニスタン内部に、保護区域を設定し、危険な
地域から人々が避難できるようにする、とも述べた。アフガニスタ
ンからドイツを目指す難民の数は、過去数ヶ月大幅に増加した。
10月だけでも、連邦各地で3万1千人が到着した、と登録されている。




12月3日(木)

各州内相はシリア難民の事例を個別に調査することを認める

各州の内務大臣は、シリアからの難民の各事例を調査して、帰還さ
せることを認めた。連邦内務大臣トーマス デ メズィエールは、
コブレンツで各州の内務大臣と協議をする中で、このように発表し
た。個別の事例の検討では、難民は個別に事情聴取を行ない、亡命
理由を説明しなければならない。シリア人にとっては、2014年末以
来、統一した措置が取られており、それでは彼らは、質問用紙に答
えるだけでよかった。ほぼ全員がそれで、難民の地位を与えられて
いる。個別に事例の調査をすることで、いわゆる応急保護だけを約
束される難民の数が、増加する可能性が高い。連邦政府の合意によ
れば、難民は2年後にようやく、そして厳格化された条件の下での
み、家族をドイツに呼び寄せることが認められる。

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軍の派遣 国防相は政府の決意の固さを強調

国会が連邦軍をテロ民兵「イスラーム教国IS」に対して派遣する採
決を翌日に控え、国防相フォン デア ライエン(キリスト教民主
同盟)は、政府の決意が固いことを、今一度強調した。パリがテロ
攻撃を受けた後では、フランスとシリアの人々に対する連帯を明確
に示すことが必要だ、と彼女は述べた。また彼女は、シリアに地上
部隊を駐留させる問題に関しては、イラクの時と比べて、はるかに
回答するのが困難であル、と述べた。この時はドイツはイラクで、
クルド人とイエズィデン(ヤジード)人戦闘員を育成し、武器を供
給した。金曜日に連邦議会は、ドイツの軍事派遣に関して投票を行
なう。トルネイド型偵察機をシリア地域に派遣することなどが予定
されている。

プーチンがトルコの演説を厳しく非難

ロシア大統領プーチンは、先日の軍用機撃墜に関してトルコを、厳
しい言葉で攻撃した。彼は国民に向けた演説の中で、ロシアはこれ
を決して忘れない、トルコはさらなる制裁に備えることになるかも
しれない、と述べた。ロシアは既に、第一次の輸入禁止を発表して
いた。トルコはロシアのSU-24型爆撃機を、シリアとの国境で撃墜
したが、その理由として同機がトルコの領空を侵害したことを挙げ
ていた。トルコ大統領エルドアンは、過去数日、ロシアとの関係が
悪化しないように努力していた。ただしエルドアンの公式の謝罪は
行なわれなかった。プーチンは演説の中で、トルコ政府が本当はテ
ロ組織を支援している、と非難した。

さらなるテロ容疑者がベルギーで逮捕

ベルギーではパリ襲撃事件に関連して、さらに2人の容疑者が逮捕
された。このフランス人とベルギー人に対しては、テロ行為に参加
していた、との容疑が持たれている、ブリュッセル全体を担当する
検察がこれを発表した。これによりベルギーでは、130人の死者を
足したパリ襲撃事件後、合わせて8人が拘留されている。ドイツで
は特殊部隊がデュッセルドルフとシュヴェルムにあるイスラーム教
徒の家屋に踏み込んで捜査を行なった。ここでは逮捕者がなかっ
た。




12月4日(金)

連邦議会は連邦軍の対IS派遣を可決

連邦議会は、賛成多数で、テロ民兵「イスラーム教国IS」に対し
て、ドイツがシリアで軍事活動をすることを可決した。この派兵に
は、445人の国会議員が賛成、146人が反対、7人が危険であった。
これにより来週、シリアでの活動のために、トルネイド型偵察機が
トルコに移されることが可能になった。またドイツは給油機1機と
高速艇を派遣に向けて確保する方針である。合わせて1千2百人ほど
の兵士が派遣されることになっている。野党はこの派兵を拒否して
いる。左翼党の連邦議会代表サフラ ヴァーゲンクネヒトは、戦争
はシリアであらゆる事態をさらに悪化させるだけであり、ISを利す
ることのなる、と述べた。緑の党の代表は、派遣決定の速度などを
批判した。
この派兵で、フランスはISによるパリ襲撃のあと支援を受けること
になるフランスは米国が指揮する連合軍の一員として、シリアのIS
の拠点と見られる場所を爆撃している。

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環境相ヘンドリクスは石炭との決別を迫る

ドイツ環境相ヘンドリクスは、ドイツでも石炭使用と決別するよう
に迫っている。彼女はパリで開かれている国連気候会議に向けた政
府声明の中で、化石燃料の時代は終わる、と連邦議会で述べた。ヘ
ンドリクスは既に数日前に、今後20年から25年で石炭使用を止める
ことに賛成である、と述べた。パリでの会議に関して彼女アー、ド
イツ政府はこの会議が成功するためにあらゆることを行なう、その
ためには、地球温暖化を2度に押さえ込むことを、国際法上拘束力
を持つものにしなければならない、と語った。

連邦移民難民局の亡命申請処理開始はようやく5月から

連邦移民難民局が、新たにやって来る難民すべての亡命申請に取り
かかれる状況になるのは、5月になってからになりそうである。ラ
インラント・プファルツ州内相レヴェンツは、コブレンツで開かれ
た内相会議の終わりに、議長ヴァイゼがこの期日を、連邦と各州の
内相に伝えた、と発表した。必要なかずの亡命審査官が訓練を受
け、ハイチに着くのは、早くても4月になり、5月からは1ヶ月あた
り8万人の申請を処理できる、とのことである。出席者の話によれ
ば、各内相は話し合いの中で怒りを示すこともあり、ヴァイゼは彼
らの質問に答えることが全くできなかった。

EU加盟各国は飛行機乗客の情報蓄積を延期

テロからの防衛のために、飛行機の乗客の情報を蓄積し、判断する
ことには異論もあるが、EUではこれはまだ待つことになる。EU内相
は、ブリュッセルで会議を開き、EU評議会がヨーロッパ議会および
EU委員会と共に練り上げた妥協案には、原則的に同意することがで
きただけだった。ただし内相たちは、ヨーロッパ内部の飛行とチャ
ーター便を含めるよう求めた。会議の議長を務めたルクセンブルク
内相シュナイダーは、議論の後に、政治的な合意を見いださなけれ
ばならない、と述べた。あるEUの外交官は、年末までに合意を取り
付けるという日程は、守ることができるだろう、と語った。5年ほ
ど前から、EU内部でこの計画は議論されているが、フランスの風刺
雑誌「シャルリー エブドが1月に襲撃を受けてから、論戦は硬直
していた。




12月5日(土)

工業国は気候を保証するために3億オイロを支出

最重要工業国7カ国G7は、パリでの世界気候首脳会談で、気候がも
たらす危険に対処する保証の財源として、3億オイロを追加すると
約束した。これはドイツ発展省の代表が発表した。気候変動の結果
生じる被害の対処は、この首脳会談の対立点の一つである。工業国
諸国は、債務履行義務が生じうる条約の形での表現を回避する意向
である。プロテスタント教会の支援組織「世界のためのパン」は、
関与を評価したが、保証だけでは十分ではない、と警告した。月曜
日には国連気候首脳会談は、第2段階に入る。その後参加195カ国の
環境大臣は、この土曜日に交渉役が合意した条約案に関して、協議
をおこなう。世界気候首脳会談の目標は、世界規模の気候保護協定
を結び、地球温暖化を最大で2度に押さえ込むことである。ただし
今まで呈示されていた各国の案は、そのためには十分ではない。

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連邦国防軍部隊が兵士の増員を要求

連邦国防軍は、ドイツのシリア派兵に対応して、より多くの人材を
求めている。実際には少なくとも5千人から1万人の兵士増員が必要
である、と部隊長ヴュンスターが「パッサオ新報」にのべた。アフ
ガニスタン派兵の延長、間近に近づいた北イラクおよびマリでの国
防軍の活動参加など、国際的な活動があることを受け、人材の上限
を増やし、部隊の物資も改善しなければならない。ヴュンスター
は、2016年だけで2万人以上の兵士が配備、あるいはいつでも配備
できる状態に置かなければならない、と述べた。

ガオクはイスラエルとヨルダンを訪問

連邦大東医療ガオクは、4日間の日程で、イスラエルとヨルダン訪
問を開始した。イスラエル訪問は、両国の外国関係樹立50周年を記
念するものである。日曜日には、首相ネタニヤフおよび大統領リヴ
リンとの会談が予定されている。その他家屋は、ヘブル大学エルサ
レムの、名誉博士号を受ける。ヨルダンではガオクは、国王アブ
ドゥッラー2世と会談し、シリア難民施設を訪問する意向である。

ISはカリフォルニア攻撃を引き起こしたと発表

テロ民兵「イスラーム教国IS」は、14人の死者を出したカリフォル
ニア襲撃事件の責任は、自分たちにあるとした。彼らが運営するラ
ジオ局を通事で、ジハード主義者組織であるISは、イスラーム教国
家の忠実な従者2人が、数日前にカリフォルニアのサン ベルナル
ディーノの施設を襲撃していた。既に米国連邦警察FBIは、この犯
行をテロ攻撃と評価していた。犯人である夫婦2人は、この攻撃に
向けて集中して準備をお粉貞他、とFBI広報は述べた。これより前
に、米国政府筋からは、犯人のうち女性はISの指導者バグダーディ
に忠誠を誓っていたと見られる、との情報が出ていた。しかし犯人
が行動を起こしたのは、自分の怒りからか、ISの指示を受けてなの
かは不明である。犯人夫婦は、夫の同僚が社会福祉施設の中で開い
たお祭りで、銃撃した。警察との銃撃戦で、この夫婦は死亡した。




12月6日(日)

新聞報道「独仏政府はフロンテクスを強化する方針」

ある新聞報道によれば、ドイツとフランスは、ヨーロッパ国境防衛
局フロンテクスを強化するよう、EU委員会に要請した。「フランク
フルト一般新聞日曜版」によれば、EU加盟国が要請しない場合に
も、フロンテクスは、例外的な事例では理由があれば、出動するこ
とが可能になる。同紙は、ドイツ内務大臣トーマス デ メズィ
エールとフランス内務大臣ベルナール カズヌーヴが起草した文書
を引用して、これを報じている。その報道によれば、両大臣は、フ
ロンテクスは例外的な場合には、自らの責任で率先して活動する事
ができるようになる、と強調している今までは加盟国が要請し、他
国がそれに賛成した場合にのみ、活動が可能になっている。EU委員
会は、12月15日に、フロンテクス強化に向けた法案を提案する方針
である。

     その他のニュース

経済相はサウジ・アラビアが急進派の財政支援しないように警告

ドイツ経済相ガブリエルは、新聞のインタヴューの中で、サウジ・
アラビアが宗教上の急進派を支援しないように、と警告した。彼は
「ビルト紙日曜版」に、同国は世界各地で(スンニ派に属する)
ワッハーブ派モスクの資金を提供しており、そのような教区からは
多くのイスラーム教徒危険人物が現れている、と述べた。彼はさら
に、宗教的紛争解決のためにはサウジ・アラビアに頼らざるを得な
いが、サウジ・アラビア人に、目をそらす時期は過ぎ去ったこと
を、はっきり伝えなければならない、とも語った。ドイツにある急
進派モスクに対しては、ガブリエルは厳しい措置を取るよう求め、
サラフィスト派のモスクで蔓延している原理主義は、急進右派より
も危険が少ないわけではなく、国は暴力や人間に対する敵意を呼び
かけたら、ただちに介入しなければならない、とも語った。

フランス地方選挙 テロの印象が強い中での投票

フランスでは地方選挙の第1回投票が始まった。およそ4千5百万人
のフランス人が、新たに区かし直された行政単位で、票を投ずる。
パリでのテロ攻撃を受けて、投票は厳しい安全対策が取られた上で
行なわれ、投票所は軍と警察が安全を守っている。世論調査によれ
ば、右派大衆迎合的なル ペン率いる国民戦線が、元大統領サルコ
ジ率いる保守派の市民連合より、若干優位に立っている。それを大
統領オランドの社会党が追っている。1週間後には第2回投票が行な
われ、社会党はその時はまだ多数を集める可能性もあるが、緑の党
と左翼党の支持者の支援が受けられる場合に限られる。

ベネズエラで今後の方向性を選択する選挙

ベネズエラでは、緊迫感を持って見守られている国会議員選挙が始
まった。今回の選挙は、大統領マドゥーロの政策に関する投票と見
なされている。世論調査によれば、彼の社会党は、16年ぶりに多数
派を失う可能性がある。激しい物価上昇、経済の低迷、食料品不足
のため、同国では不満が大きく高まっている。右翼的な野党連合が
勝利すれば、マドゥーロの政治は大きく揺るぐことになり、国民投
票で彼が解任される可能性もある。マドゥーロは2年前に死亡した
大統領の後を襲った。現在の選挙戦は、暴力が暗い影を投げかけて
おり、野党の政治家1人が殺害された。




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