12月7日〜13日のオーストリアのニュース



12月7日(月)

     国外ニュース

政治の実験 クロアチアで政権の駆け引きがテレヴィで生中継

クロアチアの各政党は、国会議員選挙のあと1ヶ月間、異例の実験
を開始している。それは不愉快な思いをした有権者に、再び政治に
大きな関心を持ってもらうためである。第三党に躍進したモスト
(橋)党が圧力をかける中、現在組閣に向けて交渉が続けられてい
る。話し合いは月曜日に、ザグレブの高級ホテルで始まった。主要
な報道機関が生で、この様子を中継している。

     国内ニュース

17歳のスウェーデン人女性にテロの告発

土曜の晩に、ウィーン西駅で逮捕された17歳のスウェーデン人女性
に対して、警察は「テロ組織に所属している」との容疑で、告発を
行なった。スウェーデンに引き渡されるかどうかは、裁判が決める
ことである、と発表した。


     おまけのニュース

硬直した社会 日本は女性の割合を引き下げる

男女の平等な権利問題で、日本は他の西側工業国に、数年から数十
年遅れを取っている。重役の状況を見てもこれがわかる。2020年ま
でに、3分の1の幹部職を女性が占めるようにすることになってい
た。しかし島国日本は、この目標とはかけ離れている。今後5年か
けても、それは少ししか変わらないと日本政府も認めざるを得な
かった。公勤務の主要な地位でも、新たな割合目標は、今度は7%
に設定されている。この問題では、日本経済は、女性の登用をあき
らめる余裕はない。




12月8日(火)

     国外ニュース

ジンバブエは急激な物価上昇から物価の下落へ

長年にわたって支配を続けるロバート ムガベ政権下のジンバブエ
は、世界で最も混乱した通貨の歴史を持つ国であるかもしれない。
2,3年前にはアフリカの同国は、急激な物価上昇と戦っていた。物
価上昇率は100%であったが、それは1年ではなく1日あたりであっ
た。独自通過の事実上の廃止および外国通貨の使用許可で、この問
題は短時間で制御できるようになった。その後同国は、物価水準は
下落状態にあり、危険な影響を持っているが、政治の行動する余地
はほとんどなくなっている。

     国内ニュース

国民評議会は今年最後の会議を開始

山積する議題を抱えて、国民評議会は今日、年末に向けて最後の会
議を開始する。青年刑事法、裁判手数料の引き下げ、教育機関
BIFIEの縮小などが、興味深い議題である。難民の世話の一日あた
りの費用の引き上げの他に、亡命問題が自由党の提案で「時事問題
の時間」でも議論される予定である。




12月9日(水)

     国外ニュース

アンゲラ メルケル 逆風にさらされる今年の人

数ヶ月前から、ドイツ連邦首相アンゲラ メルケル(ドイツ キリ
スト教民主同盟)ほど、人々の判断が分かれる政治家はいない。米
国の雑誌「タイム」は、彼女を今年の人に選んだが、それは特に彼
女の難民機にの中での立ち位置のためである。一方ドイツ国内では
メルケルは、自分の党の中からを含め、多くの批判を受けている。
彼女のキリスト教民主同盟は来週党大会を開くが、彼女は事前にで
きるだけ少ない時間を対立調整に割いた上で、自分の方針を投票に
かける方針である。しかしその後も、彼女には逆風が吹く可能性が
高い。

     国内ニュース

VW社二酸化炭素排出問題 国内では数百台ほどに影響するだけか?

フォルクスヴァーゲン社にとって凶報が明らかになってから数週
間、現在同社が期待する兆候が現れている。捏造された二酸化炭素
排出量の数値をめぐる事件は、当初の予想よりも小規模のものであ
る可能性がある。内部調査によれば、二酸化炭素の捏造した数値を
示す自動車は、ごく一部分に過ぎない。オーストリアではわずか、
336台であり、ドイツでは当初の予想80万台ではなく、3万6千台の
可能性がある。ヨーロッパでは先に二酸化炭素排出量が焦点となっ
たが、米国でこの事件が発覚した際には、排気ガス事件が発覚する
きっかけとなったのは、酸化窒素の数字の操作であった。




12月10日(木)

     国外ニュース

シリア反政府勢力は初めて合意に達する

シリアで分断されている反政府勢力は、非公開会議を開き、合意に
向けた途上で、最初の一歩を前に踏み出したが、相変わらず権力者
バシャール アル・アサド政権との対話に関する姿勢をめぐって、
議論を続けている。サウジ・アラビアの首都リヤドで開かれた会議
では、反政府勢力が、今後のシリアの原則を含む計画一覧に合意
し、様々な組織に属する25人が参加する委員会を結成した。ただし
この会議は同時に、打撃を受けた。それは重要な反乱勢力の組織の
一つが、抗議して退席した。

     国内ニュース

イスラーム教と幼稚園 対立の末新たな調査に合意

「事前調査」がここ数日、大きな物議をかもしたが、ようやく連邦
とウィーン市は、イスラーム教との幼稚園に関する広範な調査をす
ることで合意した。これに先立ち、統合大臣セバスティアン クル
ツ(国民党)、ウィーン市の大臣ソニア ウェーセリーとサンドラ 
フラオエンベルガー、調査の代表エドナン アスランが会議を開い
た。この会議は「あまり和やかな」進行はしなかった、とのことで
ある。クルツは改めて、複数の社会が並行して「だんだん成長す
る」だろう、自分の側では「特色づけ」との非難を甘受しなければ
ならない、と述べた。




12月11日(金)

     国外ニュース

EUは2千人規模の部隊で国境警備を自ら指揮する方針

ヨーロッパ内部での亡命を巡る対立で、EU委員会は今度は、思い
切った計画を呈示する。EUが必要と見なした場合、2千人規模の部
隊が、関係国の頭越しに、今後はEUと外部の境界の防衛に当たるこ
とができる。火曜日にはこの計画が、公式に提案されることになっ
ており、国境防衛に関する高権をめぐる争いは、既に全力で進んで
いる。シェンゲン協定が現在どれほど守られていないか、守ること
ができないかに関して新たな数字を、EUが呈示するのは、おそらく
偶然ではない。

     国内ニュース

ウィーンが標的に 連立をめぐる争いが新たな段階に

連立政権内部の雰囲気が最高ではないとの印象は、おそらく生まれ
てはいない。目標を設定した攻撃は行なわれているとは、誰も思っ
ていないが、ちょっとした争いが起きている。まず年金、そしてイ
スラーム教徒用の幼稚園の問題が起き、最近ではウィーンの公衆衛
生機関が問題となっている。特に国民党が、攻撃的な姿勢を示して
いる。会派長ラインホルト ローパトカは、自分の批判が「呼びか
け」と理解されているとわきまえている。これに対して、社会民主
党連邦執行部長ゲアハルト シュミートは、国民党が「破壊行為」
にでていると非難している。ウィーン市長ホイプル(社会民主党)
は、これは「ウィーン叩き」であり、連立相手に「乗っている」も
のについていぶかしんでいる。




12月12日(土)

     国外ニュース

気候会議 パリでの合意に歓喜の声

最後まで心配はあった。首脳会談は期間が延長され、最終交渉は数
回にわたって延期され、そのご歴史的な突破口がパリで見いだされ
た。土曜日夕刻、地球のほぼすべの国が拘束力を持つ機構に関する
世界的な条約に合意した。この条約は温室効果ガスによって引き起
こされる地球温暖化を、2度以下に制限するためのものである。こ
れに関して、参加者の間では喜びの声が上がっており、数分に渡っ
て拍手が続いた。フランス大統領フランソワ オランドは、「気候
に対する革命」である、と述べた。

     国内ニュース

ウィーン中央駅が完全に稼働

ウィーン中央駅が、日曜日に新たな運転計画に切り替わり、全面的
な営業を開始する。マイドリング駅と合わせて、中央駅は国際鉄道
輸送などの中心の結節点となる。最後まで残った南駅を、現在の通
過式の駅に変えるのに6年かかったが、簡潔な菱形の屋根を持つ駅
となった。西駅はこの切り替えで、通勤客向けの出発駅となる。




12月13日(日)

     国外ニュース

フランス地方選挙 ル ペンは選挙を成果なく終える模様

右派の国民戦線は、フランスの地方選挙では、おそらく敗北した。
日曜夕方の投票後の世論調査によれば、マリーヌ ル ペン率いる
同党は、13のフランスの地域で、権力を奪うことはできなかった。
ル ペンも彼女の姪のマリオン マレシャル・ル ペンも勝利する
ことはできず、ブルゴーニュ・フランシュ・コンテちくでは踏みと
どまった。選挙の勝利者は、元大統領ニコラ サルコジの保守派で
あるが、特に社会党は退潮しており、地方の首長選挙では愛想を尽
かされた。

     国内ニュース

シュトロルツ 共同の政府を持つ「中核ヨーロッパ」

新オーストリア党NEOS党首マティアス シュトロルツは、日曜日の
テレヴィ番組で、「中核ヨーロッパ」を持ち上げた。現在の動向か
ら見て、いずれにせよこの方向に進まざるを得ないし、「私たちは
ヨーロッパ政府を必要としているが、私はすべての加盟国28カ国が
それに準備ができているとは思わない」と述べた。そのため心を決
めた数カ国が立ち上がり、調整をした上で財政、安全、外交を構築
することになるだろう、とも語った。彼はその際にオーストリアの
取る役に関して言えば、安全保障問題ではこれ以上便乗することは
許されないということだ、と強調した。新オーストリア党党首とし
て彼は、中立を捨てる意向であったが、その事は明言しようとしな
かった。シュトロルツは、それは学問的な問題だ、と述べた。




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