12月28日〜31日のドイツのニュース



12月28日(月)

イラク軍はラマディをISから奪還

イラク軍は、大都市ラマディを、テロ民兵「イスラーム教国IS」か
ら奪還した。イラク国営テレヴィは、軍の発表として、IS戦闘員の
支配下にあった同市を完全に解放し、テロ対策部隊は、州政府の本
文にイランの旗を掲げた、と報じた。政府の建物は、数日間にわた
る激しい戦闘の末、ジハード主義者であるISの最後の期間地点と
なっていた。ラマディ市奪還は、イラン軍が今までに挙げた中で、
最も重要な勝利である。5月にアンバル州の中心都市である同市か
ら、軍は追い出されていた。

     その他のニュース

ホムスで自殺攻撃 死者多数

シリアのホムス市で自殺攻撃が2件発生し、32人ほどが死亡し、お
よそ1百人が負傷した。英国に本拠地を持つシリア人権監視団が、
これを発表した。シリア国営テレヴィも、この襲撃を報じたが、死
者は14人と伝えている。襲撃事件は、主としてアラウィ派が住む一
画で起きた。アラウィ派は大統領アサドも属する宗教組織の一つで
ある。ホムスの同じ一画は、ジハード主義者民兵「イスラーム教国
IS」が、12月12日にも襲撃し、16人が死亡していた。

ボコ ハラムがナイジェリアの都市を襲撃 死者多数

イスラーム教徒テロ組織ボコ ハラムは、北ナイジェリアのマイ
ドゥグリ市を攻撃し、戦闘と複数の爆破で、30人以上が死亡した。
「高級新聞」によれば、爆弾の一発は同市のモスクの中で破裂し、
もう一発は少女が自殺攻撃をする中で転化した。別の報道によれ
ば、自殺攻撃犯は2人いた。軍広報は、爆死する前に、攻撃犯10人
を制止した、と述べた。軍とジハード主義者ボコ ハラムの戦闘で
は、さらに少なくとも15人が死亡した。

カブールでタリバンが襲撃 死者1人 負傷者多数

アフガニスタンの首都カブールで、自殺攻撃が起こり、1人が死
亡、少なくとも33人が負傷した。負傷者の中には多くの子供が含ま
れている、とアフガニスタン厚生省がAFP通信に述べた。警察の発
表によれば、今回の襲撃は、「軍事施設」の近くで起きた。カブー
ルでは治安の顧問が、米国のサリヴァン基地が攻撃を受けた、と発
表した。急進派イスラーム教徒タリバーンが、この攻撃を行なった
ことを認めた。その広報ムジャヒドによれば、「侵略軍を狙った」
ものである。




12月29日(火)

ロシアはネムゾフ殺人犯とされる者を告発

ロシアの野党の指導者ボリス ネムゾフが殺害されてから10ヶ月、
捜査陣は容疑者5人を告発した、と報じられている。捜査委員会
は、依頼人および首謀者として、チェチェーニアの警官ルスラン 
ムフディノフの名前を挙げた。彼はロシアから逃走している。ネム
ゾフは2月27日に、クレムリンから見える距離にいるところを射殺
されていた。殺害を実行したのは、同じくチェチェーニア人サウル 
ダダエフである。野党の代表と、ネムゾフの娘シャナの弁護士は、
捜査陣の発表を疑問視している。

     その他のニュース

ルワンダでの集団殺戮の裁判で終身刑

ルワンダの集団虐殺に関して、ドイツで初めて開かれている裁判
で、フランクフルト上級州裁判所は、終身拘留刑を科した。裁判官
の見解では、ルワンダの元市長ルワブコンベが、1994年4月に少な
くともツチ民族組織に属する4百人を殺害したキジグロ虐殺に関
わった、と判断した。さらに同法廷は、特別に重い責任がある、と
認定した。最初の判決は2014年に言い渡され、58歳のルワブコンベ
は、幇助の罪で14年間の拘留刑を言い渡していたが、連邦裁判所は
これをひっくり返した。この裁判がフランクフルトで行なわれたた
のは、ルワブコンベが数年前からヘッセン州に住んでいるためであ
る。ルワンダでは1994年の数ヶ月間で、80万人ほどのツチと穏健派
のフツが、フツ急進派によって殺害された。

大晦日の夜にベルギーで襲撃を行なう計画

ベルギーでは、警察がテロ容疑者2人を逮捕した。彼らは大晦日
に、首都ブリュッセルの複数の地点で、襲撃を起こすつもりであっ
た。検察によれば、他の4人の容疑者は釈放された。検察はさら
に、日曜日と月曜日にブリュッセルとその周辺、さらにリエージュ
地域で、家宅を捜査しさらに逮捕したが、その際テロ民兵「イス
ラーム教国IS」の宣伝用資料、軍服、情報処理機器を押収した、と
発表した。武器あるいは爆薬は見付かっていない、とのことであ
る。当局の発表によれば、130人の死者を出した11月のパリ襲撃事
件の犯人とつながりはない。

イラク首相がISに勝利したことを受けラマディを訪問

イラク首相アバディは、急進派イスラーム教徒「イスラーム教国
IS」民兵にラマディで勝利したのを受け、同州の中心都市である同
市を急遽訪問した。イラク軍広報によれば、現地では、ラマディ攻
撃に参加した軍の指揮官代表たちとの会談が予定されている。首相
アバディは月曜日に、ラマディ奪還を発表していた。同市は5月に
ISの手に落ちていた。軍にとってはラマディでの勝利は、重要で長
い間待ち望まれていた成果であった。2016年は、イラクのISに最終
的に勝利する年にする、とアバディは述べている。IS民兵は2014年
夏に、同国の広い範囲を急襲し、支配下に収めていた。ISは隣国シ
リアの広い地域も支配している。




12月30日(水)

トルコでは大晦日の襲撃予定容疑で2人が逮捕される

トルコ警察は、IS民兵と見られる2人を逮捕した。彼らはアンカラ
のどこかで、大晦日に襲撃する計画を立てていた。政府高官はロイ
ター通信社に、彼らには首都アンカラ中心部のキジラリ広場を襲う
準備をしていた、と述べた。この広場では多くの人が、新年を祝う
のが通例である。この2人の男は、シリアを経由してトルコにやっ
て来た、とのことである。トルコは死者1百に二条を出した2件同時
の襲撃事件以降、急進派対策を強化している。テロ民兵「イスラー
ム教国」が、10月のこの事件を起こした、と発表していた。
他の国々でも、大晦日に治安対策が強化されている。ベルギーでは
火曜日に、2人のテロ容疑者が逮捕されたが、彼らには襲撃を計画
したとの疑いが持たれている。

     その他のニュース

米国はロシアがシリアで民間人を狙って銃撃していると非難

米国は、ロシア部隊がシリアで、民間人を狙って空爆している、と
非難した。米国外務省公報はワシントンで、「殺された民間人は数
百人」であり、医療施設を狙ったものもある、と述べた。外相ケ
リーは電話で、ロシア外相ラヴロフにこれに関する懸念を伝えた、
とも語った。先日人権団体国際アムネスティは、民間人を狙った攻
撃を報告していた。ロシア政府はこれを否定した。ロシアと米国が
主導する連合軍は、シリア内部の目標地点を別々に空爆している。
米国政府は、ロシアが穏健派勢力も標的にしている、と非難してい
る。

キリスト教社会同盟の難民に関する提案が批判を受ける

キリスト教社会同盟は、書類を持たない難民には、入国を拒否する
ように提案したが、人権組織「亡命賛成」は、これを批判した。こ
の組織の執行部長ブルクハルトはフランクフルト アム マイン
で、これは「難民の人権を犠牲にする危険な行動方針」である、と
述べた。難民の多くは十分な証明を持たないだけで、不法に避難す
ることがあり得る、そのような文書を持たずに避難する人には、亡
命手続きの中で協力する意志が欠けていると自動的に判断すること
はできない、とも彼は述べた。社会民主党も批判した。同党副党首
ラルフ シュテークナーは、「パッサオ新報」に、キリスト教社会
同盟は、この提案をすることで、右側の声を支持しており、結局は
ヨーロッパには移動の自由があり、それは堅く守られる、と語っ
た。

イランは米国空母近くにミサイルを発射

米国は、イランのミサイル実験が、自国の軍艦のすぐ近くで行なわ
れたことで、挑発を受けたと感じている。米軍広報は、これは危険
で職業軍人によるものとは言えないような行動である、と述べた。
彼の発表によれば、米国の空母「ハリー S. トルーマン」を含め西
側の軍艦3隻が、ホルムス海峡周辺での日常の航行中に、イランの
精鋭兵が湾岸地域で数発のミサイルを発射した。この空母は、最も
近いミサイルからは、わずか1500メートルしか離れていないところ
にいた、とのことである。それによれば、この事件が起きたのは土
曜日である。イランは、実弾を用いた軍事演習を、極めて直前の
23分前に警告を出していた、とも語った。




12月31日(木)

ベルギー パリ襲撃およびテロ計画容疑で逮捕者

ベルギーでは、当局がパリ襲撃事件に関連して、さらに1人を逮捕
した。検察の発表によれば、逮捕されたのは22歳の男である。注目
が集まるブリュッセルのモーレンベークでの逮捕により、130人の
死者を出した11月13日の襲撃容疑でベルギーで逮捕された人数は、
10人となった。さらに数日前に明らかになったベルギーの首都ブ
リュッセルを、大晦日に襲う計画を立てた容疑者として、別に6人
が逮捕された、とブリュッセルで検察は発表した。2人の男が既に
火曜日に逮捕されていた。彼らはオートバイ愛好家団体に属してお
り、その支持者は、インターネット上での反ユダヤ主義的な言辞で
注目を集めている。攻撃をする恐れがあるため、ブリュッセルでは
大晦日の花火が中止された。パリでも公的な花火の打ち上げは行な
われない。一方ベルリンでは、ドイツの大晦日のパーティとしては
最大のものが予定通り開かれる。他のヨーロッパの大都市同様、ベ
ルリンでも治安上の準備対策が、大幅に強化された。

     その他のニュース

ピレウスに難民3千6百人が再び到着

東エーゲ海のギリシアの島から、大陸への難民の流入が続いてい
る。午前中には、3千百人以上の難民がピレウス港に到着した、と
湾岸警備隊が発表した。彼らはトルコから、ギリシアのサモス島、
ヒオス島、レスボス島へ渡った人たちである。彼あの多数は、シリ
ア出身で、ほぼ全員がさらに西ヨーロッパに行くことを望んでい
る。一方、湾岸警備隊とヨーロッパ国境警備局フロンテクスは、ギ
リシアの冬の気候を懸念している。エーゲ海では嵐のような風が吹
き、レスボス島では零度近い気温になるのことも多い。そのため湾
岸警備隊は、難民に対してトルコからエーゲ海の島々へ渡らないよ
うに警告している。国連難民高等弁務官事務所UNHCRの発表によれ
ば、2015年には、84万8千人ほどの難民が、トルコからギリシアへ
海路を渡った。

メルケルは難民危機はドイツにとって好機とみる

連邦首相メルケルの見解では、ドイツは難民が大量に殺到すること
から、利益を得ることになる。彼女は信念の演説の中で、極めて多
くの人々が移民するには、特に長期にわたりドイツに滞在する難民
が社会に溶け込むに当たっては、時間、力、資金がかかるが、移民
が成功すれば、経済的にも社会的にも、国は必ず利益を得ることに
なる、と強調した。また彼女は、社会が分断することがないよう
に、と警告した。そのため来年も、ドイツの人々の団結が特に重要
になる、とも語った。さらにメルケルは、難民危機のさなか、専門
家および自らの意志で支援をしてくれた人々に感謝した。

ドイツ兵5百人が2月からマリに派遣される

連邦政府は、来週にも兵士5百人をマリへ追加派遣することを決定
し、2月には移動を開始する方針である。デュッセルドルフで発行
されている「ライン新報」が、これを政府筋の情報として伝えてい
る。現在150人ほどの連邦軍兵士の数は、これで650人に増強され
る。同紙によれば、主としてこの弊紙は、物資の警備と偵察を行な
い、国連の作戦ミヌスマの一環として、不安定なマリ北部でも、和
平条約が守られているか監視することになっている。イスラーム教
徒が中心の西アフリカにある平野の国であるマリは、3年前のクー
デタと武装組織の蜂起により、深刻な危機に陥っている。イスラー
ム教徒組織が、同国北部を占領し、2013年にはフランス軍が介入
し、彼らを押し戻した。ただし戦闘員たちは、ほとんど人のいない
砂漠地帯に潜伏し、テロ攻撃を繰り返している。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system