１月４日〜１０日のオーストリアのニュース
１月４日（月）
国外ニュース
サウジ・アラビアとイラン 危機がこの地域全体に広がる
シーア派の聖職者がサウジ・アラビアで処刑され、イランではそれ
に対して暴力的な抗議活動が起きたことで、シーア派とスンニ派が
中心の両国の間の緊張が、この地域全体の緊張を高めている。サウ
ジ・アラビアに続いて、月曜日にはバーレーンとスーダンが、イラ
ンとの外交関係を断絶した。バーレーンはさらに、貿易関係および
テヘラン便の航空便も取りやめた。イラクでは、反スンニ派の暴力
が生まれている。米国は、事態の沈静化に努力しており、国連は仲
裁する方針である。
国内ニュース
トラオン湖の遺体2つをめぐる謎
日曜日に、グムンデン市のトラオン湖畔で、女性の遺体の一部を入
れた2つのトランクが見付かったのを受け、潜水夫が月曜日に、男
性の遺体も収容した。殺人の可能性もあるが、自殺の可能性もあ
る、と専門家は見ている。
１月５日（火）
国外ニュース
PKK対トルコ 新年で既に数十人の死者
トルコ大統領レジェップ タイップ エルドアンが予告した通り、
トルコ軍は新年になっても、禁止されているクルディスタン労働者
党PKKと地下組織YDG-Hに対して、極めて厳しい措置を取っている。
今年の最初の1週間が終わっていないのに、報道によれば、50人の
死者が出ており、その中には複数の民間人も含まれている。軍事攻
勢が終了する見通しはない。ジズレ、シロピ、およびディヤバキル
の旧市街スール住民の外出禁止も、維持されている。
国内ニュース
トラオン湖の遺体の身元が特定される
トラオン湖で発見された2人の遺体の身元が判明した。ドイツの
ヘッセン州出身の2人である。オーバーエスターライヒ州刑事局長
ゴットフリート ミッターレーナーは、これに関する「クローネ新
聞」インターネット版の報道を確認した。警察は水曜日に発表を行
なう、とも述べた。
１月６日（水）
国外ニュース
難民をEUで分散して受け入れる計画は前進せず
水曜日にはEU委員会は、難民をEU各国が分散して受け入れる問題に
関して、冷静な態度を求める総括を発表した。9月には、16万人の
亡命希望者をイタリアとギリシアから、他のヨーロッパ各国へ受け
入れることで合意していた。実際には、ようやく272人が他の国に
移されただけであった。パリ襲撃事件が、難民を受け入れる動機が
もともと弱かったいくつかの国、おそらくさらに圧力をかけた。
国内ニュース
野党はホイプル発言を批判
ウィーンの野党の代表は、市長ミヒャエル ホイプル（社会民主
党）が、「今日のウィーン」の新年のインタヴューでの発言を批判
した。自由党は、「現実を拒絶」している、と見ており、国民党は
「仮想世界への逃走」であると述べた。ホイプルは月曜日のこの番
組で、住民との話し合いを社会民主党はおろそかにしている、との
意見を述べた。「私たちがウィーン社会民主党のために、変化を求
める過程のなかで、春に実行しようとしていることのうちで最も需
要なのは、人々と話し合うという事だ」と述べていた。
１月７日（木）
国外ニュース
マダヤ包囲 シリアは支援物資輸送車団派遣を認める
国連の発表によれば、シリアで長い間権力を握るバシャール ア
ル・アサドの政府は、包囲線が続くシリアの3都市に、支援物資を
運び込むことを認めた。国連は、長期にわたる交渉でまとまったシ
リア政府の決定を歓迎し、今後数日中に輸送車団をマダヤ、フア、
カフラヤに派遣する、と予告した。最新情報によれば、マダヤだけ
で、数万人がひどい飢餓に苦しんでいる。およそ半年前からシリア
政府軍とレバノンのヒズブッラー民兵が包囲している同市に、再議
の物資が運ばれたのは10月であった。
国内ニュース
大統領選挙にはプレルは立候補しない
ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレルは、国民党を代
表して、連邦大統領選挙に力行することはない。これは党首ライン
ホルト ミッターレーナーが木曜日のテレヴィ番組で発表した。プ
レルは既に数日前に、自分はニーダーエスターライヒ州首相に留任
するつもりだ、と伝えてきた、とミッターレーナーは述べた。
１月９日（土）
国外ニュース
メキシコ カルテルの長「エル チャポ」が逮捕される
ホアキン 「エル チャポ」 グスマンは再び逮捕された。彼はメ
キシコで最も力を上げて行方を追及されていた麻薬王である。6ヶ
月前に重警備刑務所から脱獄し、人目を引いた後、シナロア・カル
テルの頭目である彼は、金曜日にメキシコ兵によって逮捕された。
メキシコ大統領エンリケ ペニャ ニエトは、インターネット上で
治安部隊をほめたたえた。「任務は完了した。私たちは彼を捕まえ
ている」とニエトは書きこんだ。「エル チャポ」は、米国へ早期
に移送される可能性がある。
国内ニュース
プレルが大統領選挙立候補を拒否 クホールが第2の候補か
ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレルが、連邦大統領
選挙に立候補しないとの決定を下したことを受け、国民党内部で
は、代わりの候補者捜しが始まっている。「第二案」として日曜日
には、国民評議会元議長アンドレアス クホールが示される、と金
曜日に複数の報道機関が報じた。国民党内部では、プレルが立候補
しなくなった驚きが、大きかった模様で、国民党の要人の中には、
「椅子から転げ落ちかけた」人もいた、とのことである。
１月９日（土）
国外ニュース
VW社は賠償額押さえ込むためにを米国に「外相」を置く
巨額の賠償金が迫り、さらに先日は協力の姿勢がないと非難された
ことで、排気ガス事件が重大事となったフォルクスヴァーゲン社
は、米国を相手に、若干の利点を約束した。印象をよくするのが、
最大の前提条件であり、同社社長マティアス ミュラーの米国訪問
の狙いである。彼は、自動車美保日のためにデトロイトに向かうだ
けでなく、ワシントンにある米国の環境省も訪れる。報道によれ
ば、ただし同社は今後米国を担当する「外務大臣」を見つけて、置
くことになり、同社の米国代表となる重要人物を探している。ダイ
ムラー社の賄賂事件で活動したFBI元長官ルイス フリーが、その
前例である。
国内ニュース
国民党は大統領候補を指名
国民党幹部会は日曜日、4月に行なわれる連邦大統領選挙に向け
て、同党の候補者を指名する。ニーダーエスターライヒ州首相エル
ウィン プレルが、立候補を拒否したため、報道によれば、高齢者
連合会長アンドレアス クホールに決定される可能性が高い。党首
ラインホルト ミッターレーナーは、夕方政治学アカデミーで、自
分が選んだ候補者を連邦党幹部回に提案することになっている。そ
の後彼は、候補者と一緒に記者会見に出席する。幹部会の決定は朝
に、連邦党幹部回で承認される必要がある。
１月１０日（日）
国外ニュース
財政事件 スペイン王女クリスティナが裁判を受ける
スペイン王室の歴史で初めて、王家の一員である王女クリスティナ
が月曜日から被告席に座る。50歳の彼女には、夫であるハンドボー
ルの元人気選手イニャキ ウルダンガリンが、税務署をだますのに
協力したとの疑いが持たれている。「ノース事件」へ関与したこと
で、かつての「ほほえみの王女」は、スペイン王家の黒い羊（変わ
り者）となった。この事件自体の中では、横領された可能性のある
巨額の税金が問題となっており、王家はいずれにせよ傷ついた威信
に加えて、さらなる打撃を受けるのではないか、と懸念している。
国内ニュース
国民党はクホールを大統領候補にすることを公式に確認
国民党は、連邦大統領を目指す争いに、アンドレアス クホールを
送り出す。同党首ラインホルト ミッターレーナーは、日曜日午後
に連邦同党幹部会の後で、これを発表した。ミッターレーナーによ
れば、この決定は「十分に準備」をした上で、全会一致で下され
た。ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレルが、突然候
補になることを拒否したことを受け、クホールは第2案として（手
品の）帽子から取り出され、国民党候補争いで、新たな有力候補と
見なされた。