2月29日〜3月6日のドイツのニュース



2月29日(月)

移民がマケドニアへの国境通過地点に押し寄せる

自暴自棄となった移民数百人が、ギリシアとマケドニアをつなぐ鉄
道路線に押し寄せた。多くの人が、マケドニアが設置した柵に到達
し、一部を壊そうとした様子をギリシアのテレヴィ局は報じた。マ
ケドニア警察は、催涙ガスを使用して、人々を押しとどめようとし
た。オーストリアとバルカン諸国スロヴェニア、クロアチア、セル
ビア、マケドニアは、上限を設定することで、人々の殺到を制御し
ようとしている。そのため億の人にとって、現在避難はギリシアで
終わる。国境の町イドメニでは、6千人以上が待ち続けている、と
の推計がある。EU委員会は、現在ギリシアの難民のために、包括劇
な緊急支援を用意している。同委員会広報はブリュッセルで、ギリ
シアに対する「必要物資の判断」を、できるだけ早く取りまとめ
る、人道危機を断固阻止する、と発表した。

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ドイツとモロッコは早期国外追放に合意

ドイツとモロッコは、モロッコ国籍を持つものを、早期に故郷に送
り返すための手続きに合意した。ドイツ内相デ メズィエール(キ
リスト教民主同盟)とモロッコ内相ハサドは、ラバットで会談した
後、まず2015年にドイツにやって来て、シリア人と偽って名乗った
モロッコ人が問題である、と述べた。身元特定は、指紋をもとにし
て行なわれること医なっている。デ メズィエールは、マグレブ諸
国モロッコ、アルゼンチン、チュニジアの3カ国へ出発する前に、
刻がいつ法手続を迅速化するつもりだ、と発表していた。さらにデ 
メズィエールとハサドは、長年交渉してきた安全協定を結ぶための
政治的合意を実現した。これは、国際テロ組織、密入国業者、組織
犯罪、違法移民との戦いに関するものである。

カレーの難民施設が一部撤去

フランス当局は、カレーの難民施設の一部を撤去した。大量に動員
された警官に守られて、作業員が月曜日に、「ジャングル」として
しら得ている収容所の皆mの部分で、難民たちが一時しのぎとして
作った小屋を撤去した。裁判所は、撤去命令を許可する、学校や劇
場など公共の部門だけが、使用可能である、と発表していた。内務
省の以前の発表によれば、8百人から1千人の難民がこの撤去の影響
を受ける。ただし、収容所の住民を支援する人々は、少なくとも
3千4百人がいた、と述べた。

国連はシリアの停戦を支援物資運び込みに利用

国連の発表によれば、シリアの各都市の包囲で、多くの人が死亡す
る可能性がある。先日ほぼ50万人が閉じ込められていた地域では、
数千人が餓死する可能性がある、と国連人権委員フセインはスイス
のジュネーヴで述べた。彼は、人間の「意図的な餓死は戦争の手段
としては、間違いなく禁止されている」と批判した。シリアでは金
曜日夕刻以降、停戦が跛行しており、今のところおおむね守られて
いる。国連はそれ以来、支援物資を特に暴力の大きな打撃を受けた
地域に運び込むために、努力を強めている。国連人権評議会は、
3月24日までジュネーヴで会議を続けている。シリアの情勢とアフ
リカのブルンジでの紛争が議題である。




3月1日(火)

憲法裁判所は裁判官が偏見を持っているとの申し立てを拒否

連邦憲法裁判所は、国家民主党NPD禁止手続きの冒頭で、裁判官
ペーター ミュラーとペーター フーバーに対する、偏見申し立て
を却下した。同裁判所長官アンドレアス フォースクーレは、カー
ルスルーエでの審理で、その理由として、憲法裁判所の裁判官は、
政治的に発言するのは原則的には禁じられていない、と述べた。
ミュラー(キリスト教民主同盟)は1999年から2011年まで、ザール
ラント州首相を、フーバー(キリスト教民主同盟)は、2009年から
10年まで、テューリンゲン州内務大臣を務めていた。急進右派国家
民主党は、禁止手続き事態も中止するよう求めた。同党の弁護士
ペーター リヒターはカールスルーエで、各州が説明していた通り
に、憲法擁護庁の情報提供者が、実際に解任されたことを示す証拠
はない、と述べた。第1回の禁止手続きは、情報提供者が国家民主
党の執行委員会の活動に加わっていたため、2003年に不成立に終
わっていた。

     その他のニュース

国連難民高等弁務官事務所はギリシアの難民の状況を非難

国連の判断によれば、ギリシアとマケドニアの国境のところで、難
民が足止めされているのは、人道的な破局を招くかもしれない。国
連難民高等弁務官事務所はUNHCRはジュネーヴで、食糧と水を人々
に供給し宿泊させるのは困難である、と発表した。現在ギリシアに
は、北に向けて旅を続けるのを待っている人が2万4千人いる。いわ
ゆるバルカン経路上にあるマケドニアと他の国々は、毎日、制限し
た数の難民だけを通過させている。報道によれば、ギリシア政府
は、難民危機に対処するために、EUに総額4億7千万オイロの支援を
要請した。国連難民高等弁務官事務所によれば、今年は既に13万
2千人の難民が地中海を越えてヨーロッパにやって来た。

アサドは兵糧攻めとの批判を否定

シリア大統領アサドの軍は、数千人の人間を包囲して、食糧の供給
を断っている、と報じられているが、アサドはそれを否定した。ア
サドはテレヴィ局ARDのインタヴューをうけて、その中で彼はシリ
アの内戦の責任も自分にはない、と述べた。また彼は、土曜日から
発効している停戦を、シリアにとっては「期待の薄暮」と呼んだ。
さらに彼は、シリアはもはや完全な独立国家ではなく、ロシア、イ
ラン、レバノンからの軍事支援を必要としている、と認めた。さら
にシリアからの難民流出が途切れないことに関して、シリア人が時
刻で生活できるよう助けるのは、さほど賢くもなく、「出費がかか
らない」かどうかは疑問であり、そのため西側は、戦う相手はシリ
アではなくテロとである、との決定を下さなければならない、と求
めた。

2月の難民数は3万9千人弱

連邦警察の発表によれば、2月には、38.570人の亡命希望者が、ド
イツにやって来た。これは1月、12月さらに2015年夏と比べると、
大幅に少ない。この減少は、バルカン経路上の国のいくつかが、わ
ずか数百人しか移民の通過を認めていないことに起因している可能
性が高い、とのことである。当局の発表によれば、2016年の最初の
2ヶ月では、およそ10万3千人の難民がドイツに入国していた。




3月2日(水)

緑の党の国会議員ベックが退任 「ビルト」紙は薬物発見

緑の党の連邦議会議員フォルカー ベックは、即時会派内の役職を
辞める。「ビルト」紙の報道によれば、同会派の国内政治の専門家
である彼は、ベルリン警察から、麻薬を持っているところを逮捕さ
れた。ベルリン検察広報はその後、ベックからは火曜日に、0.6グ
ラムの「麻痺させる効果を持つと疑われる物質」が見つかった、と
述べた。ベックはインターネット上で、会派の国内および宗教に関
する専門家としての職を辞し、ドイツ・イスラエル国会議員組織の
議長職を辞任すると申し出た、と説明した。

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大地震がインドネシアを震撼させる

インドネシア沖で、巨大な地震が発生した。強さ7.9のこの地震の
震源は、スマトラの南西、深さ10キロであった。第一報では、死者
が数人出た。インドネシアおよびオーストラリア当局は、当初津波
警報を発したが、のちにこれを撤回した。物的損害に関する報告
は、今までのところでていない。インドネシアはいわゆる「環太平
洋火山帯」にあり、これは地球上で最も活動的な地震発生地域の一
つである。2004年インド洋での津波では、島国である同国は強い被
害を受けた。

EUは難民危機の中で7億オイロの緊急支援を準備

難民危機を緩和するために、EU委員会は、ギリシアなどの加盟国
に、総額7億オイロで支援する。そのうち3億オイロは、年内にも使
われる、とブリュッセルの当局は発表した。その他今後2年は、毎
年2億オイロがEUの予算から調達される。EUで緊急支援基金が、EU
内の人道危機解決のために集められるのは初めてである。この後加
盟各国とEU議会が、EU予算の組み替えを含むこの計画に賛成しなけ
ればならない。EU外部の支援を含む支出は、これには含まれていな
い。この資金は特にギリシアのためのものであル。国連によれば、
ギリシアには数万人の難民が上陸している。

国連安全保障理事会は北朝鮮に新たな制裁を科す

北朝鮮が核実験とミサイル発射を行なったことに対して、国連安全
保障理事会は、共産主義の同国に新たな制裁を科した。同理事会は
全会一致で、米国が提出した動議を可決した。新たな制裁措置に
は、北朝鮮着発の物資の移動すべてに対して、拘束力を持つ査察を
行なうこと、携帯火器の販売禁止などが含まれている。米国大統領
オバマは、制裁の決定が可決されたことを、国際的に孤立している
同国に対する断固たる意志表示である、として歓迎した。




3月3日(木)

トゥスクは潜在的「経済移民」が欧州へ出発しないように警告

EU評議会議長ドナルド トゥスクは、「経済移民」がヨーロッパへ
来ないように、と警告した。彼は「どこの出身者であれ、すべての
違法な潜在的経済移民に」訴えて、「ヨーロッパには来ないよう
に」と訪問先のアテネで述べた。「密入国業者を信じてはいけな
い。命と金を無駄にしてはならない。すべては無駄になる」とも付
け加えた。トゥスクはギリシア首相アレクシス ツィプラスとの会
談後に、ギリシアは他のEU加盟国同様、「今後は通過国になること
はないだろう」、シェンゲン領域が、再び効力を持つだろうと述べ
た。アテネは、トゥスクがEUの難民政策で妥協の方針を、加盟7カ
国を通じて模索するための、仲裁活動の最初の滞在地である。彼は
この仲裁活動で、月曜日にEUとトルコの特別首脳会談が開かれる
が、これが失敗に終わるのを阻止するつもりである。トゥスクはア
テネからアンカラへと旅を続け、首相アフメト ダーヴトオールと
会談する。金曜日にはトゥスクは、大統領レジェップ タイップ 
エルドアンとイスタンブルで協議する意向である。

     その他のニュース

国営放送「シリア全土で停電」

国営報道機関によれば、シリアでは全土で、電気供給が原因がわか
らないまま途絶している。国営シリア・アラブ通信社Sanaが、担当
する館長の話として、「電力供給網はすべての州で途絶えて」い
て、原因を究明している、と伝えた。インターネットも、同国の大
半で機能していない。首都ダマスカスの住民は、夜1時頃停電し
た、携帯電話を用いたインターネットも、利用できない、と報告し
ている。

何者かがイスタンブルの交番を襲撃

何者かがトルコの大都市イスタンブルの交番を襲撃した。CNNトル
コによれば、2人の「テロリスト」が、イスタンブルのヨーロッパ
側のバイランパサ地区で発泡し、手榴弾を投げて、警官1人が腕に
負傷した、攻撃した女たちは逃亡し、ある建物の中に潜伏した。そ
れによれば周辺では、銃撃音と爆発音が聞こえた。アナドル通信社
は、この2人の女性襲撃犯は死亡した。ドアン通信社DHAの映像で
は、まず警察のバスが走っていいたところ、2人が映像に映り込
み、その一方が武器を持っている様子が写っている。2番目の人
は、ある物体を投げ、その中に手榴弾が含まれていた模様である。
今のところ、犯行声明を出したものはいない。ここ数ヶ月で複数の
襲撃事件があった後、イスタンブルでは警戒態勢が強化されてい
る。

ベルリンでISのテロ参加者募集容疑者を逮捕

イスラーム教徒自殺攻撃犯を募集していると見られる男が、ベルリ
ンで逮捕された。バーデン・ヴュルテンベルク州出身の医師が、宣
伝用の映像を利用して、テロ民兵ISの自殺攻撃犯になるように急進
化するのを手助けしていた、とシュトゥットガルト州刑事局が発表
した。その他このサラフィー主義者が24歳の男の出国を手配した、
とのことである。この若い男は、2015年5月18日に北イラクのテロ
組織のために、自殺攻撃に及び、少なくとも12人のイラク政府軍兵
士を殺害した、とされている。この犯人は、先日までフライブルク
に住んでおり、州刑事局の発表によれば、心を支配されていて、簡
単に影響を受ける状態であった。この33歳の医師が、この若者の精
神的不安定を判断材料として、どの程度まで意図的に襲撃犯として
選び出すことができたのかは今後の捜査の対象である、とも述べ
た。担当するカールスルーエの検察は、この医師が、国家を危険に
さらす重大暴力行為を準備する手助けをした、との容疑を抱いてい
る。




3月4日(金)

「2006年サッカー世界選手権 買収の証拠はない」との報道

ドイツサッカー連盟が委託したフレッシュフィールズ事務所は、
2006年世界選手権を受託する前に、買収をした証拠を見いだすこと
はできなかった。フレッシュフィールズ事務所の報告書には、書類
上および情報に関する状況に不備があるため、票を買った可能性は
否定できない、数百万の支払いに関する調査は、最終的な結果をも
たらすことはできない、と記されている。そのため同事務所は、フ
ランツ ベッケンバオアーが果たした役割に関する新たな疑惑が掘
り起こしている。報告書によれば、組織委員会の委員長であった
ベッケンバオアーの口座へ流れ込み、弁護士事務所の口座を通じて
さらに1千万スイスフランが、カタールの企業に振り替えられた、
しかしこの資金がカタールに到着したかどうか、この資金で何が行
なわれたかは不明である。
調査の主な背景は、670万オイロの支払いである。これはサッカー
世界選手権組織委員会が、アディダス元社長ロベール ルイ・ドレ
フュスを通じて、国際サッカー連盟へ支払ったものである。目的と
この資金のはっきりした行方は、今日に至るまで未解明である。 

     その他のニュース

EUは内部国境監視は12月までに終了の方針

EU委員会は、難民危機のために実施されているシェンゲン協定の領
域内部での国境管理を、今年末までにすべて終了する方針である。
ただし国境警備がよりうまく行えることが、その前提である。EU内
務委員アヴラモプロスはブリュッセルで、EUと外部の国境が効率的
に管理できなければ、内部での自由往来は不可能である、と述べ
た。EU委員会は、計画中のヨーロッパの教会と湾岸警備を、遅くと
も8月までに開始する、との見通しである。その後遅くとも9月に
は、完全に活動態勢を整えることになっている。すべてのシェンゲ
ン協定加盟国間の国境管理を再び行なう経費はを、当局は年額50億
ないしは180億オイロと計算している。難民危機のため、ドイツを
含め現在7カ国が、国境監視を再導入した。

メルケルとオランドは難民危機を欧州全体で解決するのに賛成

ドイツとフランスは、来る月曜日のEU首脳会談で、難民の移動に対
するヨーロッパ共通の回答を作るために、協力して尽力する方針で
ある。ドイツ首相メルケルとフランス大統領オランドは、パリでの
会談で合意した。彼らは、EUと外部の国境をよりうまく警備しなけ
ればならない、国境管理をだんだんに終了することで「完全に意見
が一致」している、とメルケルは述べた。オランドは、ドイツとフ
ランスは、難民政策で同じ解決策を持っており、それは「ヨーロッ
パ」と言うことである、と強調した。メルケルはEU東部での国境閉
鎖を念頭に置いて、「一方的な解決をすると、私たちはそれ以上前
進できなくなる」、この問題をギリシアに移し、ヨーロッパ全体で
調整しなければならない、とも述べた。ドイツとは異なり、フラン
スは難民の追加割当を受け入れるつもりはない。

オルバンはメルケルに反対するゼーホーファーとの協定を否定

ハンガリー首相オルバンは、バイエルン州首相ゼーホーファーと、
連邦首相メルケルに単体する協定を結んだことを否定した。オルバ
ンはブダペストのゼーホーファーとの会談終了時点で、「私たちは
メルケルに反対していない」市、この会合は間近に迫ったドイツ州
議会選挙を前に、キリスト教民主同盟を弱体化させるために行なっ
たものではない、と述べた。また彼は、両者はキリスト教民主同盟
とキリスト教社会同盟上げた成果に多くのものを負っている、と付
け加えた。ゼーホーファーは、オルバンが述べたことすべてに、
「太い強調線」を引くことができるし、難民問題に関する次回のEU
首脳会談で、メルケルが成果を上げることを、心から望んでいると
述べた。キリスト教社会同盟のゼーホーファーは、数ヶ月前から、
難民の数を大幅に減少させるように求め、そのために繰り返しメル
ケルと明確に対立している。オルバンも繰り返し、メルケルの難民
政策とは異なる立場を打ち出していた。ドイツの社会民主党と緑の
党は、ゼーホーファーのブダペスト訪問を、反メルケルに対する侮
辱である、と捉えた。メルケルは、その見方には与みしていない。
連邦政府広報代理ヴィルツはベルリンで、ドイツの各州がEUの国々
とも連絡を絶やさないことは、もちろん意義深いことであり、メル
ケルは、この訪問についてそれ以上のことは述べていない、と語っ
た。




3月5日(土)

ヨーロッパの受入および亡命政策をドイツとイタリアが提案

新聞報道によれば、ブリュッセルでのEU首脳会談を前に、ドイツと
イタリアはヨーロッパ全体の受入および亡命政策を提案して、攻勢
に打って出る。「南ドイツ新聞」によれば、ドイツ内務大臣トーマ
ス デ メズィエールとイタリア内務大臣アンジェリーノ アル
ファーノは、「ダブリン規則を、野心的に改革して、新たに調整し
たヨーロッパ共通の亡命制度を樹立すること」が必要だ、と書き記
している。彼らの書簡はEU委員会副議長フランス ティマーマンス
および移民委員ドミトリス アヴラモプロスに宛てたものである、
とのことである。それによれば、難民の数を長期的に減らすため
に、EUと外部の国境を確保しなければならず、EU国境警備局フロン
テクスの力を借りて、すべての移民の安全検査を含め、EU全体で通
用する登録制度を作り出す必要がある。さらに保護を必要とする
人々は、出身国および経由国で身元を確認され、そこからヨーロッ
パへ運ばれ、安全な出身国をEUが一覧表にすることも計画されてい
る。

     その他のニュース

デ メズィエールはギリシアからの難民を受け入れない方針

内相デ メズィエールは、ギリシアからの難民をドイツに受け入れ
ることを、断固拒否した。彼は「パッサオ新報」に、ギリシアは困
難ではあるが解決可能な状況にあり、1千1百万人の住民がおり、現
在2万5千人の難民を滞在させている、他の国々が提供した支援を考
えると、これは「不当な要求とは言えない」ようだ、と述べた。さ
らに彼は、他国へ行かせるとの政策は、他でもないギリシアで始
まったのであり、バル案諸国はこの施策を受け入れ、ドイツなどの
負担になっているが、この政策は既に過去のものだ、と語った。ま
たキリスト教民主同盟の政治家である彼は、トルコの業績を賞賛
し、トルコ政府は「人道的な観点に立って、重要なことを成し遂げ
た」、つまりシリアからの難民250万人に物資を供給しており、賞
賛を受けるに値するが、批判されるべきものではない、と語った。

「ザマン」紙のトルコの扱い方に激しい批判

トルコの政府に批判的な新聞「ザマン」を急襲したことは、諸外国
で厳しい批判を受けている。EU議会副議長ラムスドルフは、情報ラ
ジオRBBの中で、トルコの措置を非難した。「政府がこの問題で行
なっていることは、報道の統制を進める以外の何ものでもない」と
述べた。編集部は金曜日に、治安部隊に襲われた。治安部隊は、放
水車と催涙ガスでデモ隊を鎮圧していた。同紙は、説教師ギュレン
率いる反政府のヒズメット運動に近い立場で、トルコ政府はこの運
動をテロ組織と表明している。同紙は、政府の管財人の監視下に置
かれた。部一区外務省はこの件に「民主主義体制では、批判的な意
見を黙らせるのではなく、これを強くするべきである」と発表し
た。国際アムネスティのトルコの専門家ガードナーは、「エルドア
ン政権は、周辺を叩き、その後批判的な声を押さえ込もうと努力す
ることで、人権を蹂躙している」と批判した。

シリア反乱勢力がイラクとの国境通過地点を制圧

活動家によれば、シリアの反乱勢力は隣国イラクへつながる国境通
過地点を占拠した。ここは今までテロ民兵「イスラーム教国IS」の
支配下にあった。野党に近いシリア人権監視団によれば、この蜂起
勢力はヨルダンからシリアに入ってきて、故郷通過地点タナフを占
領し、米国が主導する軍事同盟の空爆の支援を受けていた、と述べ
た。ISは重要な国境の駅アルブ カマルの支配を続けている。1週
間前から、シリアでは軍と反乱勢力の間で、停戦が行なわれている
が、危うい状態である。ISやアル カーイダに近いヌスラ前線、さ
らにこれを同盟関係にあるイスラーム教徒民兵などのジハード主義
者組織は、停戦から除外されている。停戦が発効しているこの知己
では、それ以来135人が死亡した、とシリア人権監視団は発表し
た。停戦が守られていない地域では、552人が死亡した。水曜日に
は、ジュネーヴでシリア和平交渉が、新たな段階に入る。




3月6日(日)

イラクで油送車を使った攻撃

テロリストが、バグダードの南約1百キロにあるイラクの都市ヒラ
周辺で、襲撃を行なった。自殺犯1人が、油送車を使って、検問所
に並んでいた車の列に突っ込み、自分が乗っていた車を爆発させ
た。報道では、死者は50人以上で、多くの民間人が含まれていた。
負傷者は60人を超えた。目撃者の話によれば、検問所は完全に破壊
された。誰がこの犯行の背後にいるのかは、まだ不明である。過去
数ヶ月、テロ民兵「イスラーム教国IS」は、イラクで類似の攻撃を
再三繰り返していた。彼らジハード主義者が、同国北部と西部の広
い範囲を支配している。

     その他のニュース

難民政策 メルケルは合意を主張

連邦首相メルケルは、EU首脳会談を前に、今までに合意したことを
実施に移すよう促した。彼女は「ビルト紙日曜版」に、EU加盟各国
は2月のEU首脳会談で合意したことを、段階的に実施しなければな
らない、難民危機は協力して初めて克服できる、と述べた。オース
トリア首相ファイマンは、ドイツに対して、これ以上の人が出発し
ないように、亡命希望者の受け入れに上限を設定するよう求めた。
国連難民高等弁務官事務所UNHCRの発表によれば、その間に1万3千
人が北ギリシアの難民施設イドメニで滞在している。同事務所広報
バロッホは、現地の情勢を維持することができない、と述べた。多
くの人々が、これ以上北に向けて旅立つことができないが、それは
隣国マケドニアが、1日あたりに国境を越える数を250人に制限して
いるためである。

ガオクは「親愛週間」を開始

連邦大統領ガオクは、憎悪の発言と右翼急進派に反対する訴えを行
なって、キリスト教とユダヤ教に基づく「親愛週間」を開始した。
彼はハノーファーでの式典で、「キリスト教徒のヨーロッパ」を擁
護すると自称する者たちの無慈悲な態度が広まっているのは、受け
入れられない、と述べた。さらに彼は、イスラーム教徒の神の名前
で、恐るべき凶行が行なわれている、と強調した。「親愛週間」は
1952年から、ユダヤ教徒とキリスト教徒の間の対話を促進し、ホロ
コーストを生き生きした記憶に留めるに行なわれている。

ショイブレは期待と戦う

連邦財相ショイブレは、閣僚を予算に関する原則にもっと従うよう
に求めた。キリスト教民主同盟に属する彼は、閣僚に宛てた書簡の
中で、難民危機克服の手段が、連邦政府にとって最高の優先事項で
あると述べた。と「ヴェルト紙日曜版」は引用している。複数の閣
僚が、難民危機に関連して、支出するようにとの願いを伝えていた
模様である。引用された初刊によれば、ショイブレは、連邦政府が
効率性の観点から目をそらすのではないか、との懸念を持ってい
る。彼は昨年、国家財政で120億オイロの黒字を達成していた。




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