４月１８日〜２４日のドイツのニュース
４月１８日（月）
イタリアは地中海での新たな難民事故に言及
イタリアの発表によれば、地中海では再び難民事故が発生した。同
国外務大臣パオロ ジェンティローニは、ルクセンブルクでのEU閣
僚会談に出席するなか、このように述べた。それによれば、事故に
遭った人々は、エジプトを出発していた。彼は具体的な犠牲者の数
は発表せず、さらなる詳細と情報を得ようと努めている、と語っ
た。イタリア大統領セルジョ マッタレッラは、ローマでの演説の
中で、「地中海での新たな悲劇」に言及した。彼もその中で、詳細
については言及しなかった。これより前に米国の放送局BBCのアラ
ブ人職員は、エジプトでの報告を詳細を伏せながら引用し、この事
故では難民4百人以上が溺死し、彼らの多くはソマリア人である、
地中海では合わせて4隻の船が沈没した、と報じた。
その他のニュース
ギリシア政府はピレウス難民収容所の閉鎖を開始
ギリシア警察は、移民が占拠しているピレウスの港湾施設から、
人々を立ち退かせ始めた。ギリシアでの報道によれば、ピレウスで
は、難民と移民3千7百人ほどの一部を、近くにある国の受け入れ施
設に運ぶため、バスが走っていた。今週末までに、この野営地は閉
鎖されることになっている。マケドニア国境にあるイドメニでは、
1ヶ月前から難民が占拠している北ギリシアの国境の町イドメニあ
る鉄道線路を明け渡しが行なわれた。一方難民は、ギリシアのレス
ボス島から、トルコへ送還された。ラジオ局の報道によれば、島の
中心都市ミティリーニ港では、パキスタン人45人がトルコの船に乗
せられ、西トルコの町ディキリに運ばれた。月曜日には合わせて
150人が創刊される計画である、とのことである。
連邦政府はAfDの方針転換を受け宗教の自由を強調
右派大衆迎合的な「ドイツのための選択肢AfD」が、反イスラーム
教の方針をとっているのに対抗して、連邦政府は、ドイツにおける
宗教および信仰の自由に関する基本的権利を強調した。政府広報ザ
イベルトは、基本法第4条を指し示して、同党が予定している綱領
に言及する理由はない、とも述べた。この綱領の中では同党は、反
イスラーム教の方針を明記する意向である。ドイツ イスラーム教
徒中央評議会議長マツィエクは、同党をナチ党NSDAPになぞらえ、
憲法擁護庁が監視するように要請した。彼は北ドイツ放送の番組に
出演し、ヒトラー時代のドイツの後では、ある政党がある宗教の信
徒全体の存在を脅かすのはは初めてのことである、と述べた。同党
に対しては激しい批判が、広い層の組織や政党からも出ていた。週
末には、「ドイツのための選択肢」党首代理フォン シュトルヒ
が、イスラーム教は「基本法に合致しない」と述べていた。
トルコではギュレン支持者1百人以上が逮捕
トルコ当局は、イスラーム教の説教師ギュレンの支持者に対して、
再び大規模な措置を取った。イスタンブルと8つの州で家屋に踏み
込み、およそ1百人を逮捕した、とアナドル通信社は報じた。「テ
ロ組織に加入ないしは資金を提供した」容疑で、別の逮捕劇も起き
た模様である。影響力の大きな説教師であるギュレンは、亡命生活
を送る米国から、学校、報道機関、支援組織からなる組織網を率い
ている。ギュレンは長い間、イスラーム教徒保守派で、大統領エル
ドアン率いる公正発展党AKPと、密接な同盟関係にあった。しかし
彼は2013年末にギュレンと袂を分かった。
４月１９日（火）
カブールのタリバーン襲撃で死者少なくとも28人
アフガニスタンの首都カブールで、深刻な襲撃事件があったが、そ
の死者の数は28人に増えた。警察の発表によれば、アフガニスタン
秘密情報部本部近くの駐車場に止まっていたトラックが爆発し、犠
牲者の多くは民間人であり、少なくとも300人が負傷した。急進派
イスラーム教徒タリバーンが、この襲撃を行なったと発表した。タ
リバーンは1週間前に、今年春の攻勢を開始する、と発表してい
た。
その他のニュース
元首相コールがオルバンを歓迎
元首相コールは火曜日、問題のハンガリー首相オルバンを、ルート
ヴィヒスハーフェン・オッガースハイムの自宅に出迎えた。彼の事
務所の発表によれば、今回の訪問は純粋に個人的な者で、友情を温
める性格のものである。保守派の首相であるオルバンは、難民政策
では、ドイツ首相メルケルを最も厳しく批判する人物と目されてい
る。コール自身は、彼の著書『ヨーロッパを懸念して』のハンガ
リー語版の序文に、メルケルの方針に疑問を呈しているが、メルケ
ルの名前は出していない。社会民主党と緑の党は、コールがオルバ
ンを懐柔するよう働きかけるよう求めている。オルバンは昨年、国
境に柵を作ってハンガリーを封鎖していた。
ベルギー「ISはさらに多くの戦闘員をヨーロッパに送った」
急進派民兵イスラーム教国ISは、攻撃のためにさらに戦闘員を、
ヨーロッパおよびベルギーに送り出した、とベルギー治安当局は推
定している。ベルギー危機対策本部広報は、そのためテロ警戒の段
階を3に留め置く、と発表した。ベルギー当局は、3月22日のブリュ
ッセル襲撃事件後、最高度の警戒段階である4に設定し、2日後にこ
れを3に引き下げていた。空港と地下鉄駅で爆弾が破裂し、32人が
死亡し、さらに3人の犯人が死亡していた。複数の容疑者が逮捕さ
れている。捜査陣の発表によれば、パリとブリュッセルの襲撃事件
の主な容疑者はすべて逮捕されるか死亡している。
内相「ザクセンでの逮捕劇で別の襲撃を阻止」
連邦内相デ メズィエールは、ザクセン州フライタールでの逮捕劇
は、地域に根ざす右派テロリスト組織に、決定的な打撃を与えた、
と見ている。彼はベルリンで、この逮捕により、この組織が亡命者
受け入れ施設や政治的に反対意見を持つ人を襲う可能性を取り除
き、国が右翼テロリスト集団や犯罪者に対して、断固かつ早期に対
処することを示すものである、と説明した。午前中にフライタール
の家屋を捜査し、男性4人と女性1人が逮捕された。彼らには、右派
テロリスト「グルッペ フライタール」の設立に関わった、との疑
いががもたれている。これに属していると見られる別の3人は、既
に未決拘留中である。捜査陣によれば、この組織の目標は亡命申請
者収容施設および政治的に異なる見解を持つ人々の家屋建設計画
を、爆弾で攻撃することであった。この発表によれば、容疑者の中
には、殺人未遂，危険な傷害事件、爆破の容疑をもたれている者も
いる。
４月２０日（水）
NATO・ロシア評議会での開かれた真剣な討論
NATOとロシアはほぼ2年ぶりに、直接対話を行なった。NATO事務長
イエンス ストルテンベルグはその後、「開かれた真剣な議論」で
あった、「危機の時期の最中には」対話が重要だ、と述べた。両者
の大使は、ブリュッセルのNATO本部で開かれた評議会にやって来
た。ウクライナ危機、アフガニスタンの治安状況、両者の軍事的突
発事態の危険を減らすための措置が議題であった。ストルテンベル
グは、相変わらず「深く長く続く意見の違い」があり、NATOはロシ
アとの実践上の協力を再開することはできない、と述べた。NATO・
ロシア評議会の会合は，2014年6月以降開かれていなかった。その
原因は，ウクライナ危機とロシアによるクリミア併合であった。
その他のニュース
テロとの戦いに関する連邦刑事局法の一部は憲法違反
テロから身を守るために連邦刑事局BKAに広く認められた権限は、
一部憲法違反である。国内を監視する同局の権限は、実際には市民
の基本的権利を大きく侵害する、とカールスルーエの憲法裁判所は
判断した。同法廷は、規則がまず広く適用されるように、多くの条
件を設定し、改善の期限として国会に2018年末までの猶予を与え
た。テロ攻撃を阻止するために、捜査陣は2009年から、住居に盗聴
器を取り付けカメラで監視することなどが認められている。連邦刑
事局法は「連邦トロイア人」の根拠ともなっている。これはテロ容
疑者のコンピューターのハードディスク上の情報を収集するために
開発したソフトウェアである。同裁判所副総裁キルヒホーフによれ
ば、これは基本法で基本的権利に合致していないが、国会が権限の
具体的手はずを整えるだけでは、様々な点で不十分である，と述べ
た。
オバマはサウジ・アラビアを訪問
米国大統領オバマは、近東訪問の最初にサウジ アラビアに旅立っ
た。首都リヤドで、彼は国王サルマンと、スンニ派の同王国と、
シーア派の隣国イランとの関係が、混迷していることについて話し
合う意向である。テロ民兵「イスラーム教国」との戦いも、議題の
一つである。オバマは木曜日には、リヤドで開かれる湾岸協力評議
会の首脳会談にも参加する。その後彼は英国とドイツを訪問する。
ハノーファーでは、複数のヨーロッパの大統領および首相との間
で、非公式首脳会談が予定されている。連邦首相メルケルは，オバ
マ、フランス大統領オランド、英国首相キャメロン、イタリア首相
レンツィを、ヘレンハオゼン城に招待し、「国際政治の問題」を話
し合う、とドイツ政府は発表した。
EU委員会はトルコ人に入国査証免除を延期
EU委員会は、トルコ市民に対する入国査証の義務づけを6月までに
廃止するよう勧告するかどうかを、5月上旬に決定する方針であ
る。同委員会は、問題のトルコ政府との話し合いにむけて、進展状
況に関する報告書を5月4日に提出する，と予告した。既に約束して
いる入国査証の免除は、EUとトルコの間で結ばれた難民協定の重要
な一部分である。トルコ首相ダーヴトオールは火曜日に、トルコは
既にすべての条件を満たした，と述べた。EU委員会の見解では，ト
ルコはまだ多くの点でおくれをとっており、なかでもトルコ政府は
特に多くの移民を出している国々に対して、入国査証の義務を導入
しなければならない、としていｒ。EU加盟各国とEU議会が、トルコ
に対する入国査証免除に賛成しなければならない。EUとトルコの協
定が効力を持つ中、同委員会によれば既に325人の難民を，トルコ
に送還した。トルコからEUに合法的に入国が許されたのは、103人
のシリア人である。
４月２１日（木）
基準金利は記録的低水準に
ヨーロッパ中央銀行EZBは、基準金利を変えなかった。発券銀行の
資金を用いて，市中銀行が資金を供給するときの支配的な金利は、
0.0%で変わらない、とオイロの監視役である同銀はフランクフルト
アム マインで発表した。同銀は3月に金利を，この記録的低水準
に引き下げていた。この金利政策に対しては，厳しい批判がドイツ
からも生じている。各銀行はずっと以前から、古典的な金利の扱い
では、十分な収益を上げるのがますます困難になっている、と訴え
ていた。さらに各分野の代表は、民間の高齢者年金が被害を受ける
と警告し、ヨーロッパ中央銀行は月々の有価証券購入を800億オイ
ロにまで拡大する，と発表した。同銀は1兆7千4百億オイロの計画
で、景気を活性化し、オイロ使用地域の中でさらなる物価上昇を生
む意向である。
その他のニュース
オバマ訪問にあたり数万人がTTIPに反対して抗議活動
5万人以上の人が，計画中の自由貿易協定TTIPに反対して、週末に
ハノーファーで抗議活動を行なう方針である。デモに参加すると予
告しているデモ組織の数は、6から8に増加した、と警察要人は発表
した。これで合わせて参加者は5万6千人になる豊能層で，その多く
は土曜日の中央集会に参加する，とのことである。この抗議活動
は，米国大統領オバマの訪問期間中に実施される。この環大西洋自
由貿易協定で、EUと米国は人口8億人を抱える世界最大の自由貿易
地域を作り出す方針である。オバマは日曜日に、ドイツ首相メルケ
ルと共に、ハノーファー見本市の開場式に出席する。今年は米国が
協力国である。抗議活動の主催者の中には、経済の世界規模化に反
対する組織網Attacも含まれている。この組織は複数の都市で、
TTIP協定に反対してデモを呼びかける意向で、この協定で環境保護
および社会福祉の基準が制約を受ける，と彼らは見ている。
各国内相は難民危機に関して協議
シリア難民をトルコから規則に基づいて受け入れるための準備は、
間もなく完了する。ドイツ通信社の情報によれば、EU加盟各国は今
日ルクセンブルクで、今後4ヶ月の具体的な受け入れ数の基準で合
意した。それによればドイツは，現在トルコで暮らしているシリア
難民を、毎月1百人受け入れる。トルコからは合わせて毎月1千1百
人がEUに移住する可能性がある。その他EU加盟各国の内相は、ヨー
ロッパの国境および沿岸警備作りと、EUの亡命制度改革計画を協議
している。その他に、ブリュッセル襲撃後の情勢も議題である。そ
の際、治安当局の情報交換の改善と、外部との協会監視強化が，問
題の焦点である。
ドイツにはより多くの難民が入国するか？
連邦政府の意向では、今後はより多くの難民が、基盤の脆弱な地域
に分散して受け入れられる。連邦農相シュミットは「フランクフル
ト一般新聞」に、このような都市と田園地帯にとって、難民の入植
は好機であると見ている，と述べた。失業率が高く、基盤の脆弱な
地域も除外されるべきではない，自由で便利な住宅地域であること
が，利点である、とシュミットは同紙に述べた。難民の家族が入る
ことで，この地域の基礎学校は閉鎖を免れるかもしれないし、難民
の多くは長期的にもそこに滞在するよい機会であり、「匿名」の都
市でよりも，田舎での方が社会へのと蹴込みがうまくいくだろう，
とシュミットは推定した。
４月２２日（金）
ディーゼル車問題でフォルクスヴァーゲン社は史上最大の損失
排気ガス事件で莫大な費用がかかるため、フォルクスヴァーゲン社
は、同社の歴史上最大の損害を処理しなければならない。昨年は差
引勘定の結果、16億オイロの損失を喫した、と同社は監査役会後に
発表した。2014年には帳簿上は、110億オイロの利益を上げてい
た。ディーゼル車事件の結果、同社は2015年だけで、およそ162億
オイロをを返済しなければならなかった。さらに同社は、4月末に
発表予定だった賠償問題に関する中間報告書を，無期限で発表延期
にする、と予告した。この数時間前の発表では、先端技術を持つボ
シュ社が、エンジンの制御装置の大部分を製造しており、それに排
気ガス浄化を停止する装置も含まれている、と「シュピーゲル」誌
はインターネット上で報じた。この報道では、様々な会社が製造し
た1.6リットルから2.8リットルのエンジンをもつトラックの制御装
置全体に、これが関連している。アウディ、ポルシェ、メルツェー
デス、フォルクスヴァーゲン，オーペルの各社は、排気ガス浄化停
止装置に必要な修正を行うために、合わせて63万台の車を回収する
ことになる、と連邦政府は発表した。
その他のニュース
オイロ使用国連合はギリシアの負債について協議
ギリシアに対する負債の原綿をめぐる議論が、再び再燃した。オイ
ロ使用国連合会長ダイセルブルームはアムステルダムで、これに関
する議論がこらら始まるのは喜ばしい、と述べ、これを「よい進
展」であると見なしている。国際通貨基金IWFは、オイロ使用国の
財務大臣会議で、債務に堪える能力をもつよう要請した。ただし、
ドイツ財相ショイブレは，これに関して話し合うのを拒否した。彼
はオイロ使用国財相会議で、この問題は，事前にではなく、ギリシ
ア政府に対する支援計画に関する協議で取り上げられる、と述べ
た。ギリシア政府は昨年夏に，オイロ使用国との間で、860億オイ
ロの第3次支援計画で合意した。それと引き替えにギリシアは、一
連の支出削減と改革を実施しなければならない。ギリシアは数ヶ月
前から，これに遅れている。
ガオクは侮辱条項廃止を制止
連邦大統領ガオクは、連邦大統領が侮辱を受けた際に刑法上の措置
を定めた（基本法）第90条の廃止に関する議論を制止した。彼は日
曜日に放送されるドイツ ラジオのインタヴューに答えて「すべて
の人が、共和国のそして民主主義最高の代表である大統領が、少な
くとも王冠を頂く元首同様の、敬意を受けるにふさわしい，と意識
してはいないようだ、と述べた。さらに彼は、法秩序は、民主主義
を形作り，それに責任を負う人々に敬意をもつ義務があると強調し
ている，とも語った。テレヴィの司会者ベーマーマンをめぐる議論
の中で、連邦政府は外国の元首を侮辱することを罰すると定めた
103条を廃止する、と予告していた。この関連で、連邦大統領を侮
辱した場合の罰則を定めている第90条も、廃止すべきかどうか議論
が起きている。
ベルギー襲撃犯は元人質によって身元が特定される
ブリュッセル空港の自殺攻撃犯の片方は、彼らが見張りをしていた
ときに、人質になっていたフランス人によって、身元が特定され
た。この男は、2013年から14年にかけて、シリアで誘拐に加わって
いたラーフラウイである、とフランス各紙が捜査陣の言葉として報
じている。彼はテロ民兵「イスラーム教国IS」の一員であり、アブ
イドリスという名前で、2014年に殺害された米国人記者フォーリー
の誘拐にも参加していた，とのことである。
４月２３日（土）
ハノーファーでTTIP反対のデモに数万人が参加
米国大統領バラック オバマの訪問を翌日に控え、ニーダーザクセ
ン州ハノーファーでは、2万5千人以上が問題の環大西洋自由貿易協
定TTIPに抗議した。警察の発表では、まず集会を開いた後、デモ隊
の列は平和的に市中心部を行進した。購買者保護組織と環境保護団
体は、この協定が環境上およし社会福祉上のヨーロッパの基準をだ
めにすると見て、この協定に抵抗している。ドイツ首相アンゲラ
メルケルは、毎週恒例の映像による親書の中で、現在適用されてい
るヨーロッパの基準は守られる，と説明した。メルケルは、TTIPの
交渉での秘密保持も擁護し、「誰にとっても事前に」すべての情報
を「手に入れることは」できない，と語った。
その他のニュース
ザクセン・アンハルト州でCDU・SPD・緑の党の連立政権成立
ザクセン・アンハルト州では、キリスト教民主同盟、社会民主党、
緑の党の連立政権が成立する道が開かれた。キリスト教民主同盟と
社会民主党に続いて、緑の党も党大会で多数が賛成して、連立協定
に賛成した。日曜日には州都マクデブルクで、この協定に署名が行
なわれる。月曜日には，現首相ハーゼロフ（キリスト教民主同盟）
の再選が予定されている。キリスト教民主同盟は、10日前の州議会
選挙で、第2党となった「ドイツのためのもう一つの選択肢AfD」を
破って，最大勢力の座を守った。社会民主党だけとの連立では、過
半数に達しなかったため、緑の党を連立交渉に招いた。右派大衆迎
合政党であるAfdと連合する可能性を、他のすべての政党が拒絶し
ている。
リントナー「自由民主党は新たな相手と連立を組む用意がある」
連邦政治で次期連立政権を目指して，自由民主党はキリスト教民
主、社会同盟との密接な結びつきを解消する方針である。同党首リ
ントナーはベルリンでの党大会で、キリスト教民主同盟が最も近い
党であるのは変わらないが、同党が過去数年で政治的な根幹を完全
に放棄してしまった、「メルケルのキリスト教民主同盟」は，次第
に社会民主主義に傾斜している，と述べた。リントナーは演説の中
で、ドイツにおけるコンピュータ利用拡大で、逆流が生じていると
非難し，その中でも教育が被害を受けている，と述べた。州選挙の
最新の結果と、好調な世論調査によれば、リントナーは自由民主党
に追い風が吹いている，と感じているものの、同党は獲得した信頼
を失うことは許されない，と述べた。
法相「首相はトルコに市民権への注意を促さねばならない」
法相マースは，連邦首相メルケル（キリスト教民主同盟）に、トル
コにおける報道および意見公表の自由を主張するように要請した。
法治主義、権力の分散、複数主義を、「明確に」求めなければなら
ない、と社会民主党の政治家である彼は日刊紙「ヴェルト」に述べ
た。野党の主要な代表も，同様の発言を行なった。連邦議会副議長
ロート（緑の党）は「ライン新報」紙に、メルケルは「はっきり目
を向け」て、トルコで人権擁護および市民権の分野で生じている弊
害を、指摘すべきである，と述べた。自由民主党党首リントナー
は、ドイツは、トルコが難民危機を解決する上で貢献を果たすから
という理由で、「目をそら」してはならない，と述べた。メルケル
はこの土曜日に、EUの主要政治家と共に、南東トルコのシリアとの
国境地帯にある難民収容緒を訪問する。
４月２４日（日）
オバマはドイツ訪問 TTIPは年内成立か
米国大統領バラック オバマは、ドイツ訪問の冒頭で、ドイツ首相
アンゲラ メルケルと、ヘレンハオゼン城で会談した。彼らは夕方
に，ハノーファー見本市を開会することになっている。今回の共催
国は米国である。この式典ではオバマは今一度、自由貿易協定TTIP
を宣伝する可能性が高い。米国政府は、2016年中にもこれに関する
交渉を終わらせるよう迫っている。「米国政府は解決を目指してお
り、今年何とかやり遂げるつもりである」と米国貿易大臣ペニー
プリッツカーは「シュピーゲル」誌がインターネット上で発表した
インタヴューで述べた。彼女はこの協定を「巨大な好機」である、
と読んだ。プリッツカーは問題の仲裁裁判所を念頭に置き、妥協の
用意があると示唆し、投資家を保護し，「同時に一般の利益を尊重
する」規則を確実に作り出す，と述べた。
オバマ訪問を前に，土曜日にはハノーファーでは数万人がTTIPに抗
議していた。
その他のニュース
オーストリアは新連邦大統領を選ぶ
オーストリアではおよそ640万人の市民が、新連邦大統領を選ぶよ
う呼びかけられている。現職のフィッシャーは，2期務めたため、
もう立候補できない。後継者をめぐって、6人が立候補している
が、これほど多くの人が立候補したのは，過去数十年亡かった。そ
のため、当選に必要な50%の多数を集められる人はいない，と見ら
れている。最も有望な候補者は、伝統ある社会民主党と国民党の候
補者ではなく、右派大衆迎合政党のホーファーと、緑の党のファン
デア ベレン、無所属で以前最高裁判所の裁判官であったのグリス
である。
セルビアは国会議員を選ぶ
セルビアでは最近の中では投票率が伸び悩む中，国会議員を選んで
いる。世論調査によれば，保守派で，首相ヴチッチ率いる進歩党
SNSが大勝する見通しである。46歳の民族主義者である彼は、経済
開会とEU加盟交渉を進めるために、より大きい支持を集めようと選
挙を早期に実施した。極端な民族主義政党SRSの人気が拡大し、国
会議員を再び送り出す可能性が十分あるため、与党にとっては問題
となる可能性がある。同党の問題の指導者シェシェリは、先月デン
ハーグの戦争犯罪裁判所で無罪を言い渡されたばかりである。同党
はロシアとの密接なつながりをもっている。
オランダ人記者がトルコで逮捕される
トルコでは、再び外国人記者が警察と司法の標的となった。オラン
ダ人女性記者ウマルは、沿岸の町クダシの住宅で逮捕された。オラ
ンダ外務省は、彼女が土曜日夜に逮捕されたことを認めた。トルコ
出身の記者である彼女は、「トルコ大統領エルドアンに関するイン
ターネット上の書き込み」のため拘留された、と発表した。彼女は
先日日刊紙「メトロ」で、大統領エルドアンに対して，極めて批判
的な記事を書いたばかりであった。