８月１５日〜２１日のドイツのニュース
８月１５日（月）
ドイツ外相のアレッポ停戦要請をロシア外相は拒否
ロシア外務大臣セルゲイ ラヴロフは、ドイツ外務大臣フランク・
ヴァルター シュタインマイアーと会談し、アレッポ停戦を拒否し
た。シュタインマイアー（社会民主党）は、ロシアに対して、シリ
アの同市での人道支援のために、停戦を求めていた。エカテリンブ
ルクでの話し合いの最後で、ラヴロフは、今までのロシアの提案、
つまりアレッポ住民のために4つの避難経路と、毎日3時間の停戦を
定めたと指摘した。シュタインマイアーは、この措置では不十分で
ある、と説明したが、米国とロシアがアレッポのための人道支援に
関して協議を開始することは、よい知らせであることは認めた。両
大臣は、ウクライナに関しても協議した、と述べた。ドイツとロシ
アの関係は緊張しているが、それはドイツ政府がクリミア半島をロ
シアが併合したことと、シリアの内戦ではロシアが権力者アサドを
支援しているためである。
その他のニュース
トルコとシリアの国境でISが攻撃 死者多数
トルコとシリアの国境地域で、バスが自殺攻撃を受け、少なくとも
32人のシリア反乱勢力が殺された。テロ民兵「イスラーム教国IS」
の伝達役を務めるアマク通信は、このジハード主義者たちに、死を
もたらす攻撃をしたと主張している。シリア人権監視団は、蜂起勢
力はトルコからシリアに向かう途中であった、と報じている。当初
は日曜の晩遅くに、国境のどちら側で爆発が起きたのか、矛盾する
発表があった。ロンドンに本拠をもつ同監視団は、攻撃はトルコ側
で起きた、と伝えていたが、トルコの通信社DHA社は、爆発はシリ
ア側のイドリブ州で起きた、と報じていた。
南東トルコで自動車爆弾による攻撃 死者3人
南東トルコのディヤルバキル州で、自動車爆弾による攻撃があり、
警官2人と民間人1人が死亡した。トルコのDHA通信社は、この爆弾
はビスミル地区交通警察の建物前で点火された、この攻撃を起こし
たのは、禁止されているクルド人労働者党PKKが引き起こした者
だ、と伝えている。同党は最初は、これについては何ら言及しな
かった。南東トルコでは、トルコ軍が同党に対して厳しく対処して
いる。同党の戦闘員は、様々な都市に潜伏し、繰り返し治安部隊な
どを襲撃している。停戦は2年以上続いたが、昨年夏に破綻してい
た。
デュンダルはトルコの「チュムハリエット」の主席発行人を辞任
機密漏洩容疑でトルコで有罪判決を受けた記者デュンダルは、野党
の日刊紙「ジュムフーリエット」主席編集人職を辞した。さらに彼
は同紙の中で、トルコ司法に出頭するために、当面帰国するつもり
はない、と予告した。政権転覆未遂事件のあと、非常事態が課され
ているため、「無法状態」が彼の故郷を支配している、と彼はその
理由を書いている。報道関係者である彼は、5月にトルコ秘密情報
部が、シリアのイスラーム教徒に武器を供給していることに関し
て、記事を執筆した後、ほぼ6年の拘留刑が言い渡されていた。し
かし彼は控訴審が始まるまでは、自由の身である。彼は現在ドイツ
にいる、と見られている。
８月１６日（火）
報道「独政府はトルコを武装イスラーム教徒の支援者と判断」
ドイツのテレヴィ局の報道によれば、連邦政府は、トルコとその大
統領レジェップ タイップ エルドアンを、急進的武装イスラーム
教徒の積極的支援者と見ている。公共ラジオ局連合体ARDは、左翼
党会派から得た情報として、同会派の照会に対する連邦政府がもた
らした、信頼できるとされた回答を伝えている。それによれば、そ
の回答の中では、シリアの武装イスラーム教徒、エジプトのイス
ラーム教徒兄弟団およびパレスチナ人組織ハマースに対して、トル
コが「支援行動」を取っていることが指摘されている。トルコの国
内および外交政策は、2011年以来イスラム化した結果、トルコはこ
の地域のイスラーム教徒組織にとって、活動の中心拠点となった、
とベルリンARD報道局は、政府の回答から引用している。ただし政
府はこれを公開することを望んではいない。
この報道によれば、連邦内務省の国会政務次官オーレ シュレー
ダー（キリスト教民主同盟）は、公開の回答をすることは、国家の
福祉の観点から行なわない、と記している。またこの回答は、左翼
党の国会議員セヴィム ダグデレンの照会に基づくもので、この判
断は連邦情報局BNDの推定に基づいている、とのことである。
その他のニュース
トルコでは44の企業に警察が踏み込む
トルコで軍による政権転覆が起きてから1ヶ月、イスタンブルにあ
る44の企業に警察が踏み込み、操作を行った。この企業には、説教
師ギュレンを資金面で支援した疑いがもたれており、捜査の中で、
120人の経営者に対して、逮捕命令が出された、と通信社は伝えて
いる。さらに日刊紙「ヒュリエット」の記者に対して、逮捕命令が
出された。同紙の職員アキンには、詳しい発表はされていない、あ
る「組織」を支援した、との容疑がもたれている、と同紙は報じ
た。大統領エルドアンは、米国で亡命生活を送る好敵手ギュレン
が、政権転覆未遂事件の黒幕だ、と見ている。政権転覆が試みられ
た後、トルコ政府はトルコ社会の全分野で、ギュレンの支持者と見
られるものに対して、厳しい措置を取っている。3万5千人以上が逮
捕された。
ロシアは初めてイランからシリアを空爆
ロシア空軍は初めて、イランからシリア国内の目標地点を空爆し
た。ジハード主義者組織「イスラーム教国IS」および「ヌスラ前
線」を攻撃するために、ロシア軍機は、イランのハメダン基地を飛
び立った、とロシア国防省は発表した。一方人権組織「人権監視
団」はロシアとシリア政府が、焼夷弾を使用したと非難し、過去数
週間、アレッポ市とイドリブ市に対して、焼夷弾が少なくとも18回
使用された、と報じた。すべてのく国には、民間人が住む地域で、
これを使用することを非難すべきだ、とも述べている。これより前
に赤十字は、アレッポでの戦闘に参加する各陣営に対して、支援組
織が絶望的な状況の人々にたどり着けるようにするよう呼びかけて
いた。アレッポ攻防戦は「現代ではもっとも破壊的な紛争の一つ」
である、とされている。
元ナチ親衛隊の歩哨に対する裁判が中止
90歳の元ナチ親衛隊の歩哨で、ナチの絶滅収容所アウシュヴィッツ
にいた男に対する裁判を、フランクフルト検察は審理に堪えること
ができないとして、中止した。上級検察官ニーセンは、医療関係者
の意見では、彼は審理に参加できる状態にはない、殺人幇助容疑で
の裁判は、すでに6月末に中止されていた、と発表した。別の元親
衛隊員で、絶滅収容所マイダネクにいた94歳の男に対する捜査は、
まだ完了しておらず、この男が審理に堪えられるかどうかは、現在
検討中である、とも発表した。彼にも殺人幇助容疑がもたれてい
る。
８月１７日（水）
テロ容疑のあとアイゼンヒュッテンシュタットの警戒解除
ブランデンブルク州のアイゼンヒュッテンシュタットで、襲撃が行
なわれるのではないかとの懸念には、おそらく根拠がなかったよう
だ。警察は、イスラーム教の背景があるとされた容疑者を逮捕して
いた。27歳のこのドイツ人は、同市の祭りを襲撃する計画を立てて
いた、とのことである。彼の住まいを捜査したが、容疑を確認する
ことはできなかった。この男は「心理的に不安定」であると見られ
ていた、とのことである。
その他のニュース
入場券不正販売でIOCアイルランド人理事ヒッキーがリオで逮捕
報道によれば、アイルランドの国際オリンピック委員会理事ヒッ
キーが、大会が進む中、入場券の不正販売容疑で、逮捕された。
ヨーロッパオリンピック委員会議長であるヒッキーは、同委員会委
員長バッハの取り巻きのひとりである。ブラジル当局はこれより前
に、ロンドンに本部がある接待用入場券販売業者THGスポーツの幹
部4人に対して、逮捕命令を出していた。アイルランドの執行部長
マロンが逮捕された。実際の価格を遙かに上回る価格で、違法に入
場券を販売する組織に加わっていた、と言うのがその理由である。
アイルランド オリンピック委員会には、入場券分配の歳に違法行
為があったと推定されているため、同国スポーツ相ロスは、すでに
同委員会議長ヒッキーとの話し合いを模索していた。同国オリン
ピック委員会は、内部調査委員会を設置していた。
外務省は議論を呼ぶトルコ分析とは距離を取る
連邦政府は、トルコ政府がイスラーム教徒とつながりがある、と批
判的に判断しているが、外務省はこれとは距離を取っている。外相
シュタインマイアーの広報は、報道機関が広げているこのおおざっ
ぱな発言を、外務省は自分の意見とはしていない、トルコはシリア
紛争でも、NATOの中で重要な協力者である、と述べた。外務省は、
政府の評価の内容には、詳しく立ち入ろうとはしなかっが、それは
この放火の一部は信頼できる、と判断されているからである。首相
メルケルの広報ザイベルトは、トルコはISとの戦いで、協力者であ
る、と述べた。
トルコは連邦情報局の報告書を厳しくはねつける
ドイツ政府は、トルコを近東のイスラーム教徒の中心的な活動拠点
ととらえているが、トルコはこれを厳しく退けた。連邦情報局BND
の報告を引用する形で組み立てられた主張は、「我々の題号量と政
府を標的とすることによって、しばらく前から模索されている、ト
ルコの力を奪おうという非正統的な態度」の新たな証明である、と
トルコ外務省は発表した。またこの声明の中では、ドイツの裁判所
で決着をつける、と約束している。
８月１８日（木）
トルコで連続襲撃事件 犠牲者多数
トルコ南東部で警察施設を狙って、2件の自動車爆弾事件が発生
し、警官4人を含めて少なくとも6人が死亡した。同局の発表によれ
ば、州都エラツィクと東トルコのヴァン州で起きた爆発で、3百人
以上が負傷した。爆弾はいずれも、警察署前で爆発した。その直
後、兵士を狙ってもう一件の襲撃があり、4人が死亡、少なくとも
6人が負傷した。公営のアナドル通信社によれば、ビトリス州で軍
の車列が襲撃を受けた。当局は、禁止されているクルド労働者党
PKKによる攻撃、とした。PKKはさしあたり何も発表しなかった。停
戦は2年以上続いたが、2015年夏に破綻した。それ以来治安部隊が
PKKの戦闘員に対して、大規模な出撃を行なっている。PKKは、トル
コ、ヨーロッパ、米国ではテロ組織と目されている。
その他のニュース
トルコはドイツにギュレン派の説教師の引き渡しを要求
トルコのヨーロッパ相セリクは、ギュレン運動に参加している説教
師を引き渡すよう、ドイツに要求した。彼は「経済週報」誌に、ド
イツにはこの運動とつながりがあるイスラーム教導師がおり、ドイ
ツ政府は説教ギュレンに近い立場の企業や組織を禁止すべきだ、と
述べた。トルコ政府は、7月に起きた政権転覆未遂事件を引き起こ
したのは、ギュレンであるとしており、それ以来、支援者とされる
数万人を逮捕あるいは馘首していた。さらにセリクは、トルコが近
東のイスラーム教徒にとって、「中心的な活動拠点」であるとの非
難を否定した。この非難は、ドイツ内務省が連邦議会に提出した信
頼できる報告書の中に記されている。セリクは、「この報告書は一
切の根拠が欠けて」おり、トルコはクルド労働者党およびテロ民兵
ISと戦っている。と述べた。
シリア空軍はハサカのクルド人陣地を初めて攻撃
シリア空軍は、ハサカ市のクルド人陣地を初めて攻撃した。野党に
近いシリア人権監視団は、現地では少なくとも6つのクルド人の拠
点が攻撃を受けた、と発表した。クルド人民兵YPGの広報は、攻撃
を受けたのはクルド人が住む街区である、と述べた。同市では水曜
日から、クルド人民兵と政府に忠実な民兵の間で、激しい戦闘が続
いている。ハサカ州は、シリア北部と北東部にあるクルド人自治区
の一部である。さらにシリアとロシアの飛行機は、イドリブ州都ア
レッポ州を攻撃し、包囲されているアレッポへ補給物資路を寸断し
ようとした、とシリア人権監視団は伝えている。国連シリア特使デ
ミストゥラは、アレッポに48時間の停戦を行なうように、緊急に要
請した。八月はじめから、支援物資輸送団は、シリアの包囲されて
いる村落には到着していない、と強調した。
野党党首マシャールは南スーダンを離れる
南スーダン元副大統領で、野党党首マシャールは、同国を離れた。
彼が属する政党SPLA-IOの広報は、マシャールはこの地域の「安全
な」国へと移動した、と発表した。7月に新たな戦闘が勃発した
後、彼は首都ジュバから引き払っていた。南スーダンは2005年に建
国され、2011年にスーダンから独立した。2年後に大統領キールと
彼の代理出会ったマシャールの間で、権力争いが激化した。2015年
8月には、両者は和平条約に合意し、マシャールは2016年4月に副大
統領に復帰していた。しかし7月には戦闘が再燃した。キールはそ
の後マシャールを解任し、野党の元交渉役ガイを新副大統領に指名
した。国連の発表では、この内戦で5万人以上が殺害され、220万人
が国外に追放された。同国には国連兵士1万2千人が配備されてい
る。
８月１９日（金）
内相はブルカをある分野では禁止する方針
連邦内務大臣トーマス デ メズィエール（キリスト教民主同盟）
は、キリスト教民主、社会民主同盟所属の各州内務大臣が、公共生
活の一部では、完全に体を覆い隠すことを禁止するのを目指すこと
で合意した、と述べた。第二ドイツ テレヴィの番組の中で彼は、
社会の共同生活に必要な場面では、顔が出されるべきである、と述
べた。女性が官庁に出向くとき、戸籍役場で、学校や大学で、公勤
務に就くとき、裁判所で、車で運転するときには、大飯を取るべき
である。デ メズィエールによれば、ブルカの拒否は、安全ではな
く、社会の結束と関係しており、完全に体を覆い隠すのは、世界に
開かれたドイツにはふさわしくない、と述べた。二重国籍の問題で
は、今までの法的状況を変えることはない、つまり通常の場合は
1つの国籍しか持てないが、例外も可能である。
その他のニュース
トルコは遅くとも6年後のEU加盟を望む
トルコは今後6年で、EUの一員になる方針である。トルコのEU大使
イェネルは「ヴェルト」紙に、トルコ共和国は2023年に建国1百年
となる前に、EUに加盟したい、そうなればトルコにとっては「戴
冠」である、と述べた。彼によれば、トルコは完全な加盟を目指し
ている。彼の判断によれば、すべての分野で、つまり政治的経済的
な問題だけでなく、購買者保護および健康施策でもトルコの水準を
高めることになるだろう。EUの政治家の中では、加盟交渉が進展す
る見込みは小さい、と判断する人が多区、その理由としてはトルコ
政府が、死刑を再導入することを検討しているためである。EUとト
ルコの間の加入交渉は、2005年から続いている。
トルコのEU早期加盟に関して控えめな反応
トルコは、2023年までにEUの一員になることを望んでいるが、これ
には控えめな反応が出ている。EU委員会議長ユンケルの見解では、
この交渉は長年かかるだろう、と述べた。オーストリアの「ティ
ロール日報」とのインタヴューで、現在トルコは加盟の準備ができ
ているとも、加盟の能力があるとも言えない、と述べた。EU委員会
広報は、はっきりした加入の日付を予想するつもりはない、と述べ
た。彼女によれば、交渉はトルコ自身の実績に左右される、と述べ
た。ドイツ政府も控えめな発言であった。政府広報ザイベルトは、
加入交渉は結果が見えない過程である、と述べた。
国連「南スーダンには多くの児童兵士がいる」
国連の発表によれば、南スーダンでは武装組織が、今年初めから
650人以上の子供を兵隊に取った。AP通信に渡された国連の内部文
書によれば、先週南スーダン政府も、子供たちを兵隊に取った。こ
の文書によれば、ある幹部政治家が、ある村で兵隊集めを先導し、
その際には少年が脅迫された。中には12歳になったばかりの子供も
いる。児童兵士の定義は、18歳以下で武装組織に属していることで
ある。国連児童支援組織UNICEFによれば、2013年末に南スーダンで
紛争が始まってから、1万6千人の子供が兵士となった。7月には、
大統領キールとその対立者マシャールの間で、あれためて戦闘が勃
発した。少なくとも3百人が死亡し、数万人が避難している。
８月２０日（土）
報道「トルコは連邦情報局に対ギュレン運動で支援を要請」
報道雑誌「シュピーゲル」の情報によれば、トルコ秘密情報部は、
連邦情報局に、トルコ政府はギュレン運動との戦いで支援を求めて
いる。同誌が見ることができた秘密文書が、この情報の出所であ
る、と報じている。それによれば、トルコ秘密情報部MITは、連邦
情報局はドイツの意志を決定する人に働きかけて、フェトフッラー
ギュレンの支持者に対処し、彼らを引き渡すように要請している。
大統領レジェップ タイップ エルドアンは、米国で亡命生活を送
るイスラーム教の説教師ギュレンとその支持者が、7月15日にの軍
による政権転覆の試みを引き起こした、としている。「シュピーゲ
ル」誌によれば、トルコ当局は7月中旬以降、ドイツ政府に対し
て、40件の捜査と3件の引き渡し要求を出している。
その他のニュース
トルコは暴力終結のためシリアに「より積極的」に関与する意向
トルコ首相ユルドゥルムは、内戦の国シリアでの暴力を終わらせる
ために、今後6ヶ月間シリアで同国の活動を「より積極的」にす
る、と予告した。彼はイスタンブルで、そのためにこの紛争の「当
事者」である権力者アサドとの会談が必要である、しかしアサドに
は政治的な未来はない可能性が高い、と述べた。トルコのイスラー
ム教に基づく保守派政府は、紛争開始以来、シリア元首失脚を求
め、急進派イスラーム教徒を含む反乱勢力の陣営を、資金と武器の
面で支援している。しかしシリア内戦が5年以上続いても、反乱勢
力が勝利しそうにないため、今になってトルコは、期限つきでアサ
ドの留任を、政策の中に受け容れることができる、を示唆してい
る。
トルコ国会はイスラエルとの和解を承認
トルコはイスラエルとの関係を正常化する方針である。トルコ国会
は、和解協定を可決し、これにより改めて歩み寄りへの道を開い
た。6年間にわたる外交的氷河期を終え、現在大使の交換を阻むも
のはなくなっている。かつてはトルコとイスラエルは密接な同盟国
であったが、2010年にガザ連帯船がイスラエル海軍によって急襲さ
れ、10人のトルコ人が死亡した事件の後、不和が生じていた。この
合意には、イスラエルが遺族に2千万ドルの賠償金を支払うことが
含まれている。
タリバーンはクンドゥス州でさらに領地を確保
数日間にわたる激しい戦闘の末、タリバーンは、北アフガニスタン
のクンドゥス州で、さらに領地を拡大した。同州評議会の議員が、
午前中にシャナバード地区の中心部を掌握した、と発表した。治安
部隊は、急進派イスラーム教徒タリバーンの戦闘員を追い出そうと
していた。しかしこの地区には、軍も警察も余りに少ししかいな
い。タリバーンがシャナバードで軍事的に勝利したことで、2013年
までドイツ軍が駐留していたクンドゥス州の5つの地区のうち、4つ
がタリバーンの手の中にあるか、あるいは攻防戦の最中である。同
州の州都クンドゥス市では、2015年秋以来の同州の陥落が、繰り返
される可能性がある、との懸念が強まっている。この時はクンドゥ
ス市は、2週間タリバーンの支配下にあった。これを避けるため
に、一時的にドイツ軍の顧問団が現地に入っている。
８月２１日（日）
トルコの攻撃事件の死者数が増え続ける
南東トルコのガジアンテプが爆弾で攻撃され、死者の数は50人にま
で増加した。放送局CNNテュルクが、州知事の話として、これを報
じた。90人以上が負傷した、とのことである。この攻撃は、ベイバ
フツェ地区の路上で結婚を祝っていた人を狙ったものであった。親
クルド人の国民民主主義党HDPの説明では、これは同党員の結婚式
であった。トルコ副首相メフメト シムセクは、おそらく自殺攻撃
犯による攻撃であった、と述べた。ガジアンテプ市は150万の人口
を擁し、シリアとの国境から60キロほどのところにある。シリアか
らの難民数千人が、ここに避難している。テロ民兵ISは、この地域
で開かれるクルド人の集まりを、数回に渡って攻撃してきた。
その他のニュース
「トルコはドイツに緊密なスパイ連絡網報道を持つ」との報道
トルコ秘密情報部MITのドイツでの活動は、今まで明らかになって
いるよりも、おそらくはるかに広範なものである。「ヴェルト紙日
曜版」が、度膣の治安担当の政治家の言葉を引用して、MITは主と
してドイツで諜報活動に参加する人として、西ヨーロッパで常勤将
校8百人以上を有している。それに加えて、ドイツではおよそ6千人
をおける情報提供者がおり、彼らを合わせると、トルコ系市民5百
人あたり、MIT職員1人がいることになる。秘密情報部の専門家シュ
ミット・エーンボームは、旧東ドイツの国家公安局だけでは、ドイ
ツのこれほど大きなスパイ舞台を作り上げるのは不可能だった、と
述べている。この書類には、政府の秘密事項からのものとして、盗
聴は特にクルド人、アレヴィト人、説教師ギュレンの支持者に向け
られている、と記されている。連邦議会の国会管理委員会は、夏休
み五に、MITの策略を議題とする方針である。緑の党の連邦議会議
員シュトレーベレは、MITは「信じられないような秘密活動」を行
なっており、憲法擁護庁、連邦情報局、警察は、「処罰すべき行為
があれば、同罪になる」危険を犯している、と述べた。
ソマリアで2件の爆弾による攻撃 死傷者発生
ソマリアのガルカヨ市で、自動車爆弾を使った2件の攻撃があり、
イスラーム教徒の犯人2人を含め、少なくとも15人が死亡した。同
市市長テュメイは、爆薬を積んだトラックが、行政部のある部門に
突っ込み、そこで爆発した、その後さらに別の犯人が、この場所に
来るまで突っ込み、その自動車で爆死した、と述べた。爆発は、最
初の爆発の犠牲者を救援するために急いでいた人々と、近くにある
市場を訪れていた人も巻き込んだ。負傷者は少なくとも20人であっ
た。目撃者の話では、この爆発で周辺の複数の建物が倒壊した。イ
スラーム教徒民兵シャバーブが、この2件の犯行を起こしたことを
認めた。先週には、この組織の5人が、ガルカヨで逮捕されたばか
りであった。
フィリピン大統領は国連から離脱すると威嚇
フィリピン大統領デュテルテは、彼の麻薬との容赦ない戦いが批判
を受けたため、フィリピンが国連から離脱する、と威嚇した。彼は
国連とその専門家が、国内問題に介入している、と非難した。彼は
故郷のダバオで、国連を離れるかどうか、おそらく決断しなければ
ならないだろう、と述べた。彼が6月末に大統領に就任して以来、
警察発表によれば、麻薬密売人と見られる者6百人以上が殺害され
た。この件で責任を問われたものはいなかった。人権活動家は、
デュテルテが殺人部隊を容認している、と非難した。国連の裁判に
よらない殺人問題の使節カラマルドも、麻薬密売容疑者を「法律に
基づかないで殺す」のをやめるように求め、デュテルテがこれを容
認している、と厳しく批判していた。選挙戦の中で71歳のデュテル
テは、犯罪者数万人を殺害させる、と予告していた。