8月22日〜28日のドイツのニュース



8月22日(月)

メルケル、レンツィ、オランドがヨーロッパの未来を協議

イタリア首相マテオ レンツィは、英国がEUを離脱した後、新たな
出発を切るように要請した。彼はドイツ首相アンゲラ メルケルお
よびフランス大統領フランソワ オランドとの会談を前に、ヨー
ロッパの価値観をはっきり思い出し、大きな金融取引をあまり意識
しなくなることが必要だ、と述べた。ナポリ沖に停泊する空母の上
での3首脳会談では、EUの改革戦略、難民危機、最近のテロ攻撃を
受けて安全政策が議題となる。さらに経済的な問題も重大である。
特にイタリアは、高額の負債を抱え、銀行危機の際には、EUから大
きな柔軟性を引き出そうとしている。

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ロシアによるイランの空軍基地利用は急遽終了

ロシアは1週間ほど前に、イランのハマダン空軍基地を利用開始し
ていたが、全く突然終了となった。イラン外務省公報ハッセミはテ
ヘランで、「暫定的な協力は一時中止」された、と述べた。ロシア
側からは、まだ態度声明はない。ロシアは8月16日に、内戦の国シ
リア空爆のために、イランのこの基地から飛行機を飛び立たせてい
た。イラン国防相デガニは、ロシアが協力を公表し、ロシア政府は
「世界的な強国としての力の誇示」を行なったと考えたのだ、と不
満を述べた。

トルコはISとの国境地域を「掃討」を要請

クルド人の都市ガジアンテプ襲撃事件を受けて、トルコはシリアと
の国境地帯全域から、急進派民兵「イスラーム教国IS」を掃討する
よう求めた。外相チャブシュオールはさらに、ISのジハード主義者
との戦いで、さらに支援をすると約束した。大統領エルドアンによ
れば、クルド人の結婚式を襲った事件は、12歳ないしは14歳の子供
によって行なわれた。またエルドアンは、この襲撃事件の背景に、
ISが潜んでいる、と推測している。最新の発表によれば、死者は
54人である。犠牲者の多くは子供と若者である。

マリのイスラーム教徒が世界文化遺産破壊を告白

マリのトゥンブクトゥにある世界遺産の史跡を破壊した容疑で行な
われている裁判の冒頭で、被告のイスラーム教徒は、国際刑事裁判
所で、自らが有罪であると認めた。マリのイスラーム教組織アンサ
ル ディネに属するマフディは、デン ハーグの起訴内容の読み上
げの後、「遺憾の意を示しつつ」自分に責任があることを認めた。
さらに彼はマリ国民に、この破壊について謝罪した。彼には、砂漠
の都市にある9つの霊廟とシディ・ヤヒア寺院を破壊した容疑が持
たれている。文化遺産破壊容疑で、この種の裁判が開かれるのは初
めてである。




8月23日(火)

CASはパラリンピックにロシア選手を出場させない決定を確認

ロシアの選手は、9月7日に始まるリオ デ ジャネイロパラリン
ピックに、参加が許されない。国際パラリンピック委員会IPCは、
国を挙げて不正薬品を使用したことが証明されたとして、ロシア選
手の完全な排除を決定したが、国際スポーツ裁判所CASは、この決
定を確認した。同裁判所はこの決定を下した理由として、国際パラ
リンピック委員会がその規則に違反していないことを挙げ、さらに
この決定は、状況から見て釣り合いが取れており、ロシア パラリ
ンピック委員会は、事実把握を変えるような証拠は提出できていな
い、とも発表した。国際オリンピック委員会IOCとは異なり、IPCは
邦夫挙げて不正薬品を使用したことが証明されていたとして、すべ
てのロシア選手を大会から排除した。これに対してロシア パラリ
ンピック委員会は、国際スポーツ裁判所に異議を申し立てていた。

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フォルクスヴァーゲン社と納入業者は権力争いを止める

フォルクスヴァーゲン社と重要な納入業者2社は、フォルクス
ヴァーゲン社の製品のための重要な部品の納入を巡る対立で、和解
した。フォルクスヴァーゲン社広報は、同社への納入を納入業者は
間もなく再開する、と述べた。プレフェント・グルッペも、この合
意を確認した。同企業体には、2つの納入業者カー トリムとES自
動車鋳造が属しており、両者は座席と推進軸の格納容器を納入して
いる。この部品が足りないため、フォルクスヴァーゲン社は月曜日
から、生産が不足している。同社はすでに、6箇所の工場でほぼ3万
人の職員に、労働時間短縮を計画していた。同社の発表によれば、
影響を受けた工場は、今清算を再開するための準備に入っている。
両者は合意の詳細については、沈黙することで合意した。

イラク軍はモースル奪還に向け攻撃を開始

イラク特殊部隊は、ジハード主義者の拠点モースル奪還の準備とし
て、攻勢を開始した。イラク治安部隊の旅団の将軍によれば、火曜
日午前から、イスラーム教国ISの民兵が支配している北イラクの都
市カヤラフを攻撃している。カヤラフは、百万都市モースル奪還の
ために、出撃拠点として利用されることになっている。軍広報は、
対テロ部隊と軍がこの厚生に参加する、イラクは米国が主導し、イ
ラクでIS対策にあたっている軍事連合から、支援を受けている。
モースルをめぐって新しい戦闘が発生したため、国連難民高等弁務
官事務所UNHCRは、イラクに新たな難民の波が発生する、と懸念し
ている。同事務所広報はジュネーヴで、同市内および周辺に住む
120万人ほどが、避難のために出ていく可能性がある、との懸念が
持たれている、と述べた。

空爆でボコ ハラム頭目シェカウが重傷を負ったとの噂

イスラーム教徒テロ組織ボコ ハラムの潜伏場所が空爆され、頭目
シェカウが重傷を負った、との情報がある。これはナイジェリア軍
が発表したものである。それによれば、この組織の重要な指揮官た
ちも死亡した、とのことである。軍によれば、この攻撃は、先週金
曜日にボルノ州サンビサ森林地域で行なわれた。軍の報道関係者へ
の通知によれば、シェカウが重傷か、それとも死に到る怪我を舌か
は不明である。ナイジェリア軍は過去に、数回にわたって、民兵の
首領シェカウの死を発表してきたが、今までは再三再四、映像ある
いは音声による親書が公表されていた。




8月24日(水)

イタリアで地震 死者70人以上

イタリア中部で激しい地震があり、少なくとも73人が死亡した、と
イタリア民間保護局が発表した。犠牲者の中には、複数の子供も含
まれている。支援隊が、完全に破壊された家屋の瓦礫の中で、今な
お犠牲者を探している。救援隊は、山地のいくつかの村落には、た
どり着くのが困難になっている。今回の地震は、強さが6以上で、
火曜日夜には、数回の余震があり、ウンブリア、ラツィウム(ラ
ツィオ)、マルケンにかけての全地帯が揺れた。この地震はローマ
でも感じられた。

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トルコの戦車がISへの攻撃でシリアに進軍

北シリアのテロ民兵「イスラーム教国IS」に対する大攻勢で、トル
コの戦車数十台が隣国との国境を越えた。それより前に、トルコと
米国の軍機が、ジャラブルス市近郊のIS拠点を爆撃していた。ISは
数日前から、ここを利用してトルコ領土を砲撃していた。トルコと
同盟関係にあるシリア反乱勢力は、合図を待って、ジャラブルスに
進入する。結婚式が自殺攻撃を受け、54人の死者が出た事件を受
け、月曜日にはトルコは、IS民兵を国境地域から、「完全に追い出
す」と予告していた。トルコ政府は、この襲撃はISの責任である、
としている。

元連邦大統領シェールが死去

元連邦大統領シェールが死去した。彼は97歳であった。シェールは
1960年代と70年代に、複数の大臣を務めた。1968年から74年にかけ
て、自由民主党の党首であった。74年から79年にかけて、連邦大統
領の職にあった。シェールは政治的には、連邦首相ブラントの東方
政策を新たな方向に調整するのを支持した。

国は今年の前半に185億オイロの黒字

ドイツ国家は今年の前半、185億オイロの黒字を達成した。連邦統
計局の発表では、国内総生産については、黒字の割合は1.2%であっ
た。それによれば、連邦、各州、市町村、社会保険の予算は、雇用
および経済の推移が好調で、支出政策が穏やかであったことから利
益を得た。同局によれば、連邦は97億オイロ、州は4億オイロ、市
町村は25億オイロの黒字を出した。社会保障は総額59億オイロの収
入過剰であった。




8月25日(木)

イタリア地震の死者数は少なくとも247人に増加

イタリアでの地震での死者の数は、さらに増加している。民間人保
護局は、暫定集計の中で、死者は247人である、と述べた。強度6.0
の今回の地震は、火曜日夜に中部イタリアの複数の村落を、破壊し
尽くした。木曜日にも、数十階の余震があった。出動した部隊は、
夜間も捜索犬と懐中電灯で、生存者を捜索した。特に大きな影響を
受けたのは、ラツィウム〔ラツィオ〕州のアマトリーチェとアキュ
モリ村と、マルケンのペスカラ デル トロントであった。
イタリアは、亜ペ人山脈の舌にアフリカプレートとヨーロッパプ
レートが衝突しているため、極めて地震の危険が高い。

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シリアでの毒ガス使用に国連が厳しい反応を取るように要請

ドイツとフランスは、シリアで化学兵器が使用されたことに対し
て、国連安全保障理事会がはっきり対応するように求めた。塩素ガ
ストからしガスを民間人に使用し、化学兵器協定への違反が、影響
を与えずにはいられない、と外相シュタインマイアーは述べた。フ
ランス外相エローも同様の発言を行ない、国連が責任を追及しない
のは許されない、と述べた。国連の調査は、シリア軍および急進派
民兵「イスラーム教国IS」が、化学兵器を投入したことを明らかに
した。国連安全保障理事会が、一つの方向性で合意できるかどうか
は疑わし。ロシアと中国は、国連の最高委員会である同理事会で、
再三にわたってシリア決議を阻止してきた。

連邦軍はインジルリク撤退に向け準備との報道

報道によれば、連邦軍は、トルコの空軍基地インジルリクからの撤
退に向け、準備を進めている。「シュピーゲル」誌が連邦軍筋の情
報として伝えているところでは、「トルネイド」および給油機を、
ヨルダンあるいはキプロスに移すかどうか検討されているが、その
ためには、移動のための調査活動に少なくとも2ヶ月間が必要であ
る。インジルリクには、250人の連邦軍兵士が駐留し、米国が主導
する急進派民兵「イスラーム教国IS」との戦いに、偵察機を提供し
て支援している。トルコは、ドイツの国会議員たちに、インジルリ
ク訪問を拒否した。そのきっかけとなったのは、6月上旬に連邦議
会が、オスマン国家によるアルメニア人大量殺害を、民族虐殺と非
難した決議であると見られている。

トルコ首相「シリアでの活動は続く」

テロ民兵「イスラーム教国IS」を、シリア北部の国境の町ジャラブ
ルスから追放した後、首相ユルドゥルムは、トルコはこの地域での
軍事活動を継続する、現在重要なのは、クルド人民兵YPGが、ユー
フラテス川の向こう側に追い出すことである、と発表した。さらに
トルコの戦車は、シリアの領土に進出している。米国副大統領バイ
デンは水曜日に、トルコ大統領エルドアンに、支援すると約束し
た。また彼は、クルド人は北シリアから撤退しなければならない、
もしそうでなければ、これ以上の軍事支援を拒むつもりである、と
も語った。




8月26日(金)

トルコはシリア北部での地上戦を精力的に続行

トルコは、北シリアでの地上戦を、断固係属している。AFP通信の
写真家によれば、4台の戦車がシリア国境の村落ジャラブルス方向
に進んで行った。ジャラブルスでは、爆発音が聞かれた。首相ビナ
リ ユルドゥルムはイスタンブルで、シリアでの軍事活動は、トル
コの安全が保障されるまで続く、と述べた。また彼は、複数のテロ
組織が、トルコとシリアの故郷地帯に、自分たちの国を建国するこ
とを目標としており、この試みが成果を上げることがあってはなら
ない、と語った。米軍機の支援を受けて、トルコは水曜日に、ジャ
ラブルス近郊のシリア領土内で、テロ民兵「イスラーム教国IS」に
対する最大の攻勢を開始していた。トルコ兵と自由シリア軍の戦闘
員は、この国境の町を14時間かけて、ISの手から奪回していた、こ
の進軍は、ISとクルド系シリア人の民族防衛部隊YPGに対しても向
けられている。YPGは民主連合党PYDの武装部門と目されている。ト
ルコ政府は、シリアにクルド人独自の自治区を建設するのを、阻止
する方針である、

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トルコ南東部で自動車爆弾 警官11人が死亡

トルコ南東部で、自動車爆弾による攻撃があり、少なくとも警官
11人が死亡した。当局の発表では、爆弾を積んだトラックが、ツィ
ツレの機動隊の建物前にある監視所のところで爆発し、死者の他警
官75人と民間人3人が負傷した。4階建てのこの建物が、爆発後に廃
墟同様になった映像がテレヴィで流されている。倉庫は炎上した。
シルナク州知事事務所は、これは自殺攻撃である、と発表した。首
相ユルドゥルムは、禁止されているクルド労働者党PKKがこの攻撃
を引き起こしたとし、報復すると予告した。主としてクルド人が住
むシルナク州は、シリアおよびイラクと国境を接している。2015年
7月には、PKKとトルコ政府の間で停戦がまとまったが、2年半経っ
てこれは破綻した。それ以降、数百人の治安部隊隊員がPKKの攻撃
で死亡した。トルコ軍は、南東部でPKKに全力を挙げて対処してい
た。

フィリピン停戦に合意

フィリピン政府と共産主義反乱勢力は、オスロで和平会議を開き、
無期限停戦に合意した。両者は、これに関する声明に署名した、と
ノルウェイ外務省は発表した。この合意には、政治、経済および憲
法改革に関する話し合いの日程が含まれている、とオランダで亡命
生活を送る共産党創設者シソンは述べた。次回交渉は、ノルウェイ
の首都オスロで、10月8日に開かれることになっている。ノルウェ
イは和平実現に向けて、2001年から仲裁を続けていた。このおよそ
50年続いた紛争では、少なくとも4万人が死亡した。アジアでもっ
とも古くからの紛争の1つを終了させるための、前回の話し合い
は、2013年に成果を上げることなく中断していた。新大統領デュテ
ルテは、この紛争を終結させるために全力を挙げていた。

イタリア地震の被害者の数はさらに増加

中部イタリアでの大地震で、死者の数は267人に増加した。さらに
病院には、4百人ほどの負傷者が手当を受けている、と民間人保護
局は発表した。この地域は、深夜以降57回の余震に襲われ、最大の
地震は4.8の大きさであった。火曜夜の本震は、6.2の強度で、多く
の建物が倒壊した。夜間には生存者の捜索が続いたが、成果はな
かった。死者の中には少なくとも8人の外国人がいた。当局の発表
によれば、英国、ルーマニア、スペイン、カナダ、エル サルバド
ルの出身者である。ドイツ外務省は、ドイツ人が犠牲になったこと
をしめすものはない、と述べた。イタリア首相レンツィは、被災地
域に緊急事態を宣言した。彼は内閣の緊急会議を開き、早期の再建
と地震にあらかじめより十分備えることを約束した。さらに閣僚
は、3千万オイロの支援金を調達した。




8月26日(金)〜28日〔日)

お休みです。



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