11月7日〜13日のドイツのニュース



11月7日(月)

トルコに対するEUの制裁に関する議論

連邦政府は、トルコに対する制裁の議論に参加しない意向である、
と広報は発表した。ルクセンブルク外務大臣ジャン アセルボルン
は同国の政治的状況に応じて、EUが経済制裁を科す可能性を否定し
なかった。彼はドイツラジオで、ある瞬間には、この種の圧力措置
を行使するのを避けて通れない、と説明した。彼は反政府勢力に対
する対処を、「ナチ支配下で行使された対処法」になぞらえた。ア
セルボルンは、トルコとのEU加盟交渉に関連して、理論的にはこれ
はすでに中止されており、トルコが死刑を導入するのであれば、こ
の問題をただちにさらに議論しなければならない、とも述べた。ト
ルコのヨーロッパ大臣エメル セリクは、EU加盟各国すべての外交
官の出迎えを受けた後、同国とEUの関係は、危うい状況にあり、両
者の対話を凍結する方向に画策するものは、EUの友人ではない、と
述べた。

     その他のニュース

FBIはクリントンの電子メイルに関する新たな警報を解除

クリントンをめぐる電子メイル事件で、米国連邦捜査局は、処罰に
値する可能性がある行動を示す者を見つけなかった。同局長コー
ミーは、これで、新たに浮上してきた彼女の電子メイルの分析の結
果、大統領候補者に対する捜査手続きを取らないとの決定を確認し
たことになる。7月に同局はすでに、クリントンは極めて不注意な
行動を取っているが、刑罰に値するような訴追を行えるようなこと
はしていない、との決定を下していた。クリントンは外相時代に、
私的なサーヴァーを、公務の通信にも使用していたことの調査が行
なわれた。一方米国では、大統領選挙の最後の日が始まる。最新の
世論調査では、11月8日の選挙では、ぎりぎりの接戦になることが
示されている。それによれば、クリントンは、対立候補トランプを
わずか数パーセントだけ引き離している。

キプロス紛争で和平条約締結が間近に迫る

キプロス紛争では、和平条約締結が「手の届く距離」に来ている、
と国連事務総長パンは述べた。彼は分断された島の和平交渉の続き
で、スイスを訪れ、「微妙で困難な問題」いくつかがまだ未解決で
ある、と述べた。彼は現地で、キプロス共和国大統領アナスタシア
デスと、トルコ領キプロスの大統領アキニチと会談した。国連の黒
煙を受けて開かれた数日間の話し合いでは、領土問題、財産権、ト
ルコ軍の駐留など、意見が分かれる主題が、議題に上がっている可
能性が高い。両者の統一に関する今回の交渉は、17ヶ月前に始まっ
ていた。キプロスは、ギリシア系キプロス人による政権転覆と、そ
れに続く1974年のトルコ軍の介入以来、分断されている。地中海の
島国であるギリシア語を話す地域であるキプロス共和国は、2004年
にEUに加盟した。国際法上は、全島がEU加盟国である。

中国は批判者を香港議会から追放

中国人民議会は、新たに選ばれた2人の独立派議員を、香港議会か
ら追放した。人民議会は、特別行政区の基本法を、その根拠として
いる。就任の宣誓を拒絶するあるいは修正するものは、公職に就く
資格がない、とこの決定には記されている。2人の議員は、宣誓の
際に、中国に批判的な旗を〜なに巻いていた。この件にはすでに、
香港の裁判所が乗り出しており、そのため批判家たちは、北京政府
の介入を拒否した。この決定が計画されていたため、前日には香港
人数千人のデモが起きていた。デモ隊は、アジアの大経済都市香港
の司法の独立への介入に抗議した。




11月8日(火)

ISのテロ容疑者5人がドイツで逮捕

数ヶ月に及ぶ捜査の末、連邦検察は、ドイツ国内のイスラーム教徒
運動に打撃を与えることに成功した。ニーダーザクセン州と、ノル
トライン・ヴェストファーレン州で、テロ容疑者5人を逮捕した、
と当局は認めた。この男たちは、シリア向けに、IS戦闘員を募集す
るために、地域を越えた組織網を運営していた、とされる。彼らに
は、テロ組織支援の容疑が持たれている。逮捕された中には、いわ
ゆる「顔のない説教師」、32歳のイラク生まれで「アブ ワラー」
を自称する男が含まれている。報道機関の情報によれば、彼は数年
前からドイツのイスラーム教徒の中心的人物として、当局に走られ
ていた。あるISの帰還兵の発言が、今回の逮捕の有力な情報源と
なった、とのことである。

     その他のニュース

IS民兵がモースル近郊で数百人を人質にとる

国連が得た情報によれば、テロ民兵「イスラーム教国」は、イラク
の大都市モースル近郊で、ほぼ3百人を人質にした。国連人権高等
弁務官事務所広報シャマダサニによれば、治安部隊の幹部も人質と
なっている。それによれば、ISの戦闘員が、1千5百の家族を、ハマ
ム アル・アリルから、モースル空港の方向にむりやり連れ戻し
た。おそらく人質は、防護の盾に使われるか殺されることになる、
とその広報は述べた。イラク軍は、数種間前から、同盟軍とともに
大攻勢をかけ、ISからモースルを奪還しようとしている。彼らの進
軍で、軍は月曜日に、同市錦江で、1百人ほどの遺体を埋めた大規
模な墓を発見していた。遺体の多くは斬首されていた。

米国大統領選 クリントンは最後の世論調査で優位

前例の内は芸医選挙戦の末、米国の市民は次期大統領を決める。元
外相クリントンは、女性として初めて大統領になる可能性がある
が、最新の世論調査では、優位に立っている。複数の全国的な調査
委よれば、民主党員である彼女が、共和党の対立候補大富豪のトラ
ンプを、3ないし4%引き離している。ただしフロリダや北キャロラ
イナなどの重要ないくつかの州で、両候補がほぼ同党の指示であ
る。クリントンとトランプは、最後の選挙戦を、激しい訴えの場と
して利用し、支持者に投票所に行くように求めた。下院の国会議員
435人と上院議員の3分の1の選挙も行なわれる。今まで国会の両院
は、共和党の手の中にある。いくつかの州の結果に関する最初の予
想は、中部ヨーロッパ時間の水曜夜に発表される予定である。

オルバンはEU難民の割合に反対する法案に失敗

ハンガリー首相オルバンは、同国議会で、EUの難民受入の割合に反
対する法律を成立させることに、ぎりぎりのところで失敗した。こ
れに関する憲法修正の投票で、左派政党と、極右ヨッビク党の議員
が、法案に反対する投票を行なった。与党フィデスは、必要な3分
の2の賛成に、2票足りなかった。EUは加盟国間で難民の分散受入を
計画しているが、右翼・保守派政権が提案した法案は、これに反対
するものであった。オルバンは、ハンガリーが難民の受入を義務づ
けられないようにするための根拠を、憲法に含めるつもりであっ
た。




11月9日(水)

オバマはトランプを大統領府に招待

米国大統領バラック オバマは、後継大統領ドナルド トランプ
を、会談のために大統領府に招いた。大統領府広報ジョシュ アー
ネストは、オバマは木曜日には、政権委譲に向けて対策班を作り上
げる計画について、説明するつもりだ、と発表した。政界に転身し
たトランプは、予想外に大統領選挙で勝利し、1月には米国第45代
大統領として大統領府に入る。トランプは勝利演説の中で、分断の
傷を癒やし、一つの国民として理解し合うときが来た、自分はすべ
ての国民のための大統領になるつもりだ、と述べた。彼は外交上
は、協力する用意があるすべての国と協力する、と予告した。また
彼は、世界各国と「公平に」つきあうつもりである、とも語った。
トランプの共和党は、相変わらず国会の両院で過半数を保持してお
り、それによってトランプは異例に大きな権力を持つ。70歳のトラ
ンプは、大衆迎合的な言葉で、選挙戦を戦った。彼は繰り返し、地
球温暖化、国際貿易、経済の世界規模化を罵り、米国での雇用が失
われた原因はこれらである、とした。

     その他のニュース

メルケルはトランプに密接な協力を提案する

ドイツ首相メルケルは、次期米国大統領トランプに、密接な協力を
テイン明日。彼女はベルリンで、ドイツと米国は、民主主義、自
由、権利の尊重、出自、肌の色、宗教、性別、性的思考、政治的立
場にかかわらない人間の尊厳、という価値観で結びつけられてい
る、と述べた。「こうした価値観を土台として」密接な協力をする
よう、彼女はトランプに提案した。トランプの選挙での勝利は、ド
イツの政界に驚きを生んだ。外相シュタインマイアーは、容易にな
るものは何もなく、多くのことは困難になる、と述べた。連邦首相
ガオクは、トランプ政権下でヨーロッパとドイツに対して、「新た
な課題が突きつけられる」のは「極めてはっきりしている」と述べ
た。連邦国防相フォン デア ライエンは、テレヴィ番組で、「大
きな衝撃」を受けた、と述べた。野党各党の政治家もみな一様に、
唖然としたと表明した。

EUはトランプを首脳会談に招く

EU評議会議長トゥスクとEU委員会議長ユンケルは、次期米国大統領
トランプとの首脳会談を、できるだけ早く開催する意向である。祝
いの書簡の中で彼らは、トランプをヨーロッパにに招待した。彼ら
は気候変動、テロとの戦い、難民危機およびウクライナ危機を念頭
に置いて、今後体制世を越える関係を強化することがさらに重要に
なる、と述べた。EU米国首脳会談が開かれれば、今後4年間の関係
を築くための準備をすることになる。ドイツ外相シュタインマイ
アーは、EU加盟国の外相の特別会談を提案した、と外務省は発表し
た。この会合は、日曜日夕方にルクセンブルクで開かれるが、その
翌日にはEU加盟国の外相の通常の協議会がある。英国首相メイは、
英国と米国が、貿易、安全、国防で協力勝つ密接な協力国であるの
は変わらない、と述べていた。イタリア首相レンツィも、トランプ
の勝利を祝い、イタリアと米国の友好的な関係が「強く堅固」であ
るのは変わらない、と確信している、と語った。

EU委員会は進展報告書でトルコに対する厳しい批判

EU委員会は、トルコとの加盟交渉に関する新たな報告書の中で、イ
スラーム教に基づく保守派の大統領エルドアンの政治に対して、相
変わらず批判を繰り広げている。担当するEU委員ハーンは、トルコ
の最近の情勢は、EUから見れば、正式の加入希望と「ますます一致
しなくなっている」と述べた。彼は、懸念を生む原因として、意見
の自由に対する制約、野党国民民主主義党HDPの政治家の逮捕、死
刑再導入に関する最近の議論を挙げ、ただしEUは難民危機があるた
め、トルコとの協力関係に頼らざるを得ない、と述べた。難民協定
締結前の半年間で、74万人ほどの移民が、トルコから地中海を経由
して、ギリシアに到達していたがmその後の半年では、その数は
1万8千人にすぎなかった、とハーンは述べた。エルオ段自身は、EU
に加入交渉に関する決定を早く下すように求めた。




11月10日(木)

野党は気候保護計画が中断していることで連邦政府を非難

「気候保護計画2050」をめぐる議論が成果を上げていないため、連
邦政府は連邦議会で、野党の厳しい批判を受けざるを得なかった。
緑の党の気候問題の専門家アナレーナ ベーアボックは、政府の態
度は「気候政策上の惨事」である、と述べた。環境大臣バルバラ 
ヘンドリックス(社会民主党)は、週末までに、気候保護計画に合
意が得られる、との自信を表明した。この計画は、今週初めに、経
済大臣で社会民主党党首のズィークマール ガブリエルが保留した
ために失敗に終わっていた。彼は石炭業界では、電力経済に不利益
になることを恐れている。左翼党の環境問題の専門家エーファ ブ
リング・シュレーターは、国連のマラケシュ気候会談をきっかけと
する連邦議会の議論の中で、ガブリエルは、気候保護を妨害するこ
とで、「自分の党友を突然裏切った」と述べた。ヘンドリクスは、
来週空の鞄を持ってマラケシュを訪問する、と非難されているが、
これを否定した。彼女は、ドイツが気候保護の財源に貢献してお
り、計画されている「実施協力者」になり、パリ強低位の実施にあ
たっては、他の国々を支援しようとしていることを指摘した。

     その他のニュース

EUはトランプに目標を明確にするよう要請

EU委員会議長ユンケルは、次期米国大統領トランプに、政治的目標
をできるだけ早く明らかにするように要請した。ユンケルはベルリ
ンで、EUはどのようにすれば、世界の貿易政策を先に進めるのか、
知りたいと思っており、さらにトランプが同盟をどのような政策で
導くつもりか、気候政策についてはどうか、知りたいと思ってい
る、これを今後数ヶ月で明らかにしなければならない、と述べた。
またユンケルは、トランプの勝利後に、米国との関係を取り消すこ
とがないように、と警告し、アメリカ人と同じ目線で協力するつも
りである、と語った。大西洋を結んだ貿易協定TTIP締結のために、
ユンケルは今やもう可能性はない、と見ている。トランプは選挙戦
で、数回にわたってヨーロッパを攻撃し、特に彼は、計画されてい
る貿易協定TTIPを止めるつもりである。ユンケルとEU評議会議長
トゥスクは、トランプに対して、選挙での勝利の直後に、EU米国首
脳会談をヨーロッパで開くように提案した。

ネオナチはユダヤ施設を掲載した地図をインターネットに公表

ある右翼急進派組織は、1938年11月9日の迫害の夜の記念日に、ベ
ルリンにあるユダヤ人施設の住所を、フェイスブックに投稿した。
題名には、「私たちの国にいるユダヤ人」を、フラクトゥーア(ド
イツ文字)で書かれ、「今日は素晴らしい日だ」と注釈を加え、地
図上に70の住所を列挙した。これにはシナゴーグや幼稚園から、ユ
ダヤ教に基づく清浄食の食堂までが含まれている。警察広報は、検
察とともに、インターネット上のこのページが刑法上重要な問題で
あるかどうか、調査している、と述べた。「民主主義を支持し反ユ
ダヤ主義に抵抗するユダヤ人公開会議」は、ユダヤ人とその施設に
対する犯罪行為を呼びかけるものだ、と述べている。国家機関は、
接続業者とともに、フェイスブック社がこの投稿をただちに消去す
るよう取り組むべきである、とも述べた。

テロ容疑者が国会議事堂とブランデンブルクを見張っていた模様

捜査陣によれば、ベルリンで訴えられたテロ容疑者は、ISのため
に、アレクサンダー広場、ブランデンブルク門、国会議事堂周辺地
域を、攻撃目標として偵察していた。19歳のシリア人である彼は、
2月に故郷にいる連絡員に、得た情報を電話で伝えていた。その際
には、何人の人がそして旅行用のバスが、この観光名所に、どれぐ
らいの時間滞在するかが伝えられていた。連邦裁判所BGHはこの男
を調査のために、3ヶ月間拘留しており、その判決に詳細が含まれ
ている。この男は3月に、テロ民兵「イスラーム教国IS」に属して
いると見られ、逮捕された。10月には連邦検察は、彼はシリアで
戦っただけでなく、ドイツでもテロ民兵の仕事を引き受けていた、
発表した。この男は、2015年に亡命希望者として、ドイツにやって
来た。




11月11日(金)

「ジュムフリエット」の発行人が逮捕される

トルコの新聞「ジュムフリエット」の発行人アキン アタライが、
逮捕された模様である。トルコののアナドル通信社によれば、アタ
ライは木曜日午前中に、イスタンブルのアタテュルク空港で、警官
に逮捕されていた。10月末には、編集長ムラット スブンジュを含
め、同紙の主要な社員が逮捕されていた。逮捕されたうち9人は、
まだ未決拘留中である。彼らには、クルド人地下組織「クルド労働
者党」PKKに協力していた、との容疑が持たれている。批判的な新
聞である同紙は、繰り返し当局の標的となっている。元主席編集人
のジャン デュンダルが、国家機密を漏洩した疑いで、5月にほぼ
6年の拘留刑を言い渡されていた彼はこの判決に上告し、現在ドイ
ツで暮らしている。

     その他のニュース

EUはシェンゲン領域の国境管理の延長を認める

ヨーロッパ委員会は、シェンゲン領域内部の国境管理を、2月中旬
まで続けるよう提案したが、EU加盟各国は、これを承認した。その
後には、シェンゲン領域での旅行の自由を、できるだけ早期に回復
することになっている。ドイツ、オーストリア、デンマーク、ス
ウェーデン、ノルウェイは、2015年に難民が押しよせたために、国
境管理を再開していた。シェンゲン領域には、EU非加盟国のノル
ウェイ、アイスランド、スイス、リヒテンシュタインを含め、26カ
国が属している。市民は普通であれば、加盟国間の国境管理なしで
移動が可能である。経済も利益を得ており、物資は購入者に普通よ
りより素早く納入される。

気候保護計画に合意

連邦政府の幹部は、数ヶ月にわたる対立を経て、反対意見もある
「気候保護計画2050」に合意した。首相メルケルと経済相ガブリエ
ル、その他の閣僚は、合意に達した、とベルリンで政府の代表は述
べた。環境相ヘンドリクスは、マラケシュでの世界気候首脳会談
に、手ぶらで行く必要がなくなった。具体的な詳細は、当初は発表
されなかった。政府内での合意は、数回にわたって延期されてい
た。メルケルとガブリエルは、工業界、特に褐炭会社に、余りに強
い制約を与えたくないし、雇用を犠牲にしたくないとのことで、拒
否権を発動していた。

2017年予算 テロとの戦いにより多くの資金を投入

連邦議会の予算委員会は、2017年予算を決定した。連立両党が合意
した予算は、収入と支出が3,291億オイロである。これは閣議で決
定された予算案よりも、それぞれ4億オイロ多い。それによれば、
テロとの戦いにかなり多くの資金が支出される。キリスト教民主、
社会同盟の会派の発表では、2020年までに、新たに安全局に4千3百
人を雇用し、人材と物資に8億7千6百万オイロを使う。そのほかに
国外での人道支援活動への支出と、避難の原因解消のための支出も
上積みされる。支出が増加するにもかかわらず、与党は来年も、新
たな国債を出さずに、収支が均衡した予算を作る方針である。もし
そうなれば、4年連続の黒字ゼロとなる。




11月12日(土)

緑の党は党大会で財産税に賛成

緑の党は、2017年の連邦議会選挙戦で、財産税の再導入を支持す
る。同党の代議員は、ミュンスターで連邦党大会でこれを可決し
た。連邦議会の会派幹部は、いくつかの反対提案に退行して、自分
の動議を通過させた。可決された文言の中では、緑の党は、「憲法
に根拠を持ち、実り多く、実行可能な財産税を、大富豪に課すこと
で」社会的な分断が起きないようにするつもりである、と記されて
いる。税額については、この決定では述べられていない。
極めて大きな財産への課税を巡り、同党は過去数年、意見が分かれ
ている。同党の左派は、90年代から中止となっている財産税を再び
導入する意向であるが、現実主義的政策陣営は、相続税の改革、あ
るいはドイツの所有物を再配分する別の方策を支持している。独自
に作った委員会は、妥協案を見いだすことができなかった。

     その他のニュース

「連邦政府は高速道路を民営化する方針」との報道

報道雑誌「シュピーゲル」の情報によれば、連邦政府は、高速道路
の一部民営化を計画している。連邦財相ショイブレは、そのために
ドイツの高速道路の財源、建設、運営を業務とする、基盤整備会社
を設立する意向であるが、新会社の株式の過半数は連邦に置く、と
同誌は書いている。ただしそのために、連邦は今後、州抜きで、高
速道路を運営できるように、法律の改正が必要あり、利益の上がる
施設を探している銀行あるいは保険会社などの民間投資機関に、最
大で49.9%を委ねることになる、とのことである。批判的な人はこ
の計画は、気がつかないうちに進む民営化であり、産業界に対する
巨額の贈り物である、と見ている。

農相は鳥インフルエンザの事例が発見されて緊急対策班を召集

連邦農相シュミットは、極めて感染力の強い鳥インフルエンザが複
数発生したことを受け、緊急対策班を召集した。最近の動向から見
て、早急に効果的な調整および決断をする必要があり、発生を抑
え、撲滅するための措置をまとめて行なうのが目標である、とシュ
ミットは述べた。メクレンブルク・フォアポメルン州とシュレース
ヴィヒ・ホルシュタイン州で、極めて感染力の高いH5N8型のヴィー
ルスが活動しているのが、初めて発見さえた。規則では発生した場
所で飼育されているものを殺さなければならない。飼育場では、数
万羽の動物がいる可能性がある。野鳥からはH5N8型ヴィールスが、
今までにシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州、メクレンブルク・
フォアポメルン州、バイエルン州、バーデン・ヴュルテンベルク州
で見つかっている。デンマーク、オーストリア、スイス、ポーラン
ドでも、検出された。

CDU/CSU会派長カオダーはヨーロッパ合同軍設立を望む

EU委員会議長ユンケルに続いて、キリスト教民主、社会同盟の会派
長カオダーも、ヨーロッパ合同軍に賛成した。彼は「パッサオ新
報」紙に、トランプが次期米国大統領に選ばれたことが、ヨーロッ
パにとってどんな意味を持つか質問されて、今やヨーロッパ軍創設
に向けて舵を切るべきだ、と述べた。ヨーロッパはいずれにせよ、
責任を引き受けなければなら内、とも語った。大統領オバマがすで
に、ドイツ人とヨーロッパ人が、安全と防衛のためにより多くのこ
とをなすように求めていたので、国防予算も増額される、とも発言
した。EU加盟国の国防相は、来週初めに、安全政策の協力関係を緊
密化することに関して、協議を行なうことになっている。その席で
はまず、英国を除くEU27カ国の部隊の密接な協力が問題となる。合
同軍という遠い将来の目標が、ここでは反対意見もある。




11月13日(日)

連立与党はまだ連邦大統領候補に合意することはできず

キリスト教民主、社会同盟と社会民主党は、再び首脳会談を行った
が、連邦大統領選挙に共通の候補者をたてることに合意しなかっ
た。連邦首相アンゲラ メルケルは、キリスト教社会同盟党首ホル
スト ゼーホーファーおよび社会民主党党首ズィークマール ガブ
リエルとベルリンで話し合い、その後ドイツ通信社がこの情報を得
た。ただし合意はまだ可能である、との情報もある。ガブリエル
は、外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマイアー(社会民
主党)を、候補者として提案した。連邦集会は2月12日に、新大統
領を選ぶ。76歳の連邦大統領ヨアヒム ガオクは、高齢を理由に、
二期目には立候補しない方針である。

     その他のニュース

ニュー ジーランドで大地震

日曜日にニュー ジーランドでは、激しい地震が起きた。この地震
は強度7.4で、同国の南島にあるクライストチャーチ市の北およそ
90キロの地域が揺れた、と米国の研究所USGSは発表した。同国政府
は、沿岸地域に津波警報を出した。ニュー ジーランド当局によれ
ば、津波の第一波は南島に到達した。民間人保護局は、特に被害海
岸の住民に、ただちに沿岸から、内部の高い場所に移動するように
求めた。犠牲者に関する報道は伊東署はなかったが、建物の被害に
関する初期の報道があり、いくつかの地域では停電した。2011年に
はクライストチャーチ周辺の地域で、強度6.3の地震が、深刻な被
害を与えていた。この災害では、185人が死亡し、1万の建物が深刻
な被害を受けた。

NATO事務長ストルテンベルグは米国に同盟に忠実であるよう促す

トランプが大統領選挙で勝利したこと受け、NATO事務長ストルテン
ベルグは、米国に対してNATOに忠実であるように促した。彼は英国
の日曜日の新聞「観察者」に寄稿し、ロシアが自信を持って行動
し、近東での紛争が続く中、NATO加盟国の安全状況は、大きく悪化
している、ヨーロッパと米国の間の協力関係の価値を疑うような時
期ではない、と述べた。さらにストルテンベルグは、独断専行は、
ヨーロッパにとっても米国にとっても、選択肢ではない、と述べ
た。トランプが選挙戦の中で、米国が攻撃を受けた場合に、NATO加
盟国と支援を市合う義務、これはNATOの条約の原則であるが、これ
を今後も支持するかどうかに疑問を投げかけていた。一方彼は、軍
のために余りに少額の金しか払っておらず、米国の庇護下にある方
を望む国がある、と繰り返し批判した。

緑の党「イスラーム教連合は宗教共同体ではない」

緑の党は、ドイツにある4つのイスラーム教連合を、宗教共同体と
は見なすつもりがない。ミュンスターで開かれた連邦党大会に出席
した代議員は、ディティブ、イスラーム評議会、イスラーム教徒中
央評議会、VIKZは、宗教結社である、と決定した。同党の連邦議会
の会に属する宗教政策の専門家ベックは、信心深いイスラーム教徒
と彼らの共同体は、同党の扱いを求める法的権限を有しているが、
この組織は、宗教への帰属ではなく、故郷の国の政策で結びついて
おり、宗教共同体とは無関係である、と述べた。複数のイスラーム
教連合は、ドイツで公的な権利を持つ法人として承認されるように
努力している。そうなれば、こうした組織は、原則的には大教会と
同じ権利を持つことになる。この背後には、学校でイスラーム教の
主教の授業を担当するか、という問題がある。各州は、承認された
宗教団体を担当させることが困難になっている。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system