2月13日〜19日のドイツのニュース



2月13日(月)

国連「南スーダンで5百万人が飢餓にさらされている」

国連の情報によれば、南スーダン内戦で、アフリカ最大の難民危機
が引き起こされた。支援組織は警告を発し、総額16億ドル(15億オ
イロ)の献金を呼びかけた。推定によれば、南スーダンでは750万
人ほどが、人道支援と保護を当てにしている、と国連人道問題調整
事務所OCHAの発表には記されている。それによれば、南スーダン人
1千2百万人のうちおよそ5百万人が、飢餓にさらされており、5歳以
下の子供たち1百万人以上が、切迫した食糧不足状態である。独立
を達成してから僅か2年後の2013年末には、同国は流血の内戦に落
ち込んでいる。背景にあるのは大統領サルヴァ キールと、以前は
彼の元で副大統領を務めていた反乱勢力の指導者リーク マシャー
ルの対立がある。

     その他のニュース

ラホールで爆発 少なくとも10人が死亡

パキスタンのラホールで爆発があり、第一報によれば、少なくとも
10人が死亡、60人以上が負傷した、と現地政府の代表と救援隊が発
表した。それによれば、この激しい爆発が起きたのは、同国北東部
の同市で、数百人が参加したデモの際であった。

人権監視団「パキスタンはアフガニスタン人多数を追放」

人権組織「人権監視団HRW」は、パキスタンが夏以降、60万人のア
フガニスタン難民を故郷に帰還するように強制した、都費アンし
た。同団全権委員シンプソンは、パキスタンが数十年にわたって受
け入れる姿勢を取っていたが、「2016年中頃から、難民に対して世
界最大の手入れを起こした、と告発した。76頁に渡る「アフガニス
タン難民の強制的大量送還」に関する報告書の中では、この手入れ
は、威嚇、盗み、恣意、その他の強制的な措置と同時に行なわれ
た、と描き出されている。国連難民高等弁務官事務所UNHCRの役割
も、批判的に見られている。同事務所が、アフガニスタン難民が帰
還するたびごとに400ドル(375オイロ)提供しているため、難民に
愛する圧力が強まっている。同事務所は、この批判を退けている。

今後はハマースは強硬派が率いる

急進派イスラーム教徒パレスチナ人組織ハマースは、ガザ帯状地帯
での指導者に、強硬派を選んだ。シンワルが、ハマースの政治事務
所の新所長に就任する、と広報が発表した。彼はハニヤの後を襲っ
て、この職に就任する。ハマースは10年前から、イスラエルに封鎖
されているガザ帯状地帯を支配している。ハマースは、パレスチナ
大統領アッバスが率い、西ヨルダンランドを支配する穏健なファタ
ハ組織と、対立関係にある。シンワルは、ハマースの武装部門であ
るエセディン・アル・カッサム旅団の創設者のひとりである。イス
ラエルは1988年に、「テロリスト活動」で彼を逮捕していた。彼は
4回分の終身刑を言い渡され、長年にわたりイスラエルの刑務所に
収容されていた。2011年に彼は、ハマースが5年間拘束していた兵
士シャリットと交換で、釈放された。この時は1千人以上のパレス
チナ人収容者も、釈放された。




2月14日(火)

報道「北朝鮮権力者金正恩の異母兄弟がマレーシアで殺害」

北朝鮮の権力者金正恩の腹違いの兄が、マレーシアで殺害された模
様である。通信社聯合ニュースは、政府発の情報として、45歳の金
正男が、月曜日に殺害された、と報じた。同様に放送局TV朝鮮日報
は、政府筋の情報として、キムはクアラ ルンプール空港で女性
2人と共に、準備された注射針で毒物をうたれた、と伝えた。マ
レーシア警察は、金正男は、首都クアラ ルンプールの空港で気分
がすぐれなくなり、病院に向かう途中で死亡したが、死因は不明で
ある、と説明した。彼は改革派と見られており、2001年には、父で
元権力者の金正日と仲違いした模様である。それ以来彼は海外で暮
らした。彼は日本の新聞のインタヴューでは、孤立した共産主義国
家の最上位にたち、王朝のような跡継ぎ制度を批判した。

     その他のニュース

メルケルはチュニジア帰国者への支援を増やす方針

連邦首相メルケルは、難民のうち自発的にチュニジアに帰国する人
に対して、ドイツの支援を増やす交渉をする、と予告した。彼女は
首相シェーヘドとベルリンの首相府で会談し、教育の提供やチュニ
ジアへ帰国した人の企業を財政的に支援することが考えられる、ド
イツには、出国しなければならないチュニジア人難民およそ1千5百
人がいる、と述べた。シェーヘドはこれより前に、国内に亡命者受
入施設を建設することには反対していた。彼は「ビルト」紙のイン
タヴューで、「それが上手くいくとは思えないし、難民受入施設を
持つ余裕があるとは考えていない」と述べた。メルケルは、春にも
チュニジアを訪問する、と発表した。メルケルは、現在イタリアに
上陸する難民のうち、チュニジア出身者はおよそ1%に過ぎない、と
強調した。

フランクフルト警察は大晦日襲撃とされる件に関する報道に反論

大晦日の晩に大規模な襲撃と強盗事件があった、との報道がなされ
ているが、フランクフルト アム マイン警察は、これに反論し
た。詳しい発表によれば、年の瀬には、同市中心部のカルベッ
ヒャー通り(通称フレスガス)では、「群衆による難民に対する暴
徒による大規模襲撃」は起きなかった。その発表によれば、「徹底
的な大規模な捜査」の結果、「この地域で出されている非難」には
根拠が一切ない、とのことである。ある新聞記事によれば、被害者
や目撃者とされる人が通報を求めており、「性的襲撃、傷害、強
盗、および群衆による難民に対する極めて攻撃的な態度が報告さ
れ、その後警察は「すぐに職務を理由に」捜査を開始した、と警察
は発表した。

フィリピンのテロ組織がドイツ人人質を斬首すると脅迫

フィリピンでは、イスラーム教徒がドイツ人人質を斬首する、と脅
迫した。テロ組織アブ サヤフは、70歳の男性の映像を公開した
が、彼は11月上旬に帆船の旅で誘拐されていた。この中でこのドイ
ツ人は、ドイツ政府に対して、3千万ペソ(約57万オイロ)の身代
金を支払うように求めている。彼は11月5日、フィリピン南部で誘
拐された。彼のドイツ人の妻は、その時にヨット上で殺害された。
フィリピン側は公式には、この映像に論評していない。この夫婦
は、008年にすでに一度、ソマリア海域で海賊の手に落ちたが、7週
間後に解放された。




2月15日(水)

EU議会は自由貿易協定Cetaを認める方針

ヨーロッパ議会は、EUとカナダの間の自由貿易協定Cetaに賛成し
た。反対意見もあるこの協定には、408人の議員が賛成、254人が反
対、33人が棄権した。これにより、貿易の簡易化などこの協定の大
部分が、近々暫定的に発効する可能性がある。投票を前に、多数派
の保守派、自由派、社会民主派が、この協定に賛成、左翼党、緑の
党、さらに極右がこれに反対した。この協定が暫定的に発行するた
めには、カナダ国会の賛成が必要である。最終的に発効するために
は、さらにEU加盟すべての国での批准が必要である。
この協定を支持する人々は、貿易の拡大とそれがもたらす雇用に期
待している。さらに彼らはその根拠として、経済の世界規模化に向
けた基準が設定されることになることを挙げている。一方批判的な
人は、社会福祉、購買者、環境面での基準を引き下げることにな
る、と警告している。

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トランプはロシア事件を「くだらない」と退ける

米国大統領トランプは、自分の腹心がロシアと接触した事件で、非
難を退けた。トランプはインターネット上に、これは民主党の大統
領候補クリントンの「敗者の宣伝」の中で、犯した失策を隠すため
のものである、と書き込んだ。月曜日には、国家安全の顧問フリン
が辞任したばかりであった。彼は新政権就任前にも、権限を持たな
いのに、駐ワシントンロシア大使キスリャクと、ロシア政府に対す
る米国の制裁に関して話し合っていた、とされている。「ニュー 
ヨーク タイムズ」紙は火曜日に、トランプの選挙戦の複数の幹部
が、ロシア秘密情報部高官と、接触していたと報じた。米国の捜査
陣は現在、トランプの選挙対策班が、ロシア政府と共同作業をし
て、クリントンの選挙戦を捜査したかどうか、突き止めようとして
いる。

ネタニヤフがトランプを訪問

イスラエル首相ネタニヤフが水曜日、米国大統領トランプとの初め
ての会談のために、大統領府に入る。近東紛争とイランとの核協定
が、重要な議題になる。元大統領オバマ政権下で、両国関係は最低
の状態になっていた。新大統領トランプは、選挙戦中すでに、近東
政策を新たな者にする、と約束していた。彼は、米国大使館をテル 
アヴィヴからエルサレムに移し、エルサレムをイスラエルの首都と
して承認するつもりだ、と予告していた。政権の有力者の1人は、
ネタニヤフとの会談直前に、米国は今後は、近東紛争での二カ国併
存に固執することはない、米国政府は、紛争で対立する両者の合意
を支援するつもりだ、と説明していた。

韓国政府は北朝鮮の権力者の異母兄弟殺害を確認

北朝鮮の権力者キム ジョン ウンの異母兄弟が、マレーシアで殺
害された、との報道を、韓国政府は確認した。韓国国防省がこれを
発表した。報道によれば、45歳のキム ジョン ナムは月曜日に、
クアラ ルンプール空港で、北朝鮮のスパイ2人に準備をした針で
毒殺された。これにより、キム ジョン ウン支配期間では、彼の
叔父チャンが2013年12月に機密漏洩容疑で処刑されて以来死亡した
中で、キム ジョン ナムは最有力者である。韓国政府は、北の共
産党政権の「残酷で非人道的性質を示す例」である、と述べた。一
方マレーシアでは、女性1人が逮捕された。警察の発表によれば、
ヴェトナムの旅券を持っている、とのことである。それ以上のこと
は、今のところ発表されていない。




2月16日(木)

米国外相ティラーソンはロシアにミンスク協定遵守を要求

米国新外務大臣レックス ティラーソンは、ロシアに対して、ウク
ライナ紛争調停のためのミンスク協定の規定を、尊重するように求
めた。彼はロシア外務大臣セルゲイ ラヴロフと、ボンで開かれて
いるG20外相会議と並行して会談し、ロシアが紛争地域の情勢の緊
張緩和のために力を注ぐことよう、米国は期待している、と述べ
た。ドイツ外務大臣ズィークマール ガブリエルは、ロシア政府に
対して、東ウクライナの分離独立派に対して影響力を行使し、ミン
スク交渉団が合意した内容、つまり激しい戦闘地点から、武器を完
全に撤収させるよう求めた。

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マティス「米国の威嚇と米国のNATO支援義務とは無関係」

米国国防相マティスは、NATO加盟国に対する威嚇は、加盟国が軍事
攻撃を受けた場合に、米国が支援する義務を疑問視させるものでは
ない、と明言した。彼はブリュッセルでのNATO国防相会談終了後
に、米国は北大西洋条約第5条および相互の支援を、固く遵守す
る、と述べた。前日に彼は、米国は、同盟国が国防予算を増額しな
いのであれば、支援を減らす可能性がある、と威嚇していた。

リビアはNATOに安全問題協議を要請

リビア首相シラージュは、同国内の治安体制再建に関して、NATOに
支援を求めた。NATOの発表によれば、当面協議と専門家の助言が行
なわれる。事務長ストルテンベルグは、NATOはできるだけ速やか
に、この依頼に応えることができるかどうか、議論する予定であ
る、と説明した。内戦の国リビアで安定と治安を高めることは、ア
フリカからヨーロッパにやって来る望まれない移民に対する効果的
な措置をとるために、基本的な前提条件と目されている。ただし国
際的に承認されたシラージュ統一政権の権力の及ぶ範囲は、基本的
には首都トリポリに限られている。

メルケルは友好関係を持つもの同士の情報スパイ中止を保証

連邦首相メルケルは、米国国家安全局NSA調査委員会で、個人の領
域の保護の意義とテロの危険からの防衛を強調した。彼女は委員会
で発言し、自由と安全の間に新たな近郊を見いだすことが重要であ
り、2013年に米国秘密情報部NSAが情報袖手を続けていることが報
道で知ったときから、これを自分の指針としている、と述べた。メ
ルケルはこれに関して、当時の発言「友好関係の中での盗聴は決し
て起こらない」を確認した。




2月17日(金)

独米国防相が安全会議を開始

国防大臣ウルズラ フォン デア ライエンは、米国国防大臣ジェ
イムズ マティスととも伊、ミュンヒェン安全会議を開始した。
フォン デア ライエンは、ドイツはNATOの中で、負担のかなり大
きな部分を引き受けなければならない、と述べた。彼女はマティス
がNATOを指示したことをに感謝した。マティス自身は、ミュンヒェ
ンでの演説でも、大西洋をまたぐ関係の意義を強調した、米国の安
全はヨーロッパの安全と結びついている、と述べた。また彼は現実
の脅威を、「テロ行為、インターネット、そして複合的な戦争遂
行」と呼び、具体的には「地中海からトルコ国境にいたるNATOの南
側での脅威に」より正面から対峙しなければならない、と述べ
た。ミュンヒェン安全会議の今年の中心項目は、米国新政権の外交
政策である。安全政策を議題とする世界的に最も重要な会議には、
多くの大統領および閣僚が出席する。今までかなり錯綜していた米
国の外交政策の他に、多くの議題が議事に上がっており、それに
は、ロシアとの緊張、シリア戦争、ウクライナ紛争、そしてEUの未
来も含まれている。

     その他のニュース

西側諸国とアラブ諸国はシリア紛争の政治的解決に向け努力

西側諸国とアラブ諸国は、シリア紛争仲裁のために、国連和平過程
の枠組の中で、今後も政治的な解決を計ることを主張した。ドイツ
外相ガブリエルと、フランス外相エローは、ボンでのG20加盟国の
外相会合と並行して開かれているシリアに関する話し合いの後に、
この立場は、米国からも支持されている、と述べた。この会議に
は、米国新外相ティラーソンも参加した。ガブリエルとエローは、
ジュネーヴでのシリア和平会談の新たな会議に、期待を持ちすぎな
いようにとも語った。ガブリエルは、今回は「適度な現実主義を携
え」なければならない、と述べた。彼はカザフスタンでのシリア会
議をにらんで、「並行して話し合いを行なってはならない」とも発
言した。エローは、ジュネーヴでの交渉を視野に入れて、沈黙と危
険を過小評価すべきではない、と語った。

スペイン王女クリスティーナは汚職裁判で無罪が言い渡される

スペイン王女クリスティーナは、脱税幇助容疑の裁判で、無罪を言
い渡された。パルマ デ マヨルカ裁判所は、彼女の夫ウルダンガ
リンには、6年3ヶ月の拘留刑を言い渡した。元ハンドボールのプロ
選手であった彼には、当時の共同事業者と共に、公益的な「ノー
ス」財団に、国家財政から6百万オイロを横領した、との疑いが持
たれている。ウルダンガリンがすぐに刑務所に行かなければならな
いかどうかは、まだ不明である。クリスティーナは、国王フェリペ
の51歳の妹で、第6位のスペイン国王継承者で「ノース」役員のひ
とりであった。5ヶ月を超える裁判ないだ十、彼女はずっと、財政
的な件は完全に夫に任せていた、と主張していた。クリスティーナ
は無罪判決を受けたものの、罰金26万2千オイロを、ウルダンガリ
ンは51万2千オイロの支払わなければならない。「ノース」基金を
めぐるこの資金問題では、合わせて17人の容疑者が訴えられてい
る。

スペインの飛び領土セウタに移民数百人が入り込む

当局の発表では、難民数百人が、スペインがモロッコに持つ飛び領
土セウタに押しよせた。救助隊はインターネットに、警察の推定に
よれば、5百人ほどが午前中に、国境の柵を越えることに成功し
た、と発表した。警察自身は、AFPの照会に答えて、「難民の数は
数百人である、と述べた。それによれば、難民の数人と治安部隊数
人が負傷した。アフリカからの移民は、スペインの飛び領土で、モ
ロッコの地中海岸にあるセウタとメリリャに押しよせ、何度もEU領
土にたどり着こうとしている。新年には、1千人以上が創刊され
た。国境施設は、それぞれ6メートルの柵2つが立っており、その
間には鋼鉄の綱が張り巡らされて、先に進みにくくなっている。




2月18日(土)

ユルドゥルムはドイツに住むトルコ人に大統領制度を売り込む

トルコ首相ビナリ ユルドゥルムは、問題の憲法改正に関する国民
投票まで2ヶ月となったこの日、ドイツにいる数千人のトルコ人の
前に姿を現し、大統領制度を売り込んだ。ノルトライン・ヴェスト
ファーレン州オーバーハオゼンでの集会は、ドイツでは事前に激し
い批判を引き起こしていたが、これは「自国を愛する人は賛成せ
よ」との標語を掲げて開かれた。新たな制度が誕生すれば、大統領
レジェップ タイップ エルドアンが、より多くの権限を持つこと
が認められ、国会の力は弱まることになる。ユルドゥルムの演説
は、複数の反対デモを引き起こし、当初は平和的に行なわれた、と
警察は発表した。

     その他のニュース

首相はトルコに逮捕された記者を法治国家として扱うよう求める

ドイツ首相メルケル(キリスト教民主同盟)は、トルコに対して、
「ヴェルト」紙の通信員ユジェルに対する捜査手続きでは、法治国
家の規則を守るように求めた。ミュンヒェンでの安全会議に参加し
たトルコ首相ユルドゥルムと会談した際に、メルケルは、この件に
ついて詳しく言及した、と政府広報ザイベルトは発表した。彼女
は、ユジェル氏がドイツ大使館を通じて、広い範囲で領事館の担当
下に置かれうることが、どれほど重要であるかを指摘した、とのこ
とである。ユジェルは、トルコに戒厳令が出されてから、警察に逮
捕された初めてのドイツ人記者である。彼には、テロの宣伝を行
なったなどのようぎがもたれている。43歳の彼は、他の人と同様、
大統領エルドアンの娘婿が関わった事件を報道していた。ユジェル
は、ドイツとトルコの二重国籍を持っている。

ロシア外相はミュンヒェンで「西側以降」の新世界秩序を売り込む

ロシア外相ラヴロフは、ミュンヒェンでの安全会議で、西側諸国の
影響力が小さくなる新たな世界秩序を宣伝した。そのような新世界
秩序の特徴は、「各国の立場が自分の主権によって規定されるとい
う」ことでなければならない、と述べた。ラヴロフは、新大統領ト
ランプ政権下の米国に、よりよい関係を築くよう申し入れ、ロシア
政府は、米国政府との「実利的」な関係を築きたい、と述べた。米
国はNATO加盟各国に愛して、国防予算を増額するように要求してい
るが、ドイツ外相ガブリエルはミュンヒェンで、これはほとんど実
施不可能である、と述べた。また彼は、軍事支出を増額すること
と、安全拡大は同じではない、と警告し、ドイツは難民受け入れに
300億から400億オイロを支出しており、この資金は、世界安定化の
ための支出である、と語った。

米副大統領ペンスはNATOとヨーロッパを米国は支援すると約束

米国副大統領ペンスは、ミュンヒェン安全会議の演説の冒頭で、米
国はヨーロッパと連帯する、と強調した。両者は共通の価値観を持
ち、共通の犠牲を払っており、トランプ政権もNATOを明確に支持し
ている、とも述べた。さらに米国はNATOと緊密に結びついており、
大西洋をまたぐ同盟NATOの中で、義務を負っている、とも語った。
またペンスはトランプ同様、NATO内部での負担の分担が不公平であ
る、とも訴えている。彼はヨーロッパ側の加盟国に、国防に関する
支出を、大きく増やすように迫った。また彼は、米国はイランと諸
外国の核協定とは関わりなく、イラン政府が決して、イスラエルな
どの国々を攻撃するための核兵器を保有する事態にならないように
配慮する、と指摘した。




2月19日(日)

米国上院議員は選挙戦への介入の疑いでロシアの「尻を蹴飛ばす」

ロシアがインターネットを介して、大統領選挙戦に介入したとされ
る事件で、米国上院議員リンゼイ グレアムは、厳しい措置を取る
ことに賛成した。共和党員である彼は、ミュンヒェンでの安全会議
で、ロシア代議員に対して、「あなた方がしたことに対して、尻を
蹴飛ばされるだろう」と述べた。米国議会は、賛成多数で、ロシア
に対する制裁強化を可決するだろう、とも語った。さらに彼は、米
国大統領ドナルド トランプは、ロシアの介入を非難しなかった、
と厳しく批判した。米国秘密情報部が得た情報によれば、ロシア
は、トランプを押し、対立候補ヒラリー クリントンの足を引っ張
るために、偽の情報とインターネット攻撃で選挙戦に介入してい
た。ロシア外務大臣セルゲイ ラヴロフは、土曜日にミュンヒェン
でも、この疑いを否定した。

     その他のニュース

米国上院議員はトランプの攻撃から報道機関を弁護

米国大統領トランプは、報道機関を攻撃し続けているが、これが
ミュンヒェン安全会議の主題にもなった。米国上院議員マーフィー
(民主党)は、トランプは「自由な報道機関への正面攻撃」をして
いる、と非難して、これは受け入れてはならない、と述べた。同じ
く民主党のシャヒーンは、自由な報道からは危険は生じない、と述
べた。実際の危険は、大統領の報道機関への批判である。上院議員
グレアム(共和党)は、報道機関は「米国民の敵」であるとのトラ
ンプの非難の言葉を退けた。トランプは彼の職務運営に対する疑問
が増大する中、ここ数日、報道機関への言葉による攻撃を激化させ
ていた。土曜日にはフロリダに姿を見せた彼は、報道機関は「真実
を伝える気がない」と非難したばかりであった。

イラク軍が西モースルへの攻勢を開始

イラク軍は、モースルの西側への攻勢を開始した、と首相アバディ
は発表した。イラク北部にある同市は、テロ民兵「イスラーム教
国」の拠点と目されている。イラク軍、同盟関係にある民兵、クル
ド人戦闘員は、10月半ばに攻勢を開始し、モースル東部を1月末に
完全に制圧した。戦闘員は、米国が主導する諸外国の連合軍の空爆
と、軍事顧問数百人が前線背後にいて、支援を受けている。西側部
分の解放は、東側より困難であると専門家は見ているが、それはこ
の地域は人口密度が高く、ISの支配が強力なためである。かつては
百万都市であったモースルでの戦闘は、おそらくまだ数週間から
数ヶ月かかる見通しである。ジハード主義者ISは、2014年にイラク
の大部分を占領した。2014年6月モースル占領の直後には、滅多に
人前に出ない指導者バグダーディがモースルで、イラクとシリアの
各地で、ISの「カリフ国家」の樹立を宣言していた。

ウクライナ停戦に新たな希望

過去数週間、東ウクライナでは戦闘が激しさを増していたが、停戦
に向けて新たな試みが始まった。ロシア外相ラヴロフとウクライナ
外相クリムキンは、ミュンヒェン安全会議と並行して会議を開き、
次の月曜日からの戦闘停止を支持した。この会議は、いわゆるノル
マンディー形式、つまりドイツとフランスの仲介で行なわれた。水
曜日には、ヨーロッパ安全協力機構OSZEが、分離独立派とウクライ
ナ政府の間で合意された新たな停戦を発表していた。ドイツ外相ガ
ブリエルは、会談後に、すべての当事者が、この合意を実施に移す
ために、「それぞれが持つ影響力を利用する」ことになるだろう、
と述べた。一方ロシア政府は、東ウクライナの親ロシア反乱勢力が
発行した証明書を、今後は章にする、と発表した。ロシア政府は、
大統領プーチンが署名したこれに関する命令を発表した。




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