5月8日〜14日のオーストリアのニュース



5月8日(月)

     国外ニュース

マクロンとメルケル ヨーロッパに新しい2人の指導態勢

事前にはヨーロッパを心配させていた選挙が決着した。親ヨーロッ
パの候補エマヌエル マクロンは、EU反対派のマリーヌ ル ペン
に勝利したことを受け、ドイツとフランス瀬宇負は、右翼急進派と
右翼大衆迎合主義に対するこの成果を活力源として利用する方針で
ある。早くも数日後には、選ばれたフランス大統領がベルリンに飛
び、首相アンゲラ メルケルと会談し、緊密な協力の土台を作り上
げる可能性が高い。ドイツとフランスの両指導態勢が復活すること
になる。可能性はあるが、容易ではない。

     国内ニュース

ミッターレーナーは「選挙前の空騒ぎ」を止めるよう求める

副首相で国民党党首ラインホルト ミッターレーナーは、連立両党
内部の応酬が先日起きたことを受け、個々の案件の作業にも取るよ
うに求めた。彼はテレヴィ番組で、「選挙前の空騒ぎ」を終わら
せ、事態に基づく作業に戻ることが重要だ、と述べた。彼は、辞任
をするのではないか、との噂を否定した。「それは噂であり、噂
は、事実や真実とは異なるものだ」とも語った。




5月9日(火)

     国外ニュース

北極地方で権力争い ロシアは明確な方針を示す

例年通り、ロシアは5月9日の軍事行進で、世界に強さを誇示するつ
もりであった。火曜日にロシア政府は、特別な発表をした。1万人
の兵士の間に、ロシア治安部隊の北極地方の白い自動車が初めて参
加した。この辺鄙な地域は、地政学上の争いの舞台と見られてお
り、専門家は、西側とロシアの間で、北極地方での軍拡競争が起こ
るのではないか、と懸念している。新たな「冷戦」が起こる、と述
べるものもいる。

     国内ニュース

政権内の対立 連立両党と「いらだちの可能性」

連立政権の内部の雰囲気は、火曜日にどん底状態になった。内務大
臣ウォルフガング ソーボトカ(国民党)が、連邦首相クリスティ
アン ケルン(社会民主党)を攻撃し、その後すぐに、激しい混乱
が起きたが、国民党内部でもそれが明らかになった国民党党首ライ
ンホルト ミッターレーナーが退任するとの噂、ソーボトカの除名
に失敗したとの報道、そして社会民主党が、外務大臣セバスティア
ン クルツ(国民党)周辺の「陰謀家の小屋」批判が起きる中、国
民党は事態の収束を目指している。国民評議会議題2議長カールハ
インツ コプフは、連立政権内部の「いらだちの可能性」の状態を
探らなければならない。一方連立政権の情勢に関する疑問が生じる
のは、不可避である。




5月10日(水)

     国外ニュース

アリタリア救済「具体的な提案は夏までに」

支払い能力を失ったアリタリア航空売却先探しの中で、「夏までに
具体的な提案」が待たれている、と水曜日に、政府が設置した特別
管財人が、述べた。彼は5月上旬から疲弊した同社を監督してい
る。すでに来週から、正式の売却手続きが始まる。今まで購入する
可能性があると噂されていた会社が、本当にアリタリア航空購入に
関心を持っているかどうかが判明するのは、その後のことになる。
巨額の負債を抱える同社は、支出削減計画を拒否した後、支払い不
能に陥っており、倒産は国によるつなぎ融資によって、かろうじて
阻止された。

     国内ニュース

ミッターレーナーは退陣 国民党は緊急に行動

数ヶ月にわたる争いの末、国民党党首で副首相ラインホルト ミッ
ターレーナーは、水曜日に突然、辞任を発表した。彼は今後は、
「後任のために地位」を確保するつもりであり、「楽しみはなく」
「いかなる感想もない」と述べた。この退任で国民党は、切羽詰
まった状況となり、各州の国民党の党首の中には、外務大臣セバス
ティアン クルツを党の筆頭にぼらせることを支持しているが、未
来に対する希望で、党は落ち着かない状態になっている。




5月11日(木)

     国外ニュース

解任されたFBI長官 コーミー事件で異議申し立て

FBI長官ジェイムズ コーミーが解任されたことを受け、米国大統
領ドナルド トランプ周辺では、混乱が強まっている。トランプ自
身は木曜日に、コーミー解任のために、今までの公式の見解に反す
る発言をして、大統領府内が混乱しているとの印象を強めた。彼
は、法務省の勧告に従っていることに反論し、コーミーの解任を
ずっと以前に決めており、コーミーは「告げ口屋」であり「もった
いぶっている」と述べた。一方、コーミーの暫定的な後継者も、大
統領府とはことなる事件像を描いている。

     国内ニュース

州首相はクルツを支持 国民党内部は選挙実施へ動く

アルプバッハでの州首相会議と並行して、国民党所属の州首相は木
曜日に、首相クリスティアン ケルン(社会民主党)の「改革協
力」の申し入れを、事実上拒否した。これは「信頼できず、きわめ
て背後に何かある」ようだ、というのが主要な反応である。次期党
首としては、国民党所属の州首相は外務大臣セバスティアン クル
ツを望んでいる。国民党は選挙の方向に動いている、との傾向が露
わになっている。




5月12日(金)

     国外ニュース

エマヌエル マクロンの権力争い

フランスで、「共和国前進」運動を率いる新大統領に選ばれた彼
は、あらゆることが変化することを望んだ。投票から1週間、フラ
ンスはある点において、目を覚ますことができるかもしれない。マ
クロン陣営から、彼の政策の一覧表が、外部に漏れ出てきた。日曜
日には、エマヌエル マクロンは先生をすることになり、首相を指
名する可能性がある。この秘密が露わになってから初めて、フラン
スのこれからの政治の重点、例えば閣僚人事など精確な政界の人事
が露わになる。マクロンは、自分の陣営に、できるだけ多くの国会
議員を集めようとしている。間近に近づいた選挙で、彼は国会議員
の多数を自分の陣営に集める必要があるからである。さもなけれ
ば、公的資金は、彼の党の資金には集まらない。

     国内ニュース

クルツの党首出馬 選挙の早期実施に多数が賛成するかはまだ不明

外務大臣セバスティアン クルツが名乗りを上げ、選挙の早期実施
に向けて、国民党党首の椅子に座る見通しとなったが、国会の多数
がこれでいつ得られるかという疑問は、決着がつかないままであ
る。首相クリスティアン ケルン(社会民主党)は明確に反対し、
多数派が変わっても政権を継続するかどうか、議論に取りあげた。
崩壊するように見える連立に意義があるか、疑問が広く持たれる
中、野党各党の代表も、国民党の計画には、少なくとも直ちには賛
成できない。現在のところ、いつ国民党が、有権者に投票を呼びか
けるかも、不明である。




5月13日(土)

     国外ニュース

ジャズバラードで勝利 ポルトガルが音楽祭で初めて優勝

第62回ユーロヴィジョン音楽祭が、キエフで開かれ、優勝者はポル
トガル人である。サルバドール ソブラルが、有力候補として出場
し、音楽祭での優勝をポルトガルに初めてもたらした。かれのジャ
ズバラード「アモール ペロス ドイス」を、彼が目立った集中力
で歌うと、他の決勝の歌にはないものを感じさせた。彼はブルガリ
アと、大いなる驚きをもたらしたモルドヴァを破って優勝した。
オーストリアからはナータン トレントが出場し、16位であった。
昨年より3位下がった。2度目となる投票法は、手に汗をにぎらせる
ものだ、と判明した。

     国内ニュース

国民党への圧力 クルツの意中の人の名簿が話題に

外務大臣セバスティアン クルツ(国民党)は、土曜日にはっきり
した要請を明らかにした。それは連立相手の社会民主党と、多くの
党友をも驚かせるものである。7つの条件を付け、その中には国民
評議会選挙で、自分で候補者名簿を作ることを含んでいるが、クル
ツは、これが認められることを知っている。さもなければ、彼は日
曜日に党を率いることはない、とも述べている。各州の同党首の中
には、すでにクルツに、全面的な支援を約束している人もおり、党
の有力者は当面は沈黙を選んでいる。




5月14日(日)

     国外ニュース

ドイツの州議会選挙でキリスト教民主同盟が勝利

ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州では、社会民主党と
緑の党の連立政権は、最終得票予想では、再任されない。キリスト
教民主同盟が、選挙で最も大きく票を伸ばす。州首相ハネローレ 
クラフトは、すでに辞任を発表したが、彼女が率いる社会民主党
は、敗北に終わった。社会民主党の期待の星マルティン シュルツ
にとっても、この選挙は手厳しい敗北である。今回の選挙は、秋に
迫っているドイツ連邦議会選挙に向けて、最後の重要な試金石と目
されていた。

     国内ニュース

新党首は「セバスティアン クルツの候補者名簿」で選挙に突入

誰が国民党の党首となり、国会議員の候補者になるのか、このこと
と後いくつかのことを、今後セバスティアン クルツが一人で決め
るつもりである。日曜日に国民党は、30歳のクルツを新党首に選
び、全権を彼に与えた。クルツは、新たな運動を設立し、「セバス
ティアン クルツの候補者名簿 新国民党」という名前で、来る選
挙に臨む。同党は秋には、国会入りするが、それは社会民主党も、
選挙が早期実施されると見ているためである。選挙がいつ行われる
か、観測が流れている。




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