７月３日〜９日のドイツのニュース
７月３日（月）
バイエルンでのバス事故 死者18人
ドイツで最も大きなバス事故が起こった。警察が得た情報によれ
ば、18人が死亡し、乗客30人が負傷、うち数人は重傷である。この
バスは、団体旅行客を乗せて、ザクセンを出発していた。このバス
は、オーバーフランケン地方のミュンヒベルク近郊で、前を走って
いたトラックに追突し、完全に燃え尽きた。
連邦大統領フランク・ヴァルター シュタインマイアーと連邦首相
アンゲラ メルケルは、この事故に驚きを表明した。連邦交通大臣
アレクサンダー ドブリントは事故現場で、なぜこのバスがこれほ
ど早く、炎で完全に破壊されたのかは、全く不明である、と述べ
た。
その他のニュース
アムリ特別調査官は中間報告書を提出
アムリ事件を捜査するベルリンの特別調査官は、複数の公務員が州
刑事局で、書類の捏造に関与した、と見ている。ベルリン市議会か
ら委託を受けたヨストは、中間報告書を提出した際に、専門監視官
が、全面的にあるいは部分的に、機能不全に陥っていたことを表わ
している、と述べた。さらに彼は、これに関する知見が提出された
のに、後に襲撃を起こしたアムリが、職業的に麻薬売買を行なって
いた容疑での裁判手続きは、起こされなかったので、書類捏造でこ
れを隠蔽した、と述べた。連邦検察官ベックは、アムリがドイツ国
内に支援者をもっていたこと示す証拠はないが、外国からテロ民兵
「イスラーム教国」の隊員の支持を受けて、襲撃事件を起こしてい
た、と述べた。12月にベルリンのクリスマス市が襲撃を受けた事件
では、12人が死亡していた。
政府「エルドアンの領事館演説を認めない」
連邦政府は、トルコ大統領エルドアンに、ドイツで開かれるG20首
脳会談と並行して、公の場に姿を現さないように、と強く警告し
た。外務省公報シェーファーは、映像による中継で、総領事館でエ
ルドアンが演説するためであっても、トルコ側からの口上書に許可
を与えることはない、と述べた。それによれば、別の手段もすべ
て、ドイツ政府の意向に反しており、「外交および領事代表部の不
可侵の空間で」起こっていることに、「影響を与える可能性」もあ
る、と述べた。連邦外相ガブリエルは先日、エルドアンが公の場所
に登場するのは、現在取ることの間で起きている大利いつ状況から
見て、「現在の政治状況には」適切ではない、と述べていた。
仏大統領マクロンは政界に「抜本的に新たな道」をつける方針
フランス大統領マクロンは、基本方針演説の中で、彼の政治の基本
路線を提出した。彼はヴェルサイユ宮殿に集まった国会議員と上院
議員を前に、政治の「抜本的に新しい道」に理解を求め、特に立法
の簡素化を求めた。社会自由主義のマクロンは、国会議員の数を、
3分の1削減する方針である。2ヶ月ほど前の大統領選挙で勝利した
彼は、国会の両院に登場した。ヴェルサイユへの登場は、翌日に首
相フィリップが、国民集会で、政府声明を発表することなどから、
事前には批判されていた。野党は、大統領が注目を自分に集めよう
としている、と非難した。
７月４日（火）
難民数万人が事後的に身元識別する扱いを受ける
シリアおよびイラクからの難民数万人が、ドイツ到着後に、ここに
事情を聞かれることも、身元識別の作業を受けることもなかった。
連邦移民難民曲BAMFは、現時点では、「数千件」で事後的に指紋と
写真が撮られている、ことを認めた。複数のドイツの報道機関の情
報によれば、3千6百人以上のシリア人とイラク人の身元が、突き止
められておらず、書類上の手続きで、彼らの申請に関して決定が下
されていた。
同局は2014年11月に、シリアからの亡命希望者に対する迅速手続き
が導入され、この措置は後には、エルトリアとイラクの宗教上の少
数派にも拡大された。その際には、ここに事情を聞く面接は断念さ
れた。一方亡命希望者は、自分の非難理由を、質問用紙に書き込む
ことができた。同局によれば、この措置は、特に入国者の数が大幅
に増加したために取られた。
その他のニュース
憲法擁護庁は「帝国市民」の危険性を警告
右派急進派の暴力行為の数は、2016年に再び増加した。ベルリンで
提出された憲法擁護庁の報告書によれば、右派の暴力行為は、1千
6百人が記録され、2015年と比べて、ほぼ14%増であり、この行動を
指示するのは2万3千人以上の支持者がいる。いわゆる「帝国市民」
は、この報告書で初めて、連邦共和国を拒否し、1937年の国境線に
基づくドイツ帝国が今なお存在している、と主張している。連邦内
相デ メズィエールによれば、この支持者は12,800人で、うち8百
人はあからさまな右翼急進派である。さらに彼らは、執行官と警官
に対して、暴力を全くいとわない姿勢を示しており、多くの「帝国
市民」が武器を保有していることから、彼らを過小評価してはなら
ない、とも述べた。憲法擁護庁長官マーセンは、イスラーム教テロ
組織を、国内の安全にとって最大の危険である、としている。この
報告書によれば、急進派イスラーム教徒サラフィストの支持者の数
は、2016年には、9,700人に増加した
ヒジャーブ禁止反対のヘッセンでの緊急動議が憲法裁で失敗
あるイスラーム教徒の試補見習女性が、ヘッセン州司法に、ヒ
ジャーブ禁止に抵抗する緊急動議を起こしていたが、これが失敗に
終わった。司法手続きにおける国家の中立性の規則の方が、重大裁
判手続きの判断が下されるまでは、原告の宗教および職業の自由よ
りも重視される、と連邦憲法裁判所は、カールスルーエで発表した
決定の中で述べた。ヘッセン州では、宗教上の理由からヒジャーブ
を着用する試補見習女性たちが、審理中に裁判官席に座ることが許
されていない。訴えを起こしたモロッコ系ドイツ人女性は、同州の
試補見習女性であり、そのため憲法裁判の他、この緊急動議も提出
していた。裁判官のそれ以外の判決理由では、国家は裁判の審理の
中では、勤務中に、ある信仰や世界観に「意図的な影響」を与える
ことは許されないので、法手続に関わる者はすべて、中立の裁判官
の判断を要請する権利を持っおり、試補見習も、この中立性の規則
を尊重しなければならない。
アラブ首長国連邦はこれ以上のカタール制裁に関する観測に反論
湾岸諸国が、カタールに対してさらなる制裁を科す、との観測が流
れているが、アラブ首長国連邦は、これを否定した。外相シェイク
アブドゥッラーは、アブ ダビでドイツ外相ガブリエルと会談した
後、これを発表した。サウジ･アラビア、アラブ首長国連邦、バー
レーン、エジプトは夕刻に、首長国カタールに対して、13項目の要
求を実行に移すように求めていた。カタールは、急進派の支援をや
め、イランとの関係を解消し、テレヴィ局ジャジーラを閉鎖するの
が、その要求の中心である。シェイク アブドゥッラーは、その理
由として、カタールとの間では長年にわたって問題があり、カター
ルでは人々が憎しみをもつように煽動されており、協力する用意が
ない、とも述べている。エジプトと湾岸諸国はそのため、6月初め
にすでにカタールに封鎖措置を科していた。
７月５日（水）
ドイツと中国は関係を深める意向
ドイツ首相アンゲラ メルケルは、中国大統領習 近平と会談し、
両国の良好な協力を強調した。同時に彼女は、ドイツ企業が中国市
場に寄り接近しやすくなるように要請した。習は、中国政府も、経
済、貿易、金融機関の分野で、より協力を強化するよう努力してい
る、と強調した。メルケルと習が出席する中、200億オイロの大型
航空機の受注に、署名がなされた。それによれば、ヨーロッパの航
空機製造大会社は、今後数年で、中国に140機を納入することに
なっている。首相府での今回の会合では、金曜日にハンブルクで始
まるG20首脳会談の準備も進められた。
その他のニュース
ドイツ政府は中国人ノーベル平和賞受賞者の治療を歓迎
中国が、癌にかかったノーベル平和賞受賞者リウの治療のために、
ドイツ人専門医を含む外国人医師が関わることを認めるのを、ドイ
ツ政府は歓迎した。この件では、連邦政府は中国政府と緊密な連絡
を取っている、と政府は発表した。この問題がドイツ首相メルケル
と中国大統領習との会談で、取りあげられたかどうかは、連邦政府
は言及しなかった。人権活動家リウは、肝臓癌にかかり、生死の境
をさまよっている。彼は先日、収容所から病院に移された。ただし
中国は、重病の彼が、外国で病院の治療を受けるために出国するの
を拒否している。
エルドアンは演説禁止を批判し新たな非難を立ち上げる
金曜日にハンブルクで開かれるG20首脳会談の直前に、トルコ大統
領エルドアンは、ドイツに対する論調を厳しくして、演説するため
にドイツに登場する権利を強く主張した。エルドアンは週刊新聞
「ツァイト」紙に、彼の登場をドイツが拒否していることに関連し
て、ドイツは政治的に自殺しつつある、「ドイツはこの失策を修正
しなければならない」と語った。またエルドアンは、ドイツ政府に
対して、テロを支援している、と非難した。彼はこの件では、トル
コがイスラーム教の説教師ギュレン支持者を追放するように求めて
いるのを、ドイツが拒否していることを取りあげた。さらに彼は、
トルコで拘留されているトルコ系ドイツ人記者ユジェルの釈放を、
ドイツが求めているのを拒否した。メルケルはおそらく木曜日に、
エルドアンと2者会談を行なう意向である。政府広報によれば、こ
の要請はトルコ側から言い出されたものである。
トルコ政府は外国に逃亡した兵士を密かに見張る
トルコはおそらく、逃亡兵を組織的に探っている。「南ドイツ新
聞」、放送局NDRとWDRの調査によれば、参謀本部は、すべてのトル
コの軍専門担当官と、国外にあるNATO基地に勤務するトルコ人将校
に、以前の戦友を詳しく調査するように指示していた。特にトルコ
政府が知りたいのは、彼らがどこに住んでいるか、そして亡命申請
を提出したかどうか、西側政府や報道機関と連絡を取っているかど
うかである。多くのトルコ軍関係者と外交官は、政権転覆未遂事件
以降、ヨーロッパ特にドイツに避難先を求めている。トルコ軍の複
数の将校が、ドイツに亡命を認められた。ドイツでのトルコのスパ
イ活動と見られる者が、かなり以前から両国関係の不調を生んでい
る。
７月６日（木）
トランプはNATO支持を明言
米国大統領ドナルド トランプは、ポーランドを訪問し、NATOを支
持する方針を明確に表明した。彼はワルシャワで、米国は軍事同盟
NATOの中で、相互に支援し合う義務を「強く」支持している、と述
べた。さらに彼はロシアに対して、ウクライナおよびその他の地域
で、情勢を不安定化させる措置を取らないように、と訴えた。トラ
ンプは金曜日に、ハンブルクのG20首脳会談で、初めてロシア大統
領ウラジーミル プーチンと会談する意向である。
その他のニュース
EUと日本は自由貿易協定に合意
EUと日本は、自由貿易協定の原則に合意した。EU委員会議長ユンケ
ルは、日本首相安倍およびEU評議会議長トゥスクと出席した、ブ
リュッセルでの記者会見で、2019年初めには、この条約を発効させ
たいが、取り付けられた合意は、最終的なものではない、と述べ
た。しかし彼は、詳細を詰める交渉には困難な問題はないと思う、
とも語った。ドイツ経済相ツュプリースは、この協定を歓迎した。
EUと日本の間で取りまとめられた基本合意は、G20首脳会談を前
に、自由貿易を支持し、保護主義に反対する重要な意志表明であ
る、と説明した。
EU議会はトルコとの加盟交渉中止を要請
ヨーロッパ議会は、トルコとのEU加盟交渉を中止するよう要請し
た。4月に実施されたトルコ憲法に関する国民投票に基づく改革
は、「コペンハーゲン基準」とは一致しない、と議決された報告書
には記されている。議員たちはストラスブールで、政党の枠組みを
超えて、EU委員会に対するこれに関する要求に賛成する投票を行
なったが、これには法的拘束力はない。EU加盟のためには、EU加盟
各国の大統領と首相は、コペンハーゲンでの会談で、複数の前提条
件を明文化したが、その中井は民主的かつ法治主義の秩序などの基
準、人権に対する警告、少数派の重視と保護が含まれている。
ベルリンの地下鉄で蹴りつけた男にほぼ3年の拘留刑
ベルリンの地下鉄の階段で、若い女性を乱暴に足蹴にした事件で、
犯人は2年と11ヶ月のこう流刑に服さなければならない。ベルリン
州裁判所は、木曜日の判決では、28歳のこの男が、2016年10月に、
ノイケルン地区にある地下鉄ヘルマン通り駅の階段で、背中を激し
く踏みつけ、転落させていた。これより前に、被告は刑罰を軽減さ
れる人物に分類される、との鑑定が下されていた。被告S.には、病
的精神的障害がある、とされている。裁判のの冒頭では、この男は
警察が公表した監視映像に姿が映っていることを認めたが、この犯
行のことを思い出すことができない、と述べていた。被害者は腕を
骨折し、頭部に裂傷を負った。捜査目的で公表された犯行の映像の
ため、この事件は全国的に有名になった。
７月７日（金）
トランプとプーチンがG20首脳会談で接触
ハンブルクでのG20首脳会談に並行して、米国大統領ドナルド ト
ランプは、ロシア大統領ウラジーミル プーチンと、初めて会談し
た。両者は会談を開く前に、報道関係者の前に短時間姿を現した。
この接触は、緊迫感を持って見守られていた。先日トランプは、ロ
シア政府を厳しい言葉で攻撃していた。トランプはポーランドを訪
問した木曜日に、ロシア政府が「不安定化させる」行動を取ってい
る、と非難した。
ドイツ首相アンゲラ メルケルは、ハンブルクに集まった各国の大
統領と首相に、妥協に向け用意するよう呼びかけた。2日間の首脳
会談の主催者である彼女は、気候保護および自由貿易など、反対意
見もある問題で合意を取り付けるべく努力している。
一方治安当局は、市内で暴力的な衝突がさらに起こる、と予想して
いる。警察とデモ隊が衝突し、少なくとも警官160人が負傷し、G20
反対派多数が看護人の手当を受けざるを得なかった。
その他のニュース
連邦参議院は「すべての人の結婚」と政党財源の修正を可決
同性愛者に対して結婚を開放する法律が発効するかもしれない。連
邦参議院での投票で、この法律は、国会での最後の障害を乗り越え
た。これより前に、連邦議会は、同性婚を異性婚と法的に平等に扱
うことに賛成していた。さらに連邦参議院は、急進的な政党に対す
る政党支援金の支払いを、中止することを決めた。新たな規則を通
過させるために、基本法が修正された。新しい規則は、右翼急進派
「ドイツ国家民主党NPD」を禁止しようとしたが、失敗したことを
受け、連邦憲法裁判所の勧告に基づいて発案された。ドイツでは政
党の禁止には高い障害が設けられている。
カタールはさらなる制裁を覚悟しなければならない
首長国カタールを巡る紛争は、さらに激化する兆しがある。サウ
ジ･アラビアとその他のアラブ3カ国は、湾岸のカタールが自分たち
の要求を履行しないのであれば、新たな制裁を科す意向である。
4カ国は共同声明の中で、カタールの攻撃的な政策から身を守るた
めに、「必要な措置」を講ずるつもりである、と発表した。特にカ
タールのテロ支援と見られるものと、シーア派のイランとの密接な
関係が、4カ国にとっては、目の上のたんこぶである。米国外相
ティラーソンは来週初めに、この地域を訪問し、紛争解決に向けて
話し合いを行なう方針である。
キプロス交渉は成果なく終了
キプロスの再統一に関する交渉は、成果を上げることなく終了し
た。国連事務総長グテーレスは、交渉失敗に失望した、と表明し
た。スイスのクラン・モンタナで、地中海の島国のギリシア側とト
ルコ側の大統領が、国連の仲裁の元で、解決の道を探った。キプロ
スは、1974年に、トルコ軍が島の北側を選挙してから、分断されて
いる。今日に到るまで、3万5千人以上のトルコ兵が、キプロスに駐
留している。再統一に向けて未解決の問題が多数あるが、それに
は、同島の将来の権力分割、地域の分割、所有権が含まれている。
７月８日（土）
メルケルは「解き放たれた暴力と遠慮ない残虐行為」を非難
ドイツ首相アンゲラ メルケルは、G20首脳会談の決定に満足の意
をわ表した。彼女はハンブルクでの会合終了後に、貿易問題では、市
場を開かれたままにしなければならないとの発言に、合意が得ら
れ、加えてG20は、保護主義および不公平な貿易制限と戦うことで
合意した、とも述べた。またメルケルは、気候保護政策に関して
は、米国がパリ気候協定から離脱すると予告し、異なる立場を明確
にしたにもかかわらず、結論に満足である、と表明した。
G20首脳会談開催中に続いた暴力行為に関してメルケルは、「解き
放たれた暴力と遠慮ない残虐行為」を非難し、ドイツ政府はハンブ
ルク市と協力して、発生した被害の犠牲者を、「できるだけ迅速
に、そしてできるだけ役所仕事ではない形で補償するにはどのよう
にすればよいか」検討する、と述べた。木曜日夕刻から、ハンブル
クでは暴力行為が一部、激しくなっていた。
その他のニュース
G20首脳会談 トランプは環境保護では孤立したまま
気候保護を巡る対立では、G20加盟国は、米国大統領トランプと対
立した。主要工業国20カ国のうち19カ国は、共同声明の中で、会気
候協定を「迅速に」実施に移したい、と強調した。声明によれば、
長い議論の末、米国と他のG20加盟国の間の対立も、最終文書に取
り込まれた。その中には他の19カ国が、米国が共通の気候保護から
離脱したことを承知しており、この協定が、「不可逆的」なものと
されているため、交渉をやり直したいとの米国の要求は拒絶され
る。トランプへの譲歩として、米国は他の国々と密接に協力して、
「化石燃料をより清潔に、より効果的に利用する」のを助ける、と
の一文が付け加えられた。
G20は企業家女性育成計画を立ち上げる
G20首脳会談では、各国の大統領と首相は、発展途上国で女性企業
家育成のために、基金を設立した。合わせて3億2千5百万ドルの支
出が約束された。ドイツ首相メルケルは、この発案は、貧しい国の
女性が、自ら自分の未来を手に入れるのに貢献する、と述べた。こ
の基金は、世界銀行総裁キムと、大統領の娘イヴァンカ トランプ
が提案したものである。財源は世界銀行から出されることになって
いる。
G20反対派がハンブルクでデモ
「G20の代わりに境界なき連帯」という標語を掲げて、数千人のデ
モ隊が、ハンブルクの路上に繰り出した。警察の発表では、ダイヒ
門広場に1万5千人ほどが、抗議デモのために集まり、彼らは午後早
くに2万人以上にふくれあがった。この先頭に立ったのは、笹の政
治家ファン アーケンである。この抗議活動は、貧困、戦争、難民
の原因に向けられている。警察は、この行進は平和的に行なわれ
た、と述べた。午後遅くまでには、参加者は10万人になると予想さ
れている。連邦内相デ メズィエールは、この前に首脳会談とへ移
行して起きた暴動を、「理解できない」とし、ハンブルク首脳会談
を実施するとの決定を批判する意見を退けた。金曜日夜には、激し
い不法行為が、略奪および放火に発展した。2百人を超える警官が
負傷した。デモ隊多数も、医師の治療を受けなければならなかっ
た。
７月９日（日）
ISの拠点モースルがイラク治安部隊によって奪還された模様
以前ISの拠点であったモースルは、イラク治安部隊に奪還されたよ
うだ。首相ハイダー アル・アバディは、モースルのいわゆるイス
ラーム教国に対する「勝利」を宣言した。これより前に国営放送
は、精鋭部隊が、ティグリス川の沿岸に進軍した、IS戦闘員はこの
川を越えて逃げようとした、と報じた。軍によれば、急進派30人が
死亡した。
その他のニュース
シリア南西部での停戦が発効
シリア南西部では、日曜日現地時間12時に、ロシアと米国が予告し
ていた停戦が発効した。米国大統領トランプとロシア大統領プーチ
ンは、ハンブルクでのG20首脳会談と並行して、停戦を予告してい
た。停戦は、ダルアー州とクネイトラ州、ロシアによればさらに、
ヨルダン国境のスワイダー州に対するものである。プーチンは、ヨ
ルダン、ロシア、米国の話し合いで到達した合意を、トランプとの
会談で「最大の突破口」である、と評していた。米国政府は、この
停戦を、「希望を抱かせる」一歩であると称賛した。米国治安顧問
マクマスターは、この種の緩和地帯は、米国が重視していたもので
ある、と説明した。この会議に参加した米国のある外交官は、この
合意は、この地域に対する全面的な停戦のための中間の一歩であ
る、と表した。シリア人権監視団によれば、このところ、シリア政
府による空爆が散発的に行なわれている。
米国外相ティラーソンは交渉のためウクライナへ向かう
米国外相ティラーソンは、ウクライナを訪問して、東ウクライナを
巡る紛争を、落ち着かせるよう呼びかけた。彼はウクライナ大統領
ポロシェンコとキエフで会談し他後、ロシア政府は最初の措置を講
じなければならない、と述べた。外務省の文書によれば、米国は東
ウクライナはウクライナの貢献が及ぶ範囲に、再び帰属するべきで
ある、との見解を支持している。ロシアのインターファクス通信
は、ロシアではいわゆるノルマンディ形式での電話会談を行なう用
意が進んでいる、と報じた。これには、ドイツ、フランス、ウクラ
イナ、ロシアが参加する。3年前から続いている親ロシア分離独立
派とウクライナ軍の紛争では、1万人以上が死亡した。
米国大統領府は誤って習近平を台湾大統領とした
米国大統領トランプが、中国大統領習と会談したことに関する報告
の中に、米国大統領府にとっては、気まずい誤りが入り込んだ。そ
の文言の中でトランプは、「中華民国大統領」と会談した、とされ
ている。しかしこの表現では、普通は台湾のことが表されており、
中国は公式には「中華人民共和国」と称する。中国政府は、台湾を
離反した州と見なしており、他国政府が台湾を公式に国家として承
認することを容認していない。台湾と友好関係を最後まで持ち続け
ているパナマが、先日中国の圧力で、台湾政府とのつながりを断っ
たばかりであった。米国のと中国の関係は、長年緊張しているが、
それは主として南シナ海の島々を巡る領土上の争いと、北朝鮮との
核を巡る対立での中国の役割が原因である。