7月24日〜30日のドイツのニュース



7月24日(月)

トルコ政府はドイツ企業にテロ支援の疑いをかける

トルコ政府は、ドイツ政府との対立で、ある点で逆戻りした。トル
コ政府は、テロ支援を疑われるドイツの企業およそ7百社の一覧表
を撤回した。内務大臣スレイマン ソイルは、ドイツナム大臣トー
マス デ メズィエールに対して、「意志疎通の点で問題」があっ
た、と述べた。トルコ当局は、国内でもドイツでも、ドイツ企業を
捜査していない。しかしドイツ政府は、EU加盟交渉を問題視するこ
とで、トルコに対する圧力を強めている。しばらく前には、外務大
臣ズィークマール ガブリエルが、トルコ政府との激しい紛争のな
か、ドイツの対トルコ政策を改めて作り直す、と予告していた。そ
の中には、トルコ経済が大きな打撃を受けかねない複数の手段も含
まれている。

     その他のニュース

「ジュムフリエット」の記者の裁判がトルコで始まる

イスタンブルでは、トルコの新聞「ジュムフリエット」の職員17人
の裁判が始まった。政府に批判的な同紙の記者たちの中には、現在
主席編集人を務めるサブンジュ、長年社説を書いているギュルセ
ル、風刺画家カルトが含まれている。彼らには、「テロ組織を支援
した」との容疑がもたれている。2016年7月の政権転覆未遂事件
と、非常事態宣言発令以降、トルコ治安部隊は、批判的な記者に対
して特別厳しく逮捕している。「国境なき記者団」の報道の自由番
付では、トルコは現在155井手あり、白ロシア(ベラルーシ)とコ
ンゴ民主共和国より下位である。

トルコ シュトイトナーの捜査のための拘留に異議

トルコで逮捕されたドイツ人人権活動家シュトイトナーと、ス
ウェーデン人同僚ガラヴィの弁護士たちは、捜査のための拘留に異
議を唱えた。弁護士ガラヴィはドイツ通信に、イスタンブル刑事裁
判所の決定が、火曜日に下されると見ている、月曜日には、ドイツ
とスウェーデンの総領事館の代表が、イスタンブルのマルテペの収
容所で、両者の依頼を受け取ったばかりである、と述べた。このこ
とは外交筋が確認した。シュトイトナーとその他の人権活動家の組
織は、研究会に参加しているところを逮捕され、ドイツとトルコの
関係がさらに悪化することにつながった。一方ドイツ内務省は、ト
ルコがテロ組織を支援していたとの疑いが持たれている企業名が掲
載された一覧表を撤回した、と発表した。それによれば、両国内相
の電話会談で、トルコの警察当局が「連絡上の問題」を抱えてい
る、と述べていた。

大統領がポーランド司法の改造を停止

ポーランド大統領ドゥダは、民族主義の保守派政権の問題の司法改
革を停止させた。彼はワルシャワで、圧政的な政権に対する不安
が、国民の中に極めて大きくなったのが、その理由である、と述べ
た。ドゥダはこれで「法と正義PiS」党と対立することになる。今
回の改革は、国会の両院で賛成多数を得ていた。この法律で、最高
裁判所の解任と任命を、政府ができることになる。この計画に反対
して、数週間前からポーランド人数万人が、路上に繰り出した。EU
は、司法制度改革に対する強い疑念を訴えていた。大統領は、改革
を再検討するために、国会に戻したい、と述べた。




7月25日(火)

NSU裁判で検察側はツシェーペが共犯だったと見る

連邦検察は、右派テロリストと見られるベアーテ ツシェーペを、
「国家社会主義地下組織NSU」の殺人と攻撃の共犯者として、有罪
判決を下すように求めている。連邦検察官ヘルバート ディーマー
は、ミュンヒェンでのNSU裁判最終弁論の冒頭で、彼女および同時
に訴えられた4人に対する検察側の容疑は、すべての重要な項目で
認められた、と述べた。ディーマーは、42歳の主たる被告である彼
女を、このテロ組織の共同創設者でその一員である、と述べた。こ
の組織は、殺人10件、釘爆弾による攻撃2件、略奪を目的とする襲
撃15件を引き起こした、とされている。検察側は、この連続テロの
動機は、ツシェーペと共犯のウーヴェ ムントロス、ウーヴェ 
ベーンハルトが抱いていた「急進右派のイデオロギー」であった、
としている。4年にわたるこの裁判は、ようやく最後を迎えてい
る。連邦検察は、結審に向けた朗読に22時間ほどが必要である、と
予告している。そのため、複数の日程が予定されている。ツシェー
ペ及びともに訴えられた被告4人に対する判決は、年内にも出され
る見通しである。

     その他のニュース

EUはリビア沖での「ソフィア作戦」を延長

EUは、リビア沖で、今後も難民を海難事故から救助する意向であ
る。EU評議会によれば、加盟国は全会一致で、海軍の「ソフィア作
戦」を、2018年まで延長した。イタリアは7月中旬に、EU加盟国か
ら、難民危機から支援を受けるために、作戦の延長を一度は阻止し
ていた。今年初めから、9万3千人の難民が、船でイタリアに到着し
た。難民危機の中で、2015年から密入国業者連合に対して、「ソ
フィア作戦」が遂行されている。EUの艦船はその際、公海上で疑わ
しい船を、停めて捜査し、差し押さえることが認められる他、人々
を海難事故から救助する。昨年から、この海軍の作戦は、武器密輸
にも向けられ、リビア沿岸警備隊の人材の育成にあたっている。

イタリアは民間海難救助隊の行動基準を定める方針

イタリアは、非政府組織の救助活動に、さらに規則で縛る方針であ
る。イタリア政府の官僚は火曜日に、民間の海難救助隊と、行動基
準について議論している。これは、詩仲介での救助活動に、明確な
規則を定めるものである。規則の案はすでに、批判を生んでいる。
支援組織は、自分たちの救助活動は、すでに国際法を遵守するよう
義務づけられている、と主張している。イタリアはこの提案で、EU
加盟国から支持を受けている。非政府組織に対する批判は、地中海
での活動で、最近強まっている。これらの組織の一部は、密入国業
者と協力している、と批判されている。ただしそのことを示す証拠
はない。

パレスチナ人は今後も神殿の丘に入らない方針

パレスチナ人は、金属探知機が撤去された後もなお、神殿の丘に入
らない措置を継続する方針である。イスラーム教徒の代表は、緊急
会議後に、この聖なる施設の状況が、7月14に日以前の状況に完全
に戻すことを求める、と強調した。この日にアラブ人の襲撃犯が、
イスラエルの警官2人を殺害した。イスラエルはその後、神殿の丘
入口での安全対策を強化していた。金属探知機の設置は、深刻な騒
乱を生んでおり、その際パレスチナ人4人が死亡した。月曜日夜に
は、イスラエルは命令を発して、これを撤去させていた。その代わ
りに、それほど邪魔に感じられない最新式の監視装置を設置する、
と政府は発表した。神殿の丘は、イスラーム教徒とユダヤ人にとっ
て、同じく神聖な場所である。ここにはアクサ・モスクと、岩の
ドームおよびユダヤ人の嘆きの壁が立っている。




7月26日(水)

EU委員会は投票権剥奪手続きを開始するとポーランドを威嚇

ポーランドでは、問題の最高裁判所改革が計画されているが、EU委
員会は、ヨーロッパの局面で投票権を剥奪する手続きを開始する、
と威嚇している。委員会副議長フランス ティマーマンスは水曜日
にブリュッセルで、ポーランド政府が、裁判官に自宅待機を強制す
るのであれば、当局はEU条約第7条に基づいて、この手続きを「即
時」開始する、と述べた。また彼は、ポーランドの通常裁判所が、
新たな態勢に向けて可決した法律を公布したらただちに、条約侵害
手続きを取る、とも予告した。

     その他のニュース

テロ対策の出動でイスラーム教徒と見られる3人が逮捕される

メクレンブルク・フォアポンメルン州で、テロ対策に出動が取ら
れ、イスラーム教徒と見られる3人が逮捕された。連邦検察庁の発
表によれば、警察はギュストロフおよびその周辺で、複数の建物の
捜査を行なった。連邦検察庁の発表によれば、この捜査は、国家を
危険にさらす暴力行為の準備をしていた、と見られる3人の男たち
に対するものであり、危険を回避するために、容疑者を逮捕した。
広報は、これは司法上の意味では、暫定的な逮捕である、と強調し
た。州内相カフィエ(キリスト教民主同盟)は、これは「イスラー
ム教徒のテロに対する打撃」である、と述べた。

サラフィスト説教師ラオに5年半の拘留

サラフィストの説教師で「シャリア警察」の発案者ラオは、刑務所
に入らなければならない。デュッセルドルフ上級州裁判所の国家保
護部は、彼に対して5年半の拘留を言い渡した。判決理由によれ
ば、ラオは、外国のテロ組織支援の4件で有罪である。連邦検察庁
は、彼がシリアの急進派組織JAMWAを、拡大した部門として支援し
ており、この組織のために資金を集め、先頭の意欲がある者たちを
募集していた、との疑いを持っていた。告訴人は、2016年9月に始
まったこの裁判の最後で、ラオに対して6年半の拘留刑を請求し、
彼の弁護士は無実を主張していた。

裁判所「チュニジア人テロ容疑者の国外追放は許されない」

2月にヘッセン州で踏み込まれて逮捕されたチュニジア人テロ容疑
者は、故郷へと国外追放されてはならない、フランクフルト行政裁
判所は、この男性の緊急動議を聞き届け、チュニジア政府が伝えて
きた説明は、国外追放をするのに必要な条件を満たしていない、と
した。同裁判所第6部は、北アフリカの同国が、ドイツ政府に、国
外追放前に、国際法上必要な、この男が死刑に処されない、との保
証を要求していた。チュニジア政府の口上書は、この条件を満たし
ていない、と同裁判所はこの決定の理由を述べた。同裁判所第6部
の決定は、取り消されることがない。このチュニジア人は、テロ民
兵「イスラーム教国IS」のために、ドイツで準備を進め、支援組織
網を立ち上げていた、とされている。




7月27日(木)

ツュプリースは米国の新たな対ロシア制裁に警告

ドイツ政府は、米国の新たな対ロシア制裁に警告を発した。連邦経
済大臣ブリギッテ ツュプリースは、テレヴィ番組の中で、これは
米国との「複雑な関係の中で、いずれにせよ私たちを心配させるも
う一つの点」である、と述べた。ロシアで投資をするドイツの企業
は、新たな制裁措置で、損害を受ける可能性がある。米国下院は火
曜日に、対ロシア新制裁を可決した。この法律は今後、上院を通過
しなければならない。ドイツ政府は、ロシアの燃料産業と協力して
いるドイツ及びその他のヨーロッパの企業に対する制裁を生む可能
性がある、との懸念を持っている。特に問題になるのは、2019年か
ら天然ガスをロシアからドイツに輸送する北第2経路の輸送管であ
る。

     その他のニュース

ヘンドリクスはドイツの自動車産業を厳しく批判

連邦環境相ヘンドリクスは、ドイツの自動車産業を厳しく批判し
た。彼女はフォルクスヴァーゲン社社長ミュラーとヴォルフスブル
クで会談した後、違法な企業結合の協定を結んでいた、との疑い
は、信頼感を破壊してしまった、と述べた。さらに彼女は、自動車
製造会社「経営の中で、弊害があちこちに生じ」た、とも語った。
政治と産業が「あまりにも」接近していたため、自動車産業は「あ
まりにも安全だ」と感じていたので、国にも失われた信頼を取り戻
す責任の一端がある、とも述べた。ヘンドリクスは、連邦交通省の
他に、監視機関を作るように求め、この機関は、環境省あるいは購
買者保護省の元に作ることができる、とも語った。

イスラーム教徒テロ危険人物の国外追放は基本法に合致

いわゆるイスラーム教徒危険人物の国外追放は、適法である。連邦
憲法裁判所は、このように決定した。それによれば、ドイツの国籍
を持たない人物が、ドイツ連邦共和国の安全にとって、特別の危険
あるいはテロの危険を回避するために、迅速手続きで国外退去させ
ることができる。同裁判所の裁判官の決定では、この規則は(憲法
にあたる)基本法に合致している、とされている。この条項は、
2001年9月11日の米国での襲撃事件に導入された。ただし、12月の
ベルリンのクリスマス市襲撃事件後、ようやく適応された。同裁判
所では、ブレーメンでの事件を取りあげた。これらの裁判官たち
は、この措置を初めて根本的に検討した。

フランスはこの夏にもリビアに難民施設を作る方針

フランスはこの夏にも、いわゆるホットスポットつまり難民施設
を、北アフリカの危機の国リビアに建設する方針である。大統領マ
クロンが、オルレオン市の難民宿泊施設を訪問した際に、フランス
はこれに関しては、EUとともにあるいは単独で行動するつもりであ
る、リビアの難民施設は、亡命できる可能性がない人が、地中海を
経由して大きな危険を払うのを押しとどめるためのものである、と
述べた。難民登録本部は、すでにギリシアやイタリアなど、EUと外
部の国境の国々には作られている。リビアから、多くのアフリカ人
が、地中海を越えてヨーロッパにたどり着こうと試みている。難民
はこの危険な渡航で、繰り返し溺死している。




7月28日(金)〜29(土)

お休みです。



7月30日(日)

フォン デア ライエンがマリに兵士を訪問

国防大臣ウルズラ フォン デア ライエンは、マリで殺害された
連邦軍兵士を、現地で追悼した。彼女は砂漠の都市ガオで、ヘリコ
プターの墜落で命を落とした戦友たちは、経験豊かで重んじられて
いた兵士であった、と述べた。現地のカストル基地には、国連のマ
リ多元的統合安定化作戦MINUSMAに参加する連邦軍の兵士8百人以上
が駐留している。フォン デア ライエンは、なぜティーガー型軍
用ヘリコプターが、水曜日に墜落したのか、十分慎重に調査しなけ
ればならない、と述べた。
土曜日にフォン デア ライエンは、ドイツに運ばれた兵士の遺体
を、厳粛に出迎え、その後に西アフリカ訪問に旅立った。彼女はマ
リから、ニジェールへ訪問を続ける予定である。

     その他のニュース

ベネズエラの憲法集会の候補者が射殺される

ベネズエラでは、問題の憲法制定集会の候補者1人が殺された。検
事総局によれば、弁護士ピネダがボリバル州の自宅で、何ものかに
よって射殺された。ピネダは、与党社会党の支持者と目されてい
た。この集会の545議席を目指して、合わせて5千5百人の候補者が
立候補している。野党は、投票に参加しないように訴え、政府の禁
止にもかかわらず、抗議行動を呼びかけた。大統領マドゥーロが、
「独裁的な全権」を確保しようと、憲法制定集会を、自分の支持者
で占めさせるつもりである、と彼らは非難している。これに対して
マドゥーロは、新憲法は、同国の深刻な危機を調整するためのもの
である、と述べた。兵士20万人ほどが、投票の警備に当たることに
なっている。多くの専門家は、事態が激しさを増す、と予想してい
る。4月初めに抗議の波が起こってから、すでに1百に二条が死亡し
た。

中国が軍行進で権力を示威

中国は軍の行進で、人民解放軍創設90周年を祝った。大統領習近平
は、首都北京の北西4百キロほどのモンゴリアにある訓練基地での
この行進を見聞した。国営の報道機関は、兵士1万2千人、数百機の
飛行機とそれ以上の自動車が、この行進に参加した、と述べた。習
は、戦闘服を着てこれに登場した。彼は、軍は共産党と、その「絶
対的指導部」を「揺るぐことなく」支持しなければならない、と演
説した。この行進は、事前には秘密のまま執り行われた。中国軍
は、世界最大の軍隊である。3月の国民議会は、1,420億オイロ相当
の資金で、中国史上最大の軍事予算を組む、と予告していた。ただ
し潜在的には、支出額の伸びは、過去25年では最低である。

連邦閣僚は自動車産業に行動を起こすよう求める

連邦閣僚は、軽油自動車の危機に関して、自動車産業には義務があ
る、と見ている。「ビルト紙日曜版」によれば、連邦交通相ドブリ
ントは、自動車製造会社には、信頼を回復し、犯した失策を取り戻
す「巨大な」義務がある、と述べた。さらに、排気ガスの事件に関
連して、といつの自動車に一般に、印象を悪化させる恐れがあり、
この危機は「ドイツ経済全体にとっての危機である」とも語った。
連邦経済相ツュプリースの見解も、これと大きく違わない。彼女の
考えでは、ドイツの製造業者は、中国その他の国々の競争相手と、
電気自動車に関して、肩を並べて行かなければならないのであれ
ば、迅速に行動しなければならない。フンケ報道連合の新聞各紙と
のインタヴューで、ツュプリースは、ドイツの内燃自動車を廃止す
る具体的な日程については、「無意味であり、目的遂行に役立たな
い」として、言及を拒否した。




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