5月28日〜6月3日のオーストリアのニュース



5月28日(月)

     国外ニュース

汚職事件 スペイン政府は生き残りを賭けて戦う

スペインの保守派首相マリアーノ ラホイは、自党の要人に劇的な
汚職判決が下されたことを受け、少数派政権の政治的な息の頃を求
めて戦っている。野党社会民主党PSOEが提出した不信任動議が、今
週国会で審議される。ラホイの唯一の可能性は、彼の解任が、多数
派の構成が複雑であり、現時点では組閣が困難であるという点であ
る。社会民主党は、左派のポデモスと同じ船に乗ってはいるが、自
由派の政党シウダダノスは、別の道を歩む方針である。分離独立派
の会派は、単独で行動している。

     国内ニュース

最低保障 各州は称賛から懐疑まで様々な反応

政府は月曜日に、最低保障に関する国内統一の規則を提案したが、
これにはニーダーエスターライヒ州およびオーバーエスターライヒ
州からは、賞賛の声が出た。しかし他の国は懐疑的で、話し合いの
必要がある、と見ている。政府が「合憲の」手段を見つけ出すとし
ても、法律家たちは、EU法及び憲法で手続きに入る前提条件で合意
できるか、疑問視している。




5月29日(火)

     国外ニュース

亡命中のロシア人記者がキエフで射殺される

火曜日にキエフで、政府に批判的なロシア人記者アルカディ バブ
チェンコは射殺された。脅迫されたことを受けロシアを離れた記者
は、自宅で背後から3発撃たれて殺された。バブチェンコは、勝つ
では、チェチェーニア戦争で兵士であったが、有名な戦闘通信員と
なり、ロシア大統領ウラジーミル プーチンの批判家となった。ウ
クライナの首都キエフで、記者が殺害されるのは、この4年間で3度
目である

     国内ニュース

ピルツ候補者名簿 最初の失敗の局面

役職、党内での委任要求、インターネットを用いた伝達をめぐり駆
け引きが行なわれ、ピルツ候補者名簿LPは現在、「極めて醜い風俗
画」を描き出している、と政治学者ペーター フィルツマイアーは
テレヴィ番組で述べた。ペーター ピルツが国民評議会に復帰する
かどうかは相変わらず不明であり、多くの疑問符がつけられてい
る。同党は、既存政党とは「異なる」と繰り返し主張しているが、
笑い話に落ちぶれた。




5月30日(水)

     国外ニュース

米国はEU向けの懲罰関税を実行に移すとの報道

米国はおそらく、EUからの鉄とアルミニウムに、輸入税を導入する
件を、実施に移す模様である。水曜日の「ウォール街通信」紙によ
れば、米国政府は木曜日にも、これに関する計画を提出する方針で
ある。EUと米国政府の交渉は、成果をあげることがないままであ
る。

     国内ニュース

人材の自由な移動に関して野党はシュトラーヘを批判

副首相で自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヘは、
EU内での人材の自由な移動に関して発言したが、社会民主党と新
オーストリア党NEOは、これを厳しく批判した。「労働者の派遣の
問題は、EUを破壊することで解決することはできない」、と社会民
主党党首クリスティアン ケルンは水曜日のテレヴィ番組で述べ
た。さらに彼は、この点では、EU議会が昨日決定したばかりのより
よい規則が必要だ、とも述べた。シュトラーヘは、ウィーンのEUの
施設で議論された際に、現在の規則の改革に賛成である、と述べて
いた。その規則では、EUの市民は、自分の選択でどの加盟国にも住
み、働くことが許される。



5月31日(木)

     国外ニュース

イタリア新政府はほぼ確定

数種官の駆け引きの末、右派「同盟」と大衆迎合的な「五つ星運
動」からなるイタリア新政権が、ほぼ固まった。次期首相ジュゼッ
ペ コンテは木曜日夕刻に、大統領セルジョ マッダレーナの組
閣依頼を受けた。「同盟」党首マテオ サルヴィニは、内務大臣
に、五つ星運動党首ルイージ ディ マイオは外務大臣に就任する
予定である。国会が新政権に賛成するのは、確実と目されている。
ただし閣僚名簿には、反対意見のある名前も載っている。

     国内ニュース

ピルツ候補者名簿 コルバが議席を返上

ピルツ候補者名簿LPは、落ち着かない。木曜日には元会派長のペー
ター コルバが、議席を返上する、と予告した。「私はこの政党と
はもうつながりを持つつもりはない」とインターネット上に書き込
んだ。この数時間後には、ブルーノ ロスマンとウォルフガング 
ツィングルからなる、会派の新幹部会が発表された。同党は記者会
見で、国会議員マルタ ビスマンが同党を離脱するなら、同党創立
者のペーター ピルツが、国民評議会に復帰できるには、「一つし
か選択肢」がない、と発表した。ただしコルバの辞任では、1議席
が空く。




6月1日(金)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

ベネズエラ マドゥロの反対派が刑務所を出所

ベネズエラ政府は金曜日、拘留中の反政府勢力数十人を釈放した。
その中には、野党の要人2人ダニエル セバリョスとアンヘル ビ
バスが含まれている。大統領ニコラス マドゥロは、2週間ほど前
に再選された後、釈放を約束していた。ただし人権保護団体によれ
ば、まだ360人以上の政府批判家が、南アメリカの同国では拘留中
である。

     国内ニュース

豪雨、雷雨 東オーストリアでは洪水

オーストリア東部では悪天候で、緊急部隊が金曜日中、全力で活動
し続けた。ブルゲンラント州では消防が、午後遅くまで150回を越
える出動を記録した。ニーダーエスターライヒ州では、緊急部隊数
百人が出動した。また東シュタイアーマルクでは、農地が水を受け
止められなくなった。犠牲者の1人は、短い時間のうちに自分の庭
が「池」のようになった、と描写した。




6月2日(土)

     国外ニュース

トランプの懲罰関税 米国企業にも影響

米国大統領ドナルド トランプによる懲罰関税の決定の影響の規模
全体が、早くも米国企業に及んでいる。そしてそれもトランプがお
そらく考えていなかった分野ででもである。冷蔵庫などを製造する
複数の米国の会社が、ヨーロッパなどへ製造拠点を移し、米国企業
から今まで計っていた部品を、今度やヨーロッパあるいは中国の納
入会社から購入している。

     国内ニュース

EU予算 評議会議長団は「両天秤」

小さくなったEUにはこれ以上の加入料は支払えない。複数年の予算
の枠組に関する議論の中で、オーストリアの立場ははっきりしてい
る。ただしこれは、EU委員会とEU議会の提案とは上手くかみ合って
いない。EU議会では、英国が離脱したためだけではなく、新たなEU
の課題に直面しているため、加入料の引き上げがやむを得ない、と
見なされている。評議会議跳弾と共に、オーストリア政府にとって
は7月1日から妥協案を探る道も予定されている。専門家の見方で
は、オーストリアはここではおそらく「両天秤」をかけるような行
動を取ることになる。




6月3日(日)

     国外ニュース

イタリアとスペイン メルケルには二重の攻撃

ここ数日で起きた2つの政権交代、イタリアでのものは予想通り、
スペインは予想外であったが、これはヨーロッパの権力関係に突然
の変動をもたらした。特に10年前に財政危機が始まってから、ヨー
ロッパでは公共部門での支出削減の方針が中心となっており、これ
に反対する陣営は、今度は大きく弱体化している。特にドイツ首相
アンゲラ メルケルにとっては、これは二重の痛手である。彼女は
週末にこれに対する措置を取った。

     国内ニュース

キクルは密入国業者緊急出動班を結成する方針

内務大臣ヘルバート キクル(自由党)は、サラエヴォで木曜日に
開かれる外相会談で、特にバルカン諸国からの難民及び密入国業者
にさらに措置を講ずるように、演説をする方針である。ボスニア・
ヘルツェゴヴィナの招待で、オーストリアのほか、アルバニア、ギ
リシア、クロアチア、マケドニア、セルビア、スロヴェニアの代表
も参加する。既に使用日には、スロヴェニアのブルドで各国の警察
長官が出席する会議で、実効ある対策が議論される。




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