6月4日〜10日のドイツのニュース



6月4日(月)

ヨルダン首相ムルキーが辞任

ヨルダンでは首相ハーニ ムルキーが辞任した。政府筋の情報によ
れば、彼は国王アブドゥラー2世に辞任願いを提出し、受け入れら
れた。過去5日間、数千人のヨルダン人が、ムリキの支出削減策に
反対して、全国で抗議行動が行なわれ、ムルキーの辞任を求めてい
た。ヨルダン政府は、この措置で、国際通貨基金IWFが科した課題
を解決するつもりであった。所得税を5%、法人税を最大で40%引き
上げる計画であった。

     その他のニュース

カブールでの聖職者会議が襲撃を受ける 8人が死亡

アフガニスタンの首都カブールでは、聖職者会議が自殺攻撃を受
け、警察発表によれば、少なくとも8人が死亡、9人が負傷した。犯
人は、聖職者が会議をしていたテントの入口の所で、爆弾に点火し
た。工業大学近くで開かれていたこの会議では、聖職者たちが長と
自殺攻撃長引くアフガニスタンの紛争に反対するファトワー(イス
ラーム教法学者の命令)に付いて話し合っていた。彼らは暴力を、
イスラーム法に反するものだ、と評価していた。今までこの攻撃を
起こした、と発表した組織はない。

マダガスカル首相辞任

マダガスカルでは、政治危機の中首相マハファリが辞任を発表し
た。大統領ラジャオナリマンピアニナは、野党と協力して、合意で
きそうな首相候補を探しているが、この辞任でそれが可能になっ
た、と首相は発表した。国防相ラソロンフォニリナは木曜日に、大
統領と野党が合意に達しないのであれば、軍を出動させる、と威嚇
していた。2009年の政権転覆異国、インド洋に位置する島国マダガ
スカルは、政治的に不安定な状態にある。

米国大使の発言にドイツ政府は理解できないと応答

新米国大使グレネルは、ヨーロッパの保守勢力を強めるつもりであ
ると発言し、ドイツ政府は理解できない、と発表した。ドイツ政府
は、外交上異例のこの介入をどのように理解すればよいか、米国政
府に説明を求めた。各党の代表は、具ネルを厳しく批判した。元社
会民主党党首シュルツは、51歳の外交官グレネルが、「極右の植民
地指揮官」のような態度を取っている、大使は国の代表者であっ
て、政治運動の代表ではない、と述べた。グレネルは5月に、在ド
イツ米国大使を務めている。




6月5日(火)

シリアのクルド人民兵はマンビジュから退去

トルコが威嚇したことを受け、民兵組織クルド人民防衛隊YPGは、
シリア北部のマンビジュから引き上げる方針である。同防衛隊は、
地元部隊の訓練は完了した、と発表した。トルコは同防衛隊と戦っ
ており、禁止されているクルディスタン労働者党PKKのシリアの分
派と目されている。同防衛隊は、2016年にテロ組織「イスラーム教
国」の手から、米国の支援を受けて、マンビジュを奪還した。トル
コ外務大臣メヴリュット チャヴシュオールは、米国に対して、こ
れ以上この民兵と挙力を続けない用意、と警告していた。両国政府
は先日、マンビジュに関して交渉していた。

     その他のニュース

イスラエルはイランの核濃縮を批判

イランは、ウラン濃縮用の新たな遠心分離器を製造する、と予告し
たが、これはイスラエルからの厳しい批判にあった。首相ネタニヤ
フは映像の中で、イランは倉庫いっぱいの核爆弾を作る意向であ
る、と述べた。イラン政府はこれより前に、国際原発機構IAEAは、
ウラン遠心分離器を増設する、と伝えていた。また同政府は、これ
は米国が離脱した国際核協定には違反しない、とも表明していた。
この協定では、イランは新たに遠心分離器を設置することはできる
が、2025年になってから稼働できる、とされている。

グレネルはインタヴュー後に批判の嵐にさらされる

ドイツ外相マース(社会民主党)は、在ドイツ米国大使グレネルの
発言に、いらだちを露わにし、グレネルが外務省に就任の挨拶をす
る際には、「いくつかのことが話し合われる、と説明した。元社会
民主党党首シュルツはインターネット上に、グレネルは「右翼急進
派の植民地将校」のように振る舞っている、と書き込んだ。グレネ
ルはインタヴューの中で、ヨーロッパの保守勢力と大衆迎合勢力の
力を強めるつもりだ、と述べていた。これで彼は、外交官は赴任中
には政治的には慎重に振る舞う、との不文律に反したことになる。

ツシェーペの元弁護士は釈放を要請

ツシェーペの当初の国選弁護人3人は、ナチ地下組織NSUの主要被告
である彼女の即時釈放を要請した。弁護士ヘーアは、ミュンヒェン
上級州裁判所で、ツシェーペは「テロリスト、殺人犯、襲撃犯では
ない」、訴えられた国家保護法上の犯罪では、すべての点で無罪が
言い渡される、と述べた。訴状によれば、ツシェーペは、既に死亡
したベーンハルトとムントロースと一緒に、ナチ地下組織を立ち上
げていた。このテロ組織は10件の殺人とその他の犯罪行為の責任が
問われている。




6月6日(水)

メルケル「ロシアのG8復帰はない」

ドイツ首相アンゲラ メルケルは、米国と共に先日拒否したにもか
かわらず、ロシアがG8に復帰する可能性はない、と見ている。彼女
は連邦議会で初めて質問を受け、G8は国際法に従って組織されてお
り、クリミアの併合は、国際法に明らかに反している、と述べた。
2014年にロシア政府は、西側の7大工業国とロシアからなるG8か
ら、離脱させられていた。次回のG7首脳会談は金曜日に始まるが、
米国との貿易をめぐる対立が、暗い影を落としている。

     その他のニュース

EUの報復関税は7月に開始

EUは米国に対する報復関税を導入すると予告していたが、これは
7月から取られる、とEU副委員長シェフチョヴィチがブリュッセル
で述べた。EU委員会は、5月中旬に輸入品の懲罰を導入する、と世
界貿易機関WTOに届け出た。EUは、ウィスキー、ジーンズ、オート
バイなどの米国産品に税金を導入して、米国の鉄及びアルミニウム
に対する懲罰関税導入に対抗する。EUは米国の関税を、世界貿易機
関の規則に違反している、と判断している。米国政府は、当初EUに
対する懲罰関税を免除していたが、この除外措置は5月に期限切れ
となっていた。

シュタインマイアーはポーランドとの協力を強調

ドイツ大統領シュタインマイアーは、ポーランドとドイツが到達し
た和解の状況を、危険にさらすことがないように、と警告した。換
えはワルシャワを訪問し、「日常の問題が拡大」しているが、歴史
を見れば、両国の協力関係が持つ責任は明確だ、と述べた。シュタ
インマイアーは、ワルシャワのユダヤ人居住区にある英雄記念碑に
花輪を供え、腰をかがめてお辞儀をした。第二次世界大戦中には、
およそ3百万人のポーランド系ユダヤ人が、ナチの絶滅政策の地勢
となった。

セウタに4百人が殺到する

北アフリカにスペインが持つ飛び領土セウタにある国境の柵に、半
年ぶりにアフリカの移民が大量に押しよせた。およそ4百人が、
6メートルの柵を乗り越えようとした、とスペイン民間親衛隊の情報
として報じられている。モロッコとスペインの治安部隊は、押しよ
せた人の多くを押し返すことができた、とのことである。移民の中
には、負傷して病院に運ばれた人もいる。2017年12月には、およそ
7百人のアフリカ人が、モロッコとEUを分かつ国境の柵に押し寄せ
たばかりであった。




6月7日(木)

プーチンはウクライナを威嚇

ロシア大統領ウラジーミル プーチンは、ウクライナ政府が、6月
14日から7月15日の間のサッカー世界選手権の期間中に、東ウクラ
イナの分離独立派に対する攻撃を支持するなら、重大な結果を招く
ことになる、と威嚇した。彼は毎年恒例のテレヴィの質疑応答で、
挑発がないとよいのだが、と述べた。2014年にロシアがウクライナ
のクリミア半島を併合したことで、東ウクライナ紛争が勃発した。
今まで1万人を超える人が殺された。公式には停戦が実施中である
が、両者共がこれを侵害している。

     その他のニュース

ゼーホーファーは難民の家族呼び寄せ制限を弁護

連邦内相ゼーホーファーは、難民の家族呼び寄せに関する新たな規
則案を、連邦議会で弁護した。彼は、この規則は、ドイツの受入能
力と、人道面の双方を尊重している、とも述べた。難民のうち、保
護の地位が制約されている人は、8月1日からは再び家族をドイツに
呼び寄せることができる。その数は、ドイツ全土で1ヶ月あたり1千
人に制限される。人権組織と野党の一部は、この法律は家族保護の
基本的権利に違反している、と批判している。

ストックホルムトラック襲撃犯に終身刑判決

ストックホルム中心部で、5人の死者を出したテロ攻撃で、テロ民
兵「イスラーム教国IS」の支持者は、一生刑務所に入らなければな
らない。この40歳のウズベキスタン人は、盗んだトラックを意図的
に、ストックホルムの中心商店街で人混みの中に突っ込ませたこと
を認めた。彼は2017年4月7日の襲撃事件で、5人を殺害し、訴状に
よれば、およそ150人の命を危険にさらした。この男は、スウェー
デンに、ISとの戦いを断念させるつもりであった、と述べた。

ヨルダンは大規模抗議活動を受け増税を当面行なわない

ヨルダンの複数の都市で数日間の抗議活動が行われたことを受け、
次期首相ラッザーズは当面、増税計画を断念する方針である。彼は
木曜日の記者会見で、この法案の撤回に関して合意が得られた、と
述べた。首相ムルキが大衆の圧力に屈して、辞任を表明したことを
受け、今まで教育相を務めていた彼が火曜日に、国王アブドラ2世
から新首相に指名された。増税と物価高騰に対する抗議から、先週
水曜日から、日々路上で抗議する人の数が増えている。




6月8日(金)

トランプはロシアをG7へ復帰させる方針

米国大統領ドナルド トランプは、ロシアを主要工業国からなるG7
に再び受け入れることに賛成した。彼はカナダでのG7首脳会談開始
前に、世界を一つにまとめるために、ロシア政府が必要だ、と述べ
た。ロシアは4年前のウクライナ紛争の最中に、G8から除外され
た。ドイツ首相アンゲラ メルケルは、水曜日に、ロシアのG7復帰
に反対である、と表明したばかりであった。今回の金曜日からの
2日間のG7首脳会談では、鉄及びアルミニウムに対する米国の関税
をめぐる対立が、議題の中心になる可能性がある。

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シリアで襲撃事件 死者44人

シリア北西部が空爆を受け、活動家の最新情報によれば、子供を含
め、民間人少なくとも44人が死亡した。シリア人権監視団によれ
ば、多くの負傷者も出た、イドリブ州にあり、イスラーム教徒反乱
勢力が支配している最後の地域の一つとみられる村が爆撃を受け
た。英国を拠点とする同団は、ロシア軍機が攻撃を行なったとみら
れる、と発表した。ロシア政府はこれを否定している。

シュピーゲル誌「難民移民局捜査が拡大」

連邦難民移民局BAMF事件で、警察は捜査を拡大する、と報じられて
いる。「シュピーゲル」誌によれば、ブレーメン州刑事局は現在、
およそ50人規模の捜査陣を組織しており、彼らは難民も捜査するこ
とになる。同局全職員協議会議長は、連邦議会の内務委員会で、ブ
レーメンだけでなく全国で、質ではなく量が重視されていた、と述
べた。同局のブレーメン支局では、亡命許可が十分な根拠がないま
ま、1千件以上与えられていた、とされている。

ズザナを殺害したと見られる容疑者が逮捕される

連邦内相ゼーホーファーによれば、ズザナ殺人事件の主たる容疑者
が、北イラクで逮捕された。イラク国籍を持つ20歳のこの男は、連
邦警察の依頼を受けて、クルド人治安当局によって逮捕された。ド
イツ外務省はこれより前に、イラクとの間で引き渡し協定はない
が、個々の事例で、容疑者をドイツに引き渡すことは可能である、
と説明していた。容疑者は、マインツ出身の14歳の少女を強姦し、
殺害した、とされている。彼女の遺体は、水曜日に発見されてい
た。




6月9日(土)

トランプはカナダG7首脳会談を早期に去る

米国大統領ドナルド トランプは、主要工業国がカナダで開いた首
脳会談を、公式に終了するはるかに前に去った。ただし彼は声明の
中で、米国は長年不利な立場に置かれており、これをこれ以上甘受
するつもりはない、と述べた。さらに米国は、公平な市場参入と、
不公平な貿易慣行を廃止するように求めている、と述べた。トラン
プは、火曜日に北朝鮮の権力者キム ジョン ウンと会談するため
に、シンガポールに向かう。トランプの早期の出発は、一般にはG7
軽視のあらわれと判断されている。

     その他のニュース

ズザナ殺人事件で自白と引き渡しに関する報道

ズザナ殺人事件で容疑が持たれているイラク人アリ B.は、
「ヴィースバーデン クリール」紙及び「マインツ一般新聞」によ
れば、土曜日夕刻にフランクフルト空港に到着する。この容疑者
は、イラク北部に逃げ込み、そこでクルド人治安部隊に逮捕されて
いた。報道によれば、この男は現地で、14歳の少女を殺害した、と
自白した。この報道を裏付ける情報は、今のところない。

左翼党は難民に国境を開放するのに賛成

野党左翼党は、難民に対して国境開くのに賛成した。ライプツィヒ
での党大会に参加した代議員たちは、これに関する党幹部の中心動
議に、多数が賛成した。また難民発生の原因を、より上手く取り除
くことに理解を求めた。さらに、両党首キピングとリークシンガー
は、激しい内部の対立の末に、党首に再任された。

ウクライナはロシアに政治犯の釈放を要求

ウクライナ紛争に関する閣僚会議を前に、ロシア大統領プーチンと
ウクライナ大統領ポロシェンコは、両国の囚人の情勢について協議
した。ウクライナ大統領府によれば、ロシアと東ウクライナ分離独
立派の地域で拘留されたウクライナ人の釈放の可能性について議論
した。月曜日にはロシア、ウクライナ、フランス、ドイツの外相が
ベルリンに集まり、東ウクライナの戦闘地域における状況を話し合
うことにしている。




6月10日(日)

キムとトランプはシンガポールに到着

北朝鮮の権力者キム ジョン ウンと米国大統領ドナルド トラン
プは、首脳会談の受け入れ国シンガポール入りした。空港到着直後
に、キムは東南アジアの同国首相リー シェン ロンと会談した。
トランプもリーと会談をする予定である。キムとトランプの首脳会
談は、火曜日に予定されている。トランプは孤立した北朝鮮共産主
義政権に働きかけ、核軍備を全面的に破棄させるつもりである。キ
ムはその見返りに、国際的な商人と経済援助を求めている。

     その他のニュース

紛争地域で少女の教育に巨額の資金

G7諸国は、期にの地域の少女教育のために、およそ25億オイロを支
出する、と約束した。8百万人を越える子どもたちが、この計画の
恩恵にあずかる。不安定な治安状況の地域にいる少女たちは、少年
と比べると2倍ほど学校に通えない。米国大統領トランプは、イン
ターネット上に最終声明に賛成するのを撤回する、と書き込んだた
め、騒動になっていた。カナダ首相トルドーが、鉄とアルミニウム
に対して米国が科した保護関税に関する発言が、その原因である、
とトランプは述べた。

ヴァーゲンクネヒトの演説を受け左翼党党大会をめぐる対立

ライプツィヒでの左翼党党大会で、難民政策に関する対立が勃発し
た。会派長ヴァーゲンクネヒトは、必ずしもすべての難民に対して
ドイツの国境を解放するべきであるとは限らない、との立場を表明
したことを受け、彼女は代議員の一部から非難を受けていた。党大
会は金曜日に、国境を開くのに賛成していた。この動議は、党首キ
プリングとリークシンガーが中心となって提出したもので、彼らは
ヴァーゲンクネヒトは、と不仲である。

ミュラーは開発政策の方向性を改めると予告

連邦開発相ミュラーは、ドイツの開発政策を、ヨーロッパへ避難す
る人が減るように改める方針である。そのために、ドイツの民間企
業に、難民の出身国へ投資をするように、促すのが望ましい、と述
べた。彼は「アウクスブルク一般新聞」に、ドイツは、すべての人
を受け入れることはできない、彼らを地元で支援し、特に職業教育
を拡大することが必要だ、財務相ショルツが、それに必要な追加の
8億8千万オイロを、開発予算として認めるよう望んでいる、と語っ
た。




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