2月7日〜2月13日のニュース

2月7日

ケルン警察の報道官の発表では、警察はブリュールでの鉄道事故を起こした車両の
捜査を終了したが、犠牲者は見つからなかった。収容された八人の遺体のうち今ま
でに、七人がドイツ人と確認されている。
日曜夜のこの事故では、その他に百四十九人が怪我をし、そのうち五十二人が重傷
である。鉄道会社ではこの事故にあった人のために、援助資金として二百万マルク
を準備した。
アムステルダム発バーゼル行きの夜行急行は日曜の夜、ブリュールの転轍機のとこ
ろでスピードの出しすぎで脱線した。機関士はひどいショックを受けており、事情
聴取できる状態ではない。検察官は機関士に対し捜査手続きを開始した。ドイツ鉄
道の理事長ハルトムート・メードルンは、鉄道会社は安全を犠牲にしてまで、厳し
い運行スケジュールを立てたという非難を受けたが、それをはねつけた。



2月8日

ヘッセン州首相ローランド・コッホは、ヘッセン州キリスト教民主同盟の献金疑惑
に関して、嘘の発言を行ったことを認めた。キリスト教民主同盟の元財政顧問ホル
スト・ヴァイラオホの最終報告が示された時に、コッホは元会計委員カシミール・
プリンツ・ツ・ザイン=ヴィトゲンシュタインから党に対して渡された貸付金の素
性を(実際には知っていたにもかかわらず)正しく明かさなかったが、これは愚か
な行為であって、それに対して謝罪すると語った。さらにコッホは80年代初めか
らスイスの銀行口座に置かれていたキリスト教民主同盟の資金は、党の資産から作
られたものであって、同党の州組織と全国組織との間では不正な資金の流入はなか
った、と語った。
社会民主同盟と緑の党はコッホに辞任を求めたが、キリスト教民主同盟と自由民主
党はこの事件の責任を取る理由はないと考えていた。


2月9日

キリスト教民主同盟の不正献金疑惑に関してヘッセン州首相ローランド・コッホが
嘘をついたことを認めた後、自由民主党との連立州政府も苦境に追い込まれている。
連邦自由民主党の党首ヴォルフガング・ゲアハルトは、キリスト教民主同盟との連
立の解消とヘッセン州の選挙を視野に入れておきたいと語った。それに対してヘッ
セン州自由民主党は、コッホや他のキリスト教民主同盟のトップの政治家同様、社
会民主党と緑の党から出されている辞任勧告を拒否した。
一方ヴィースバーデンの検事局はヘッセン州首相とキリスト教民主同盟の党首に対
する刑法上の問題点の捜査を行っている。緑の党の詐欺疑惑による告発がそのきっ
かけになっている。
コッホは数日前、国からの借入金という形での資金を失いたくなかったので、隠し
口座に資金を隠したのだと認めていた。

おまけのニュース
内閣はドイツ連邦共和国史上最大の税制改革を決めた。それによれば2005年ま
でで、およそ440億マルク規模の減税が行われるとのことである。税率は所得の
低い層では15パーセント、高いところで45パーセントになる。法人税は30か
ら40パーセントだったのが、均一25パーセントに下げられる。
産業界や労働組合はこの改革を歓迎しているが、さらなる改善を求める声をあげて
いる。中産階級は大企業と比べて自分たちは不利益を被ると考えている。労働組合
は株式会社などの資本会社が売却益を出した時の税金の軽減措置が、よりいっそう
の企業の統合に拍車をかけるのではと批判している。自由民主党とキリスト教民主
・社会同盟はこの税制改革をあまりに不十分で複雑過ぎると捉えている。


2月10日

ヘッセン州自由民主党は、同党の全国組織からの強い働きかけにもかかわらずキリ
スト教民主同盟との州政府の連立を維持したいとしている。ヘッセン州同党議長の
ルート・ヴァグナーは、連立を終わらせる理由はない、と釈明した。ヘッセン州同
党はこの件に関する最終決定を土曜日に下したいとしている。それに先立って、自
由民主党全国組織の議長ヴォルフガング・ゲアハルトと総書記ギドー・ヴェスター
ヴェレは、ヘッセン州同党に、キリスト教民主同盟との連立を解消するよう説得し
たが、果たせなかった。
州首相コッホはこの展開に安心し、自由民主党とのつながりは厳しい時期でも維持
されたと語った。火曜日には彼は、キリスト教民主同盟は1998年の党の活動報
告のデータを改ざんしたことを認めていた。ドイツ首相シュレーダーはヘッセン州
の選挙のやりなおしを強く求めた。


2月11日

ヘッセン州自由民主党がキリスト教民主同盟との連立を今後も維持するかどうかに
関する決定を行うに先立って、ヘッセン州キリスト教民主同盟の執行部は、全員一
致でローラント・コッホ州首相のもとで、難局に立ち向かうことを決めた。議長団
と執行部は献金疑惑のただ中に置かれたコッホに、全面的な支援を約束した。
連邦自由民主党はヘッセン州同党に対して、コッホが辞任しないのであれば、同党
に対する信頼がを失われないように、連立政権から離脱することを改めて強く申し
入れた。自由民主党のヘッセン州議長団と州首相代理ルート・ヴァグナー女史は、
連邦自由民主党の圧力に屈することを再び拒否した。彼女はコッホ政権との連立を
続けていきたいと力強く語った。

おまけのニュース

元ノルトライン・ヴェストファーレン州の保健衛生大臣ヘルマン・ハイネマンは社
会民主党の飛行機疑惑を調査している州議会の委員会で、1990年6月に他に3
人の大臣と西ドイツ州立銀行が費用を負担して、ジルト島に釣りに行った疑いを否
定した。彼は公務で飛行機を利用したことはあると語った。
ところが、パイロットの未亡人ザビーネ・ヴィヒマンの話では、この政治家たちが、
ゴム長靴をはき、釣り道具をもって飛行場に現れ、彼らは釣りに行きたいのだと言
った、ということである。
連邦大統領ヨハネス・ラオは弁護士を通じて、自分は同州の州首相時代に、その他
に5回その銀行の費用で飛行機を利用したことを表明しており、弁護士によれば、
ラオは公務のあと党運営や記者会見に間に合うように15回飛行機を利用した。
彼は今まで45回飛行機を利用したと言っているが、キリスト教民主同盟は、その
完全なリストを出すように要求している。


2月12日

ヘッセン州自由民主党は、連邦同党の強い働きかけにもかかわらず、州首相ローラ
ント・コッホを長とするキリスト教民主同盟との連立を固持することにした。ギー
セン近郊リッヒでの緊急会議で、自由民主党のヘッセン州首脳は全員一致でノルト
ライン・ヴェストファーレン州での連立政権維持に賛成した。連邦自由民主党の党
首ヴォルフガング・ゲアハルトは、コッホの州首相辞任と自由民主党の連立からの
離脱という2つの要求を認めさせることはできなかった。コッホはこの会議の結果
を聞いて安心し、自分は闇資金疑惑の解明を引き続き行っていくつもりであると語
った。
自由民主党の総書記ギドー・ヴェスターヴェレは、ヘッセン州同党に対する制裁は
行わないと語った。
社会民主党の総書記フランツ・ミュンテフェリンクはヘッセン州自由民主党首脳部
に期待はずれだったと非難し、党首ゲアハルトの権力もこれまでだ、と語った。


2月13日

連邦自由民主党の首脳部はヘッセン州同党に、3月末に予定されている党大会を前
倒しして開催し、連立政権を作っているキリスト教民主同盟のローラント・コッホ
州首相との間に一線を画するように求めた。連邦同党首脳部によれば、この一般党
員を含めた党大会は、ヘッセン州州議会で野党が提出する不信任決議案の投票を行
う前に、開かれる必要がある。自由民主党議長団は同時にコッホに対して、彼は自
分の犯した失策の責任をとり、辞職するよう訴えた。
自由党党首ヴォルフガング・ゲアハルトはヘッセン州の同党員に対して、コッホ州
首相は不正献金疑惑に関する偽証を行ったことを認めのだから、彼と決別するよう
に奨めた。しかしルート・ヴァーグナー議長をがリーダーとするヘッセン州同党は
連立離脱を拒否してきている。


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