1月23日から1月30日のニュース

1月23日

キリスト教民主同盟の幹部会は緊急会議を行って、1989年から1999年の間
の党の財政状態に関する、経営監査士(公認会計士)の報告を討議した。同党総書
記アンジェラ・メルケルによれば、専門家は党の収入1100万マルクの出所を明
らかにすることができなかった。新聞報道では、20ページの包括的な報告は別の
疑問を引き起こしている。幹部会のさらなる議題は元ドイツ首相ヘルムート・コー
ルに対する今後の処遇であり、彼は党に対する匿名の資金提供者の名前を挙げるこ
とを拒否しつづけいる。通信社に送られてきたファックスには、コールは名前を挙
げる意思がある、と書かれていたが、元キリスト教民主同盟党首のコールは、新聞
「フランクフルター・アルゲマイネ」に対して、この通知はニセ物だと述べた。キ
リスト教民主同盟の連邦幹部は月曜に同じように経営監査士の報告を扱う予定であ
る。


1月24日

キリスト教民主同盟は1989年から1998年の間に、1200万マルク以上の出所
不明の収入があった。これは経営監査士(公認会計士)の報告から明らかになっ
た。この経営監査士は、キリスト教民主同盟の指示で、元党首のヘルムート・コー
ル政権下のキリスト教民主同盟の財政実習を調査し、疑問符をつけていた。しかし
党首脳部はコール氏に対する法的な措置は取らないことを決めた。彼は匿名の資金
提供者の名前をまだ秘密にしている。それに対し、キリスト教民主同盟は党の元財
政顧問のホルスト・ヴァイラオホに対してすべての法的に可能な手段を講じようと
している。キリスト教民主同盟の党首ヴォルフガング・ショイブレは報道陣を前に、
違法な口座の制度は受け入れられないし、これは党紀と党内の民主制に違反する、
またキリスト教民主同盟は大きな財政上の負担を負わなければならないが、金銭の
基盤は党から失われてはいないという出発点は揺らいでいないと考える、語った。
会計委員マティアス・ヴィスマンは、キリスト教民主同盟は連邦議会議長ヴォルフ
ガング・ティールゼに法律の正しい適用を期待している、と語った。


1月25日

ヘッセン州・州議会はキリスト教民主同盟と自由民主党からなる会派の賛成で、議
会の解散を否決した。州政府の過半数、全部で56名の議員が社会民主党と緑の党
の提案に反対した。社会民主党と緑の党はヘッセン州のキリスト教民主同盟の財政
問題のスキャンダルを背景として、選挙を行おうとしていた。野党の主張は、一年
前のキリスト教民主同盟の選挙戦の資金の一部は、闇口座から出されており、その
ため公正な選挙が損なわれたというものである。論戦の中でキリスト教民主同盟の
ローランド・コッホは選挙を全面的に否定し、州政府の活動は全く阻害されていな
いと言った。


1月26日

ノルトライン・ヴェストファーレン州の経済大臣ハインツ・シュロイサーは所謂
「飛行疑惑」との関連で辞任した。ノルトライン・ヴェストファーレン州政府の
首班ヴォルフガング・クレメントはこの辞任に対し遺憾の意を表したが、シュロ
イサーの行動の原因は理解できると付け加えた。シュロイサー自身は書面で次の
ように述べた。自分の視点からみれば自分の行動は法律上は何の問題もなく、た
った2回西ドイツ州立銀行のジェット機に公務以外の場で搭乗しただけで、この
自社用飛行機の料金は自分で支払った。だが、法律的な評価だけでなく、さまざ
まな見解を持つ政治的な評価もあり、自分はそれを考慮しなければならない、と。


1月27日

ヘッセン州のキリスト教民主同盟の議長で州首相のローランド・コッホによれば、
ヘッセン州のキリスト教民主同盟は、80年代初めに闇の資金を海外に送金して
いたが、その回数は今まで認めていたのよりもはるかに多かった。報道関係者に、
コッホ氏は、その額はおよそ2千万マルクであると言った。そのお金の出所は明
らかにされてはおらず、少なくとも8百万マルクがどこにあるのかも明らかには
されていない。これより以前には海外の隠し口座に置かれていた7〜8百万マル
クが問題になっていた。野党の社会民主党と緑の党はマフィアのやり口だといい、
自分たちは調査委員会を州議会に設置するつもりだと予告した。



1月28日

雑誌「シュピーゲル」によれば、現ドイツ大統領ヨハネス・ラオはノルトライン・
ヴェストファーレン州の州知事時代に西ドイツ州立銀行がチャーターしたジェット
機を休暇中に利用した。同誌によれば、ラオは1993年12月23日に、元首相
ヘルムート・シュミットの誕生日のお祝いに、同銀行がチャーターしたジェット機
を利用して、南イングランドのリド(Lydd)からミュンヘンまで旅行し、そこからさ
らに家族を連れてオーバーバイエルンまで行った、ということである。
それに対し、キリスト教民主同盟の代理人クリスチャン・ヴルフは彼の辞任を要求
した。


1月29日

キリスト教民主同盟の経営監査士(公認会計士)はヘッセン州キリスト教民主同盟
の海外にある資金と、同党の全国組織との間に関連があるのかどうか調べている。
ヘッセン州のキリスト教民主同盟は数千ページにわたる、同党のもとの経営監査士
ホルスト・ヴァイラオホの作った、党の隠し資金に関する報告書の検討に取りかか
っている。「ヴェルト・アム・ゾンターク」の報道では、この海外の資金からかな
りの額がおそらく連邦キリスト教民主同盟に流れているとのことである。「デア・
シュピーゲル」によれば、ヘッセン州の同党の資金はパラグアイにも流れていると
のことである。長い間ヘッセン州の同党の会計責任者だったカシミール・プリンツ
・ツ・ザイン・ヴィトゲンシュタインは、遺産相続の話をでっち上げるため、ヴァ
イラオホとのつながりを利用したとのことである。


1月30日

キリスト教民主同盟全国本部は元会計監査士(公認会計士)ホルスト・ヴァイラオ
ホに、党の献金疑惑に対する彼の説明の正しさを宣誓供述書の形で再確認するよう
求めた。今月ようやく明らかになったヘッセン州キリスト教民主同盟の海外資金に
関する書類にあてはまる、ということである。
ヴァイラオホは書面ではすでに次のように語っている。ヘッセン州キリスト教民主
同盟はマンフレート・カンターの時代に、全部で2080万マルクの資金を海外の
秘密口座に置いていた。他の報道で言われているような、ヘッセン州の党組織から
党全体に対する資金の振り込みはなかった。
また彼は、自分がパラグアイで死亡証明書を偽造して、振込まれた資金を遺産に偽
装工作した、という非難に反論した。


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