1月31日から2月6日までのニュース

1月31日

キリスト教民主同盟党首ヴォルフガング・ショイブレは、前言を撤回して、武器商
人カールハインツ・シュライバーと数回会っていたことを認めた。同党の会派のス
ポークスマンの語るところでは、1995年6月にその会合は行われたものの、シ
ョイブレはそのことを全く覚えていないとのことである。ショイブレ党首は以前は
シュライバーとは1994年9月に2回会っただけだと主張していた。その時シュ
ライバーは彼に現金で10万マルクの寄付を手渡した。放送局ARDの情報では、シ
ュライバーは、その後の会談で、ドイツ政府が彼が行っていたカナダに戦車工場を
作るというプロジェクトを支援してくれるように要請した、と語っている。

おまけのニュース

オーストリア外相のヴォルフガング・シュッセルはEUに、右翼の自由党との連立政
権を性急に断罪しないように呼びかけた。その中で彼は、不安や疑問があるのは理
解できるが、偏見とは戦う。さらにオーストリアは民主政治の補習授業は必要とし
ていない、と語った。シュッセルの属する保守的な国民党は今のところ自由党と中
道右派連合について話し合っている。EU諸国は相互の関係の凍結をちらつかせて、
自由党が参加するオーストリア政府を牽制している。


2月1日

外国からの強い批判にもかかわらずオーストリアの国民党は、イエルク・ハイダー
が率いる右翼の自由党との連立政権を作ろうとしている。国民党党首のヴォルフガ
ング・シュッセルは、政府の基本方針はオーストリア大統領トーマス・クレスティ
ルに示されることになっており、オーストリアは外交的に孤立することになるとい
う、EU諸国の威嚇はEUの条約の精神に矛盾すると語った。
自由党総書記のペーター・ヴェステンターラーは、外国からの干渉を許すことはな
いと、国民に訴えた。
一方ドイツではキリスト教社会同盟は、オーストリア政府に送りつけた警告を、民
主的法治国家の内政問題に関する干渉であって、信じられない、前代未聞の行為と
見なした。
それに対し、ドイツ首相シュレーダー(社会民主党)は、自由党が政権に参加する
場合に備えて、EU諸国がオーストリア政府との接触を徐々に減らしていくのは、適
切な行為であると語った。
ポルトガルのEU評議会長アントーニオ・グテレスは、このままではオーストリアは
政治的孤立にすることになるという威嚇を行うことを認めた。

おまけ

チェチェンの首都グロズヌイではイスラム教徒の活動家はもう大規模な暴動を起こ
していない。それにもかかわらず、ロシア軍の報道官はイスラム教と分離主義者と
の戦いを継続すると報道している。ロシア国防相イゴール・セルゲイは、二千人も
のイスラム教徒の活動家がグロズヌイを立ち去ったという報道を否定し、ロシア軍
は脱出の試みを阻止すると語っている。
グロズヌイの西側の村アルチャンーカラには多くの反乱軍が集まっており、ロシア
軍砲兵隊と戦車がその村を包囲した。グロズヌイ周辺地域では初めての戦闘が起こ
った。


2月2日

「ビルト」紙の情報では、キリスト教民主同盟の元財政顧問ホルスト・ヴァイラオ
ホは、寄付金疑惑の中、以前にも連邦キリスト教民主同盟の海外隠し口座があった
ことを認めた。彼は同党の事務局長ヴィリー・ハオスマンとのボンでの会合の際に
スイスに口座があると漏らした、ということである。
連邦キリスト教民主同盟はこの情報を確認も、否定もしたがらなかった。同党は協
議の後、党の献金疑惑に関る本質的に新しい情報だけを発表した。情報のうちのい
くつかは最初に調査の必要があろう。
一方改めて同党のヴォルフガング・ショイブレ党首に対する風当たりは強くなって
いる。キリスト教社会同盟の総書記トーマス・ゴッケルは、今後の展開によっては、
姉妹政党キリスト教民主同盟の首脳陣の交代を考えざるを得ない。一方テューリン
ゲンの州首相ベルンハルト・フォーゲルは、自分が新しいキリスト教民主同盟の議
長になるだろうという報道を否定した。


2月3日

外国からの強い批判と国内での抵抗にもかかわらず、オーストリアは保守党国民党
と右翼の自由党の連立政権を持つことになる。オーストリア大統領トーマス・クレ
スティルは金曜日に新政権に宣誓をさせることになる。
国民党党首ヴォルフガング・シュッセルはオーストリア首相に、自由党の政治家ズ
ザンネ・リース=パサーがその代理人になる予定である。自由党党首ハイダー自身
は大臣の職を固辞した。シュッセルとハイダーはそれに先立ってクレスティル大統
領が同席している場所で、EUの基本的価値に関する宣言に署名を行った。その宣言
にはナチの思想の否定が盛り込まれている。
社会民主党はこの木曜日をオーストリアにとって暗黒の日と名づけた。


2月4日

元ドイツ首相ヘルムート・コールはキリスト教民主同盟の国外隠し口座に関する情
報をすべて否定した。放送局ZDFの番組で、自分はスイスの口座とはなんの関係も
ないと語った。さらに、90年代に200万マルクの資金を自分に提供した人の名
前は公表しないという、自分の態度は変えないと語った。またその資金は献金者本
人から出たもので、以前使われていた「国民協会」という資金洗浄組織の仲介をへ
てはいないと語った。
キリスト教民主同盟は財政顧問ホルスト・ヴァイラオホと元包括的代理権者ウーヴ
ェ・ユーティエに対して照会した後、同党に対して70年代初めからスイスの隠し
口座に100万マルク単位の資金が置かれていたことを認めた。


2月5日

数年来問題になってきたハンブルク・ベルリン間の高速鉄道路線は建設されないこ
とになった。鉄道側の代表および経営陣と会談を行ったラインハルト・クリムト運
輸大臣は、鉄道会社はこの路線は収益の面でやっていけなさそうだが、二年以内に
ドイツに今までの線路とは別にリニア・モーターの路線が作られると期待できる、
と語った。

おまけのニュース
コソヴォのアルバニア系住民とセルビア人の間でコソヴォスカ・ミトロヴィカを二
分して行われている騒乱は依然続いている。アルバニア系住民が行ったデモの際、
また国際平和部隊との激しい衝突が起こった。その衝突で少なくともフランス兵6
人が怪我をした。平和部隊増強のため追加部隊のコソヴォスカ・ミトロヴィカ派遣
が要請され、その中にはドイツの2個歩兵中隊が含まれている。
(町の名前の正しい発音は調べられませんでした。)


2月6日

ケルン近郊での列車の大事故の原因は、今までわかっている範囲では、列車の機械
的な欠陥や運転手の技術の問題には求められない。ハルトムート・メードルン・ド
イツ鉄道理事長によれば、アムステルダム発バーゼル行きの急行列車には時速120
キロ以上でブリュール駅に入ってきたが、それはスピードの出し過ぎで、線路建設
作業のため、時速40キロしか出すことが認められていなかった。そして、今後解
明されねばならないのは、たとえばポイントは正しく操作されたのかどうか、機関
士に対する運行の指示は適切だったのか、等である、という。
深夜過ぎのこの事故で少なくとも9人が死亡し、約100人が重傷を負ったが、そ
れが被害者の全部ではない。この急行は約300人の乗客を乗せており、その中に
はドイツ、他のヨーロッパ諸国、日本、アメリカの旅行者が含まれている。


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