8月28日〜9月3日のオーストリアのニュース

8月28日

夏休み後の第一回閣議で連立与党の内部で、EUの東方拡大の政府代
表エアハルト ブーセク(国民党OeVP)と予算案をめぐって意見の
対立が起こる兆しがある。国民党の元副首相のブーセクは自由党
FPOe元党首イエルク ハイダーと激しい舌戦を行なったことで、自
由党はブーセクの解任を執拗に要求した。
首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は今までこの問題につ
いて沈黙してきた。副首相スサネ リース・パサー(自由党)はハ
イデルベルクの3賢人の元へ行っており、彼女の代理は国防大臣ヘ
アバート シャイプナーが勤めている。
予算案をめぐっては、2002年からの賃上げゼロという目標と関連し
て、歳入に関して幾つかの提案が行われた。国民党は予算の健全化
は歳出削減を行なって成果が上がる、と強調している。それに対し
自由党内部では、財団法人に対する増税あるいは資本収益税増税を
行なうなどといった計画が、噂されている。

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・社会民主党SPOeが要望している国民議会の特別議会が予算を主題
として9月5日に開かれる。同党党首グーセンバオアーは「予算の健
全化をめぐる連立与党内の矛盾した発言」をこの議会開催を求める
理由としてあげていた。


8月29日

オーストリア労働総同盟OeGB議長フリッツ フェアツェトニッチュ
はテレヴィ番組で、政府に具体的な予算案作成を急ぐように求めた。
彼は、今のところ、2002年からの赤字予算解消を目指す第2回改革
会議への首相からの参加要請があるだけであり、労働組合は雇用の
安定、社会福祉のバランスと持続性を予算案で達成することを目標
としている、と語った。

     その他のニュース
・郵便労働組合は、2004年までに予定されている6千人の人員削減
はあまりに大規模で、想像できない、と語った。同組合はこの計画
の非現実性を郵便事業の首脳に納得させるために、彼らとの会談を
受け入れる意向である。


8月30日

外務大臣ベニータ フェレーロ・ワルトナーはテレヴィ番組で南ボ
ヘミアの原子力発電所テメリンに関して、オーストリアはその安全
性に関心を抱き、安全操業を要求している、と語った。
チェコ政府との会談をもう一度行ない、原発の安全性を検討するこ
とは可能であり、そのため近い将来に専門家会議も行なうことにな
ろう、と彼女は語った。また、ドイツ環境大臣ユルゲン トリティ
ンが原発に反対の態度をとっていることを外相はとりあげ、ドイツ
にテメリン原発問題でオーストリアを支援するように求めた。

     その他のニュース
・オーストリア大統領クレスティルとEU委員フィシュラーはテメリ
ン原発の安全性に関して疑問視した。二人はウェルスで行われた国
内経済展示会アグラリアに参加していた。チェコ大統領ハヴェルと
の電話会談の際にもクレスティルは同原発に不安を持っている、と
述べた。


8月31日

チェコ首相ミロシュ ゼマンは、南ボヘミアの原子力発電所テ
メリンの第一号炉は14日後に稼動する、と期待を述べた。彼は北モ
ラヴィアのハヴィロフを訪問し、テメリン原発に関するオーストリ
ア政府の最近の声明に公式に解答する気はない、と語ったとチェコ
の報道機関は伝えている。
「もちろん行動でも言葉でも解答することは可能である。私自身は
行動で答える方を優先させ、14日後に行動で答えを出すつもりであ
る」とゼマンは報道関係者を前に語った。また、テメリン原発
の操業開始計画を知っているものは誰でも、はっきりした解答を得
ている、と付け加えた。

     その他のニュース
・木曜日夕方に毎週行われるウィーンの(自由党の政権参加に反対
する)デモは今回は問題なしと言うわけにはいかなかった。警察の
情報によれば、シュヴァルツェンベーアプラッツ近郊では、「小規
模な乱闘」が起こり、その際二人の警官が「軽傷」を追った。デモ
参加者の一人が、暴行を振るった件で在宅のまま告発された、との
ことである。


9月1日

南ボヘミアの原子力発電所テメリンの操業開始に反対する人々は、
土曜日に数時間に渡ってオーバーエスターライヒとチェコの間の国
境通過地点を封鎖する計画である。国境封鎖は11時から17時までで
ある。
ウロウィッツ、ワイゲトシュラーク、グークワルトの3ヶ所に人が
集まり、チェコ側への通行はニーダーエスターライヒへと大きく迂
回しなければならない。

     その他のニュース
・オーストリア人の4分の3は国民党と自由党の連立政権の仕事に満
足している。「クライネ ツァイトゥング」紙のアンケートでは
74%が政府のあげた成果を「よい」あるは「まずまず」と評価し、
わずか20%だけが「悪い」と評価した。特徴的なのは、この一ヶ月
の間に「よい」の評価をした人が4%ふえ27%に回復した点である。


9月2日

パレスチナ大統領のヤセル アラファトはアメリカ大統領ビル ク
リントンと会談を計画しているが、今月中にイスラエルとの和平合
意を行なうか否かまだ決定できていない。9月6日のニュー ヨーク
での会談の際に、アメリカが交渉の土台となる提案を行なうか、今
月中には平和条約を結ばないのいずれかである、とアラファトの顧
問ナビル アブ ラダイナは語った。
イスラエルとパレスチナは9月13日を平和条約の交渉期限としてい
るが、今のところエルサレムの今後の地位等の争点では合意をして
いない。パレスチナはこの期間の終わりにイスラエルのとの合意が
成立してもしなくても独自の国家を建国する、と宣言している。

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・外相フェレーロ・ワルトナーはエヴィアンで行われている、EU加
盟14ヶ国との非公式会議で、いわゆるオーストリア制裁問題につい
て話を持ち出すつもりである。


9月3日

アルプス6ヶ国の内務大臣は月曜日から2日間の予定でコンスタンツ
で会合を開く。主題となるのは、国外逃亡の手引きや極右に対する
戦いを国境を越えて協力しあう、といったことである。このような
内相会談が開かれるのは今年が3回目である。ドイツ内相オットー
 シリーがオーストリア、フランス、イタリア、スイス、リヒテン
シュタインの内相を招待した。

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・法務大臣ベームドルファーは民事裁判の訴訟手続きを改革して、
裁判にかかる時間を短縮する意向である。「現在、係争にかかる期
間は(第一審で)約一年間である。私達の目標はこれを9ヶ月に短
縮することである。そしてこれは国際的に模範となる」と彼は新聞
に語った。


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