9月18日〜24日のオーストリアのニュース

9月18日(月)

APA通信が国防省に確認したところでは、オーストリアの国連軍兵
士は来年キプロスから撤退する。国連に対する申し入れの書簡はす
でに発送済みであり、この撤退要請がいつ認められるか、そしてオ
ーストリア軍の後を誰が引き継ぐかは今後話し合いが行なわれなけ
ればならない、とのことである。
オーストリアは1964年以降国連キプロス軍に参加しているが、こ
れからの撤退はコソヴォでの任務等で国外派遣の兵士の数が増えた
ことと、ユーロ部隊へと発展したことによる。二番目に多くの兵を
派遣しているゴラン高原の人員は、キプロスからの撤退が認められ
れば確保できる、と同省。
コソヴォには最大の500人が派遣されており、監視が大きな任務で
ある。あわせて約1400人が外国で任務についている。

     その他のニュース
・EU加盟14ヶ国によるオーストリアに対する外交孤立措置の総括と
国会による評価は明日の国民議会の中心議題になる、と国民党幹部
クホールと自由党幹部ウェステンターラーは共同記者会見で語った。
与党がもっとも関心を持っているのは、野党社会民主党がこの間ど
んな役割を果たしたかである。


9月19日(火)

野党と政府の間の論戦が、水曜日からの夏休み後最初の国会の「通
常」会議で行なわれることが期待される。
EU14ヶ国の制裁解除、社会民主党による法務大臣不信任案、高騰す
る原油価格、政府が公表している社会福祉分野での経費削減などが
感情的な議論を引き起こすのではないか、と懸念されている。緑の
党は緊急動議として大学の授業料導入を取り上げる。

     その他のニュース
・公務員の賃金交渉は水曜日に第4回の会談を行なう。財政面に関
しては月曜日から話し合いが行なわれている。公務員の労働組合は
来年2.87%の賃上げを求めているが、政府は1.2%の追加賃金を24
ヶ月間支払うとしている。つまり2001年に賃上げを行なったら、
その後は2003年に賃上げを行なう可能性がある、ということであ
る。


9月20日(水)

EU内部では、トラック運転手の大規模な抗議行動に対処するべく、
フランス政府が行なおうとしているガソリン税の引き下げをめぐっ
てはっきりとした対立が生じている。ドイツ運輸大臣ラインハルト
 クリムト(社会民主党)はEU運輸大臣特別会議の席で、エネルギ
ーに関する税金を引き下げないというEU諸国の大蔵大臣の決定を無
視してはならないと語った。
フランス政府の対応にはドイツのほか、オーストリアを含めて5ヶ
国とEU委員会が厳しく批判している。EUエネルギー委員のロヨラ 
デ パラシオはエネルギー税減税はOPECの利益になるだけだと語り、
EU諸国に将来税金面での措置をお互いに行なわないよう求めた。

     その他のニュース
・政府と公務員労働組合の間で行なわれている第4回の話し合いで
も争点については進展が見られなかった。政府は2年間1.2%の賃上
げという提案から譲歩しなかった。労働組合は2.87%の賃上げ要求
を続けた。次回の交渉は来週水曜日に行なわれることになった。


9月21日(木)

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは政府の緊縮予算
案を激しく非難した。彼は、政府の頭にあるのは節約ではなく、最
も金銭的に余裕のない人の財布からお金を奪って、不要な追加支出
を行なうことである、とテレヴィ番組で語った。

     その他のニュース
・新聞報道によれば、アメリカはナチ時代の(ユダヤ人の財産を奪
った)「アーリア化」の補償交渉で年末までの決着を求めている。
アメリカ側交渉団と犠牲者の代理人はオーストリアのアーリア化交
渉窓口のスーハリパに先週にこのことを伝えていた模様である。そ
の情報によれば、「アーリア化」の補償額はオーストリアからは
1億5千万ドルと予想されている。


9月22日(金)

アメリカ大統領ビル クリントンは3000万バレルの原油をアメリカ
の戦略的備蓄から出すようにと命令した。これによって原油価格の
高騰を、エネルギー大臣ビル リチャードソンが語ったように、押
さえようという狙いである。
世界的な需要過多のため原油価格は高騰している。リチャードソン
は、月曜日に始まる備蓄原油の放出で大統領選に出馬するゴアを後
押ししようとしている、という推測を否定した。ニュー ヨークの
石油価格はこの決定の後早くも下がった。1バレル(159リットル
強)の硫化物の少ない原油価格は正午には32.68ドルだったが、そ
の日のうちに1ドル以上下がった。

     その他のニュース
・「社会福祉の適切性」は政府の社会福祉分野での支出削減措置で
は確保できない、と専門家マーリンとグーガーは見ている。二人は、
保険の被扶養者に関してこれ以上のことはもはやできなかったこと
を残念に思う、と発言した。政治的な判断が行なわれた、とマーリ
ンは語っている。彼らは子供のいない同居人と8歳以上の子供を保
険料を免除するリストからはずすことには賛成した。もし実現すれ
ば、最高50億シリングの支出削減が可能である。


9月23日(土)

農業大臣ウィルヘルム モルテラーとチェコ環境大臣ミロシュ ク
ッチヴァルトは両国国境地帯で、ボヘミアの国境近くの原子力発電
所テメリンの問題について話し合った。モルテラーによれば、クッ
チヴァルトはオーストリア側が求めている、中立の専門家にテメリ
ン原発の調査をさせたい、という要求をうけいれた、とのことであ
る。

     その他のニュース
・ウィーン自由党党首のヒルマール カーバスは政治活動を中止す
る、とある雑誌が伝えている。彼はこの報道に当惑している、と記
者会見で語った。


9月24日(日)

ユーゴスラヴィアの大統領・国会議員選挙に関し、ベオグラードで
は警官隊と反体制派の衝突が起こった。国営通信社は、選挙は支障
なく進んだと報道していたが、野党の民主勢力は国内のあちこちで
大規模な不正が行なわれたと非難している。権力者スロボダン ミ
ロシェヴィッチ側の政府勢力と野党ウォジスラフ コシュトゥニッ
ツア双方は、支持者に対して勝利宣言を行なった。

     その他のニュース
・スイスの有権者は提出されていた国民発議5つすべてを否決した。
スイス国営テレヴィの推計によれば、外国人の割合を制限する発議
に賛成は18%、反対は63%であった。


今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system