10月2日〜8日のオーストリアのニュース

10月2日(月)のオーストリアのニュース

ちょうど一年前の1999年10月3日には、国民議会選挙が行なわれ、
オーストリアの国内政治には激変が起った。二大政党社会民主党と
国民党と、小政党自由党が3つの中規模政党となったのだ。社会民
主党は33.15%(65議席)に勢力を減らし、国民党と自由党はそれ
ぞれ26.91%(52議席)を獲得した。415票差で自由党が初めて第
2党になった。緑の党に投票したのは7.4%で、14議席を獲得した。
自由フォーラムは3.65%で国会入りはならなかった。

     その他のニュース
・社会民主党は火曜日まで非公開の党大会を行なっている。「オー
ストリアのもう一つの選択肢・革新的かつ人間的な」という標語を
掲げて、予算と行政に関して今秋の重要課題を討議している。その
他、社会民主党による教育改革案も提案されている。今回の党大会
の基調になっているのは政府の支出削減案に対する批判である。社
会民主党党首グーセンバオアーは、政府の方針は、社会福祉を無視
しているという点で的確である、と発言した。


10月4日(火)

公勤務労働組合と政府は公務員の給料の問題でまだかけ離れた態度
をとっている。労働組合の報道官パオル シュトゥルムは夜遅く、
政府の新しい提案が、2年間の賃上を1.2%以下にするというもので
あった、と報告した。副首相リース・パサーの報道官アンドレア 
クラメッターはこの発言を間違いだ、と語った。彼女は政府の提案
は以前のままである、と語った。もともと会談の信仰状況について
は情報を外部に漏らさないということで合意していたはずだ、と彼
女は労働組合を批判した。シュトゥルムはそれに対し、政府は30億
シリング規模の賃上げを提示したが、これは今までの提案より3億
シリング少ないことになる、と語った。

     その他のニュース
・オーストリア労働総同盟議長フェアツェトニッチュは、政府と労
働総同盟の交渉が失敗に終わった場合には、支出削減法案に関して
ストライキを行なうかどうかに労働組合員の直接投票にはかる可能
性がある、と語った。その投票では闘争方針だけでなく、約150万
人の組合員がどの程度負担の増加に耐える気があるか、を問うこと
になる、と彼は語った。


10月4日(木)

一週間に及ぶ近東での流血沙汰に対し、イスラエル首相バラクとパ
レスチナ大統領アラファトは、この暴力行為を終わらせるための具
体的な一歩を踏み出すことで合意した。アメリカ外相オルブライト
を交えた会談がパリで行なわれ、衝突が起こっている町ではパレス
チナ人はデモを行なわない、その代わり、イスラエル国防軍は撤退
する、という合意がなされた。具体的な協定はまだ結ばれていない。
フランス大統領シラクは「注目すべき第一歩である」と語った。木
曜日にエジプトで再び交渉が行なわれる。

     その他のニュース
・オーストリア労働総同盟議長フェアトニッチュは木曜日に、経済
相バルテンシュタイン(国民党)と社会福祉相シクル(自由党)と
政府が計画している社会福祉分野での支出削減について話し合う。
この話し合いが不調に終わった場合、「行動に出る準備」を進める、
とフェアトニッチュは強調している。連立与党側からは、妥協して、
法案の一部だけの成立を目指す準備をしようという声も出ている。


10月5日(木)
アメリカとオーストリア政府は旧ナチ時代の強制労働者の保障問題
について合意した。アメリカ財務省副長官スチュアート アイゼン
スタットとオーストリア首相シュッセル(国民党)が約4時間の会
談を行なって、その後発表した。この合意文書への署名は、アイゼ
ンスタットが近日中に取りまとめる犠牲者の代表の承認を経て、10
月24日にウィーンで行なわれることになっている。それと同時にオ
ーストリア企業に対する法的安定性が生じることになる、とシュッ
セルは強調した。

法的安定性 法律そのものや法律の解釈が変わったりしないこと
      (参考 山田晟 「ドイツ法律用語辞典」大学書林)

     その他のニュース
・オーストリア公勤務労働組合の中央執行部会が金曜日の午前中に
行なわれ、賃金交渉の結果について話し合う。同労組組合長のノイ
ゲバオアーは徹底的に話し合ったこの条件を受け入れるように進め
る意向である。彼は、もともとは賃上げゼロと言われていたので、
この交渉結果を良好であると考えている。


10月6日(金)

イスラエル兵との流血をともなう衝突で、東エルサレムとパレスチ
ナ人居住地区で少なくとも10人が死亡し、150人以上が怪我をした、
とイスラエルとパレスチナのマスコミが伝えている。イスラエル警
察は夕方エルサレムの神殿の丘に突入した。警官隊は衝突を避ける
ため、午前中にこの場所を立ち去っていた。同じ日のうちにパレス
チナ過激派がこの日を「怒りの日」にすると宣言し、エルサレム旧
市街周辺の道路でパレスチナのデモ隊との衝突が発生した。

     その他のニュース
・地元警察との長い交渉の結果、チェコのテメリン原子力発電所の
反対派は夜になってオーバーエスターライヒのフライシュタットの
北側のヴルロヴィッツ国境の閉鎖を解いた。反対派は、当局が認め
なくても、土曜日の昼までの封鎖を行なうことにしていた。また反
対派は今後も封鎖を行なう、と予告している。


10月7日(土)

ベルギーの地方選挙が土曜日に行なわれ、大きな関心が寄せられて
いる。世論調査によれば、ベルギー第二の都市アントワープでは極
右政党フラームス ブロックの勝利が予想されている。同国北フラ
マンのいくつかの都市でも同党がかなりの得票を集める可能性があ
る。しかし今のところ他の政党はフラームス ブロックとの連立政
権を計画しておらず、権力の座には近づけていない。740万人の有
権者の投票は、一年前に成立した自由主義の首相ヒー フェアホフ
シュタットの連立政権に対する審判となるものである。投票所は午
後1時に閉められ、午後3時までには投票の電気集計が行なわれる。
第一回の結果発表は午後6時から行なわれる。

     その他のニュース
・チェコの原子力発電所テメリンに対する反対行動が未許可のまま、
土曜日午後にフライシュタットで1時間半にわたって行なわれた。
約2百人の参加者がトラクターで連邦道路に通じる細い道を封鎖し
た。これは無届けで行なわれたが、オーストリア政府が原子力発電
所に弱腰で対応していることに抗議するものでもある、と関係者は
語っている。


10月8日(日)

ポーランド大統領選挙は現職アレクサンデル クワシニエフスキが
再選され2期目の5年間を務めることになった。公式発表によれば、
46歳の彼はすでに投票の54.7%を獲得した。教皇のパロディという
不祥事のため、クワシニエフスキは人気を落としたが、他の11人の
候補者を引き離した。元外相オレコフスキは18%で第2位、 保守党
の党首クシャレフスキは15%程度で第3位であった。元大統領ワレサ
は0.8%にすぎなかった。

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・日曜日のベルギー地方選挙で、極右フラーム ブロックは多くの
都市で得票を伸ばした。たいていは3から6%、場所によっては8%も
伸ばした。出口調査では同党はフランドルの首都アントワープでは、
前の選挙で28%を獲得し、最大勢力であったが、今回は33%を獲得し
55議席のうち20議席を得た。市庁舎の前ではただちに支持者が集ま
って、勝利を祝い、フラーム ブロックの筆頭候補フィリップ デ
ウィンターが「住民の意志」を尊重するよう他の政党に要求した。


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