12月11日〜17日のオーストリアのニュース

12月11日(月)

火曜日にメルクで行なわれる首脳会談で、チェコ首相ゼマンは
オーストリア首相シュッセルにテメリン原発の再検査に関して提案
を行なう意向である。その中では、環境問題と安全問題の公聴会が
提案される。この公聴会はチェコが主導し、新たな調査は行なわず、
すでに提出されている飼料に基づいて行なわれることになっている。
この提案を原発反対派はすでに茶番だ、と評している。会談の成果
が反対派の期待に沿うものでなければ、強にも再び国境の封鎖を行
なう、と予告している。

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・107名のケルンテン州の幹部公務員の昇給の時期が近づいている
が、これは完全には実施されない、と月曜日州首相ハイダーは語っ
た。彼は、火曜日の政府の会議で、昇給に関する提案を行なわない、
と語った。国民党はこの措置を横暴である、と見ている。社会民主
党党首アンブロツィもハイダーを批判して、昇給はプレゼントでは
ない、と語った。


12月12日(火)

チェコの原子力発電所テメリンに関する首脳会談が予定より30分遅
れて、18時半にメルク修道院で始まった。この会議にはオーストリ
ア首相シュッセルとチェコ首相ゼマン、EU拡大委員会のフェア
ホイゲンが出席している。シュッセル、環境大臣モルテラー、フェ
アホイゲンは18時にメルク修道院に集まったが、ゼマンの到着
が最初から遅れた。彼はプラハを予定より遅れて出発していた。
彼らを出迎えたのは100人ほどのテメリン原発反対派であった。シ
ュッセルは車を止め、モルテラーとともに車を降りて、反対派にあ
いさつをし、自分はこの話し合いでオーストリアの意見をきちんと
代弁する、と語った。反対派は1万人の署名を彼に手渡した。

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・国民議会議長フィッシャー(社会民主党)は自由党は法務省に
「許されないいじめ」を行ない、最大級の政党政治の圧力」をかけ
ている、と評した。彼は新聞紙上で、法務大臣ベームドルファー、
裁判官、オーストリア大統領クレスティルに対して明確な言葉で拒
絶するべきだ、と語った。クレスティルは正当である、と彼は語っ
た。彼は、そのほかに次のように語った。自由党は戦略を変えてい
る。つまり、「攻撃を受けたら、防御するのではなく、反撃する」、
それも法務省に、という形にである。これに対処するために、まず
法務省が動揺しないこと、法務大臣が国会の委員会の支持を伝える
義務を負うことだ。


12月13日(水)

外来診療の有料化をめぐる対立が続いている。そもそも有料化する
のかどうか、有料化するとしたらいつからなのか、そしてどのよう
な場合に利用料をとるのかといった問題である。厚生省政務次官ラ
インハルト ワネック(自由党)と医師会の代表、社会保険業界の
代表が水曜午後に会談を行なったが、成果はなかった。

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・クリスマス前の忙しい時期に郵便局の被雇用者集会が予定されて
いたが、これは行なわれないことになった。長時間にわたる交渉の
末、郵便労働組合と郵便の首脳は今後2年間の賃上げに合意した。
この決定は3万1千5百人の郵便局員に適用される。


12月14日(木)

フェルトキルヒとブルーデンツでは地方選挙の結果の取り消し要求
に関して、山場が訪れている。憲法裁判所は決定を下した。ラジオ
 フォアアールベルクの調査によれば、この二つの町での選挙はや
り直すことになる。
フェルトキルヒでは、投票所に投票用紙が置かれていなかった、と
いう苦情が寄せられていた。
ブルーデンツでは、市役所職員によって夜間追加集計が行なわれた
ため、選挙結果は無効である、という訴えが起こされていた。

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・クリスマスを前にして国民議会議員は大忙しである。国民議会は
木曜日、年内最後の議会で上級公務員の社会福祉計画を決定した。
さらに2001年1月1日からの動物性飼料の半年間の使用禁止も決定
された。議事日程には10億シリング単位の連邦と州の間の財政調
整が残っていた。引き続き、病院の財政支援に関する新しい規則も
定められた。


12月15日(金)

イタリアの平和市民運動団体は月曜日、国連事務総長コフィ アナ
ンに死刑の廃止を求める3百万人以上の署名を手渡す。署名は146
ヶ国から集まっている、とサント エジディオの同団体は発表した。
署名した人の中には、ダライ ラマ、イタリアの作家ウンベルト 
エーコ、インドネシア大統領わひどが含まれている。90の国で死刑
が行なわれる可能性があり、その3分の1の国で死刑が執行されてい
る。アメリカ、中国、トルコ、インド、サウジアラビア、パレスチ
ナ地域がそのような国の一つである。

     その他のニュース
・襲撃事件でスペインの地方政治家が死亡したのをうけて、バルセ
ロナ近郊のテラッサでは約15万人がバスク独立派組織ETAに抗議し
た。抗議集会には20万人の住民のほぼすべてが参加した。デモの先
頭には首相アスナール、カタルニア地方政府の長プヨール、野党社
会党党首ザパテロがたった。これに伴う騒乱はなかった模様である。


12月16日(土)

連邦大統領トーマス クレスティルはいわゆるスパイ疑惑に関連し
て、法務省の動きに反応して、「クリーア」紙で次のように語った。
「司法が、法律上の役割を没党派的に行使することを誰も疑問に付
してはならない。司法の場では党派性の看板は引っ込めなければな
らない。」彼は、立場の違いを乗り越えて共有できるものを見つけ
出し、同胞を尊重し、掛け橋を壊すのではなく、共同で何かを行な
うことを強調するような言葉づかいをするように、と訴えた。
クレスティルは、司法の独立性を表現した憲法の3権分立の規定を
口にした。
内政の状況は大統領にとって「大きな不安の種」である。政治家は、
対立していてもよりより雰囲気を作るよう努力しなければならない、
粗暴な言葉や対話拒否で対立の空気を作りだすなどということは受
け入れられない、国内の溝を急いで埋めることが大切だ、溝の修復
には時間がかかる、などと語った。

     その他のニュース
・旧東ドイツ秘密警察による盗聴記録の公開をめぐる対立で、ドイ
ツ元首相コールは政敵にむかって無礼な言葉を投げつけた。「政治
的左派陣営」はあたかも自分が免責特権を要求しているかのような
印象を与えようとしているが、「コール(の免責を認める)法案」
ではなく、犯人と犠牲者の違いに注目した一般的な規則を作ろうと
しているのだ、事件の解明をしたところでドイツ西部のどの政治家
にとってもいいことはない、とコールは語った。


12月17日(日)

操作の失敗後、自動的に停止していたチェコのテメリン原子力発電
所の原子炉は、チェコ原子力安全省の情報によれば、月曜にも運転
を再開する。同省大臣ドラボワは日曜日、ラジオのインタヴューで、
第1号炉の第2次循環系での操作ミスは、所員が「極めて適切に選択
された」手順を行なうことで解消した、と発表した。彼女は安全性
の観点では、第2次循環系は余り重要でない、と強調した。

     その他のニュース
・ユーゴスラヴィア大統領コシュトゥニツァは南セルビアと北コソ
ヴォでの最近の事態の深刻化の責任は、セルビアおよびアルバニア
の過激派にある、と語った。両者がコソヴォ問題の平和的解決およ
びその地域での民主化に協力しない、と彼は語った。また、暴力で
は問題は解決できない、と国際平和部隊とセルビア人が北コソヴォ
のレポサヴィッチで衝突したことを遺憾とした。この衝突では日曜
日朝にかけて2人のセルビア人が死亡した。


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