1月15日〜22日のオーストリアのニュース

1月15日(月)

副首相スサネ リース・パサー(自由党)は首相ヴォルフガング 
シュッセル(国民党)の公務員給与の問題で全面的な合意を成立さ
せるための基準額を拒否した。彼女は、「私の意見は彼の意見とは
異なります」と新聞に語った。シュッセルが国民党全国会議で公務
員労働組合員に約束した時のように、合意を取りつける努力は立派
だが、労働組合はそれを計画的に行なっており、「労働組合が妥協
しないのであれば、合意も成立しない」と語った。

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・イスラエル宗教団体代表ムジカントは(ナチ時代の損害の)原状
回復問題に関するオーストリア側の提案を拒否した。「私たちは週
末に提案を知らされました。私たちは平手打ちをくらったようなも
のです」と彼は語った。被害者代表は基本的にオーストリアの即時
賠償金を支払うという金銭面での提案を拒否してはいないが、いく
つかの問題では解決が見られていない、と彼は語っている。火曜日
には交渉は最終曲面に入ることになている。


1月16日(火)

ワシントンで 行なわれているナチの犠牲者の補償交渉は水曜まで
に終了した。アメリカ側の交渉人とオーストリア政府は、土曜日に
アメリカ大統領の交替があるため、迅速に交渉をまとめた。交渉終
了直前に感情的になる場面があった。イスラエル宗教団体代表ムジ
カントは不満を表明し、「平手打ちをくらった」と語っている。大
蔵大臣グラサーはそれに対し、オーストリアはすでに十分なことを
行なった、と語り、交渉に終止符を打った。

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・40%以上の得票でウィーン社会民主党は3月に前倒しで行なわれ
る選挙に勝利したい、と市長ホイプルは語った。彼は選挙までの数
週間、国民党と個々の問題を解決していけるよう望んでいる。社会
民主党の選挙を前倒しするとの決定を、国民党は連立は解消である
と見ている。それに対しホイプルは「今後9週間ウィーン市はきち
んと機能すると確信している」と語った。


1月17日(水)

ワシントンのリンカーン記念碑の所で大がかりな祭典を行なって、
木曜にアメリカ新大統領ジョージ W. ブッシュの宣誓式が始まる。
共和党所属の元テキサス州知事は土曜日に宣誓を行ない、それによ
って公式にビル クリントンの後継者になる。
ブッシュ自身が出席する木曜夕方の式典だけで7万5千人の見物客
が予想されている。ラテンポップスの歌手リッキー マーチンや、
大物ヴァン モリソン、ミュージカル界の名士アンドリュー ロイ
ド ウェバーが場を盛り上げることになっている。

     その他のニュース
・水曜日のチェコのテレヴィの報道によれば、テメリン原子力発電
所の原子炉は、予告通り停止した。それによればタービン発電機の
テストが行なわれた、とのことである。テメリンは2月5日まで停止
することになっている。運転中止はタービンの故障が繰り返し起っ
たためである。またチェコ政府は問題になっているテメリンの環境
維持検査を行なうことに合意した。この検査はEUの専門家が監視し
て行なわれるもので、昨年12月にチェコ首相ゼマンと首相シュッ
セルの会談で合意に達していたものである。


1月18日(木)

ワシントンのリンカーン記念碑のところで開かれているお祭りでジ
ョージ W. ブッシュ43第アメリカ大統領の宣誓式が木曜日に始まっ
た。底冷えのする天気で開かれた大パーティには芸能界から多くの
人が参加した。

     その他のニュース
・ユーゴスラヴィア外務大臣スヴィラノヴィッチが木曜日に発表し
た譲歩によれば、アメリカはユーゴスラヴィアに対する制裁措置の
一部を解除した。彼は、米国大統領クリントンが航空協定と通商協
定を再び締結し、両国の財政面での協力関係を円滑に進めテイク命
令に署名をした、との情報を得た、とのことである。詳細について
彼は発表していない。米国政府報道官は今のところこの報道を認め
ていないが、これに関する声明を金曜日に行なう、と語った。


1月19日(金)

フィリピン大統領ジョゼフ エストラーダは野党につきつけられた
辞任の最終勧告を拒否した。彼は「とても悲しんでおり」のちほど
声明を発表する、と報道官は伝えている。一方数十万人の人々が彼
に辞任を求めて大統領府へデモを行なっている、と通信社の記者は
伝えている。副大統領アローヨは土曜日にも新大統領としての宣誓
を行なう方針である。金曜日に軍、警察、ほぼ全ての閣僚がエスト
ラーダの汚職疑惑で彼に反対の立場を表明していた。

     その他のニュース
・パレスチナは次期米国大統領ブッシュに近東和平交渉にはずみを
付けるように求めた。パレスチナ首脳部が昨日ガザ市で発表した宣
言には、「現実的な」出発点が必要であり、パレスチナと米国新政
権の間に「確固とした関係」があることが望まれる、と書かれてい
た。パレスチナ首脳部は相変わらず、「和平への唯一の道」は交渉
であると考えており、現在の行き詰まった状況からは平和や安全は
近東には生まれない、とも書かれていた。


1月20日(土)

オーストリア首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は「クリ
ーア」紙に、オーストリアは数日前に締結されたナチの犠牲者に対
する賠償の合意を「誇る」ことができる、と語った。彼の発言は次
の通りである。「オーストリアは1938年から45年まで存在してい
ませんでした。そう考えるとオーストリアはそもそも何も持たない
国だったのです。そしてやっと自分のものを取り戻しました。わが
国は緊縮予算にもかかわらず、7億6千万ドル(約114億シリング)
を強制労働者とアーリア化の被害者のために集めました。オースト
リアはこのことを誇りに思うことができます。」

     その他のニュース
・自由党は日曜日、国会に議席を持つ党4つの最後に新年の行動を
起こす。ウィーンで行なわれる会議では役員と党員が今後の計画に
ついて合意が行なわれることになっている。ウィーン市議会選挙の
筆頭候補が固まっていないので、この話し合いの成り行きは不透明
である。ウィーン同党主カバスが開会演説を行ない、引き続き党首
リース・パサーと元党首ハイダーの演説が行なわれる。一方緑の党
は対照的である。拡大幹部会議がザルツブルクで行なわれる。議員
団長代理ペトロヴィチの「動物飼育問題」に関する報告が衝撃を与
えそうである。


1月21日(日)

イスラエルとパレスチナは日曜夕方エジプトの湯治場タバで和平会
談を再開した。今回の会談は10日間の予定で、両者は持続的な和平
条約に向け対立点で合意をする努力を行なう。イスラエルは水曜ま
での交渉の進展を吟味して、交渉を続行するか、2月6日のイスラエ
ル大統領選まで交渉を延期するか決めることにしている。両者とも
協定が成り立つことには懐疑的である。特に問題になっているのは
エルサレムの将来と、4百万人ものパレスチナ難民の今後である。

     その他のニュース
・ブッシュは、国が一つにまとまるよう呼びかけ、またアメリカが
今後も世界に働きかけていくことを約束して、第43代大統領に就任
した。最初に行なったのは最近クリントンが発布した命令を凍結す
ることであった。土曜日の宣誓式の後、底冷えのする天候の中ホワ
イトハウスでの大統領交替が伝統に従った色とりどりのパレードで
祝われた。約2万人の民主党支持者がデモを行なったが、騒ぎには
ならなかった。


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