1月22日〜28日のオーストリアのニュース

1月22日(月)

次回地方議会選挙のウィーン自由党の筆頭候補者、ヘレーネ パル
ティーク・パーブレを副首相スサネ リース・パサー(自由党)は
支持して、彼女は「わが党の最も有能な政治家」であり、多くの人
々に極めて具体的な支援を行なってきた、とテレヴィ番組で語った。
また、彼女はマスコミの思惑に反して、ウィーンでの高い知名度を
利用することができる「理想の候補者」である、とも副首相は語っ
た。

     その他のニュース
・閣議は火曜日新安全保障原則のうち分析の部分の草案を承認する
予定である。国防大臣シュライプナー(自由党)は月曜日の記者会
見で、この草案が議論されることになっている、と語っていた。そ
の後これをもとに結論部分がかかれることになっている。問題にな
っているのは中立とNATOの問題で、彼はオーストリアはもはや中
立国ではなく、非同盟国であり、NATO加盟を個人的には好ましい
と思ってはいるが、現在のNATOでは加盟は現実的ではない、と語
った。
・豚の飼育に違法な薬品を使用した事件は広がりを見せている。オ
ーストリアでは月曜午後までに全部で65の訴えがあった。禁止薬品
が見つかってから、その他合わせて16の農場が閉鎖された。その数
は今後増える可能性がある。動物保護団体「4つの足」によれば、
数百の農場がこの事件の影響を受けている。農相モルテラーは月曜
夕方「徹底的な」解明を行なう、と発言した。


1月23日(火)

労働法の専門家テオドール トーマンドルは、社会福祉省に年金の
長期的な安定を考え直すように求めている労働団体の指導者でもあ
るが、彼は「中期的には、この制度にあまり期待せず、これに慣れ
ていくことが必要だ」との確信を述べた。長期間働くか、それとも
少ない年金をうけとるかの選択は個人に任せてもよい、と彼は語っ
た。労働団体は早ければ一年後にこれに関する提案を行なうことに
なっている。

     その他のニュース
・イスラエルとパレスチナの直接交渉という光明の中でなんとか行
なわれている近東和平の実現と、ヨルダン産業の発達を目標として
2日間の日程でヨルダン国王アブドゥラ2世夫妻がウィーンを正式訪
問している。アブドゥラ2世とオーストリア大統領クレスティルは
ホーフブルクでの意見交換後、パレスチナ国家を作る権利がパレス
チナ人にはある、ということを強調した。また国王はパレスチナ人
難民の故郷への帰還を求めた。


1月24日(水)

ユーゴスラヴィア政府は木曜日あらためて元大統領スロボダン ミ
ロシェヴィッチをデン ハーグの国連戦争犯罪裁判所に引き渡すこ
とを拒否した。外務大臣ゴラン スヴィラノヴィッチは同裁判所の
主席判事カーラ デル ポンテとベオグラードで会談を行なった後、
ミロシェヴィッチは国内で裁判にかけられる、と語った。
ミロシェヴィッチ支持派はデル ポンテの訪問に抗議し、彼女の車
に卵を投げつけた。大統領ヴォジスラフ コシュトゥニツァはイン
タヴューで、ミロシェヴィッチを引き渡すと国内の安定性が失われ
かねない、と語った。

     その他のニュース
・蔵相グラサーは欧州委員会によるオーストリア財政の安定計画の
評価にひとまず満足した。「予算健全化の分野でオーストリアの努
力を前向きに評価」したことは、赤字をなくすという目標の必然性
がはっきり認められたことであり、きわめて野心的な目標を一貫し
て追求していくことになる、「これで政府の予算政策はEUからもは
っきり認められたことになる。私たちの方針は正しい」と彼は語っ
た。
・政府は養豚に違法な薬品が使われたのは特殊な事例にすぎない、
としているが、動物保護団体「4本の足」はオーストリアだけで5百
の農家で不正な薬品使用が行なわれた、と主張している。農業大臣
モルテラーに対する批判は強くなっている。社会民主党は彼の辞任
を要求している。


1月25日(木)

ドイツ元首相ヘルムート コールは匿名の資金提供を行なった人物
の名前を明かす意志はない。彼は連邦検察の調査後も態度を全く変
えない、と木曜日、連邦議会の同党不正資金疑惑追求委員会による
6時間半にわたる尋問後、自らの意見を語った。コールの尋問は3回
目であるが、彼は買収疑惑を激しく否定し、社会民主党と緑の党の
連立政権を厳しく攻撃した。

     その他のニュース
・ユーゴスラヴィアのセルビア議会は木曜夕方、丸一日の議論の末、
今までの野党の指導者ジンジッチを新首相に選んだ。彼とセルビア
民主野党の代表と政党に属さない専門家からなる彼の内閣は全部で
250票のうち168票を得た。反対は55票、欠席27人であった。新
閣僚は宣誓を行なった。


1月26日(金)

アメリカ国防長官ドナルド ラムズフェルドは、問題になっている
ミサイル迎撃システムNMDの設置を中止しない、とアメリカ政府が
決定したことを確認した。彼は昨日国防省の記者会見で、大統領ジ
ョージ W. ブッシュの考えは変わっていない、と語った。1972年
に結ばれた弾道弾迎撃ミサイルを禁止する条約に関して、この条約
が批准された時とは時代が違い、条約を結んだ相手ソ連はもう存在
していない、と彼は語った。ミサイル迎撃システム設置の計画につ
いては彼は語らなかった。ロシアと中国が、この条約を楯にミサイ
ル迎撃システムに厳しく反対している。

     その他のニュース
・ドイツの通信社が伝えるところでは、ドイツ検察庁は元首相コー
ルに対する背任容疑での捜査手続きを、30万マルクに及ぶ罰金を支
払いを受け、中止することになる。また2月には公式の謝罪が予定
されている。これによってコールは前科持ちにはならない。主席検
事ケーニヒは、コメントを差し控えた。コールの弁護士も連邦議会
の不正資金疑惑解明委員会の尋問後1日過ぎても態度を表明してい
ない。


1月27日(土)

土曜日スイスのチューリヒで経済のグローバル化に反対する人々数
百人が暴動を起こした。デモを行なっていた人々が駅周辺の車に放
火し、ガラスを壊し、警察がデモを解散させた。デモ隊の一部はダ
ヴォスで行なわれている世界経済フォーラムに行こうとしていたが、
失敗した。彼らを待ちうけていたのは治安部隊であった。突発事態
に備えて警察は放水車、催涙ガス、ゴム弾を準備していた。デモ隊
は敷石やビンを投げるつもりであった。首都ベルンでも約百人のグ
ローバル化反対派がデモを行ない、一時的に橋を封鎖し、車を壊し
た。
世界経済フォーラムが行なわれている地域ではデモが禁止されてい
る。大規模な治安部隊が投入されているにもかかわらず、2百人以
上のデモ隊が抗議行動を行なった。

     その他のニュース
・バスクのサン セバスチャンで土曜日夕方数千人がデモを行ない、
地下組織ETAが最近海軍の施設に爆弾攻撃を行なったことに抗議し
た。報道によればデモ参加者は1万5千人から2万人で、警官と労働
組合員が先導した。隊列は静かに町を行進し、解散した。バスク地
方を含めスペイン全体130ヶ所でETAに反対する人々が追悼行進を
行なった。午後には海軍の料理人であった犠牲者ガルシアの葬儀が
行なわれた。


1月28日(日)

フェルトキルヒとブルーデンツでは追加選挙が行なわれ、自由党が
敗北した。国民党は両市で市長を出しているが、対照的な結果がで
た。ブルーデンツでは連立与党国民党と自由党は合わせて5%、2議
席を失った。フェルトキルヒでは国民党は0.4%票をのばし絶対多数
を獲得し、社会民主党は前回第2党であった自由党を抜き、第2勢力
となった。

     その他のニュース
・豚肉問題の結果、農家の間では養豚で使用できる薬品に関してEU
全体で共通の指針を作るように、という要望が高まっている。一方
土曜日に厚生大臣ハオプトは、豚の飼育に薬品が乱用されていたこ
とは随分前からわかっていたはずだ、と認めていた。


今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system