1月29日〜2月4日のオーストリアのニュース

1月29日(月)

オーストリア学生連合は学費導入に反対する国民発案を開始する。
オーストリアの18大学の学生連合の代表が参加する執行部会議が月
曜日、全員一致でこれを決定した。この国民発案の詳細は明日公表
される。
国民発案の中心は、学費導入の阻止である。また情報を公開させ、
国会の審議を行なうことを求めている。このためには10万人の署名
が必要である。また国民発案を開始するのに必要な約8千の支持声
明は2月中に集められることになっている。いつ署名を集めるかは
未定である。

     その他のニュース
・閣議は火曜日、社会保険法改正法を審議して、今までは集団営業
には許可が必要であった医院のうち、健康保険外来診療施設を3月か
らは例外とすることにする。


1月30日(火)

国民議会はナチ時代の迫害と収用の犠牲者への損害賠償条約を今日
承認する。賠償実現のために、3億8千万ドル(4億1千3百万ユー
ロ)の賠償基金が設立される。第1回の支払いで、そのうち1億5千
万ドルが賃貸借権の侵害、徴用された家財道具、「アーリア化され
た」個人所有の貴重品の賠償のために支払われる。支払いを求める
権利を持つ人は一律7千ドルを受け取る。この支払いは国民基金が
引き続き行なう。

     その他のニュース
・火曜夕方ウィーンでは連邦政府の教員削減計画に反対するデモが
シュテファン広場で行なわれた。この反対集会を組織したのは新し
く設立された「教育の質綱領」という組織である。この組織は、生
徒にとって教育の質が極めて悪化することを危惧している。社会民
主党はわざと教育の敷居を高くするものだ、と語っている。


1月31日(水)

オーストリア労働総同盟に加盟しているほとんど全ての労働組合は、
木曜日政府の政策に抗議を行なう。具体的には組合員は、政府が計
画している国営企業の民営化政策と、社会保険の保険者の主要連盟
の幹部の解任に反対して、全国の多くの事業所で集会を開く。

     その他のニュース
・水曜午後国民議会でいわゆる「民主主義法案」をめぐって激しい
やりとりが行なわれた。国民党と自由党は期限設定動議を行なって、
自ら提出した郵送投票の導入と、国民発議の重視を内容とする動議
は、6月30日まで憲法委員会で審議を行なう、ということを認めさ
せた。国民党のクホールは、委員会議長コステルカ(社会民主党)
がこの問題の審議を躊躇している、と非難した。政府の計画では、
住民の15%が支持する国民発議は、将来は自動的に国民投票にかけ
られることになる。ただし、憲法、ヨーロッパ法、国際法に抵触す
る場合には、例外となる。コステルカはこれは「見せかけの民主主
義」である、と発言した。


2月1日(木)

大蔵大臣カール・ハインツ グラサー(自由党)は木曜日テレヴィ
番組のインタヴューに答えて、2004年までに税制改革を行なう、
と語った。この改革は「制度を単純化し、負担軽減」するものだが、
それまで支出削減を行ない、国家財政の健全化が行なわれなければ
ならない、と語った。ただし、行政改革が優先され、税制改革が財
政面で可能になるような資金を捻出しなければならない。子女手当
は社会福祉の面から必要に応じて金額面で段差をつけるべきだし、
個々の希望には応えられないことも出てくる、と語った。

     その他のニュース
・ウィーン市長ホイプルの戦闘的な演説で、社会民主党は木曜夕方
公式にウィーン地方議会選挙戦の幕を開いた。「未来を作るために、
私たちは勝利します。私たちは連邦政府が作ったレールの上を行く
つもりはありません」とホイプルはウィーンの博物館地区にある新
クンストハレで開かれた同党の選挙会議で強く語った。


2月2日(金)

国民党と自由党の連立政権の就任の宣誓が行なわれて1年目の3日、
ウィーンで大規模なデモが予定されている。「1年間の抵抗」とい
う表題を掲げて60以上の組織がデモに参加するよう呼びかけた。
デモは西駅を午後2時に出発し、その後マリアヒルフェ通りなどを
通って、バルハウス広場の方へ向かい、6時に解散する。催し物も
予定されており、中でもウィーンの楽団「ドラーディワーベルル」、
「テクスタ」、「ウィダーシュタンツレースング」のコンサート
が行なわれる。デモを呼びかけたのは緑の党、社会民主党のほか、
SOS同時代人、毎週木曜日のデモを組織している反連立与党運動委
員会などである。

     その他のニュース
・ケルンテン州首相ハイダー(自由党)の意向に沿うものであれば、
国民党と自由党の連立は少なくとももう1期続くことになる。ハイ
ダーは「クリエール」紙のインタヴューで、2期目には自由党が首
相を出すことになる、と語った。規則を改正し、国の機能を現実に
合わせなければならない、「私の(副首相)就任の宣誓を認めなか
った、クレスティルの再選は絶望的である」と語った。


2月3日(土)

意に反して交替を迫られている社会保険会社連合の会長ハンス サ
ルムターは土曜日、自由党の元党首イエルク ハイダーの批判を
「根拠がない」と退けた。ハイダーは会計監査員の報告書を根拠に、
役員と社会保険会社の有力社員全員の辞任を要求していた。その報
告書には社会保険会社連合の状況は「災難の元」である、と記され
ていた。

     その他のニュース
・米国新国防大臣ラムズフェルドの理解によれば、米国ミサイル迎
撃システム、バルカン危機、欧州の防衛態勢の一本化、NATO拡大
が近い将来の同盟関係の最重要課題である。着任後初めて国際舞台
に登場した彼は、第37回ミュンヘン安全保障会談でミサイル迎撃シ
ステム計画の正当性を主張した。彼はヨーロッパおよび同盟国はこ
の迎撃システムの防衛圏内に置かれる、と語った。


2月4日(日)

4年では「改革のための出費に何も付け加えるものがない」状態に
はならないので、自由党は次期も連立政権に留まりたい、と同党党
首で副首相のスサネ リース・パサーは日曜日の国民党と自由党の
連立1年記念テレヴィ番組で語った。首相ウォルフガング シュッ
セル(国民党)はそれを確約していない。次回選挙で両党は「それ
ぞれ投票者」の前に出て、審判を仰ぐことになる、と語った。
2003年選挙の自由党の筆頭候補が誰になるのか、は「全く未定」
であるとリース・パサーは語っている。元党首イエルク ハイダー
も「よい州首相なので、よい連邦首相になれるはずです」と彼女は
語っている。

     その他のニュース
・ウィーン地方選挙に関する世論調査で、今選挙が行なわれた場合、
社会民主党は票の42%を獲得するという結果が出た。前回の選挙で
は同党は39.15%を獲得していた。国民党は19%、自由党は18%、
緑の党は16%という結果であった。直接選挙で選ばれる市長は社会
民主党のホイプルが49%で、ゲルク(国民党)15%、パルティク・
パーブレ(自由党)6%、コールヘア(緑の党)5%を押さえて勝利
する見込みである。


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