3月26日〜4月1日のオーストリアのニュース

3月26日(月)

国民議会は火曜日2002年予算の審議を始める。議事日程には予算
関連法案の審議があがっており、本来の予算審議は木曜日に始まる。
食品産業問題の対策として、とくに労働財団「再生」への加入の1
年間の延期が含まれている。その他連邦供給株式会社の設立が審議
される。さらに難しい問題はマスコミ政策である。社会民主党は、
「政府はオーストリア国営放送の独立性と経済的な自立を危機にさ
らしている」という問題を取り上げる。

     その他のニュース
・自由党の元労働組合活動家で警官のクラインディーンストは、新
聞のインタヴューで、自分が関与したとされている「スパイ疑惑」
に関して検察のとった措置を批判した。「検察は事態の全容を解明
しよう」としていない、数多くの書類が担当の予審判事エアダイに
は届いていない、「重要証人」も今のところ尋問されていない、な
どと語った。そして彼は改めてニーダーエスターライヒ州大臣シュ
タットラー(自由党)と、自由党元党首ハイダーの護衛官ビンダー
を名指しで有罪だ、と語った。


3月27日(火)

国民党議員団長アンドレアス クホールは火曜午後、自由党内部の
問題に関しては論評したくない、と語ったものの、連立政権の共同
作業は上手くいっており、連立の状態は良好である、と語った。彼
は、自由党はウィーン地方議会選挙の結果は予想ほどはひどくはな
かったものの、国民党も勝利を収めることができなかった、「今回
の選挙の経験から、私たちは慎重に考えなければならなくなりまし
た」、敗北からも前以上の活力を得ることができる、と語った。

     その他のニュース
・経済議会議長ライトル(国民党)は、チェチェンによる追放の補
償を求めていたズデーテン・ドイツ人連合の要請に理解を示した。
「追放された人の立場に立つと、この要請は完全に理解できます」
と彼は新聞に答えている。旧ナチの犠牲者に対してと同じように、
ズデーテン地方のドイツ系住民に対しても、少なくとも象徴的な補
償を行なうべきだ、と彼は語った。


3月28日(水)

水曜日国民議会は、麻薬の販売者に対し終身自由刑を課し、その告
発を進めて行くための、麻薬中毒新法を決定した。野党は、この新
法は「処罰の代わりに治療を」という基本方針に反している、と批
判した。法務大臣ディーター ベームドルファー(自由党)は反論
して、「これは方針転換ではなく、新しい犯罪に新たに意味のある
対処をしよう」というものである、と語った。

     その他のニュース
・チェコ外相カヴァンは木曜ウィーンでオーストリア外相フェレー
ロ・ワルトナーと会談し、EU拡大の問題、つまりEU加盟希望の近隣
諸国やポーランドとの戦略的な協力関係を築こうという計画、さら
にウィーンで6月6日に行われるこの地域の外相会談について話し合
った。その外に南ボヘミアの原子力発電所テメリンとチェコにいる
ドイツ語を話す少数派の問題について話し合う。その後社会民主党
党首のグーセンバオアーとも会談を行なう。


3月29日(木)

国民議会は金曜日も予算案の審議を行なう。日程には国防、産業、
労働、外務に関する予算が取り上げられる。来年の国防予算は
16億7千万ユーロ(229億8千万シリング)の予定で、今年より
140万ユーロ削減である。産業大臣マルティン バルテンシュタイ
ン(国民党)は来年度の労働政策に111億シリングを要求し、その
うち70億シリングを職業教育のために使うとしている。産業振興対
策費は約59億シリングと見積もられている。外交日は2億9980万
ユーロ(41億シリング)で、今年より360万ユーロ1.2%の削減で
ある。外務大臣ベニータ フェレーロ・ワルトナーはこれを予算健
全化のための措置で、2003年からは増額の努力をすると語った。

     その他のニュース
・オーストリア大統領クレスティルは原子力発電所テメリンをめぐ
って最近行なわれている議論に関して、この原発が速やかに環境に
悪影響を及ぼさないことを証明するよう、要求している。チェコ外
相カヴァンと昨日ウィーンで会談したクレスティルは「メルク協定
を実施に移すことに関し、耐えられないことがいくつかある」との
見解を述べた。


3月30日(金)

警察特殊部隊が金曜夜、ユーゴスラヴィア元大統領スロボダン ミ
ロシェヴィッチの住居を襲った。その際発砲があった、と現地から
伝えられている。それによれば、警官は車でミロシェヴィッチ邱の
敷地まで強引に入り込み、マスクをかぶった警官が突入した。ミロ
シェヴィッチ宅からも銃声が聞こえた。警察がミロシェヴィッチを
逮捕したかどうかは不明であった。邸宅の前には警官隊が終結し、
完全装備の警官がミロシェヴィッチ支持者を家の前から排除した。
その直前ミロシェヴィッチは家の前の群集に姿を現わし、噂されて
いる自分の逮捕に関する報道を否定していた。

     その他のニュース
・問題になっている南ボヘミアの原子力発電所テメリンは、完成後
は「100%安全」になる、とチェコ外相カヴァンは語った。さらに
彼はチェコ政府はいわゆる「メルク」協定で定められた義務を回避
することはない、と請け合った。昨年12月にメルクで、オーストリ
アとチェコの間では、原子力発電に関する環境に対する影響の全面
的な調査を行なうことで合意が成立した。チェコ外相は、この協定
を結ぶことでオーストリア政府がEU拡大を妨害しないしないよう
期待している、と語った。


4月1日(日)

ケルンテン州首相イエルク ハイダーは、自由党の基本的な方針転
換と政府の「主導権獲得」に取り組むよう求めた。10億シリング
の傷害年金制度を即刻準備しなければならない、と語った。また、
党利党略のために職権を乱用しているサルムターなどの社会民主党
幹部に、その悪行をやめさせなければならない、とも語った。また、
ウィーンでの選挙戦に関して、自由党は間違った戦略を取り、子女
手当などの肯定的な面を表に打ち出さなかった、と語った。

     その他のニュース
・形式上の不備のため憲法裁判所が棄却した外来診療費を国民議会
は月曜日、改めて議決する。午前中には専門家による公聴会が社会
福祉委員会で開かれる。その後引き続き、本会議で新しい規則を議
論し、採決する予定である。元々の規定と比べて、支払いをしなけ
ればならない患者の範囲が広がり、また導入の時期が早められる。
外来診療費の免除は具体的に制限され、3ヶ月ごとに計算書が発行
される。


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