４月３０日〜５月６日のオーストリアのニュース
４月３０日（月）のオーストリアのニュース
「労働の日」メイデイには数多くのパレードや政党の集会が開かれ
る。社会民主党はウィーンの市役所広場に集まり、例年通り大規模
な集会を行なう。同党党首アルフレート グーセンバオアーとウィ
ーン市長ミヒャエル ホイプルが演説を行なう。同党はウィーン議
会選挙での勝利で、国民党と自由党の連立政府への批判を強めてい
る。国民党は首相ウォルフガングを囲んで円卓会議を行ない、「新
しい労働の日の完全雇用」という題で話し合いを行なう。自由党は
リンツのウアファール大市のオイローパビーアシュタンデルに党首
スサネ リース・パサーを迎え、集会を行なう。緑の党は1997年
から行なっている「失業者の日」を月曜日に有志を集めてケプラー
広場で行なった。
その他のニュース
・3月下旬に国民議会が可決した新旅券法が火曜日発効する。市民
は旅券や身分証明書発行の際にもはや主たる居住地の役所に申請す
る必要がなくなる。申請は将来はオーストリア国内の居所ならどこ
でも可能になる。さらに、申請書記入ができない人は、本人立ち会
いの上公務員に申請書を書いてもらうこともできる。この措置は段
階的に導入されて5月28日から全土で実施される。
５月１日（火）
アメリカ大統領ジョージ W. ブッシュはアメリカミサイル迎撃網の
建設計画を変えていない。1972年にソ連と結んだABM条約はミサイ
ル迎撃網の設置を全面的に禁止しているが、彼はこれを冷戦の遺物
であると評し、「私たちは30年前のABM条約の制約を越えていかね
ばならない」と語った。ただし彼はこの条約の解除を通告したわけ
ではない。ロシアと中国はミサイル迎撃網計画を厳しく批判してお
り、EUは静観している。
その他のニュース
・アメリカの技術者が火曜日、海南島に緊急着陸した米軍偵察機の
調査のため中国に到着した。米国の飛行機会社ロッキード マーテ
ィンの専門家が、このEP-3E型機がまだ飛行可能か、それともアメ
リカまで輸送する必要があるかどうかを調査することになっている。
彼らは少なくとも2日間は海南島に滞在する。
５月２日（水）
アメリカは中国との軍事面での接触を断つことはない。アメリカ国
防相ドナルド ラムズフェルドの発言は誤解された、と国防相の報
道官は水曜午後ワシントンで発表した。彼が言いたかったのは、軍
事面での接触は場合に応じて吟味してから、認められることになる、
ということであり、これが間違って翻訳され、これが伝わっただけ
だ、と説明した。数時間前には報道官は、ラムズフェルドは当面中
国との軍事面での接触を中断する、との内部用覚え書きを発表して
いた。
その他のニュース
・農業省によれば水曜日、BSE対策費負担の問題で連邦と各州の間
で妥協が成立した。ケルンテン州首相ハイダー（自由党）はこれに
別の見方をしている。またウィーン副市長のリーダー（社会民主党）
は、首相シュッセル（国民党）がいうところの合意は受け入れられ
ない、との意見を語った。
５月３日（木）
金曜日には「ナチの犠牲者を追悼し、暴力と人種差別に反対する集
会」が開かれる。この日は強制収容所マオトハオセンの解放記念日
である。この集会は国会ではなくウィーン王宮で行なわれる。与野
党は演説者の選出で合意できなかったので、この集会は国会では開
かれなかった。それに対し連邦大統領トーマス クレスティルは王
宮で行なうように勧めた。さらにクレスティルは今日の集会の唯一
の演説者となる。
その他のニュース
・野党社会民主党の次期議員団長に指名されているカップは行政改
革を行なうために必要な憲法改正に、同党が賛成することはない、
と語った。「私は今のところこの問題に関与していないし、賛成す
るとは考えていない」と語り、「連立与党が行政改革を行なう中で、
この問題に取り組む時にどれ程無知か、注目すべきだ」と批判した。
５月４日（金）
土曜と日曜スウェーデンで開かれるEU15ヶ国の外相による非公式
会談の中心議題としてEU拡大が取り上げられる。特に人的交流の
面での自由な往来をめぐって各国の立場の違いを埋める努力が行な
われる。オーストリアからは外相ベニータ フェレーロ・ワルトナ
ーが参加する。さらに人権問題とバルカン情勢、近東問題が取り上
げられる。日曜日にはEU加盟希望国13ヶ国の外相を交えた昼食会
が開かれる。
その他のニュース
・金曜、北アイルランドの首都ベルファーストの警察で爆弾が爆発
し、生後11ヶ月の赤ん坊が怪我をした。その女の子は近くを走って
いた車にのっていて、飛んできたガラスの破片で怪我をした、との
ことである。怪我は生命に関るものではない。爆発物は町の西部に
ある警察の建物の裏側から投げつけられ、器物に若干の損害を与え
た。この犯行の背後には共和派の地下組織がいるものと思われる。
IRAは和平協定を拒否している。
５月５日（土）
マケドニア北部のアルバニア人反乱軍の戦闘のため、マケドニア政
府は宣戦布告を行なうかどうか審議する、と予告した。首相ゲオル
ギエフスキは、午後大統領トライコフスキと軍代表との会談を行い、
どのように対処するかを議論した。決定を下す前に他の政党との話
し合いが行われなければならない、とも発表した。
その他のニュース
・ドイツ自由民主党は2002年連邦議会選挙には独自の首相候補を
たてないことにした。自由民主党党大会は昨日デュッセルドルフで
72%の賛成で、新党首ヴェスターヴェレの独自の首相候補擁立を断
念するという提案を承認した。ノルトライン・ヴェストファーレン
州同党首メレマンの意向をヴェスターヴェレは押し切った。469票
が独自候補擁立に反対、173票が賛成、棄権8であった。
５月６日（日）のオーストリアのニュース
スペインの保守政党国民党党首マヌエル ギメネス アバドは日曜
日アラゴンで襲撃を受けた。彼は銃弾を受け死亡した。この犯行を
行なったのはバスクのテロ組織ETAである、とスペインの報道各社
は推測している。彼は1999年12月にETAが休戦を通告して以来
30人目の犠牲者である。国民党はスペインの与党である。
その他のニュース
・マケドニア大統領トライコフスキは国内で宣戦布告を行なう可能
性をもはや否定していない。「マケドニア共和国内で戦争状態を宣
言するに必要な条件は整った」との発言が大統領府の情報として報
じられた。それによれば、アルバニア人反乱軍の「テロリストの攻
撃」により安全性が深刻な危機にさらされている、とのことである。