5月14日〜20日のオーストリアのニュース

5月14日(月)のオーストリアのニュース

ケルンテン州首相で自由党元党首イエルク ハイダーは、イタリア
の総選挙でシルヴィオ ベルルスコーニ率いる中道右派連合が勝利
したのをEUが静観しているのを見て、これはオーストリアに対する
EUの政策が失敗したのを認めたことになると評している。彼は新聞
のインタヴューで、EUはオーストリアでの暗い経験を繰り返したく
ないのだ、と語った。

     その他のニュース
・オーストリア元首相クリーマ(社会民主党)は火曜日オイロティ
ーム社調査委員会に出席する。ユーロ班はクリーマ政権の研修生育
成制度で振興資金を違法に使用した件で訴えられている。合わせて
1億シリングが社会民主党に近い企業団に流れ込み、それに当時の
政府の関係者が協力していた。とくにクリーマの報道官だったモッ
クがこの組織の書記を務め、クリーマの息子ヤンが、本人は知らな
かったと語っているが、会計監査役に選ばれていた。


5月15日(火)

西ヨルダンランドで火曜日ここ数ヶ月で最も激しい武力衝突がパレ
スチナ人とイスラエル人の間で発生し、6人が死亡した。その中に
はイスラエル人居住者の子供も含まれていた。約150人のパレスチ
ナ人が怪我をし、重傷者もいる。これはいわゆる「ナクバの日」
(大惨事の日)がきっかけとなって、数千人のパレスチナ人のデモ
とイスラエル兵がガザ地区と西ヨルダンランドで衝突したものであ
る。

     その他のニュース
・オーストリア元首相で社会民主党の元党首であるクリーマは火曜
日、オイロティーム社の調査委員会に証人として証言した。質問の
中心は、政府の研修生育成制度の運用で振興資金を違法に使用した
件でオイロティーム社の容疑に関するものであった。彼は「事業の
委託や委託された仕事を処理するのに個人的には関与していない。
当時の協力者に尋ねるのが一番だ」と語った。


5月16日(水)

イスラエル軍のヘリコプターは、水曜午後ガザ地区北部と西ヨルダ
ンランドのパレスチナ側の施設を攻撃した。攻撃の際ガザ地区北部
にある難民収容施設の警察の建物にいた7人の一般市民が怪我をし
た、と警察と病院が伝えている。パレスチナ公安部隊によれば、ヘ
リコプターは3発のミサイルを発射し、その爆発音はガザ市の中心
部でも聞こえた、とのことである。パレスチナ側のテレヴィは6発
のミサイルが発射された、と報道している。

     その他のニュース
・英国の国連大使によれば、米国の支持を受けて、英国はイラクに
対する国連の制裁緩和の準備をすすめている。基本的には日用品の
輸入に対する制裁を解除し、一般市民の輸入は緩和されることにな
る、と彼は語った。同時に軍事物資、および軍事に転用できる物資
の輸入を阻止するため、監視は強化される、とも語った。


5月17日(木)

自由党議員団長ペーター ウェステンターラーは木曜夜のテレヴィ
番組で、自由党は「ようやく方針転換を行なった。私たちは与党と
してより力を貯え、最高の与党となるべく努力していきます」と語
った。彼は自由党を「社会的弱者とやる気のある人のための保険証
書」であると位置づけた。また「自由党は将来に対する回答を準備
しており、その中には移民問題も含まれています。人事問題に関し
ては適当な時期に発表します。いずれにせよ議員による秘密会議の
冒頭では人事問題は行なわれません」とも語った。

     その他のニュース
・オーストリア労働総同盟の議長フェアツェトニッチュは、EUの東
方拡大に際して労働市場の開放に猶予期間を設けることをめぐる議
論を、より穏健な方向に向けようとしている。「大規模な移民の波
が押し寄せるとは予想していません」と新聞のインタヴューに彼は
答えた。「東側に向けて壁を築くことが私たちがやろうとしている
ことではないのです」と語った。


5月18日(金)

ウィーンの社会科学研究所SWSのアンケートによれば、オーストリ
ア人の24%は国内にユダヤ人がいなくなればよい、と考えている。
自由党に投票する人たちに限れば、この意見を持つ人の割合は80%
になる。この調査は4月にエルンスト ゲーマッヒャーが行なった
もので、「在イスラエルオーストリア出身ユダヤ人連合」の会報の
中でこの結果は公表されている。調査対象は1177名であった。「こ
のアンケートの結果から、オーストリアではさらに啓蒙教育にさら
に力を入れなければならない」と会報には書かれている。この調査
では25%が、反ユダヤ主義の原因がユダヤ人にはまったくないわけ
ではない、と考えている。自由党に投票する人の中では91%がそう
考えている。この考えを否定しているのは44%であった。

     その他のニュース
・新たに採用される公務員に対する抜本的な年金改革が、国会議員
の今回の任期が終わるまでに行なわれるかもしれない。大蔵政務次
官フィンツ(国民党)の事務所によれば、公務員の問題を担当して
いる副首相リース・パサー(自由党)の要求を受けて、話し合いを
行なう準備をすすめている。リース・パサーは自由党の会議で年金
制度の一本化を求めていた。


5月19日(土)

外務大臣ベニータ フェレーロ・ワルトナーはアメリカ訪問で元連
邦大統領で国連事務総長のクルト ワルトハイムに対して課されて
いる監視措置の撤廃を要求した、との報道がある。監視されている
人はアメリカへの入国が拒否されている。1987年アメリカ法務省
はワルトハイムに対し、バルカン半島での第2次世界大戦中に彼が
果たした役割に疑問があるとして監視措置を課している。

     その他のニュース
・「新支度金」をめぐる議論が白熱してきている。夏までに政府は
意見を取りまとめたいと考えている。一方専門家はこの日程では決
まらないと見ている。この問題をめぐっては自由党から新たな意見
がでている。それは、「雇用されて初日から手続きを行なうよう要
求する権利を持つ」ようにしようというものである。この点で自由
党は政府の方針からはずれることになる。最終的にこれが中間配当
金の形を取るか、年金の追加支給になるかはまだ決まっていない。


5月20日(日)

新聞報道によれば、7月初めから報道関係者に対してより厳しい罰
則が適用される。関連規定は既に昨年11月に承認されていたが、一
般の注目を集めていない。この規定は保護されるべきものの機密性
に関するものである。違反した報道関係者には最高6ヶ月までの拘
留が行なわれる。法務省の民事担当のミヒャエル シュトルマンは、
この制度によって私的な事柄を報道に利用される心配がなくなる、
と語っている。一方アンケート調査によれば、オーストリア人の多
数が、官庁の機密を公表した報道関係者により厳しい制裁を課すこ
とには反対している。

     その他のニュース
・外相フェレーロ・ワルトナー(国民党)は米国訪問で、元大統領
ワルトハイムの米国入国禁止措置の撤廃を求める方針である。米国
法務省は1987年、国連元事務総長ワルトハイムが第2次世界大戦で
バルカン半島で問題のある役割を果たしたために、彼を監視対象に
いれた。彼は最新のCIAの文書では、過去ナチとして活動していた
との疑いが最終的に晴らされていた。


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