10月1日〜7日のオーストリアのニュース

10月1日(月)

ブレア アフガニスタンでの軍事行動は不可避

イギリス首相トニー ブレアはタリバンとイスラム急進派ウサマ 
ビン ラディンがアフガニスタンに持っている訓練施設に対する軍
事攻撃は避けがたい、との見解を表明した。彼は火曜日、ブライト
ンで開かれている労働党の党大会で、米国の攻撃にイギリスはどの
ような形で参加するのか詳細を報告することにしている、と首相に
近い筋が月曜日に明らかにした。

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学生同盟 抗議週間実施

「他人の目を気にしない研究」という表題で、オーストリア学生連
合は10月8日から11日まで抗議活動を行なう。討論会やデモを行な
い、大学改革や授業料に関して批判を行なうことにしている。初日
の8日には「大学の反民主化」に抗議する活動を行なう。ウィーン
では民主主義を主題としたトゥリニーの朗読会を行ない、グラーツ
大学にはギロチンが置かれ、大学生の民主的な決定参加が出来なく
なっている状況を訴える。


10月2日(火)

パレスチナ人 ユダヤ人入植者2人を射殺

イスラエル軍の代表によれば、急進派のパレスチナ人が火曜日、ガ
ザ地区北部のアレイ シナイの入植地で女性1人とその友人を射殺
した。その他少なくとも10人が負傷した。怪我人の1人は声明にか
かわる重傷である。イスラエルのテレヴィによれば、パレスチナ人
と入植者がアレイ シナイで激しい銃撃戦を行なった、とのことで
ある。イスラエル治安維持部隊は、パレスチナ人が4人の人質をと
っているとの報道を否定した。その後武装したパレスチナ人3人が、
イスラエル兵に殺された。

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選挙結果 取り消し

高級金具製造業者ブルームの事業所委員会選挙は、今後混乱を引き
起こす可能性がある。トルコ人被雇用者は投票の3分の1を獲得し、
委員の3分の1を獲得した。全従業員の意向を受けて5人のトルコ人
委員が誕生するはずであったが、その通りには運ばない見通しであ
る。選挙委員会は、トルコ人をのせた候補者リストは受付けたのに、
5人の候補者の名前を抹消した。欧州法廷の判断が下されるのを待
っている状態である。


10月3日(水)

インドでのハイジャック騒ぎ 間違いと判明

インドでのハイジャックは、間違いであると判明した。航空運輸大
臣フサインは、ハイジャックは発生せず、乗客はすべて飛行機から
おりた、と確認した。公式の情報によれば、ハイジャックに関する
匿名の電話があって、ボーイング737型機の操縦士とアーメダブダ
空港の管制官の間で、情報が混乱した。操縦士はその後ニュー デ
リーに着陸し、ただちに治安維持軍がその機体を取り囲んだ。同機
には52人が乗っていた。

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郵便労働組合のウィードナー 罷免へ

郵便局の給与問題で非難されていた郵便キリスト教労働組合連邦委
員長ウィードナーは、おそらく退陣することになる。各州の郵便キ
リスト教労働組合の代表の会合で、シュタイアーマルク州のウィー
ドナーは欠席のまま罷免され、後任が選出された。ウィードナーは、
この委員会の召集が規則に則った形で行なわれていないため、この
決定は無効である、と主張していた。


10月4日(木)

シャローン 戦闘的パレスチナ人に断固対処の方針

イスラエルは、米国のテロ事件後ひとまず好戦的なパレスチナ人に
対する処置を差し控えることを約束していたが、対処を再開する方
針である。首相アリエル シャローンは、木曜日エルサレムで開か
れた記者会見で、イスラエル政府はテロリストに対し厳しい措置を
取り、イスラエルを犠牲にしてアラブ諸国を懐柔するいかなる試み
も受け入れない、と語った。その際彼は、西側各国の懐柔政策を、
ヒトラー時代のドイツ政府の政策になぞらえた。また彼は米国に矛
先を向け、一時的な解決を求めてチェコスロヴァキアを犠牲にする
決定をヨーロッパの民主主義が行なった、1938年の致命的な失策を
繰り返さないよう求めた。

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社民党党首 緑の党代表を批判

連邦緑の党代表ファン デア ベレンは、野党社会民主党と現与党
国民党の連立が再開されるのではないかとの見通しを語ったが、社
会民主党党首グーセンバオアーはこれを否定した。社会民主党は、
安全保障問題と外交政策でのみ政府と協力しているのであって、こ
こから連立を再開すると予想するのは無意味である、と彼は語った。
これらの問題ではできるだけ広範囲の支持を集めることが、オース
トリアとオーストリアの国際貢献という点で重要なのだ、とも語っ
た。


10月5日(金)

イスラエル首相 発言撤回

イスラエル首相アリエル シャローンは金曜日、演説で批判的な発
言を行なったため生じた米国政府との大きな意見の対立を埋めよう
とした。シャローンは金曜午後、外国の記者を集めた記者会見での
彼の発言を米国政府が「受け入れられない」と評したため、米国外
相コリン パウエルと電話で話し合った。シャローンは、世界、と
りわけ米国政府に、アラブ各国に対しおべっかを使わないように、
そのような政策はイスラエルを犠牲にするものだ、と語っていた。
また彼はイスラエルは第2のチェコスロヴァキアにさせない、とも
語っていた。これは1938年英仏がヒトラーの戦争の方針を押しと
どめるために行なったミュンヘン会議になぞらえた発言である。

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首相と伊首相 密接な協力に賛成

イタリアとオーストリアは「既にある良好な関係」をさらに強めて
行く方針である。これは一年おきにお互いを訪問する両国の首相の
会談で話し合われたもので、イタリア政府はヨーロッパの主要国と
はいつもこのように対処している。金曜日はイタリア首相ベルルス
コーニがローマのヴィラ ドリア パンフィーリでオーストリア首
相シュッセル(国民党)との会談を行なって、発表したものである。
ベルルスコーニはこの会談を「きわめて有益」であった、と評した。


10月6日(土)

サウジアラビアの爆発 外国人2人が死亡

土曜日サウジアラビアの都市クホバールで爆発がおこり、サウジア
ラビアの国営通信社SPAの報道によれば、少なくとも外国人2人が
死亡し、4名が負傷した。リャドの米国大使館の情報では、死者の
うち1人と怪我人の1人は米国人で、電気機器会社に対し爆弾の入
った入れ物を通行人が投げ入れた、とのことである。米国政府は、
これと9月11日のテロ攻撃との関連は見いだせない、としている。
SPA通信は、警察の発表として、爆発の犠牲者はすべて外国人であ
る、と伝えている。ただし犠牲者の国籍などの詳細は後に発表する、
とのことである。

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リンツ イスラム系住人の墓28が荒らされる

リンツのサンクト マルティン墓地のイスラム系住民の墓28基が
荒らされているのが発見された。捜査当局の調査によれば、固定さ
れていた墓石の一部を素手で引き剥がし、それを足で踏みつけた可
能性が高い。犯人はわかっていない。犯人を特定する証拠は今のと
ころ見つかっていない。このサンクト マルティン墓地には合わせ
て200ほどのイスラム系住民の墓がある。


10月7日(日)

パウエル 支持を求めてインドとパキスタンへ

米国外相コリン パウエルは数日後にはインドとパキスタンを訪問
し、米国のアフガニスタン攻撃に対するさらなる支援を求めたい、
としている。大統領ジョージ W. ブッシュはパウエルに対し、全権
として両国を訪問するよう命じた、と米国外務省の代表は発表した。
訪問日程は明らかにされていないが、アジア太平洋経済フォーラム
の外相会談が10月17日と18日上海で行なわれるが、パウエルはそ
れに参加の予定であり、その前になる模様である。ニュー デリー
のインド外務相筋では、同国は米軍の攻撃を支援しており、首相ア
タル ベハリ ヴァジパイはブッシュとの電話会談で、攻撃につい
てあらかじめ情報を知らされていたとのことである。

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サンクト ペルテン選挙 社民党優位を保つ

ニーダーエスターライヒ州の州都サンクト ペルテンでは日曜日、
市議会議員選挙が行なわれた。現在わかっている範囲では、ウィリ
 グルーバー率いる社会民主党が絶対過半数を獲得し、国民党と緑
の党は得票を伸ばした。一方自由党ははっきり表を減らした。投票
率は1996年の選挙と比べて、下降し69.7%であった。


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