10月8日〜14日のドイツのニュース

10月8日(月)

アフガニスタン 再攻撃

(ワシントン)米国はアフガニスタンに対する攻撃を続行した。米軍参謀本部長リ
チャード マイヤーズは、今回の武力攻撃を行なったのは米軍機だけであり、巡航
ミサイルを発射した、と発表した。タリバン側は、米軍機を撃墜した、と発表した
が、米国国防相ドナルド ラムズフェルドは、これを否定した。日曜日には米国は
英国軍と共にアフガニスタンの軍事施設を爆撃していた。タリバンは米国に対する
ゲリラ戦を続行する、と威嚇した。

     その他のニュース

アフガニスタンに対する支援続行

(ワシントン)米軍機は月曜日に再び、アフガニスタン北部の一般
住民に食料の配給を行なった。国防相ラムズフェルドは、日曜日に
投下したのとほぼ同じ数の包みを月曜日も投下し、2機で3万7千人
分の食料になる、と発表した。ロシアは援助物資を追加輸送すると
約束した。独赤十字は国境地域に難民収容所の新設を計画している。
日曜日の空爆後、数千人が首都カブールを離れている。国連の情報
によれば、多くのアフガニスタン人はイランへ流入したとのことで
ある。

北部同盟 タリバン攻撃

(カブール)アフガニスタンの反政府勢力北部同盟の地上部隊は、
タリバンに対し攻勢をかけると予告した。北部同盟の代表ダオウド
 ミールは、攻撃は今後数日で始まり、米国と調整しながら行なう、
と発表した。また彼は、米国の作戦はタリバンの失墜を招くであろ
う、との確信を述べた。北部同盟のいわゆる外相アブドゥラ アブ
ドゥラは、首都カブールに対する攻撃は一週間以内には行なわれる
だろう、と述べた。北部同盟の部隊はカブールの北40キロのタリバ
ン部隊の施設を攻撃した。一方タリバンは米兵千人を駐留させてい
る隣国、ウズベキスタンを攻撃すると威嚇している。

NATO 米国を軍事支援

(ブリュッセル)NATOは米国に初めて軍事支援を行なった。NATO
は米国に空中早期警戒管制機5機を北米で使用するために提供した。
独国防省の情報によれば、国防軍の兵士25人が同機に搭乗する。米
国はこの種の飛行機を中東に派遣する方針で、代替機が必要として
いる。米国はNATOに、米国艦船の代わりに東地中海に海軍力を派遣
するよう求めた。カナダは、今後数日で艦船6、輸送機5、兵士2千
を反テロ連合に派遣する、と発表した。


10月9日(火)

アフガニスタン 再攻撃

(ワシントン)米国は火曜日、白昼初めてアフガニスタンの攻撃目標を爆撃した。
同国を支配するタリバンの対空砲が相当破壊されていることが明らかになった。米
国国防相ドナルド ラムズフェルドはワシントンで、攻撃は休みなく続けられる、
と発表した。また彼は、国連が資金を提供している爾来撤去計画に参加しているア
フガニスタン人4人がカブール爆撃で死亡した、との報道が正しいとは確認できて
いない、と語った。夜のうちに米国は第3波の攻撃を開始した。攻撃目標はカブー
ル、カンダハル、ヘラートの各都市で、飛行場やその他のタリバンの軍事施設が攻
撃された。

     その他のニュース

パキスタンの反米デモで死者発生

(イスラマバード)米国によるアフガニスタン空爆に反対する暴力
的な抗議活動で、火曜日隣国のパキスタンで5人のデモ参加者が死
亡した。当局は、これ以上のデモの拡大を防ぐため、3人の主要な
イスラム聖職者の逮捕を命じた。またインドネシアの首都ジャカル
タでも、イスラムのデモ隊と警察が路上で衝突した。デモはこの他
イラク、フィリピン、マレーシア、インドのカシミールでも行なわ
れた、と報じられている。

炭疽 米国で発生 生物兵器によるテロの恐れ

(ワシントン)炭疽の症例およびその疑いのある例が米国で発生し、
生物兵器に夜テロ攻撃を恐れる声が高まっている。ヴァージニア州
で発生した炭疽病の疑いのある症例は、まだ確認されていない。フ
ロリダ州の63歳の記者の死亡後、月曜日同僚の記者がこの病気に感
染していることが確認された。マイアミでは、白い粉を郵便で送り
つけられた2家族が監視下に置かれた。米国法務相アシュクロフト
はこの地域が狙われている可能性はない、とした。炭疽病の病原は
生物兵器の材料として使用される可能性がある。

首相 ワシントン到着

(ワシントン)独首相シュレーダーはワシントンに到着した。1日
の滞在で、米大統領ブッシュとの会談が予定されている。シュレー
ダーは、アフガニスタンでの軍事活動開始後、ワシントンを会談の
ために訪れる初めてのNATO加盟国の政府代表である。出発直前彼
は、米国が現在の軍事活動で主要な負担をしているので、ドイツは
無制限の連帯を米国に示すことが大切だ、と語った。またブッシュ
との会談では、テロリストの資金源を断ち今後の外交方針を立てる
ために話し合う、とも語った。


10月10日(水)

アフガニスタン攻撃続行

(カブール)米国はアフガニスタン国内の目標に対する空爆を再び行ない、イスラ
ム急進派タリバン政権に対する圧力をさらに強めている。日が暮れた後、アメリカ
軍はカブール、カンダハルの目標を攻撃した。目撃者によれば、両都市では多くの
ミサイルが発射され、爆弾が投下された。ここ数日間、タリバンの本拠地カンダハ
ルに対し集中攻撃が行なわれている。米国の情報によれば、空爆でタリバンに大き
な損害を与えているが、カブールでは地対空放火が行なわれているとの報道がなさ
れている。

     その他のニュース

タリバン側の発表

(カブール)アフガニスタンのタリバン政府は、どの代理人をテロ
リストと目されているビン ラディンの代理人として認めるかに関
して、矛盾する発表を行なった。ある報道官はビン ラディンは米
国に対する聖戦を自ら遂行すると当初語っていたが、その後ビン 
ラディンは態度表明は行なうが、アフガニスタンから敵対行動を行
なうことはない、との声明が出された。彼のテロ組織アル カイダ
は米国に対し、飛行機をハイジャックし、再び攻撃を行なう、と威
嚇していた。英国首相ブレアはオマーンを訪問し、この威嚇はアフ
ガニスタンの軍事および補給施設への攻撃が功を奏している証拠で
ある、と語った。

ブッシュ NATOに感謝

(ワシントン)米大統領ブッシュはテロ攻撃以降の重大な時期に
NATOが大きな支援をしたことに感謝した。彼はNATO事務長ロバ
ートソンを訪問し、NATOがテロ行為に反対する国際的連合の支柱
となっている、と語った。会談を前にロバートソンは、新たな国際
情勢をロシアとの密接な協力関係を築くために利用すべきであり、
露大統領プーチンは、NATOはこの機会を逃すことがないように、
と希望している、と語った。またロシアとの協力関係を強めること
でNATOの東方拡大も容易になる、とも語った。

首相 米国訪問の成果

(ワシントン)テロ組織との対決で、ドイツは軍事作戦に参加する
準備を維持する、と首相シュレーダーは米大統領ブッシュとの会談
で語った。ただしどのような形で参加するかに関する情報を具体的
に明らかにすることには意味がない、として拒んだ。米国からの帰
路で彼は、両国政府は今後どのように闘いを続けて行くべきかにつ
いて意見が一致した、と語った。ブッシュも会談で、軍事作戦に関
することだけでなく、政治、外交的な対処が重要である、と強調し
ていた。


10月11日(木)

首相 ドイツの責任拡大の方針

(ベルリン)連邦首相ゲアハルト シュレーダーは世界平和確保のためにドイツが
果たす責任をより大きなものにする方針である。連邦議会での政府声明の中で彼は、
紛争が起った場合には、危機がドイツにじかに降りかかってくるのを避けられるよ
うな時代ではなくなっており、もはや「二次的な支援」だけを行なえるわけではな
い、と語った。彼は米国に対しはっきり、アフガニスタンに対する武力面での支援
を行なうと約束した。ただしこれは国連安全保障理事会が国際法に基づいて正当と
認められる、と首相は強調した。キリスト教民主同盟、キリスト教社会同盟、自由
民主党はこの声明に原則的に賛成したが、関係する部局つまり国防省と経済発展支
援省により多くの資金を出すことが必要である、と要求した。

     その他のニュース

米国の空爆続行

(カブール)米国の戦闘爆撃機は、主にアフガニスタンの首都カブ
ールとタリバンの本拠地カンダハルを白昼長時間攻撃し続けた。日
没後はカブールではまた激しい爆発があったとの報道がある。前夜
には今までで最大の爆撃隊が出撃していた。アフガニスタンの通信
社によれば、最高で140人の一般市民が死亡しており、そのうち
100人以上はジャララバード近郊の村で死亡した。米国のテレヴィ
は、米国も最大の通常兵器いわゆる防空壕破壊弾を投入した、と伝
えている。英軍参謀本部長ボイスは、タリバンの対空能力は著しく
低下し、ビン ラディンの訓練施設と見られる建物も破壊され、軍
事行動はおそらく今後1ヶ月から来年の夏まで続くことになる、と
発表した。

北部同盟 戦果を挙げる

(イスラマバード、ベルリン)アフガニスタンでタリバン政権と闘
う北部同盟は、さらに戦果を挙げた模様である。ただし、北部同盟
がゴール州全体を制圧したとの報道は、通信員によって確認されて
はいない。アフガニスタン反体制派のベルリン代表部の情報では、
さらに千名のタリバン兵が逃亡した、とのことである。また北部の
マザリ・シャリフでは反タリバンの蜂起が始まった模様である。

パキスタン 飛行場を提供

(イスラマバード)イスラム急進派の大規模な抗議活動にもかかわ
らず、パキスタンは米軍に国内の2カ所の空港を提供した。ただし
これはアフガニスタンへの軍事行動には使用されない、と政府閣僚
が明言した。国内の数都市では警察と軍が暴動を防ぐため、大規模
に召集された。金曜以来暴動の激化が懸念されている。


10月12日(金)

ノーベル平和賞 アナンと国連に

(オスロ)今年のノーベル平和賞は国連とその事務総長コフィ アナンの二者に贈
られる。人権と世界の紛争の調停への関与が卓越していたと評価された、とノーベ
ル賞委員会はノルウェーのオスロで発表した。アナンはまず国連の同僚の献身的な
仕事に対して感謝し、ノーベル賞受賞でとりわけ大きな課題を持つことになる、と
語った。受賞は世界各国からの賛同を得ている。

     その他のニュース

米軍 アフガニスタンの制空権は不完全

(ワシントン)アフガニスタン空爆6日後なお、米軍は同国の完全
な制空権を確保していない。国防相ラムズフェルドは、通信網を破
壊し、タリバンの軍事行動力を弱めることには成功したが、対空砲
火は完全に破壊しきっていない、と発表した。同時に彼は反政府の
北部同盟に、タリバン民兵のいる空爆地帯から撤退するよう呼びか
けた。米軍戦闘爆撃機は再び首都カブールと、タリバンの拠点カン
ダハルを爆撃した。大統領ブッシュはタリバンに、テロリストの指
導者と目されているビン ラディンの引き渡しを要求した。FBIは、
米国あるいは国外の米国施設に対する攻撃があるかもしれない、と
警告を発した。、

パキスタンで反米デモ

(イスラマバード)米国によるアフガニスタンへの軍事攻撃に抗議
して、パキスタンのカラチでは暴力を伴うデモが行なわれた。2万
人のデモ隊が警察と路上で衝突した。デモ隊は政府の建物に詰め寄
ろうとしたほか、米国のファストフード店に放火した。ケッタ、ペ
シャワールのデモは平和的に行なわれた。イラン、西ヨルダンラン
ド、マレーシア、インドネシア、トルコのデモも反米デモが行なわ
れ、一部は暴動となっている。

国連人権委員 空爆中止に賛成

(カブール)国連人権委員ロビンソンは、多数のアフガニスタン難
民の発生を考慮して、空爆を中止するよう求めた。冬の始まりまで
に援助物資が調達できなければ、難民は飢えと寒さで死の脅威にさ
らされる、と元アイルランド大統領である彼女は語った。国連難民
高等弁務官事務所と世界食料計画は、隣国パキスタンでの活動が情
勢の緊張に伴って著しく制限されている、と訴えている。反米の抗
議活動のため、15万人分のテントを国境沿いに立てることができな
くなっている、と国連報道官は語った。


10月13日(土)

カブール住宅地 誤爆

(カブール)米軍がアフガニスタン内の目標地点を飛行機で攻撃し始めてから初め
て、誤って住宅地を爆撃した。戦闘機が本来の目標地点であるカブール空港内の軍
用ヘリを攻撃しそこね、900キロ弾を1.5キロ離れた住宅地に打ち込んだことを、
米国防省は認め、一般市民に犠牲がでたことに対し、気の毒に思うと発表した。目
撃情報によれば、4人が死亡し、8人が負傷した。戦闘爆撃機は再びタリバンの拠
点カンダハル、ジャララバード、ヘラート空港も攻撃した。米国大統領ジョージ
W. ブッシュは、攻撃開始1週間でテロとの闘いの第一段階は成果を挙げ、アフガ
ニスタンのテロリストのつながりは分断され、タリバン民兵の軍事力は弱体化した、
と語った。

     その他のニュース

ビン ラディン引き渡し拒否

(カブール)アフガニスタンのタリバンの指導者ムッラー モハマ
ド オマルは、必要な条約が結ばれていないことを理由に、米国が
要求していたテロリストの代表ビン ラディンの引き渡しを改めて
拒否した。同時に彼は全世界のモスレムに対し、米国との戦いでア
フガニスタンを支援するように呼びかけた。米大統領ブッシュは、
ビン ラディンが引き渡されれば、軍事攻撃を考え直すと語ってい
た。サウジアラビアと湾岸協力会議の5ヶ国は、米国がテロリスト
として行方を追求している人物の資産を凍結することを決定した。

タリバン民兵 寝返り相次ぐ

(カブール)米軍による爆撃後、タリバン民兵多数が武装反政府勢
力側に寝返っている模様である。反政府北部同盟の司令官は、タリ
バンの司令官3人が80名の部下を連れて北部同盟に寝返った、と発
表した。イランでの報道によれば、寝返った物の数は4千人を越え
る、とのことである。また北部同盟は新たに村を勢力下に置いた、
と発表した。中立の報道機関はこれを確認していない。

各地の反戦活動

(ベルリン)ドイツ各地で数千人がアフガニスタン攻撃に反対する
活動を行なった。労組、協会、正当、平和団体等多数の組織が催し
に参加するよう呼びかけている。警察発表によれば、ベルリンだけ
でも1万5千人が「戦争反対、平和のために起ち上がれ」との標語を
掲げてデモを行なった。シュトゥットガルトの大規模なデモでは、
プロテスタントの教区監督クルンプが、米国に対するテロは恐ろし
く、かつ良心を欠いた行為であるが、戦争はテロを克服する手段で
はない、と語った。プロテスタントの抗議集会は欧州各地で開かれ
ている。


10月14日(日)

米国 タリバンの提案を拒否

(ワシントン)米国はアフガニスタンのタリバンが、テロリストの首領と見られて
いるウサマ ビン ラディンの引き渡しに関する新たな提案を拒否した。ホワイト
ハウス報道官アリ フライシャーは、タリバンとの交渉は行なわない、と発表した。
この提案とは、米国が9月11日の攻撃へタリバンが関与していたことを証明するで
あれば、タリバンはビン ラディンの中立国への移送を検討する、というものであ
った。その他米国はアフガニスタン国内の目標に対する攻撃を中止することも求め
ていた。米軍はアル カイダのテロ組織およびタリバンに対する戦争の2週目を、
首都カブールおよびタリバンの拠点カンダハルへの爆撃を行なって開始した。アラ
ブ系のテレヴィ局アル ジャゼラの情報によれば、カブールの防空施設はほぼ壊滅
状態である。

     その他のニュース

パキスタンの反米活動

(イスラマバード)パキスタンでは武装したモスレムによる反米抗
議行動が行なわれている。ジャコババードではデモ隊と警官隊が激
しく衝突し、2人が死亡、20名が銃撃を受け負傷した。イスラム急
進派数千名が米兵が駐留する同地の防空施設に押し寄せたため、治
安維持部隊が銃口を開いた。米兵は催涙ガスを使用し、群集を解散
させた。警官は350名のデモ隊を逮捕し、同市を封鎖した。

米国 炭疽の症例発見

(ワシントン)米国では炭疽の新たな症例が見つかった。現在3つ
の州で発見が報告されている。フロリダでは記者1人が死亡した後、
5人から陽性の反応がでた。ニュー ヨークでは2人のテレヴィ局員
に兆候が出ている。ネヴァダのマイクロソフト社に送られた手紙か
ら炭疽菌が見つかっている。内務相シリーは、ドイツでは生物兵器
によるテロ攻撃が行なわれた形跡はない、と発表した。

ナイジェリア 暴動で死者

(アブジャ)ナイジェリア北部では、反米抗議活動が引き金となっ
て起った暴動で、少なくとも13人が死亡した。目撃者によれば死者
は200人に上るかもしれない。モスレムとキリスト教の暴徒集団が
百万都市カノーを練り歩き、家屋、自動車、教会、モスクに放火し
た。警察は100名以上を逮捕した、と発表した。ナイジェリア北部
では今までに宗教が原因となった衝突で数千人が死亡している。


今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system