12月17日〜23日のドイツのニュース

12月17日(月)

ユーロ貨幣 入手可能に

(フランクフルト アム マイン)ドイツではユーロ貨幣への交換に人の殺到が始
まった。銀行や貯蓄銀行は交換初日だけで、いわゆるスターター・キットの3分の
2を交換した、との情報がある。連邦銀行総裁エルンスト ヴェルテケは、気分が
盛り上がりをみせている、と発言した。大都市では新共通貨幣ユーロは深夜過ぎか
ら交換された。新貨幣の実際の使用は1月1日からである。その後紙幣も出まわる
ことになっている。ギリシアとポルトガルでも月曜日からユーロ貨幣との交換が始
まった。その他のユーロ使用国では、少量の貨幣が既に出まわっていた。

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アフガニスタン派兵の決定はクリスマス前の予定

(ベルリン)連邦議会は、アフガニスタンへのドイツ兵派遣をクリ
スマス前に決定する、と首相シュレーダーは語った。国連による派
兵要請が今週末までずれ込んだ場合でも、この計画は変わらない、
と各党代表との会談後彼は発表した。また彼は、テロ組織との戦い
と治安維持軍は完全に区別しなければならない、とも強調した。キ
リスト教民主同盟党首メルケルは、同党はドイツ軍の平和維持部隊
への参加を支持するが、国防軍に対する支出を増やすことを引き続
き求めていく、と語った。

ビン ラディン捜索続く

(イスラマバード)アフガニスタン東部の山地の砦トラ ボラ占領
を受け、米地上部隊はある快打兵の行方を追求している。急進派ビ
ン ラディンの痕跡は今なお見つかっていない。米国は、国際国連
平和部隊は土曜日に同国新政府が成立するまでに配備され始めるこ
とになる、としている。英首相ブレアはロンドンの国会で、
英国には1,000から1,500人の兵が割り当てられる予定で、英国が
同軍の指揮を取る準備を進めている、と語った。

パレスチナ人急進派 アラファトの要請を拒否

(ガザ市)パレスチナ人急進派組織はアラファトの、イスラエルに
対する暴力の行使を中止するように、という要請を拒否した。ハマ
スとパレスチナ人解放人民戦線は、武装闘争を続行する、と宣言し
た。ハマスは、自爆テロだけがパレスチナ人の権利を守る手段であ
る、とも語った。一方西ヨルダンランドとガザ地区では新たな武力
行動が起った。イスラエル兵が3人のパレスチナ人を殺し、その中
にはハマスの活動家と12歳の少年が含まれていた。EUはアラファト
の訴えを歓迎して、イスラエルに対し、軍事行動を中断するように、
そしてパレスチナ人自治区当局には、テロに対する具体的な対策を
取るように呼びかけていた。


12月18日(火)

独国防軍 エアバス73機を予約

(ブリュッセル)国防軍は輸送用エアバス73機を総額約170億マルクで予約した。
1年に及ぶ交渉の結果、連邦国防相ルドルフ シャルピングとその他のヨーロッパ
7ヶ国の国防相は、ブリュッセルで開かれたNATOの会合で関連する契約書に署名
した。シャルピングは契約相手に、連邦議会ができるだけ早く資金の不足分の支出
を認める、と約束した。国会は、この新たに投入される輸送機購入のために、まず
100億マルクを支出することで合意している。NATOの会議では、国際テロとの戦
いがもう一つの主題であった。

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アフガニスタン軍に関し粘り強い交渉

(カブール)期限が迫ってくる中、カブールでは国際平和軍に関す
る交渉が続けられている。平和軍は土曜日に動きだす暫定政府が仕
事をしやすくすることを任務としている。内相に就任するジュニス
 カヌニは、同盟する英米と話し合いを行なった後、軍派遣につい
ては合意したものの、その規模についてはまだである、と語った。
ドイツの他、少なくともEUの4ヶ国がこれに参加する、スペイン国
防相トリーヨは発表した。独国防相シャルピングは国防軍の指揮を
取ることを拒否した。英国はこの軍隊の指揮を取る、と宣言してい
る。

米国によるアフガニスタン空爆続行

(ワシントン)米軍機は、アフガニスタン東部の山地の砦トラ ボ
ラ周辺に激しい攻撃を加えた。この地域には南部のカンダハル周辺
と同様、絶え間なく爆撃が行なわれている、と米国防省は発表した。
米国は、アフガニスタン指令部がビン ラディン率いるアル カイ
ダ兵士が作った洞窟網を制圧した、と宣言を出しても、トラ ボラ
に対する攻撃を続けていた。地上にも米国精鋭部隊が投入されてい
る。ビン ラディンの所在についてはまだ不明である。

シャローン アラファトを批判

(テル アヴィヴ)パレスチナ大統領アラファトの国民に対する暴
力放棄の呼びかけは、効果を発することはない、とイスラエル首相
シャローンは見ている。イスラエル人に対する攻撃は続いており、
アラファトは急進派対策をとっておらず、イスラエルが求めている
のは言葉ではなく行動である、と彼は語った。一方米国はアラファ
トに対し、イスラエルに対する暴力をやめるならば、パレスチナ人
国家建国を支持することを検討する、と発表した。西ヨルダンラン
ドとガザ地区での衝突はまだ続いている。何回かの衝突で双方に数
人のけが人が出た。


12月19日(水)

アフガニスタン治安維持軍問題 妥協を模索中

(ニュー ヨーク)アフガニスタン暫定政権成立を数日後に控え、同国の治安維持
のための国際部隊派遣に関する最終決定はまだ出ていない。英国は、この部隊を3
ヶ月に渡って指揮する準備をしている、と公式に発表した。同国国防相ジョフ フ
ーンは、その期間が過ぎた場合には指揮権を他国に譲る、今のところ21ヶ国が3千
から5千人の兵士を派遣する予定だ、と各国との話し合いの後ロンドンで語った。
国連の指示が派兵の条件である。英国とドイツは指揮系統と派遣の期間について対
立している。ドイツ国防相ルドルフ シャルピングとフランスは、アフガニスタン
の米国軍と国連平和維持軍をはっきり区別することを主張している。

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ソマリアで反テロの戦いを行なう見通し

(ブリュッセル)米国は、テロとの戦いをアフリカのソマリアへ拡
大する可能性がある。米国参謀長マイヤーズは、ソマリアは権利が
認められていない国の一つであり、政治的あるいは武力を用いてこ
の状態を改善していくことができる、と語った。ドイツ外務省報道
官は、ドイツ政府は米国がソマリアに関して具体的な軍事行動を取
る計画を聞いてはいない、と発表した。

米国は印パ間の戦争の危険性が少ないと見ている

(ブリュッセル)インドとパキスタン間の戦争の危険性は、最近の
政治の緊張にもかかわらず小さい、と米国政府は見ている。両国は、
現在の情勢下で慎重な行動を取っている、と米参謀長マイヤーズは
語った。先週インド国会を襲撃し、10名以上が死亡する事件が起き
ていた。インドは、パキスタンが指示し、カシュミール地方の分離
独立派がこの自爆テロを行なった、と非難している。

パレスチナ人警察官 初めて逮捕される

(ガザ市)パレスチナ自治当局は、大統領アラファトが命じた武力
放棄を実質的なものにするため、警察官を初めて逮捕した。ガザ地
区では15人の警官がアラファトの命令を無視した件で逮捕された、
と報じられた。イスラエル首相シャローンは、さらなる攻撃をやめ
させるために、パレスチナ治安当局との会談を再開するよう、諜報
機関に指示した。


12月20日(木)

国連安保理 アフガニスタン保安部隊派遣指令を出す

(ニュー ヨーク)国連安全保障理事会は木曜日、アフガニスタン保安部隊派遣の
ための指令を出した。これにはドイツ軍も参加する。ドイツ政府と国会は、金曜と
土曜にドイツの派兵を決定する意向である。この保安部隊は当面6ヶ月間、アフガ
ニスタン暫定政権を支援し、首都カブールとその周辺の治安を維持する任務につき、
武力を行使する可能性もある。アフガニスタン首脳部の間では、英国が指揮するこ
の部隊の派遣に反対する向きもある。次期国防相モハメド ファヒムは、国連とは
意見はかなり違う、と語った。彼は、部隊のごく一部だけが平和維持活動を行ない、
大半は人道支援を行なってほしい、とも語った。

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逃亡中のアル カイダ兵逮捕

(ワシントン)米国での報道によれば、パキスタン国境警備軍は、
アフガニスタンから逃走したテロ組織アル カイダの兵士数百人を
逮捕した。この兵士たちは近東およびその他の諸国出身である、と
米国防相ラムズフェルドは語った。米国連邦警察の担当者がは、ビ
ン ラディンのその後について何らかの情報を引き出すため、アフ
ガニスタンでアル カイダとタリバンの兵士を尋問した。誰もこれ
に関する情報を持ってはいない、とラムズフェルドは発表した。

国防相批判を受ける 首相は国防相を擁護

(ベルリン)連邦国防相シャルピングは再び批判を受けている。彼
はソマリアで米国が反テロの戦いを計画していることについて発言
したが、この発言をめぐって野党は連邦議会で彼に辞任を求めた。
首相シュレーダーは、シャルピングを擁護し、この問題を検討する
ことを拒否した。また彼は、シャルピングの発言の一部は、不当に
解釈された、と語った。これ以前に、米国防相ラムズフェルドは、
反テロの戦いをソマリアまで拡大するとの報道を否定していた。

アルゼンチン大統領 辞任を拒否

(ブエノス アイレス)政府筋の情報によれば、アルゼンチン大統
領デ ラ ルーアは木曜日、蔵相カヴァロを含む全閣僚の辞任願い
を受理しなかった。同国は巨額の負債を抱えているが、国内の抗議
活動と略奪行為の圧力を受けて、閣僚は辞職願を提出した。これよ
り前、大統領は流血の惨事が起っているため、緊急事態を宣言して
いた。今までに少なくとも16名が死亡している。カヴァロは財政
緊縮措置を主導して行なってきたが、これに対し国民から不満の声
があがっていた。同国の失業率は18%を越え、国からの社会福祉の
支援も行なわれていない。中道左派政権はIMFからの支援を得るよ
う努力をしていたが、IMFは厳しい支出削減策を取ることを支援の
条件としている。


12月21日(金)

米空軍 アフガニスタンでトラックを爆撃

(カブール)米国戦闘爆撃機がアフガニスタン東部で輸送用トラックを爆撃し、多
くの死者がでた。アフガニスタンの通信社AIPによれば、死者は65人とのことであ
る。目撃者の情報によれば、犠牲者の中には次期首相ハミド カルザイの支持者が
いる模様である。米国防省は、タリバンの指導者あるいはアル カイダの幹部をト
ラックが運んでいるとの諜報部の情報に基づいて、行動を起こしたと発表した。目
撃者はカルザイに反対する人物が誤った情報を流し、トラックを米軍機の標的にし
たのだ、と伝えている。

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カルザイ首相就任の準備進む

(カブール)首都カブールではカルザイの首相就任にむけた準備が
進んでいる。彼は閣僚就任予定者、国連代表、米国外交官と大統領
府で会談した。EU特使クライバーはカルザイに、EUと国連が民主
主義へと政府を改革するために支援することを約束した。多国籍保
安軍の英国先遣隊はカブールでの任務についた。アフガニスタンは
5年以内に約180億ドルの復興支援を必要としている、と先日ブリ
ュッセルで行なわれた国際支援国会議で、専門家が予想した。最も
差し迫った問題を解決するためだけでも6億ドルが必要である。

最大1,200人のドイツ兵 アフガニスタンに派遣

(ベルリン)ドイツは国連が派遣する保安部隊に最大1,200人を派
遣する。この案を連邦政府が国会に提案し、土曜日の特別会で最終
的に決定される。民主社会党を含めすべての会派がこれに賛成する
方針を固めている。政府筋では、歩兵部隊の他ヘリコプター、通信
員、衛生兵もできるだけ早期にアフガニスタンに派遣したい、とし
ている。国防相シャルピングは、6ヶ月間の派兵費用は6億5千万マ
ルクになる、と見積もっている。彼は22ヶ国の軍隊からなる国際保
安部隊の指揮権を3ヶ月後に英国からドイツが引き継ぐ可能性があ
る、とも語った。

イスラム聖戦 反イスラエル闘争を続行

(ダマスカス)パレスチナ急進派組織「イスラム聖戦」はイスラエ
ルに対し交戦を続ける方針である、と指導者ラマダン アブダラ 
シャレーがシリアで発表した。急進派ハマスはこれより前、パレス
チナ人の団結を守るため、イスラエルに対する自爆テロと榴弾の使
用を一時中止する、と発表していた。日曜日にはパレスチナ大統領
が、パレスチナ人に対し武装放棄を止めるよう訴えていた。イスラ
エルはハマスの発表を見せかけにすぎないとしている。武装パレス
チナ人と警察がガザ地区で激しく衝突し、パレスチナ人5人が射殺
された。ジャバリア難民収容所では暴動が起り、60名以上が怪我
をした。


12月22日(土)

国会 ドイツ兵アフガニスタン派兵を承認

(ベルリン)ドイツは最大1,200人の兵士を送り、国連アフガニスタン平和軍に参
加することが、連邦議会特別会で決まった。賛成538、反対35、棄権8であった。
民主社会党だけがこの提案に反対した。連邦国防軍の兵士は、クリスマス後派遣命
令を受けことになる、と国防相ルドルフ シャルピングは発表した。任務はさしあ
たり6ヶ月間に限定されている。投票を前に首相ゲアハルト シュレーダーと外務
大臣ヨシュカ フィッシャーは国会でドイツがこの保安部隊に参加するよう強く訴
え、国連保安部隊の派遣があってこそ、アフガニスタンが民主的かつ平和的な新体
制を作る機会を捕らえることができる、と語った。
オランダ国会は200人の兵の派遣に賛成した。これはドイツ部隊に組み入れられる。

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アフガニスタン暫定政権成立

(カブール)22年以上にわたる戦争を経て、アフガニスタンに新た
な暫定政権が成立した。カブールの内務省での宣誓式の後、パシュ
トゥン人で首相のカルザイは、諸国に破壊されたアフガニスタンに
対する経済支援を行なうよう求めた。彼は今後数ヶ月の最重要課題
として、教育制度の改革、男女同権、意見表明の自由をあげた。そ
の他彼は戦争犯罪捜査の委員会の設置を検討している。暫定政権の
閣僚は29人で、その多くは北部同盟に属している。2人の女性が入
閣している。同国政府はさしあたり半年職務を遂行する。その後、
評議会がその後の暫定政府の人選を行なうことになっている。

米国司令官 ビン ラディンの足取り不明と発表

(カブール)急進派の指導者ビン ラディンは1週間前から足取り
がつかめていない、と米司令官フランクスは語った。また彼は、ビ
ン ラディンが外国へ山越えした、あるいはパキスタンへ脱出した
可能性があるとも語った。パキスタンの軍事権力者ムシャラフは訪
問中の北京で、ビン ラディンは空爆でトラ ボラ山中で死亡した
のではないか、国境警備が厳重なのでパキスタンへ逃亡したとは思
えない、と語った。

米国 輸送用トラックへの攻撃はタリバンに対するものだと強調

(ワシントン)米国はトラ ボラ近郊で輸送用トラックを爆撃した
ことを弁護した。この車にはタリバンの重要人物が乗っていた、と
国防相の報道官が強調した。アフガニスタンの通信社は、このトラ
ックで死亡した65人の中には、暫定政府の就任式に向かう途中の、
部族の長老やムジャヘディンの司令官が乗っていた、と報じている
が、これを米国防相は否定した。暫定政府の首相カルザイは、アフ
ガニスタン当局はこの事件を調査する、と語った。


12月23日(日)

ドイツ兵 大晦日前にもアフガニスタンへ

(ベルリン)国防軍をアフガニスタンへ派遣することを連邦議会が承認したことを
受けて、ドイツ兵の第1次陣を12月29日カブールに派遣する、と国防省報道官が
ベルリンで発表した。まず少数の通信兵が派遣されることになる。一方英国では、
国連平和維持作戦に参加する部隊を派遣する各国が参加する会議が開かれ、保安部
隊の攻勢ををどのようにするか、そしてそれぞれの部隊をいつ派遣するかを話し合
うことになっている。

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カルザイ 反テロの戦いと密接な協力をする方針

(カブール)アフガニスタン新政府首相カルザイは国際社会に対し、
テロ組織との戦いに協力していくことを約束した。彼はインタヴュ
ーの中で、同国からすべてのテロリストを追放するまで米軍が同国
に留まることができる、テロリストと目されるビン ラディンを同
国で捕らえた場合には米国あるいは国際法廷に引き渡す準備がある
が、彼とタリバンの指導者オマルはアフガニスタンでも裁判にかけ
ることができる、などと語った。前日内閣は結成会議を行なった。
月曜日から各大臣は職務を開始する。治安維持と国の再建が最優先
課題である。カルザイは国際社会に、アフガニスタンを長く支援す
るよう訴えた。

暗殺容疑者 靴に爆発物を所持

(ボストン)米連邦警察は、パリ・マイアミ間の定期便で取り押さ
えられた男のスニーカーの中から、2つの実際に爆発する手製の爆
発物が見つかったことを認めた。この男の国籍は不明である。FBI
によれば、この28歳の男は英国のパスポートを持っていた。月曜日
にはこの容疑者は拘留裁判にかけられる。この男はアラブ系の外見
をしており、マッチで靴に火をつけようとして、ボーイング767型
機の中で乗員と乗客が取り押さえた。同機はこの事件のため、戦闘
爆撃機がボストンへと誘導した。

イスラエル アラファトのベツレヘム訪問を拒否

(ブリュッセル)ベルギー外相でEU理事会議長のミシェルはイスラ
エルに対し、パレスチナ大統領アラファトがクリスマスにベツレヘ
ムを訪問するのを許可するように要請した。イスラエル治安省はこ
れを拒否している。イスラエル軍が12月初めにアラファトの住まい
を取り囲んでから、彼は実質的に自宅拘留状態にある。ベツレヘム
訪問のため、アラファトはイスラエルの領土を横断しなければなら
ない。イスラエル政府はあらゆる手段を講じてこの訪問を阻止する、
と発表していた。


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