1月14日〜20日のオーストリアのニュース

1月14日(月)

     国際ニュース

国連 アフガニスタンへ1億ドルの緊急支援

国際社会への緊急支援を求める声に答えて、国連はアフガニスタン
支援を約束した。暫定政権は今後1億ドル(1億1200万オイロ)を
必要としているが、同国は破産の危機にある、と国連報道官アーマ
ド ファウジは月曜日カブールで発表した。この資金は、この6ヶ
月間給料を受け取っていなかった、23万人の政府職員と警官の給
料が支払いに当てられる、とも語った。

     国内ニュース

村落名標問題で 内相 ハイダーを批判

村落名標問題で、今度は国民党からケルンテン州首相イエルク ハ
イダー(自由党)に対する激しい批判が出てきた。月曜午後の話し
合いで、内相エルンスト シュトラサー(国民党)は、憲法裁判所
の裁判官を「刈り込みたい」とのハイダーの発言を「言語道断」だ、
「刈り込む」という樹木栽培で使われる表現が使われることには耐
えられない、と語った。ハイダーは、村落名標の判決が出た後、オ
ーストリア憲法裁判所の裁判官は、「職務にふさわしい規模にまで
刈り込まれ(縮小され)なければならない」と発言していた。


1月15日(火)

     国際ニュース

パレスチナ解放人民戦線議長 逮捕

パレスチナ警察は火曜日、急進派パレスチナ人の指導者アーマド 
サーダトを逮捕した、とパレスチナ人自治区の代表が昨日発表した。
サーダトの代理アブデル ラヒム マルアヒもこの事実を確認した。
サーダトの民兵組織パレスチナ解放人民戦線は、3ヶ月前近東紛争
激化の引き金になったイスラエル観光大臣レハヴァム ゼエヴィの
暗殺の責任を引き受けた。パレスチナ解放人民戦線はイスラエルと
の平和条約締結に激しく反対している。イスラエルはゼエヴィの暗
殺後、パレスチナ人との緊張緩和のためにはサーダトの逮捕が必要
だ、と繰り返し主張していた。

     国内ニュース

政府 景気刺激策を実施の方針

オーストリアでは期待通りに景気は上向きにならない。政府は再び
財政赤字をなくす方針を取る。それによれば政府は2002年、成果
の少なかった昨年より多くの支出をする方針である。産業大臣バル
テンシュタイン(国民党)景気活性化のために、昨日閣議を通過し
た商業秩序の自由化を推し進めていく。ただし彼がより柔軟でまた
長期的な予定に基づいて決定できるかどうかは疑問である。野党だ
けでなく、自由党もバルテンシュタインの計画に冷たい態度を取っ
ている。


1月16日(水)

     国際ニュース

イスラエル ジェニン封鎖

イスラエル軍は水曜夜、パレスチナ人の町を封鎖した。水曜のラジ
オ放送によれば、パレスチナ人急進派による攻撃が計画されている
との情報があったため、西ヨルダンランド北部のジェニン市周辺が
封鎖された。これにより、今週初めから西ヨルダンランド5つの都
市が封鎖されたことになる。1月3日の米国近東仲介役アンソニー 
ツィニーの到着の時点で、軍はジェニン市の全面的な封鎖を解除し
ていた。今週月曜日から、パレスチナ人による銃撃でイスラエル人
3人、パレスチナ人1人が死亡した一連の事件をうけ、軍隊はトゥル
カレム、ラマラ、ナブルス、カルキリアを封鎖していた。

     国内ニュース

テメリン原発に関する国民発議の情勢

ウィーンでは自由党が計画している反テメリン原発国民発議に対す
る市民の関心が強まっている。このように報じたのは社会民主党所
属の市議会議員レナーテ ブラオナーの広報担当レエブである。彼
は具体的な数字はあげなかったが、この発議はかなり順調に署名を
集めており、今まで行なわれた発議の中で6分の1ぐらいの位置にい
るが、遺伝子技術に関する国民発議のときほどではない、と語った。


1月17日(木)

     国際ニュース

赤十字 グアンタナモへ

赤十字の代表がキューバの米国海軍基地グアンタナモに到着し、そ
こに囚われているアフガニスタンの捕虜が置かれている状況を調査
する。人権団体は、捕虜の扱いに関し憂慮を表明し、捕虜が屋外の
金網の中に一時的にせよ置かれているのではないかと見ている。米
国防省の報道官は、捕虜は「極めて人間的に扱われている」と強調
している。現時点で既に百人を越えるタリバン兵がグアンタナモに
抑留されている。

     国内ニュース

アフガニスタン派遣部隊 見送りを受ける

ウィーナー ノイシュタットで開かれる軍事式典の中で、アフガニ
スタン国際保安部隊に参加するオーストリア兵は金曜日、国防大臣
ヘルバート シャイプナー(自由党)の見送りを受ける。オースト
リア連邦軍60名の兵士は出発後、まず6ヶ月間カブール周辺で護衛
と人道支援、軍と警察機構の再建のために顧問の役割を果たすこと
になっている。


1月18日(金)

     国際ニュース

米軍撤退は非公式要請

米国では新聞が、サウジ・アラビアが米軍を国内から撤退すること
を求めていると報じたが、同国政府はそのような公式の要請は出し
ていない、と強調した。ただし米国が求めるのであれば、いつ撤退
してもかまわない、と同国の代表が昨日リヤードで発表した。米国
はこれに対し驚きを表明した。大統領府の報道官フライシャーは、
自分が知る範囲では、そのような要請がサウジ・アラビアの政府代
表から行なわれたことはない、と発表し、大統領ジョージ W. ブッ
シュは、サウジ・アラビア政府との協定は今のところ上手く機能し
ている、との意見を持っている、と述べた。

     国内ニュース

クホール 連立に困惑

国民党幹部のアンドレアス クホールは、土曜発売の新聞のインタ
ヴューに答えて、連立政権には不安があると述べ、「私はこれがこ
れ以上広がらないことを望む」と述べた。彼は「テメリン原発に関
する国民発議のあとには、紛糾の種がないことを望んでいる。この
種の問題にこれ以上取り組む余裕はないからだ」と語り、現状に悩
まされている、とも語った。内務大臣エルンスト シュトラサーも
同様の趣旨のことを別の新聞に語っている。「国民党にとっては、
どれぐらい多くの人が今回の国民発議に署名しても、なんの問題も
ない」と語った。


1月19日(土)

     国際ニュース

伊首相の外交政策に反対する大規模なデモ

約20万人(主催者発表)が参加して、シルヴィオ ベルルスコーニ
の中道右派政権の移民法に反対する大規模な政治集会が、土曜日午
後ローマでで行なわれた。参加者の中には、さまざまな国出身の外
国人数千人が含まれていた。デモ参加者はローマの中心部を通って
歩き回り、融合を求め、「多様な人種からなる世界」を擁護する標
語を書いた横断幕を掲げた。この政治集会は経済の世界規模化に反
対する人々が主催し、雇用契約を持っている人だけにイタリアに移
住する許可を与えるとする法案を批判している。この法案は閣議を
通過し、国会で話し合われることになっている。

     国内ニュース

外国人労働者 年金損失分を求めて闘う

オーストリアにいる旧ユーゴスラヴィアの外国人労働者で過去5年
間で年金を受け取ることになった人は7千から8千人いるが、ユー
ゴスラヴィア年金連合の情報によれば、彼らはひどく不利に扱われ
ている、とのことである。オーストリアとユーゴスラヴィアの2国
間協定が5年以上前に失効しているため、ユーゴスラヴィアで仕事
をした期間が年金に組み入れられていない。


1月20日(日)

     国際ニュース

サッダーム 総動員を検討

イラク大統領サッダーム フセインと彼の最高顧問は、日曜日米国
の攻撃に備えて、総動員令を出すかどうか検討した。イラクの通信
社INAの報道によれば、サッダーム フセインは革命評議会と与党
バース党の代表と、イラクは、米国の「悪意に満ち、敵対的な計画」
にはどのように対処できるかを話し合った。数日前にはサッダーム
は、米国からの攻撃があると想定し、それに対する準備を進めてい
る、と表明していた。

     国内ニュース

反テメリン原発国民発議 月曜終了

自由党が起こしているテメリン原子力発電所に反対する国民発議の
署名を行なう期限が今日で終わりになる。記入所は大抵の自治体で
16時に閉められる。ウィーンを含むいくつかの自治体では20時ま
で署名が可能である。内務省によれば、結果は22時ごろまとめら
れる。この国民発議のため、オーストリア政府とチェコ政府の間の
空気はここ数日間緊張している。チェコ首相ゼマンは特に自由党に
対して激しい批判を行なっている。オーストリア国内でも、この国
民発議は政治的な議論を巻き起こしている。連立与党の国民党、野
党社会民主党や緑の党からも拒否の声があがっている。この国民発
議は、テメリン原発が停止しない場合には、チェコのEU加盟に拒
否権を発動することを求めている。


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