3月11日〜17日のドイツのニュース

3月11日(月)

ガザ地区の銃撃戦で死者

(ガザ市)ガザ地区の難民収容所ジャバリジャで、イスラエル軍とパレスチナ人の
間で銃撃戦があり、少なくとも11人のパレスチナ人が死亡した。パレスチナ治安
当局はその他、イスラエル軍が戦車で同収容所に進軍した際、少なくとも50人が
負傷した、と伝えている。その他戦闘用ヘリがガザ市の目標地点を攻撃した。これ
に先立ちイスラエルは、3ヶ月前にパレスチナ大統領に課した自宅拘禁を解除して
いた。月曜日には西ヨルダンランドに手入れが行なわれ、約千人のパレスチナ人が
逮捕されている。テル アヴィヴでは約5万人のユダヤ人入植者が、パレスチナ人
により厳しい措置を取るよう求めてデモを行なっていた。

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社民党 政治資金問題で責任を取る方針

(デュッセルドルフ)ケルンの政治資金問題で、ノルトライン・ヴ
ェストファーレン州社会民主党は初めて、人事面での責任をとった。
同州同党の幹部会は、大規模な取引きに関与していたケルン同党に
所属していた政治家2人に対し、党規律措置をとるように同州同党
執行部に勧告する決定を下した。一方16人のケルン市同党の州、連
邦、欧州各議会の議員のうち8人が、自らが潔白であるとの声明を
発表した。これらが虚偽であることが判明した場合には、党から除
名されることになっている。

医師会 有罪と予断しないよう警告

ドイツの病院勤務医千人は収賄を受けているとの非難に対し、ハル
トマン同盟は有罪であるとあらかじめ判断しないように警告した。
医師会会長トーマスは、医師という職業は繰り返し何度も中傷され
る、と述べた。ドイツ司法は、百を越える病院の千人の医療関係者
を、医薬品製造業者から不正な資金を受け取った疑いで、調査して
いる。

ジンバブエ大統領選終了

(ハラレ)ジンバブエ大統領選は終了した、と選挙管理委員会の代
表が発表した。1日間選挙期間を延長したにもかかわらず、すべて
の市民が投票することはできなかった。警察は警棒と催涙ガスを用
いて、投票所の前で列を作っていた人々を追い払った。日曜には同
国最高裁が、投票期間を1日延長する指示を出していた。野党候補
ツヴァンギライは、支持者に対し、政府が暴力的な措置を取らない
よう、平静を守るように呼びかけていた。EU各国の大使はこの投票
は公正ではない、と評している。


3月12日(火)

イスラエル ラマラ占領

(ラマラ)1982年のレバノン出兵以来最大の軍事行動に出たイスラエル軍は火曜
日、西ヨルダンランドのパレスチナ政府の所在地ラマラの大部分を占領した。数日
前から続けているパレスチナ人居住区での大攻勢で、この24時間内に少なくとも
31人のパレスチナ人を殺害した。最も多くの死者が出ているのは、ガザ地区の難
民収容所ジャバリジャで、軍に反撃した住民18人を兵士が射殺した。パレスチナ
人急進派と見られる人物がイスラエルのバスと運転手をレバノンとの国境近くで攻
撃し、少なくともイスラエル人6人と攻撃した2人が死亡した。エルサレム近くの
道路の封鎖地点も攻撃され、イスラエル人1人が射殺された。
国連事務総長コフィ アナンは紛争の両者に、暴力行使の中止を求める緊急声明を
発した。

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社民党 献金疑惑追求の範囲拡大

(ケルン)ノルトライン・ヴェストファーレン州社会民主党は、ケ
ルン同党主導で不正献金疑惑の調査範囲を拡大する。同州同党の役
員109人全員は来週までに、この事件に関与していないと言う内容
の潔白声明を出すことになる。一方、社会民主党の元議員団長リュ
ーターは初めて検察の尋問を受けた。彼は50万マルク以上の献金を
不正に党の会計に組み入れた、とされている。ゴミ焼却場の建設に
関連して買収の疑いが持ち上がっている。リューターに加えて、元
会計責任者ビツィステは、党が決定を下す前に離党した。

首相 CeBIT開幕宣言

(ハノーファー)昨年は景気後退したが、首相シュレーダーは景気
回復の兆しを見ている。彼は世界最大のコンピューター見本市
CeBITの開会式で、国内外で重要な指標がすべて経済の回復の兆し
を見せており、楽観的な見方を取れる、と語った。また、新たな雇
用を創出し、ドイツ経済の競争力を高めるためには、情報科学およ
び知識科学が重要な位置を占めていると連邦政府は考えている、と
も語った。

国防監察専門委員 安保体制批判

(ベルリン)連邦議会の国防監察専門委員ペナーは、アフガニスタ
ンへの国防軍の派遣で安保体制に欠陥が出ていることを批判した。
年次報告書の中で彼は、東西ドイツの兵士に同じ給与を与えるよう
提案している。またカブールに派遣されているドイツの和平部隊は、
部隊以外の人からはロシア兵と間違われており、残念であるし、ま
た安保上危険である、とも述べた。さらに国外に6ヶ月間駐留した
あとの2年間はそれが免除されると、組織上の問題が生じる、とも
語った。


3月13日(水)

米国とカナダ アフガニスタン東部で攻撃再開

(カブール、オタワ)米国兵とカナダの部隊が、東アフガニスタンの山岳地帯で、
「ハープーン(銛)」作戦という名称で新たな攻撃を開始した。両軍は地上と空か
ら、ガルデス地区にいるタリバンとアル カイダの兵士の反撃に対する攻撃を行な
う、この作戦は「アナコンダ」作戦が行なわれたのと同じ地域で行なわれる、とカ
ナダ幕僚長で副将軍グレッグ マディソンはオタワで発表した。
「アナコンダ」作戦は、アフガニスタン戦争開始以来、米軍最大の軍事行動である。
3月2日以降、500人を越えるタリバン、アル カイダ兵が死亡した、と米国側は
発表している。反テロ同盟側は米兵8名、アフガニスタンの同盟軍兵士3名が死亡
している。火曜日には東部で最後のタリバンの拠点と見られているシャヒ コット
谷が占領された。

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外相 カルザイにアフガニスタン再建支援を約束

(ベルリン)ドイツ外相フィッシャーは、アフガニスタン首相カル
ザイに、同国再建をドイツが支援することを約束した。水曜日フィ
ッシャーはカルザイに、国際治安部隊でドイツが指揮権を引き継ぐ
ことはない、と再び語った。カルザイはカブールの外にも治安維持
部隊の命令を拡大するように訴えた。カルザイは閣僚6人とモスク
ワを訪問した後、ベルリンを公式訪問中である。到着前に彼は、戦
争で疲弊した同国の再建にはドイツの持つ意味が大きいと強調した。

米国 ジンバブエ大統領選挙を批判

(ワシントン)米国はジンバブエ大統領選挙を厳しく批判し、制裁
措置を強化する可能性を示唆した。選挙は自由でも公正でもなかっ
たので、選挙結果は国民の意志を反映していない、と外相パウエル
は語った。独外務省は、この選挙が脅迫と暴力に脅かされて行なわ
れたことに遺憾の意を表した。ジンバブエ大統領ムガベ(78歳)は、
すでに勝利宣言を行なった。中央選挙機関は、ムガベが対立候補ツ
ヴァンギライに圧勝した、と発表している。ツヴァンギライはこの
結果を承認するつもりはない、国民は裏切られた、と語った。

安保理 パレスチナ人国家容認

(ラマラ、ニュー ヨーク)イスラエル軍はパレスチナ人自治都市
ラマラの中心部も占領した。戦車が侵攻して、武装パレスチナ人と
の激しい戦闘が行なわれた。イスラエル軍はアラファトの本部まで
数百メートルまで迫った。これにより実質的には同市は軍の管理下
に置かれたことになる。一方国連安保理は、イスラエルとパレスチ
ナ双方に暴力を行使しないよう明確な言葉で求めた。決議文で安保
理は、イスラエルと同じ正当性を持って存在するパレスチナ人国家
について初めて言及した。


3月14日(木)

イスラエル軍戦車 ラマラから撤退

(ラマラ、ワシントン)イスラエル軍は西ヨルダンランドのラマラからの撤退を開
始した。これに先立ちイスラエル国防省ベンジャミン ベン エリーザーは、同市
からの段階的な撤退を命じていた。米国政府はこれを受け、イスラエル軍がラマラ
を含むパレスチナ人自治都市全てから完全に撤退することを期待する、との声明を
出した。米国の仲介役アンソニー ズィニは木曜夜エルサレムでイスラエル首相ア
リエル シャローンと会談した。土曜日にはパレスチナ大統領ヤセル アラファト
との会談が予定されている。ズィニの使命は、戦闘の中止につながる道筋をつける
ことである。
木曜日には爆弾による攻撃と銃撃戦で、イスラエル兵3人とパレスチナ人7人が死
亡した。

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首相 アフガニスタン派兵拡大に反対

(ベルリン)独首相シュレーダーは、国際アフガニスタン防衛部隊
を、首都カブールの外へも活動を広げることに反対した。彼はアフ
ガニスタン暫定政権首相カルザイとベルリンで会談を行ない、6月
に終了する予定の派遣の延長には、その準備をすすめる、と語った。
また、同国再建を強く支援することを約束した。そしてカルザイの
アフガニスタンへの招待に応じた。

連邦海軍 モンバサ到着

(モンバサ)国際反テロ派兵の一環として、ドイツ海軍と2機の哨
戒機がケニアのインド洋に面した港町モンバサに到着した。海軍航
空隊の兵士がモンバサからアフリカの角にいる部隊の監視を行なう。
連邦海軍はこの地域に既に戦闘用および補給用の艦船、ミサイル高
速艇、ヘリコプターと兵士1,800人を派遣している。彼らの任務は、
武器密輸とテロリストの活動を阻止するための海路の確保である。

米国人記者殺害事件 訴訟開始

(ワシントン)米国人記者パールがパキスタンで誘拐され、殺害さ
れた事件の黒幕と見られる人物に対する訴訟が、米国で起こされた。
米法相アシュクロフトは、イスラム急進派シェイク オマルに対し
死刑が言い渡される可能性がある、と語った。パキスタンで捕らえ
られたかれは、現地警察の情報では、この事件に関与していたこと
を認めたとのことである。パキスタンの法律では、米国へ彼を引き
渡すことは可能である。米国の新聞記者であったパールは1月23日
に国際テロ組織取材中誘拐され、その後殺害された。


3月15日(金)

カルザイ ドイツ訪問に満足

(ベルリン)アフガニスタン暫定政権首相ハミド カルザイのドイツ訪問は終わっ
た。彼はドイツ国防軍機に乗り、ウズベキスタン経由でカブールに帰国した。同機
にはドイツ人警官5名が同乗しており、カブールに調整役の事務所を開設すること
になっている。カルザイは訪問の最後に、今回の会談の成果に満足している、と語
った。ドイッチェ ヴェレとのインタヴューで彼は、アフガニスタンはドイツを良
き友人としている、と語った。連邦内務大臣オットー シリーと共に彼は、アフガ
ニスタン警察の再建に関する条約に署名した。ドイツ復興金融公庫は今年、復興計
画に2,200万オイロの追加資金を出すことにしている。

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連邦政府 開発援助を増額

(ベルリン)連立与党と野党は、ドイツの開発援助をめぐって、連
邦議会で激しい議論を戦わせた。開発援助大臣ヴィーツコレック・
ツォイル(社会民主党)は、政府声明の中で、開発援助を増額し、
産業界と発展途上国が結ぶ新たな契約を支援する、と語った。野党
側の代表は、政府が欺瞞を行なっている、と非難し、今年の開発援
助は8.5%削減された、と語った。

米国特使 近東停戦に明るい兆しを見る

(エルサレム)米国特使ズィニは、イスラエルとパレスチナと第1
回目の会談を行ない、両者は意思疎通を行なえるとの見通しを語っ
た。彼は、数日中にも停戦に関する合意が得られることに自信をの
ぞかせた。イスラエル軍は占領された西ヨルダンランドの都市いく
つかから撤退した。ただし、米国が強く求めている完全撤退は行な
われていない。パレスチナ側からは、交渉の受け入れはイスラエル
が自治区から完全に撤退することが必要であると公式には謳われて
いる。金曜日には銃撃戦と爆破事件により、パレスチナ人9人が死
亡した。

EU首脳会談 バルセロナで開催中

(バルセロナ)EUは、このところの景気の低迷と、東欧への拡大が
困難であるにもかかわらず、世界経済で第1位の座を占めるべく努
力している。バルセロナで開かれているEU首脳会談では、電力市場
の自由化等の対立点を譲歩して解決しようとしている。一方、この
会談中、警察とデモ隊が激しく衝突した。近東宣言の草案には、EU
は国際監視団の派遣を改めて求め、民主的で自立できるパレスチナ
人国家の建国を目的とする一方、アラブ諸国がイスラエルの存続を
保証しなければならない、と記されている。


3月16日(土)

シャローン 日曜日には停戦交渉を行なわないと発表

(エルサレム)イスラエルとパレスチナが停戦交渉を間もなく再開する、との報道
がなされた数時間後、イスラエル首相アリエル シャローンは、日曜日に会談を行
なうとの決定はまだ下されていない、との声明を出した。米国近東全権のアンソニ
ー ズィニが、交渉へ向けた次の段階に関して両者に助言を行なう、との内容も含
まれていた。イスラエルのラジオ局は以前、イスラエルとパレスチナの代表が、ズ
ィニの仲介で日曜日に会談を行ない、停戦について話し合う、と報じていた。イス
ラエル外務大臣シモン ペレスは、イスラエル軍はパレスチナ人居住区から撤退し、
今後は報復攻撃を行なわない準備がある、と語った。

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EU首脳会談に反対する大規模デモ

(バルセロナ)経済の世界規模化に反対する数十万人がバルセロナ
で、EU首脳会談に反対してデモを行なった。公式情報では、若者を
中心とし少なくとも15万人が、スペイン警察特殊部隊の監視下集会
に参加した。「資本家と戦争のヨーロッパに反対してー別の世界も
可能である」との題目のもと、社会主義者、共産主義者、労働組合、
市民運動家がデモを行なった。彼らはEUに対し、民主主義、社会福
祉の重視、環境保護を断固として支持するよう求めた。デモの終わ
りに、覆面をした手段が暴力沙汰を起こした。警察は催涙ガス弾と
ゴム弾で暴徒に応戦し、30名以上を逮捕した。

EU首脳会談 欧州共同市場導入へ

(バルセロナ)EUは共同経済圏を創出する次の一歩を踏み出した。
バルセロナで開かれている首脳会談で、15ヶ国の首脳が労働市場改
革のために追加措置を取ることで合意した。電力、ガス市場の自由
化が長い間の懸案になっているが、これは2004年から段階的に行
なわれることになる。それまでに加盟各国の意志により、金融市場
を広い範囲で統一化する。ドイツ首相シュレーダーは、正しい方向
に進むような妥協を行なう、と語った。

緑の党党大会 

(ベルリン)緑の党は連邦党大会を行なっているが、大きな論争は
起きずに、新基本綱領の中心部分が決定された。その中では、同党
が今後も環境及び購買者保護問題で、積極的な政治勢力となること
が示されている。緑の党は、環境重視の税制および納税制度へと改
革を進めて行くことを求めている。綱領の前文で同党は先日既に、
大量殺戮やテロが起きた場合、政治は合法的な暴力の行使を必ずし
も排除しない、との考えを示していた。


3月17日(日)

ポルトガル選挙 激戦

(リスボン)前倒しで行なわれているポルトガル国会選挙は、2大政党が激戦を繰
り広げている。国営テレヴィが投票終了後に発表した第1回予想では、与党社会党
と野党の自由主義・保守的な社会民主党がそれぞれ100議席ほどを得ており、中小
政党は、右派と左派に分けた場合ほぼ同数となっている。ポルトガルは1995年か
ら社会党が政権を取っているが、今回の選挙後政権が確定するのは難しい事態とな
っている。

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米国仲介役ズィニ 対話を継続

(エルサレム)攻撃が再び行なわれている中、米国近東仲介役ズィ
ニはイスラエルとパレスチナの停戦をめぐる努力を続けた。彼は再
び、パレスチナの指導者アラファトとイスラエル大統領モシェ カ
ツァヴと会談した。アラファトは、ズィニの仲介を支援すると約束
した。ズィニは、パレスチナ人自治当局に、暴力行為を厳しく取り
締まるよう要請した。これに先立ちパレスチナ人急進派がイスラエ
ルで2回の攻撃を行ない、犯人2人を含め3人が死亡、20人ほどが負
傷した。

米国副大統領 「近日中のイラク攻撃はない」と発言

(マナマ)米国副大統領チェーニーは、米国のイラク攻撃が間近に
迫っているとの報道を否定した。バーレーン訪問中の彼は、この報
道は泡のようなもので、米政府はイラクにどのように対処するか決
定を下してはいない、と語った。彼は今までにアラブ諸国11ヶ国を
訪問し、イラクに対する軍事攻撃を匂わせるような発言は一度もし
ていない。サウジ・アラビアも攻撃は決して行なわれない、として
いる。

イスラマバードで攻撃 5人死亡

(イスラマバード)パキスタンの首都イスラマバードの外交官が居
住する地区にあるプロテスタント教会が攻撃され、5人が死亡、40
名以上が負傷した。死者には米国の外交官の妻子が含まれている。
ドイツ人1人も軽傷を負った。5つないし6つの手榴弾が教会に投げ
込まれた。犯人と攻撃の背景は不明である。イスラム急進派に疑い
が向けられている。米国大統領ブッシュはこの攻撃に怒りをあらわ
にした。


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