3月11日〜17日のオーストリアのニュース

3月11日(月)のオーストリアのニュース

     国際ニュース

イスラエル軍進軍でパレスチナ人14人が死亡

イスラエル兵がガザ地区北部の難民収容所ジャバリジャで、少なく
とも14人のパレスチナ人を殺害した。昨日午後遅くの病院の情報に
よれば、この他にもけが人が出ている。これによれば、イスラエル
軍は戦車十数台でこの収容所に入り、パレスチナ人とイスラエル兵
が激しい銃撃戦を行なった。パレスチナ大統領ヤセル アラファト
は、イスラエル兵は逮捕したパレスチナ人の腕に番号を書いたこと
を取り上げ、西ヨルダンランドで手入れを行なった際のイスラエル
の態度を、ナチのやり方になぞらえた。

     国内ニュース

郵便職員代表 ウィーンで抗議

オーストリア郵便株式会社事業所委員会は、火曜日全国職員代表会
議を行なう。約600人の代表が各州からウィーンの見本市会場に集
まり、同社の現状に抗議することにしている。職員側は特に同社を
5つの部門に分割する計画を批判している。計画によれば、広告発
送、新聞配達、手紙、窓口業務、速達小包に分割されてることにな
っている。この計画は全部で3万人の従業員のうち11,000人の職
を危険にさらし、2,500億オイロの負担増を招く、と職員側は見て
いる。同社経営陣はこれを否定し、分割に固執している。今までの
話し合いは成果を挙げていない。


3月12日(火)

     国際ニュース

イスラエル軍 ラマラ占領

イスラエル軍は火曜日、西ヨルダンランドのパレスチナ人の都市ラ
マラを、強力な戦車部隊で攻め、ほぼ全市を占領した。昼には激し
い戦闘があり、オーストリア放送の記者も銃撃にさらされた。オー
ストリア関係事務所は閉鎖された。これに先立ち、イスラエル軍は
ガザ地区の難民収容所ジャバリヤに攻め込んでいた。パレスチナ人
による民衆蜂起が始まって以来、イスラエル軍が行なった最大の作
戦で、少なくとも全部で32人のパレスチナ人が死亡した。イスラエ
ル北部レバノンとの国境地帯でイスラエルの自動車が襲われ、少な
くとも10人が死亡した。7人はイスラエル人で、3人は武装攻撃隊で
ある。犯人はレバノン人の義勇兵あるいはパレスチナ人急進派と見
られている。

     国内ニュース

EU全権ソラナ ハタミとウィーンで会談

近東紛争と緊張緩和の努力が、ウィーンで現在開かれている重要な
政治家の会談の主題である。イラン大統領モハマド ハタミは3日
間の公式訪問の最後に、連邦大統領トーマス クレスティルととも
に、EU外務委員ハヴィエル ソラナと会談する。ソラナは火曜日、
イランとの建設的な対話を行なう方針だ、と述べた。近東問題に関
して彼は、オーストリア外相フェレーロ・ワルトナーと会談後、現
在の米国の仲介とサウジ・アラビアの和平計画が身を結ぶ望みは少
なくなっている、と語った。また火曜午後、シリア外相ファルク 
シャラアもウィーンに到着した。彼は水曜日、外相フェレーロ・ワ
ルトナーと近東紛争について話し合い、さらに大統領クレスティル
と国民議会議長ハインツ フィッシャーとも会談する。


3月13日(水)

     国際ニュース

ロカビー裁判控訴審

法廷は木曜日、ロカビー攻撃事件の控訴審の判決を言い渡す。5人
のスコットランド人裁判官が、オランダ軍駐屯地ツァイストで、リ
ビア人アブデル バセット アリ エル メグラヒの控訴審の判決
を言い渡す。メグラヒは2001年1月に第1審で終身刑を言い渡され
ていた。第1審では、彼が1988年フランクフルト アム マイン発
ニュー ヨーク行きのパンアメリカン航空のジャンボ機で爆弾を密
輸した容疑が証明された、と法廷は判断した。控訴審では、爆弾が
本当に第1審で主張された通りマルタで積み込まれたのか、それと
もロンドンのヒースロー空港で積み込まれたのか、疑問が生じてい
る。同機はニュー ヨークへ行く途中スコットランドのロカビー上
空で爆発し、乗客259人全員と同地の住民11人が死亡した。

     国内ニュース

社民党 授業時間短縮を要求

社会民主党連邦執行部のアンドレア クンツルは、授業時間短縮を
要求した。「私は、子供と若者が学校制度の中で学習時間を過大に
要求されている、と思います」と新聞のインタヴューで語った。授
業時間だけでなく、宿題や自宅学習に使わなければならない時間も
問題である、極端な場合には、土曜日に授業があって、さらに日曜
日にも学校の勉強とテストの準備をしなければならず、週に7日間
勉強しなければならないこともある、などと彼女は語り、授業、自
主学習、余暇を含めた5日制の全日制学校を増やすことを望んでい
る、とした。


3月14日(木)

     国際ニュース

米国 イスラエルにパレスチナからの撤退を要請

米国外務省は、イスラエルの全ての部隊が、ラマラを含めパレスチ
ナ人が支配する地域から「完全に撤退」することを求めた。その理
由として、それにより米国特使アンソニー ズィニの任務が容易に
遂行できるようになることを挙げた。イスラエル首相アリエル シ
ャローンは、それより前に、西ヨルダンランドのラマラから軍の段
階的な撤退を命じていた。早くも同市にいた100台の戦車のうち
40台が撤退している。イスラエルは火曜日に1967年以来最大の軍
事行動を取り、ラマラを占領した。木曜日には米国大統領ブッシュ
が、この攻撃は近東紛争解決にはほとんど役に立たない、と批判し
た。

     国内ニュース

不法労働への刑罰強化

外国人を不当に働かせる使用者に対する刑罰が強化され、監督が強
化される。テレヴィ報道によれば、関連法案が7月1日に発効する。
それによれば、刑罰は平均して3割厳しくなり、不法労働を行なう
外国人の取締は、大蔵省が集中して行なうことになる。今までは内
務省、産業省、大蔵省がこの権限を分け合って持っていた。最近起
きた違法労働者がトラックを運転していた事件のせいで、緊急にこ
の法律が決まったわけではない。成立が遅れた場合にも、今後は大
蔵省の役人が対処することになる。


3月15日(金)のオーストリアのニュース

     国際ニュース

米外相 イラク攻撃計画はないと言明

米国外相コリン パウエルは、米国政府はイラクに対する攻撃を準
備していない、と強調した。「米国大統領の机には攻撃計画はのっ
ていない。私がこの計画を進言したことはないし、国防相も同じで
ある」と昨日フランスのテレヴィ局に語った。米国政府は、「世界
にイラク政府の危険性を認識してもらうこと」を望んでおり、サッ
ダーム フセインは、大量殺戮兵器の開発を行なっていると明確に
発言したことから、「この事態は米国だけでなく仏、英、独、湾岸
諸国、イスラエル、そして我々全てに関係する」と彼は語った。

     国内ニュース

2001年の移民数 急激に増加

2001年の移民の数は急激に増加した。2000年と比べて、オースト
リア国内に定住し国籍を獲得した人の数は30.5%増加し、31,731
人であった。これは新記録で、4年前1997年の15,792人の倍にあ
たる。全州の中でブルゲンラント州とザルツブルク州の増加が目立
つ。統計によれば、最も増加したのは10年以上国内に居住するこ
とで居住権を得られる裁量移民である。


3月16日(土)

     国際ニュース

バルセロナの反EUデモで騒動

バルセロナで行なわれているEU首脳会談後の土曜日午後、約30万
人の経済のグローバル化に反対する大規模なデモは、暴力的な騒動
を起こして終わった。それまでは平和的に行なわれていたデモが終
わるころ、暴徒の集団と警察の間で市街戦となった。デモ参加者の
数人が路上の物に放火し、一人がスペイン政府の建物に火炎瓶を投
げつけた。警察は警棒とゴム弾でデモ隊に対処した。その際少なく
とも10人が負傷し、暴動参加者十数人が逮捕された。

     国内ニュース

209条問題

憲法裁判所による209条の廃止の延期を、ウィーン同性愛者運動は
問題にしている。同運動の代表クリスティアン ヘーグリは、憲法
裁判所が今週209条に関する決定を、次の機会まで延期したことを
批判した。彼はさらなる犠牲者が発生することは分かっているのに、
と語った。この訴訟の発端は、国連人権委員会を始めとするいくつ
かの人権団体が既に先行して行なっており、この条項が人権に反し、
またである違憲であることが確認されているほか、憲法裁判所にと
って屈辱がさらに大きなものとなる、と彼は語り、裁判官に対し
209条が最終的に廃止されるまでは、この裁判に関していかなる判
断も下さないように求めた。


3月17日(日)

     国際ニュース

ポルトガル国会選挙 社会民主党躍進

前倒しして行なわれているポルトガルの国会議員選挙で、保守的で
自由主義の社会民主党がかろうじて勝利した。これにより、6年間
続いてきたポルトガルの社会党政権は交代する見込みとなった。第
1回の開票予想では、筆頭候補ホセ マヌエル デュラオ バロー
ソ率いる社会民主党が昨日の選挙で、100から106議席を獲得した
が、絶対多数を獲得することはできなかった。そこで右派の保守党
である国民党の支持が必要になる。国民党は選挙戦では同党と連立
することを明言していなかった。今までの与党社会党はエデュアル
ド フェロ ロドリゲスを筆頭候補としていたが、94から100の
議席に留まる見通しである。

     国内ニュース

首相 ベネシュ命令に関して解決に向けた一歩を期待

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)はベネシュ命令に
関連して、チェコが解決に向けた一歩を歩み出すことを期待してい
る。「チェコがどのような行動を取るかは難しい。EU加盟前に必要
な一歩を取ることが大切である」と新聞のインタヴューで語った。
重要なのは、「ベネシュ命令はもはや妥当性を持っておらず、すべ
てのヨーロッパ市民を平等に扱うことが保証されている」と明言す
ることである、とも語った。


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