4月1日〜7日のオーストリアのニュース

4月1日(月)

     国際ニュース

ウクライナ野党 総選挙に勝利

暫定集計によれば、ウクライナ野党は、接戦の末国会議員選挙で勝
利を収めた。元首相ユシュチェンコの保守同盟が111議席を獲得し
た、と選挙委員会は投票の92%が集計された時点で月曜夜、発表し
た。現大統領クチマよりの共産主義同盟は104議席を獲得。これま
で113議席を持っていた共産党は67議席となった。暫定集計の結
果は基本的には変化しない、と選挙管理委員会の公報は語った。

     国内ニュース

首相 連邦国軍は安保政策にかなったものと発言

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、連邦国軍はEU
の安全保障および防衛政策に参加する上で十分な準備ができている、
と見ている。「我が国軍の状況は整っているが、多くの分野で、ボ
タンを押されたら動き出すように機能していない規則を改正する必
要がある。いまのところオーストリアでは、熟練を積んだ兵士で、
30日以内に出動できるような準備を整えているものはあまりに少な
い」などと語った。彼はまた新型ヘリコプターと迎撃戦闘機調達を
擁護し、野党を批判した。


4月2日(火)

     国際ニュース

イスラエル 米国のテレヴィを訴えると予告

イスラエルは、米国のテレヴィ局CNNとNBCが、軍の命令に反して
ラマラからの報道を行ったため、両局を相手どった裁判を起こすと
の圧力をかけた。イスラエルは、包囲されているパレスチナ大統領
ヤセル アラファトの本部がある西ヨルダンランドのラマラを、軍
事的に閉鎖した、外国人と報道関係者は誰も同地に滞在してはなら
ない、との宣言をイスラエル政府は出していた。

     国内ニュース

非軍事役務として赤十字に参加することに批判

緑の党、労働組合青年部、「非軍事役務者綱領」は、兵役拒否者が
非軍事役務として赤十字の活動に参加することを拒否している。緑
の党のテレシア ハイドルマイアが火曜日、「これは典型的な矛盾
の事態です」とかたった。赤十字では多くの非軍事役務者が働らい
ているので、他のすべての役務にどれだけの人員を配置するかを左
右しており、特権的な力を持っている。このため大きな弊害が起こ
りかねないので、偏りのない案を作るよう求めた。


4月3日(水)

     国際ニュース

北朝鮮 米国との対話再開の意向

北朝鮮は米国と対話を再び行う方針である。北朝鮮国営通信社
KCNAの報道では、水曜日同国外相の報道官は、対話再開は米国の
提案に答えるものである、と語ったとのことである。両国の接触は、
国連の枠組みの中で近々行われるが、米国が北朝鮮を侮辱するので
あれば、北朝鮮はすべての対話を即座に中止する、とも語った。米
国大統領ジョージ W. ブッシュは、北朝鮮を1月下旬の演説で公式
に、「悪の枢軸」1つであると名指しした。ブッシュは多くの国際
的な批判にもかかわらず、この発言を繰り返している。

     国内ニュース

社会福祉国家国民発議 キャンペーン開始

水曜から1週間、社会福祉国家国民発議の署名集めが始まっている。
発案者と支持者は木曜日からもう一度、この発議に署名を求める宣
伝を行うが、政府はこれを拒否する方針を強調している。連邦首相
ウォルフガング シュッセルは、この目的にはみんなが賛成するが、
社会福祉国家は危険な状態にあるので、この発議を受け入れるのは
誤りである、すでに憲法および国際的な規則で福祉国家は保証され
ている、と語った。主要な支持者の先頭を切って、オーストリア労
働組合同盟議長のフリッツ フェアツェトニッチュは、午後この発
議に署名した。


4月4日(木)

     国際ニュース

米国人記者殺害の黒幕と目される人物の裁判

南パキスタンの都市カラチの刑務所で金曜日、米国人記者ダニエル
 パールの誘拐と殺害を行ったとされる黒幕に対する裁判が始まる。
有罪の場合、英国生まれで29歳のシャイク オマルには、最高で
死刑が言い渡される可能性がある。彼のほかに3人の共犯も訴えら
れている。その他7人の容疑者が逃走中である。「ウォール スト
リート ジャーナル」紙の記者であったパールは1月23日にパキス
タンで、モスレムの指導者にインタヴューに行く途中で誘拐された。
2月下旬に米国当局に渡されたヴィデオテープは、彼が残酷に暗殺
されたことを示すものであった。

     国内ニュース

迎撃戦闘機に関する新たな議論

連邦国軍は木曜日、ツェルトヴェーク空軍基地で、ドラーケンの後
継機に関する実務面での議論を開始した。ある調査によれば、新た
な迎撃戦闘機を調達すれば、同基地は続けて使用が可能である、と
のことである。一方フォアアールベルク州からはドラーケンの配備
に関する費用の点で批判がでている。ドラーケンを1機配備する場
合の費用が、同州での維持費用全体を上回ることになる、と社会民
主党の州議会議員エルマー マイアーは批判している。


4月5日(金)

     国際ニュース

米外相 日曜日から近東訪問

米国外務大臣コリン パウエルは日曜午後に、仲介を行うため近東
に向けて出発する、と外務省報道官が金曜日ワシントンで発表した。
パウエルがじかにパレスチナ大統領ヤセル アラファトと面会する
かどうかはまだ決まっていない、とのことである。パウエルは、サ
ウジ・アラビアの王子アブドゥラとモロッコで会談し、さらにエジ
プト、イスラエル、ヨルダンを訪問する予定である。本来予定され
ていたベルリン訪問は中止になった。水曜日と木曜日マドリードで
ヨーロッパとロシアの外相と話し合うことになっている。

     国内ニュース

大学教員組合 警告スト実施へ

オーストリアの18の大学では、4月24日計画中の大学改革に反対
し、1日間の警告ストを行う予定である。これは、オーストリア公
勤務労働組合高等教育部会が、拡大部局実行委員会で昨日午後全員
一致で決定したものである。同委員会議長クドルスキーは、大学新
法案の撤回を求めるためのストライキであり、後の決定は労働組合
議長団に月曜日に議論される、今回のストは「私たちは大学を埋葬
する」との標語を立てて行う、と語った。


4月6日(土)

     国際ニュース

シャローン 攻撃を加速

米国による仲裁がまもなく始まるが、イスラエルは西ヨルダンラン
ドのパレスチナ人に対する、軍事攻撃を急ぐ方針である。イスラエ
ル首相アリエル シャローンは土曜日米国大統領ジョージ W. ブッ
シュと電話で会談し、この方針であることを確認した。イスラエル
は、米国がこの作戦を即時中止して欲しいという希望を持っている
ことはわかっている、とシャローンの事務所から出された声明文に
は記されている。ブッシュも、パレスチナ人都市から即時撤退する
要求を改めて行なったことを認めている。パレスチナ首脳部に彼は
休戦を宣言し、テロ対策をとるよう呼びかけた。

     国内ニュース

ハーデラー 首相の批判に答える

シェーンボルン枢機卿に続き、連邦首相ウォルフガング シュッセ
ルも雑誌の記事で、風刺画の最新刊に対し批判的な意見を述べた。
一方批判されたゲアハルト ハーデラーは、首相が文化に敵対的で
ある、と見ている。香中毒気味のイエスが、ファンと一緒に聖地を
巡る絵や、首相シュッセルを表していると簡単にわかるような子供
の絵を、リンツに住む有名な風刺画家ハーデラーは「イエスの生涯」
という本の中で描いている。この本は出版以来内容的に激しい議論
を巻き起こしている。シェーンボルン枢機卿は、ハーデラーが謝罪
すべきだと求めていた。ハーデラーは、「私の20年間の作品はオー
ストリア文化の一部であると思う。首相の今回の発言は、文化を敵
視するものである」などと語った。


4月7日(日)

     国際ニュース

ハンガリー 政権交代の可能性

ハンガリーの国会選挙の第1回投票が終わり、政権交代の可能性が
出てきた。最終決定は4月21日の決戦投票後になるが、野党のハン
ガリー社会党が優位である。昨夜開票が90%まで進んだ時点での集
計によれば、社会民主党は42.1%で、保守的な野党の青年民主同盟
は41.2%である。自由主義野党の自由民主同盟は5.4%で、国会議員
を送り込むことになった。極右のハンガリー真実と生命党は4.3%
で、5%の壁を破ることが出来ず、国会に代表を送り込めなかった。

     国内ニュース

EU委員 副首相を批判

EU委員フランツ フィシュラー(国民党)は、副首相で自由党党首
のスサネ リース・パサーが自由青年連合の全国大会で、最近も繰
り返した彼の人格に対する批判に、怒りをあらわにした。「彼女の
発言は、だんだんオーストリア国民にとって過大ななってきている、
と思う。彼女の発言は、副首相がヨーロッパと、EUの政策について
無知であることを証明している」と新聞で反撃した。リース・パサ
ーは自由青年連合の全国大会で、フィシュラーはオーストリアの農
家を裏切る以外のことを何もやっていない、と発言していた。フィ
シュラーは、この発言は選挙戦をにらんだものだ、と判断している。


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