4月29日〜5月5日のオーストリアのニュース

4月29日(月)

     国外ニュース

イスラエル アラファトを解放し国連の調査を拒否

米国の圧力を受けたイスラエルは、数カ月前から続けているパレス
チナ大統領ヤセル アラファトの自宅拘禁を中止し、旅行の自由を
保証する方針である。ただしイスラエルは、国連の調査団の受け入
れ拒否という国連との対立で、米国政府の指示を取り付けた。一方、
イスラエル軍はヘリコプターの支援を受け、西ヨルダンランドのヘ
ブロンに戦車で侵攻した。その際少なくとも8人のパレスチナ人が
死亡した。午後にはイスラエル軍はガザ地区南部に迫った。

     国内ニュース

クホール デモでの覆面禁止を予告

連邦政府によれば、顔を隠すための覆面を今後はデモの参加者に禁
止する。内務大臣による調査の後、聖霊降臨祭後にも、国民党と自
由党は覆面禁止法案を提案する、と国民党会派長アンドレアス ク
ホールは新聞のインタヴューで語った。「覆面禁止に賛成するのは
長い間の党の方針であった」と彼は語った。社会民主党との連立を
していた前の任期中もこの方針を持っており、この法案を提案しよ
うという努力をしていた、とも語った。


4月30日(火)

     国外ニュース

ドイツの金属産業 ストへ

ドイツの金属産業7年ぶりのストライキに向けて障害が取り除かれ
た。バーデン・ヴュルテンベルク州の金属産業および電気機器産業
の労働組合員のとうひょうで、組合員の90.04%がストライキに賛
成の投票を行なった。ドイツ南西部は80万人の組合員を抱え、最大
の賃上げ紛争地区である。ベルリンとブランデンブルク州では85%
以上の組合員が労働争議に賛成した、と金属産業労働組合連合は発
表した。ストに必要な賛成票は75%であった。

     国内ニュース

各党 メイデイを祝う

各党はさまざまな集会を行ない、5月1日のメイデイ「労働の日」
を祝う。社会民主党は恒例の5月の行進を、ウィーン市役所まで行
なう。今年の標語は「明日のための労働」である。国民党は今年の
ウィーン・ウィーデンでの集会を、「有望な国、新たな労働の日」
と題して行なう。自由党はシュタイアーマルク州のレーオベンとブ
ルゲンラント州のオーバーシュッツェンで州の党大会と5月祭を行
なう。緑の党はすでに火曜からウィーンで「失業者の日」を始めて
いる。


5月1日(水)

     国外ニュース

ベツレヘムの生誕教会周辺の状況激化

水曜夜、包囲されているベツレヘムの生誕教会周辺では銃撃戦が行
なわれた。目撃者によれば、イスラエル兵は発煙弾と手榴弾を使用
し、銃撃戦を行なった。負傷者については不明である。米国のテレ
ヴィは、生誕教会周辺で、イスラエル軍と20名ほどの武装パレスチ
ナ人の間で激しい戦闘が行なわれた、と報じた。その後の報道では、
戦闘は再び終息した、とのことである。また教会近くで勃発した戦
闘も治まった模様である。イスラエル軍は、パレスチナ人の攻撃を
受けて応戦した、と発表した、とも伝えた。パレスチナ側の交渉人
はテレヴィ局に、イスラエル軍は教会を陥落させようとした、と語
った。

     国内ニュース

少年裁判所 ベームドルファー

連邦大統領トーマス クレスティルと法務大臣ディーター ベーム
ドルファーは木曜日、計画中の少年裁判所廃止について状況を話し
合う。会談は大統領の提案に基づくもので、ベームドルファーはこ
の提案を全面的に肯定的に評価している。クレスティルは水曜日に
は、この複雑な問題を検討するために国会内の研究会を設置するよ
う提案していた。彼はウィーン少年裁判所の裁判官、同裁判所の職
員、不安に感じている市民が、ここ数日間、ウィーン少年裁判所を
ウィーン地方刑事裁判所へ統合する計画に関して、自分に大きな懸
念を伝えてきた、と語っていた。専門家の助言を受け、少年犯罪者
の矯正のためにもっとも適切な解決策を得られるようにしたい、と
彼は語った。


5月2日(木)

     国外ニュース

EU米国首脳会談 鉄鋼問題に関しては合意なし

EUと米国政府の代表による首脳会談が木曜日に行われたが、両者の
鉄鋼をめぐる対立で拝見は一致しなかった。米国へ輸入される鉄鋼
の関税の引き上げが先週行なわれ、EU側は対抗措置として26%の保
護関税を決定していた。もう一つの議題である、米国の輸出補助金
が隠ぺいされている件に関しては、ブッシュは譲歩する方針である。
EU委員会議長ロマーノ プロディは、今後も議論を継続することで
合意した、と語った。スペイン首相でEU理事会議長ホセ マリア 
アスナールは、さまざまな問題で前進があったが、それについて詳
しくは語らなかった。

     国内ニュース

文部大臣 大学改革案修正の準備か

文部大臣エリサベト ゲーラー(国民党)は、木曜午後の大学教員
組合との交渉の席上、大学改革案を修正の準備を進めていると語っ
た、と同組合長アンドレア クドルスキーは語った。この交渉はオ
ーストリア公勤務労働組合会長フリッツ ノイゲバオアーが呼びか
けたものである。ゲーラーは教員の雇用に関しては譲歩をする準備
がある、と語った。彼女は現職の教員は解雇されることはない、と
も語ったが、これは大学職員全ての雇用を維持することを求めた人
事代表者の4つの主要な要求の1つに応えたものである。


5月3日(金)

     国外ニュース

シャローン 和平交渉前の暴力中止を主張

イスラエル首相アリエル シャローンは、来週の米国大統領ジョー
ジ W. ブッシュとの会談で、パレスチナ人との和平交渉は暴力の行
使が完全に行なわれなくなってから行なう、との方針を譲らない、
とテレヴィで報じられた。イスラエル第1テレヴィの金曜日の放送
では、シャローンは和平交渉をパレスチナ大統領ヤセルアラファト
を相手として行なう意志はない、とも伝えている。パレスチナ側は
このような要求を過去にも拒否している。シャローンは、イスラエ
ルとパレスチナ人居住区の間に緩衝地帯を設けるという内容の新し
い和平案を準備している。

     国内ニュース

連邦国軍 輸送機3機購入

連邦国軍は更に輸送機を購入する。数ヶ月にわたる駆け引きの末、
大蔵省は、英国が所有していた中古のヘラクレス型輸送機3機の調
達を認めた、とテレヴィ番組が報じた。年末にまず1機、来年に残
り2機が使用可能になる。中古のC-130ヘラクレス3機を英国政府
から購入し、地上軍の物資と操縦士と整備士の訓練のために全面的
に改造される。購入費用は3,800万オイロである。この価格は極め
て魅力的である、と国防大臣へルバート シャイプナー(自由党)
は購入の理由を語った。


5月4日(土)

     国外ニュース

ベルファーストで暴動 負傷者20名

北アイルランドの首都ベルファーストで土曜日午後暴動が発生した。
BBCによれば、警官8名を含む20名の負傷者が出た。暴動は、グラ
スゴー レンジャースがセルティック グラスゴーを3対2で破っ
た、サッカーのスコットランドカップの決勝戦直後に発生した。両
ティームがそれぞれ、北アイルランドの紛争当事者の一方から声援
を受けていた。親アイルランドのカトリックと、新英のプロテスタ
ントが火炎瓶と爆薬を投げ合った。プロテスタントの1人は足に銃
弾を受けた。警官と兵隊が介入して、両者を分けようとしたが、暴
力は彼らにも向けられた。負傷した警官数人は病院で手当てを受け
ざるを得なかった。カトリックとプロテスタント両者が、暴動の責
任は相手にある、としている。

     国内ニュース

強制収容所マウトハオセンで追悼式

オーバーエスターライヒ州の元強制収容所マオトハウセンで、日曜
日、1945年5月の解放記念日に追悼式が行われる。オーストリア・
マオトハウセン収容所同盟とオーストリア・マオトハウセン活動委
員会が、11時から追悼式を行なう。これにはウィーン市長ミヒャエ
ル ホイプル(社会民主党)が演説を行なうことになっている。世
界各国から代表が出席する予定である。マオトハウセンとその周辺
の収容所では20万人以上がナチによって捕らえられ、その内半分は
殺されるか死亡した。


5月5日(日)

     国外ニュース

パレスチナ側 生誕教会の戦いで合意

パレスチナとイスラエル双方の交渉人は、数週間前から続いている
ベツレヘムの生誕教会の包囲に関する対立で合意をした、とパレス
チナ側は発表した。放送局の報道では、この教会の中で包囲されて
いる百名以上の中にいる5、6人のパレスチナ人急進派は、イタリア
へ追放されることになっている。さらに30人がガザ地区に移され、
その他は解放される、とのことである。ただしこの報道は今のとこ
ろイスラエル側の確認はとれていない。生誕教会には1ヶ月以上前
から百人を越える人間が居座っている。

     国内ニュース

マオトハウセン収容所のナチの犠牲者の公式の追悼式

オーバーエスターライヒ州の元強制収容所マオトハウセンでは日曜
日、1945年5月5日の解放の記念式が行なわれた。5月8日に予定
されているデモを前に、社会民主党党首グーセンバオアーは首相シ
ュッセル(国民党)に対し、ネオナチや極右の行進を禁止するよう
に訴えた。彼は、全ヨーロッパで喜びの日として祝われるこの日に、
ウィーンから極右の旗や、紋章、集会のための道具を極右がもって
行進する映像が流れるのは、最悪の光景である、とも語った。


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