5月27日〜6月2日のオーストリアのニュース

5月27日(月)

     国外ニュース

ブッシュとプーチン NATOとロシアの協力関係を確認

米国大統領ジョージ W. ブッシュとロシア大統領ウラジミール プ
ーチンが出席して、火曜ローマで、NATOとロシアは新たな形での
協力関係を結ぶことを確認する。ローマ郊外の軍事施設で、NATO
19カ国とロシアはNATOロシア協議会に関する合意に署名する。
この協議会では、ロシア政府は特にテロとの戦い、大量殺戮兵器の
流出阻止、地域紛争解決の手順などの決定で、協力していく。この
会議では、約15,000人の兵士、数十機の戦闘機とヘリコプターが
警備に当たる。

     国内ニュース

大統領と法相 刑務所訪問

連邦大統領トーマス クレスティルは、法務大臣ディーター ベー
ムドルファー(自由党)とともに、刑務所エルトベルクとヨーセフ
シュタットを訪問する。ベームドルファーはクレスティルに、少年
裁判所の判断で、人権に反する形でエルトベルク刑務所に入れられ
た若い受刑者達の様子を見せるつもりである。これが、少年裁判所
を廃止し、この仕事を州刑事裁判所に移そうという彼の主張の根拠
である。彼はヨーセフシュタット刑務所には、若者むけの新しい建
物を作る方針である。


5月28日(火)

     国外ニュース

NATOとロシア 新たな時代を拓く

NATOとロシアは新たな協力の時代を拓いた。NATO加盟19カ国の
代表とロシア大統領プーチンは、火曜日ローマで、多くの分野での
協力を含む条約に署名した。NATO・ロシア協議会では、テロ組織
との戦い、武器管理、地域紛争への介入に関して、ロシア政府は決
定に参加することになる。一方ローマではNATO首脳会談と米国大
統領ジョージ W. ブッシュに反対して、主として経済の世界規模化
に反対する人々がデモを行なった。ブッシュ訪問に反対し、先週ベ
ルリンで行なわれたデモとは違って、今回のデモは平和的に行なわ
れた。

     国内ニュース

副首相 年金早期受給問題の調査要求

テレコム、郵便、オーストリア鉄道の職員が不正に年金の早期受給
を行なった疑いが発生したが、副首相スサネ リース・パサー(自
由党)と蔵相カール・ハインツ グラサー(自由党)会計検査院長
官フランツ フィードラーに文書で、この受給に関する徹底的な調
査をするよう求めた、と新聞が報じている。全く健康な職員が従順
な医師の手を借りて、健康の上の理由から早期年金受給を受けてい
ることを示す証拠が増えている、との指摘がその文書では行なわれ
ている。


5月29日(水)

     国外ニュース

テメリン原発 第2号炉運転開始へ

チェコ原子力安全省は昨日、テメリン原子力発電所の第2号反応炉
の運転開始を認めた。同省長官ドラボヴァは、この原子力発電所は
あらかじめ定められた条件全てを満たしている、とも語った。テメ
リン原発の公報はこれ以前に、同原子力発電所の職員は許可が出た
らすぐに、運転開始に向けた準備を始める、と語っていた。当局の
決定直後、反応炉は運転を開始した。ドラボヴァは、1ヶ月程で第
2反応炉も電力が供給できるようになるとの見込みを語った。

     国内ニュース

長期間のトラック運転禁止

交通省が計画しているトラックの週末運転禁止要求には、産業界か
らの叫びが起こることが予想される。6月28日から9月7日までト
ラックは、金曜夕方から高速道路を運転できなくなるという内容が、
休暇旅行法令案に含まれている。道路混雑の現状はトラックと自家
用車が集中しないようにすることでのみ解決できる、と交通大臣マ
ティアス ライヒホルト(自由党)は語っている。同じようなこと
を運転者協会も取り上げている。


5月30日(木)

     国外ニュース

FBI 新たに大きな権限を手に

米国連邦捜査局FBIは今後、国民の監視を大規模に行なうことが認
められた。これは法務大臣ジョン アシュクロフトが木曜日ワシン
トンで発表したものである。新しい方針によれば、捜査員は今後、
テロ活動の間接証拠を集めるために、インターネット上のチャット
に加わるり、モスクや誰もが出入りできる施設に入ることが許され
る。冷戦時代から今まで続いてきた方針では、これらのことは禁止
されていた。これに対し市民権運動かは警鐘を鳴らし、米国が監視
国家になってしまう、と警告している。

     国内ニュース

自由党幹部 大学入学資格試験廃止の方針

「現在の大学入学資格試験制度は時代遅れなので、廃止しなければ
ならない」とかつては自由党の教育問題担当で、現在は同党の事務
長を務めるカール シュヴァイツァーは新聞のインタヴューで語っ
た。「大学入学資格試験は精神に負担を加えるだけで、有効でない」
とも語った。彼の念頭にあるのは、一般教育中高等学校8年生およ
び上級実科学校などの5年生の後期のテストを拡充するというもの
である。これを大学入学資格試験制度に段階的に置き換え、口頭試
験を広い範囲で行なう、とも語った。


5月31日(金)

     国外ニュース

イスラエル軍 トゥルカレムに再び侵入

イスラエル軍は金曜夜、戦車で西ヨルダンランドのパレスチナ人自
治都市トゥルカレムに侵攻した。イスラエル軍は、日曜日にこの町
から退去したが、相変わらずトゥルカレムは包囲されていた。この
町はイスラエルの温泉地ネタニヤから15キロほどしか離れていない。
ネタニヤではパレスチナ人による自殺テロが数日前に起こり、3人
が死亡していた。

     国内ニュース

産業会議 トラックの運転禁止拡大は無思慮であると反発

「我々は今回の突然の変更に全面的に反対する」とオーストリア産
業会議事務長代理ラインホルト ミッターレーナーは金曜日、トラ
ックの週末運転禁止を拡大する交通省の計画に対して述べた。彼は、
運転禁止を拡大すると物価の大幅上昇がある、と見ている。「燃料
輸送だけで、輸送費が1日あたり25.000オイロ高くなる。原油の輸
送にかかる人件費を考えるとさらに1日15.000オイロが必要になる」
と語った。


6月1日(土)

     国外ニュース

独社民党 党大会を開き熱い選挙戦に突入

ドイツ社会民主党は日曜日、選挙綱領を承認し、熱い選挙戦に突入
する方針である。「革新と連帯を我らドイツで」を旗印に掲げて連
邦党大会を開き、社会民主党は連邦議会選挙後の目標を示す。この
選挙綱領は、2期目を目指す首相シュレーダーの政権計画でもある。
この綱領の中心点は、家族の負担の軽減、失業対策と予算の健全化
措置である。シュレーダーは、「今回の党大会は、団結と戦う意志
を示す党大会になる」と同党幹部会の協議会で語って、524人の同
党の代表に党大会で団結するよう求めた。彼は党大会で基調演説を
行なう。その他、ユダヤ人中央評議会副会長フリードマンと、ドイ
ツ労働組合連合の新会長ゾマーも演説を行なう。

     国内ニュース

オーストリアの犯罪 2001年は減少

オーストリアの犯罪発生率は2001年は下降した。昨年はあわせて
522,710の法的に罰せられる行為が警察に通報された。2000年と
比べた場合、これは約40万件、7.7%の減少である、と雑誌「プロ
フィル」が報じた。解決された事件の割合は48.7%から41.7%に減
少した。解決の割合が危険なほど減少しているのは、2種類の犯罪
のためである。強盗事件では解決率は44.6%から26.4%に、侵入窃
盗事件では21.7%から11.5%に下がっている。


6月2日(日)

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ヴァジパイとムシャラフ アジア首脳会談に参加

カザフスタンの元首都アルマティで月曜日、3日間の日程でアジア
各国の安全保障首脳会談が始まる。この会談胃はインド首相アタル
 ベハリ ヴァジパイとパキスタン大統領ペルヴェズ ムシャラフ
が出席する。世界各国からの対話の呼びかけにもかかわらず、ヴァ
ジパイはカシミール紛争に関してムシャラフと会談を行なう可能性
はない、と語った。それ以下の担当者による交渉も行なわれない、
とインド側は発表している。またインドはロシア大統領ウラジミー
ル プーチンの仲介の提案も拒否している。アジア16カ国の代表
が参加する今回の会議は、相互に信頼感を築くためのものである。

     国内ニュース

ウィーン国民党 フィンツが党首候補に

大蔵政務次官アルフレート フィンツは月曜午後、正式にウィーン
国民党の党首候補に指名される。同党幹部会で、選挙提案委員会の
決定が承認される見込みである。同委員会は1週間ほど前、フィン
ツを一致して党首を退くベルンハルト ゲルクの後任として推薦し
ていた。投票は6月15日に開かれる次回の党大会で行なわれる。当
選は確実視されている。党大会では対立候補が出るとは見られてい
ない。


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