7月29日〜8月4日のオーストリアのニュース

7月29日(月)

     国外ニュース

ハタミ EUに「建設的対話」を呼びかけ

イラン大統領ハタミは月曜日、イランとEUの間で「建設的対話」
を行なう王呼びかけた。ハタミはイランの首都テヘランで、EUの
全外交及び安全保障政策担当の委員ハヴィエル ソラナと会談を行
った。ソラナはこの提案を歓迎した。ハタミは、イラン政府はイス
ラムに基づく民主主義の実現に真剣な関心を寄せており、これを継
続的に行なっている、と強調した。ソラナはテヘランに2日間滞在
する。

     国内ニュース

公務員の本採用廃止をめぐり 再び対立

大蔵大臣カール・ハインツ グラサー(自由党)によれば、財務行
政機関の改革は軌道に乗っている。彼は、「公務員の本採用の原則
的廃止」を内容とする新たな公務員法と、年金請求権の調整の実施
がうまくいっている、と語った。オーストリア公務員労働組合会長
フリッツ ノイゲバオアーは、公務員本採用の制度は23年も前に
廃止されており、公務員の保護が政党相互のやりとりの影響下にあ
ると考えるのであれば、それは極めて憂慮するべき事態だ、との意
見を述べた。


7月30日(火)

     国外ニュース

ロンドンの裁判所 反テロ法は法律に違反するとの判決

英国控訴裁判所は火曜日、反テロ法は、訴訟や手続きなしで外国人
を無期限に逮捕できるようにするもので、法律に違反している、と
の判決を下した。移民問題特別控訴委員会の3人の裁判官が、この
法律は外国人だけを逮捕できるようにする点で、差別的である、と
の判断を下した。英国人の中にもアル カイダのようなテロ組織と
協力するものも存在しうる、というわけである。英国政府は控訴の
方針である。この決定は、9月11日の攻撃を受け政府が決定した反
テロ法案に取って手痛い打撃となると見られている。

     国内ニュース

グーセンバオアー 極右の活動の舞台にならないよう警告

「オーストリアが、ヨーロッパ全体の極右勢力の活動の舞台となら
ないことを私は望む」と社会民主党党首アルフレート グーセンバ
オアーは火曜のテレヴィ番組で語った。これは自由党元党首でケル
ンテン州首相イエルク ハイダーが、ベルギーの極右ヴラームス 
ブロックの幹部とイタリアの北部同盟の代表者達とクラーゲンフル
トで会談したことに対する論評である。ハイダーは、保守、キリス
ト教民主主義、社会民主党がヨーロッパ全体で協力しあって行こう
としている流れに反し、極右同盟を作ろうとしている、その目的は、
この10年間平和のうちに作り出してきたヨーロッパの統合を妨害す
ることである、ともグーセンバオアーは述べた。


7月31日(水)

     国外ニュース

エルサレムの大学で爆弾事件 7人が死亡

エルサレムのヘブライ大学での爆発事件で、水曜日7人が死亡、70
名が負傷し、うち9人は重傷である。死者のうち6人は外国人であっ
た。爆発物は喫茶室で破裂した。急進派パレスチナ人組織ハマスが
犯行声明を出した。この事件は国際的に激しい非難を受けている。
オーストリアの政治家は差し当たり静観している。イスラエル政府
は、パレスチナ自治政府の改革を遅らせるために、イスラエルに対
する攻撃を鼓舞しているとして、パレスチナ大統領ヤセル アラフ
ァトを非難している。一方、パレスチナ自治当局は、この攻撃を非
難すると同時に、イスラエルに責任があると発表した。この攻撃の
少し前には、イスラエル安全保障閣議は、パレスチナ人による自殺
攻撃阻止の計画を承認した。

     国内ニュース

新営業法で新たな自由実現

8月1日に新営業法が発効する。当初数週間はこの法律による変化
は少ないと見られるが、新法は営業関係者に新たな権利と自由を認
める。もっとも重要な変更は、取引に関するものである。商店を開
くためには、今後は資格証明書を必要としないことになる。助成を
求める人だけが、企業家調査書を提出しなければならない。そのほ
か食料品販売店は、一定の数の客に対し、ビール、コーヒー、食べ
物を提供できるようになる。


8月1日(木)

     国外ニュース

イタリア上院 問題の裁判所法承認

イタリア上院は木曜午後、与党の中道右派連合の賛成で、議論にな
っていた裁判所法を承認した。これで大統領シルヴィオ ベルルス
コーニが有利になる可能性がある。野党は抗議して、投票に加わら
なかった。また、ベルルスコーニに反対する人たちは、上院の建物
の外で、裁判を別の裁判所に映して行なうことが容易にできるよう
になるこの法案に反対する、強い声を上げた。ただしこの法案には
下院の承認が必要で、下院は夏休み後の9月にようやく再開される。
この法案をめぐっては、ベルルスコーニ陣営と中道左派陣営が激し
い議論をくり返し、再三野次で中断された。

     国内ニュース

迎撃戦闘機の国民発議 予定より好調

迎撃戦闘機購入に反対する国民発議の中間報告が発表された。まず
まずの進行状況である。発議者のフーシにが批判した夏の時期にも
かかわらず、国民発議の署名集めでは上位10位に食い込めるほど
の情勢である、とラジオが報じた。迎撃戦闘機購入の拒否は、東西
で意見の違いがある。


8月2日(金)

     国外ニュース

欧州安保協力機構 ロシア・グルジアの緊張に警告

欧州安全保障協力機構は、グルジアとロシアの国境地域で先週勃発
した紛争の後、両国間の緊張が高まらないように、との警告を発し
た。同機構会長のアントーニオ マルティンス ダ クルスは金曜
日、両国に対しカフカス地域でこれ以上対立が激化しないように歩
み寄り、政治的に対立を解決するよう要請した。同機構の監視員の
情報によれば、ロシアはチェチェンとの国境の南のギレヴィ周辺の
グルジアの領内を爆撃した。ロシア政府がチェチェン反乱勢力が潜
伏していると主張しているグルジアのパンキシ谷の状況は、危機的
である、とロシア落下傘部隊の司令官シュパックは語った。週末の
国境地域での戦闘では、ロシア兵8人、反乱勢力十数人が死亡した、
とロシア軍は発表した。グルジア大統領エドュアルト シュワルナ
ゼは、ロシアの軍事力公私による間接的な脅威を、宣戦布告である
と評した。

     国内ニュース

社会保険 対抗措置をとると圧力

個人企業被雇用者労働組合会長ハンス サルムターは、政府が社会
保険に干渉するのであれば、労働組合は全力をつくして抵抗する、
と脅しをかけた。自由党が社会保険組合に対して攻撃を加えている
が、サルムターはこれを労働組合に対する「あからさまな攻撃宣言
」である、と新聞に語った。ケルンテン州首相イエルク ハイダー
(自由党)は、自治制度を見直し、就業体系に全面的に介入するべ
きだ、との意見を表明したのに対し、サルムターは、自由党は最後
には社会保険は政府の案件ではないことを受け入れなければならな
くなる、と語った。


8月3日(土)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

イタリアでアル カイダと見られる人物逮捕

イタリア警察は、アル カイダと関連があるとみられる武器商人を
逮捕した。36歳のケニア人サンジヴァン ルプルアを、北イタリ
アのミラの近郊クレモナで金曜日にベルギーの偽造旅券を持ってい
たため逮捕した、と警察広報は発表した。彼は疑惑の文書を持ち歩
いていた、とのことである。国際秘密諜報期間がこの逮捕には加わ
っていた、とのことである。彼は2月にはベルギーで犯罪組織に加
わっており、偽造旅券を持っていたため逮捕され、後に保釈金を払
って釈放されていた。その直後彼は国外にでた。国連は昨年、リベ
リアに対する武器輸出禁止措置を無視している、として彼を非難し
ていた。

     国内ニュース

ウルミッツアー ガオク非難を強める

ラインハルト ガオクは1992年にケルンテン州の政治家収入新法
に関する話し合いで、自らの利益になるように介入を行なった、と
国民党のゲオルグ ウルミッツアーは語った。この政治家収入新法
は、他の仕事をしていた時期を年金を得るのに必要な期間に算入す
る期間を延ばすものであった。ウルミッツアーは雑誌で、「州議会
議員であった時期を算入できるようにするのがガオクの望みであっ
た。当時「ガオク法案」という名称でこの法案は取り扱われていた」
と語った。


8月4日(日)

     国外ニュース

ラマラで再びテロ攻撃

深夜過ぎにラマラの北でテロ攻撃があり、イスラエル人2人が死亡
した。ラジオ報道によれば、犠牲者の車が別の車から銃撃を受けた、
とのことである。西ヨルダンランドのユダヤ人入植地近くで起こっ
たこの事件の責任は急進派パレスチナ人にある、とされている。夜
には1万人以上のハマス支持者がガザで、昨日のイスラエルのバス
に対する自殺攻撃のお祝いをした。

     国内ニュース

外来診療費 差し押さえ通知で混乱

外来診療を受けた数万人がここ数日で不愉快な郵便物を受け取る。
それは健康保険組合の通知の手紙で、その中で彼らは7日以内に昨
年未払いだった外来診療費を支払うよう求められ、そうしなければ
この金額が差し押さえを受ける、と記されている。昨年の約140万
件の約4分の1にあたる支払いがまだ行われていない。支払い命令
に対して4週間に以内に異議の申し立てが行なえる。健康保険組合
は、今のところどのようにして取り立てを行なうかははっきりして
いない、としている。


今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system