11月25日〜12月1日のドイツのニュース



11月25日(月)

ノルトライン・ヴェストファーレン州FDP メレマンに最終通告

(ドュッセルドルフ)ノルトライン・ヴェストファーレン州自由民主党の幹部は、
元同党副党首ユルゲン メレマンに対する連邦同党首脳部の最終通告を支持してい
る。同党首グイド ヴェスターヴェレはテレヴィで、同州同党幹部は、党首脳部の
決定に拍手で賛意を表した、と述べた。首脳部はメレマンに対し、1週間以内に離
党せよ、さもなければ追放手続きを開始する、との最終的な要求を突きつけてい
た。ヴェスターヴェレはさらに、会計主任ギュンター レクスロートが提出した監
査報告書によれば、メレマンは問題の選挙専用のビラを偽装した資金で作成しただ
けでないことが明らかになっている、とも述べた。1999年と2000年にも同州自
由民主党の口座では違法行為が行われていた、とのことである。

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イスラエル ミサイル配備を希望

(ベルリン)イスラエルは、ドイツに対しペイトリオット型地対空
ミサイルの配備を要請した。この要請は今後検討される、と国防省
は発表した。「ヴェルト」紙はこの要請があったと以前に報道して
いた。同紙によれば、イスラエルは同ミサイルで、予想されるイラ
クのミサイル攻撃から防衛をすることを求めており、米国がイラク
攻撃をした場合、イスラエル政府はイラクが同国を攻撃すると見て
いる、と報じていた。

国連武器監視団 水曜日に活動開始

(ニュー ヨーク)イラク政府が国連を避難する中、同国の大量殺
戮兵器の調査は予定通り水曜日に始まる、と団長ブリクスは安保理
で語った。監視団の装備の検査は終了し、すべての準備は完了して
いる、1ヶ月半の猶予期間があるが、調査は武器監視に関する国連
決議採択後19日目には始める、と彼は語った。イラク政府は国連
事務総長アナンに宛てた書簡の中で、安保理はだますような行為を
行なった、と非難した。一方武器調査団はバグダッドに到着した。

外相 アフガニスタン再建に協力を求める

(タシケント)独外相フィッシャーは世界各国に対し、アフガニス
タン再建をないがしろにしないよう呼びかけた。同国の治安状態
は、タリバン崩壊後1年も困難を極めており、再びテロの温床とな
らないことが重要である、と彼は述べた。彼はウズベキスタンの首
都タシケントで政治会談を行った。火曜日にはカブールに到着する
予定である。カブールでは彼は大統領カルザイと国連特別大使ブラ
ヒミと会談する。今回の訪問は、12月2日にボン近郊のペータース
ベルクで行なわれるアフガニスタン会議の準備のためである。




11月26日(火)

連邦政府 イスラエルを地対空ミサイルで支援の方針

(ハンブルク)イスラエルがペイトリオット型地対空ミサイルの提供を求めている
のに対し、連邦政府はその要望に応える方針である、と新聞が報じている。イスラ
エル政府が安全確保を必要としているなら、ドイツは適切な時期に支援を行なう、
これは歴史的勝つ道徳的な義務である、と連邦首相ゲアハルト シュレーダーは
「ツァイト」誌に語った。社会民主党と緑の党内部では、以前から広い支持が得ら
れそうな情勢であった。キリスト教民主、社会同盟と自由民主党も、ミサイルの提
供に賛成している。イラク戦争が始まった場合に米国がドイツに支援を求める提案
に対しては、国防大臣ペーター シュトゥルックは、政府はまもなく回答を行な
う、と予告した。ただし米国政府の要望には不明確な点があるため、会談が必要
だ、とも語った。

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イスラエル軍 パレスチナ人5人を殺害

(ガザ市)パレスチナ側の情報によれば、イスラエル軍は5人のパ
レスチナ人民兵を殺害した。西ヨルダンランドのジェニン難民収容
所の家1軒を同軍が追撃弾で爆撃した際、ファタハのアル アクサ
旅団の隊員1人が死亡した。ガザ地区ではイスラエル兵が、同地区
のラファのユダヤ人入植地に入り込もうとしたパレスチナ人1人を
射殺した、との情報がある。その他パレスチナ人民兵2人が、ラフ
ァ近郊の別の入植地でイスラエル兵と銃撃戦を行ない、死亡した、
とのことである。

ドイツ アフガニスタン支援

(カブール)外相フィッシャーは、ドイツはアフガニスタン再建を
今後も精力的に支援していく、と述べた。カブールを短期訪問して
いる彼は、ドイツは同国保護部隊ISAFを増強する、これはトルコ
軍が6ヶ月間取っていた指揮権を、来年2月にドイツとオランダが
引き継ぐためであるとも語った。同国大統領カルザイはドイツ軍の
駐留延長を求めていたが、これを彼は拒否した。フィッシャーはカ
ブール訪問を終え、ウズベキスタンを経由して木曜日にはベルリン
に戻ってくることになっている。

メレマン献金疑惑 強まる

(ベルリン)自由民主党連邦会計主任レックスロートは、辞任した
ノルトライン・ヴェストファーレン州同党首メレマンをめぐる献金
疑惑で、新たな重大な非難を行なった。調査の結果、献金の操作が
発覚し、これは政党法違反であることが確認された、と彼は述べ
た。ドュッセルドルフ検察は、メレマンに対する背任で捜査手続き
を開始することを検討している。当局はすでに政党法違反での捜査
を開始している。自由党連邦幹部と同州同党連合はメレマンに対
し、来週月曜までに離党するよう求めており、離党しない場合には
追放手続きをとる、と予告している。




11月27日(水)

ドイツ イラク攻撃の際の上空通過権を米国に認める

(ベルリン)ドイツは米国と他のNATO諸国に対し、イラク攻撃の際の上空通過及
び通過は認めるが、軍事的な支援は認めない方針である、と連邦首相ゲアハルト 
シュレーダーはベルリンで語った。米国からの核、生物、化学兵器並びに地対空ミ
サイルの照会を、連邦政府は拒否する、とも語った。国防省が認めたところでは、
イスラエルは道義上の理由から、防空用のペイトリオットと装甲を施したフクス輸
送車を同国民の保護のために提供するように求めている。首相シュレーダーはすで
に、誤って同じ名前を持つ追跡用戦車について語っていた。

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国連査察団第1陣 順調に活動中

(バグダッド)国連武器査察団は、イラクでの第1回調査が上手く
行なわれた、と発表した。査察団はバグダッド近郊の武器製造工場
の敷地と、バグダッドの西70キロにある黒鉛工場を調査した。国
連によれば、イラクは査察団に、摩擦なく協力している、とのこと
である。

国連 アフガニスタン部隊の駐留延長

(ニュー ヨーク)国連安保理はアフガニスタン保護部隊の委任統
治を1年間延長した。またドイツとオランダが共同で6ヶ月間、同
部隊の指揮権を担当する準備を進めていることを歓迎した。連邦政
府によれば、ドイツから参加する兵の数は現在の1,280人から2千
人に増員される。

首相 反対派と対決姿勢

(ハンブルク)産業が低迷し、税収に穴が開き、支出削減を求める
ロビイストの抵抗を受けている、首相シュレーダーはより厳しい対
策をとる、と語った。彼は新聞に、労働市場および健康保険政策
で、すべての利益集団と対決していく、と語った。変化の激しい世
界の経済状況下で福祉国家を守ろうとする人は、要求を撤回しなけ
ればならないし、これが自由意志に基づいて行なわれないのであれ
ば、政府がそれを強いなければならない、とも述べた。




11月28日(木)

ケニアでイスラエル人襲撃

(ナイロビ)東アフリカのケニアで、イスラエル人に対する2件の重大な襲撃が発
生した。港町モンバサ近郊にある、イスラエル人観光客が滞在するホテルに対する
自殺攻撃が起き、警察の情報によれば、犯人3人を含め15人が死亡した。彼らはホ
テル「パラダイス」の入り口に四輪駆動車で突っ込み、車内で爆発物に点火した。
犠牲者のうち3人がイスラエル人で、9人はケニア人であった。80人以上が負傷し
た。これとほぼ同時に、何者かがモンバサを出発するイスラエルの飛行機に向け、
ミサイル2発を発射した。犯人達は目標を外した。同機には乗客264人と乗員11人
を載せており、テル アヴィヴに無事に着陸した。ケニア警察は、この事件に関係
したとして、アラブ人2人を逮捕した、との情報もある。
ケニア副大統領ムサリア ムダヴァディは、イスラム急進派ウサマ ビン ラディ
ンのテロ組織アル カイダがこの攻撃に責任がある可能性がある、と述べた。
ベイルートでは今まで名前が知られていなかった組織「パレスチナ軍」が犯行声明
を出した。

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攻撃を受け イスラエル人6人が死亡

(エルサレム)最新情報によれば、急進派の武装パレスチナ人が、
北イスラエルのベイト シェアン市で、イスラエル人6人を殺害し
た。犯人2人は首相シャローンのリクード連合の選挙事務所近くの
バス停で、通行人に向け機関銃を発射し、手榴弾を投げつけた。パ
レスチナ大統領アラファトの組織ファタハに近いアル アクサ旅団
が犯行声明を出した。アラファト率いる自治政府はこの犯行を非難
した。西ヨルダンランドのヘブロンでは、パレスチナ人とイスラエ
ル軍が、4歳のパレスチナ人の子供の死の責任は相手にある、とお
互いに非難しあった。パレスチナ側は、子供を射殺したのは兵士で
ある、と主張した。イスラエル軍は、この少年はパレスチナ人が投
げた手榴弾で死亡した、としている。

シャローン 総選挙でリクード連合の筆頭候補となる

(エルサレム)イスラエル首相シャローンは、国会議員の予備選挙
に、与党リクード連合の党首として臨むことが認められた。これに
より彼が、1月28日に前倒しで行なわれる総選挙の筆頭候補とし
て、同党を率いることになる。テレヴィ局は、シャローンは61%の
支持を受けており、37%の支持がある最有力の対立候補の外相ネタ
ニヤフを押し切る、と予想している。世論調査によれば、保守派の
リクード連合は、1月の選挙では最大政党となり、それにともない
再び与党になる可能性がある。

外務省 ケニア旅行に注意を喚起

(ベルリン)モンバサでのテロ攻撃事件を受け、外務省はケニアへ
の旅行の安全確保のための指示を強化した。同国旅行のはっきりし
た警告は出さないが、必要でない旅行は思いとどまるように、と外
務省報道官は語った。11月13日にはすでに、ケニアでの襲撃事件が
起こる危険性が高まっていることが示されていた、とも述べた。ド
イツ旅行業界の代表は、旅行者がケニアから帰国しなければならな
い事態ではない、と発表した。内相シリーは、国際テロが起きる危
険がある、と警告したが、ドイツの飛行場は十分監視が行き届いて
いる、とも述べた。




11月29日(金)

連邦参議院 改革案凍結

(ベルリン)連邦参議院はキリスト教民主、社会同盟の賛成多数で、重要な連邦議
会の改革計画を一時凍結した。社会民主党と緑の党の労働市場、健康保険及び年金
制度の緊急改革計画、環境税拡充計画は、木曜日から両院協議会で検討される。産
業・労働大臣ヴォルフガング クレメントは野党キリスト教民主、社会同盟に、改
革案の実施で建設的な方向に協力するよう求めた。彼は失業との戦いには、一致し
て努力するよう求めた。

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公務員賃上げ凍結で合意成立せず

(ベルリン)各州首相は、公務員の賃上げ凍結に一致して抵抗する
ことに、合意しなかった。ベルリン市長ヴォーヴェライトが持ち出
したこの提案は、賛成を得られなかった、とは連邦参議院筋からの
情報である。その主たる理由は、ニーダーザクセン州とヘッセン州
での州議会選挙が間近であると言うことであった。労働組合ver.di
は、たとえばゴム焼却場や近距離交通の分野で、クリスマス前に警
告ストライキを計画している。

購買者保護相 遺伝子組み替え食品の規制強化を歓迎

(ベルリン)購買者保護相キューナストは、遺伝子に手を加えた食
品及び飼料の表示義務の強化を歓迎した。EU各国の農相の合意は、
購買者と農業にとって画期的である、これによって伝統農法と遺伝
子組み換え製品の選択の自由がしばらく可能になった、と彼女は述
べた。ブリュッセル合意によれば、遺伝子に手を加えた成分を
0.9%含んでいる食品は、今後は遺伝子製品と表示しなければなら
なくなる。

ケニアで容疑者2人解放 最高の警戒発令

(モンバサ、エルサレム)ケニアでのテロ攻撃に関連して逮捕され
た容疑者2人が解放された。米外交官の情報によれば、逮捕された
男女の発言が調査で正しいと確認された、とのことである。これで
警察に拘留されているのは10人となった。モンバサの警察署長は、
この10人の容疑も揺るぎないものではないが、調査を続けるに足
る情報がある、としている。イスラエル首相シャローンは、16人
が死亡した2件の襲撃事件の報復を行なう、と予告した。独内相シ
リーは、ドイツには直接の危険はない、と語った。月曜日からボン
で始まるアフガニスタン会議にむけ、最高度の警戒措置がとられ
た。




11月30日(土)

独・イスラエル 軍事物資をめぐり会議

(ベルリン)ドイツとイスラエル政府の代表者は来週ベルリンで、ドイツの軍事物
資を提供して欲しいとのイスラエル要請に関して、話し合いを行なう。その席では
ペイトリオット型地対空ミサイルの提供が取り上げられる、と国防省報道官は発表
した。一方彼は、ドイツのフクス型輸送用装甲車の提供も取り上げられる、との新
聞報道を認めようとはしなかった。この装甲車は、攻撃用にも使用可能であるた
め、連立与党内部でも異論が出ている。それとは異なり、ペイトリオット・ミサイ
ルは、イラクによるイスラエル攻撃が行なわれた場合に投入される防衛用の武器で
ある、と見なされている。

     その他のニュース

ドイツ兵 国連武器査察団を支援

(ベルリン)国防軍は約40人の兵士が、国連のイラク武器査察団
の支援のために派遣準備をする方針である。国防省の情報によれ
ば、兵士達は無人偵察機の操縦を行なうことになっている、とのこ
とである。この無人偵察機いわゆる雄ミツバチは、国連から要請が
あったもので、兵士としてではなく、国防軍をやめてイラクに行く
もので、公式には民間監視団と言うことになる、と国防省は強調し
た。

武器査察団 イラクに真実を明かすよう要求

(バグダッド)イラクの大量殺戮兵器公表期限を1週間後に控え、
国連武器査察団は同国に絶対真実を述べるように求めた。ささいな
食い違いでも、重大な結果を引き起こす、と国際核エネルギー機構
会長モハメド エルバラデイは語った。また査察団は仕事を続行し
ている。3箇所の施設を訪れた。彼らの仕事は、国連安保理の決定
に基づいて行なわれている。一方米国は、イラクが核、生物、化学
兵器を所有している、あるいは製造できる状態にある危険性を封じ
るために、戦争を行なうと脅した。また米国は来週、外務政務次官
グロスマンをは欧州の同盟国に派遣する。

国防軍の大削減計画

(ベルリン)国防軍は武器の全分野で大幅な削減を計画している模
様。新聞報道によれば、統合幕僚長シュネイダーハンは、政府に対
し、今まで公表してきた削減以上に支出を抑える方針を提案した。
たとえば、軍はティーガー型戦闘ヘリを今まで予定していた212機
ではなく、80機だけ保有することになる。軍輸送車、戦闘機、高
速艇、ミサイルも削減対象になる。国防省は削減数を確認しようと
はしていない、とのことである。一方ザールラント州社会民主党
は、兵役義務と非軍事役務の撤廃を社会民主党の州連合としては初
めて要求した。ノーフェルデン・ボーゼンで開かれた党大会で、同
党は最長10年の任期の職業軍人による軍を提案した。




12月1日(日)

ノルトライン・ヴェストファーレン州自民党 党首選挙

(ドュッセルドルフ)ノルトライン・ヴェストファーレン州自由民主党は、アンド
レアス ピンクヴァルトを、資金疑惑で辞任した党首ユルゲン メレマンの後任に
選んだ。彼は連邦議会議員で、今まで同州同党首代理を務めており、3人の対立候
補を破った。自由民主党党首グイド ヴェスターヴェレは、同州連合に対し、メレ
マンとは完全にたもとを分かつように求めていた。ドュッセルドルフで開かれた特
別党大会で、彼は400人の参加者を前に、メレマンの活動を何もせず傍観してい
た、と非難した。演説者の中には、メレマンの献金および選挙用ビラ疑惑を完全に
解明するまで、とうからの追放手続きを行うべきでない、と述べたものもいた。

     その他のニュース

国防軍 大幅な支出削減

(フランクフルト アム マイン)国防相シュトゥルックは、来年
国防軍は、約60億オイロの支出削減を行う、と新聞が報じている。
それによれば、大型輸送機73機の購入を約束していたが、うち60
機のみを購入し、新型戦闘機の調達も大幅に減らすことになってい
る。また陸軍はヘリと戦車の購入を、海軍は護衛艦、高速小型護衛
艦、潜水艦購入を断念した。この支出削減で、前任国防相シャルピ
ングが行なおうとしていた国防軍改革と決別することになる、と軍
幹部の言葉を伝えている。

社民党 「国は支出に前向き」

(ベルリン)社会民主党会派長ミュンテフェリングは、国内の景気
の回復のための国民の負担軽減よりも、国の税収安定を重視してい
る。新聞のインタヴューで彼は、交通、学校、病院などの基盤整備
拡充のために、投資が必要であることをその理由としてあげた。付
加価値税の全般的な増税は行わないが、特定の目的のために、時間
を限って増税を行なう可能性はある、とも述べた。

緑の党党首 「調査委員会設置は政治文化に対する打撃」

(ベルリン)緑の党党首ロートは、キリスト教民主、社会同盟が進
めている「選挙の欺瞞」調査委員会の設置計画を厳しく非難した。
彼女は、選挙公約を裏切った場合には、5年間の禁固刑があらかじ
め定められるのであれば、それは「政治文化に対する打撃」であ
る、と語った。彼女は、社会民主党と緑の党の連立政権は開始当初
から大きな困難を抱えていることを認めた。連立相手の社会民主党
に向けて彼女は、社会保障制度の全面的な改革に関して、緑の党は
長期にわたって要求を出し続ける、とも予告した。



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